響だよ(中身別人)、その戦いぶり(近接が主)から不死鳥(捨てられた小鳥レベル)の通り名もあるよ   作:ヴェルヌイ

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前回の内容を見直すのも日常茶飯事になってきました。
最近ダンスにハマっていてそれで投稿が遅れたのは自業自得です、ごめんなさい。

P.S ヴェールヌイとケッコンカッコカリしました


爆ぜし一撃、海色に融けて【精神side】

戦艦武蔵が駆逐響鬼との戦闘箇所に到着したその頃、響の中の人になっていた主人公はというと…………………

 

 

 

 

 

「ひび……き…………?」

 

「そうだよ。私は響、君が動かしてる体の響だよ。尤も今は君と深海棲艦に体を乗っ取られてどうしても表面に出れない精神体としてしか存在できないけどね。」

 

「お、俺のせいか…………………すまん!!」

 

「大丈夫だよ。君のやり方には凄い興味が湧く。まさか深海凄艦に対して接近戦を仕掛けるなんてね。今でも艦ってなんだろうと考えさせられるよ。」

 

「それは……………砲とか無かったしそれしか思い付かなかったし。」

 

「……………………ふふ、君は本当に面白いね。名前を聞かせてもらってもいいかな?」

 

「あ、あぁ。俺の名前か?俺は………………………あれ?なんだっけ?」

 

「……………………そうか、君も…………………」

 

「君も?どういうことだ。」

 

「君はまだ名前が思い出せないだけで自我はまだ持っている。だから私から忠告しておく。その症状は君だけじゃない。他にもこの世界の何処かに必ず同じ症状が出ている人がいる筈だ。その人を探せとは言わない。だけどね。これからその症状はどんどん悪化して、いずれは君の意識さえも私の身体に取り込まれて完全に消滅するだろう。だから………………」

 

一瞬響が言い淀む。それを怪訝に思った青年は響に問いかけた。

 

「だから、なんだ?」

 

「…………………私がこの身体から出ていけばいい。」

 

「……………………………………………は?」

 

「そうすれば君は記憶をこれ以上失わずに済むし、もしかしたら名前も思い出せるかもしれない。」

 

「まっ待て!そしたら響はどうなるんだ!?」

 

「私は………………このまま跡形も無く消滅するかもしれないし、もしかしたら別の響となって復活するかもしれない。」

 

「そんな………………そんなリスクのある行動、やらせるわけにはいかねぇ!俺の記憶なんぞどうなってもいい!!響が無事ならば俺なんて消えてしまっても構わない!既に一度死んで………………………死んで?」

 

記憶の引き出しがガタガタと音を立てながら開き始める。

 

 

有名ファーストフード店からの帰り、コンビニの前で騒ぎがあり、何かと思って野次馬に混ざって見ているとどうやら強盗が出たようで、手には刃渡り15cm程の包丁が。

すると警察に囲まれた強盗は気が狂ったのか、包丁を振り回しながらこちらに走ってきた。周りの野次馬がバッと散った。しかし自分だけ逃げ遅れ、気づけば心臓には鈍く光る包丁と辺りに飛び散る紅い花、そしてそこから意識は闇へと引かれていったのを思い出した。

 

 

「あ、あぁ…………………俺は………死んだのか?」

 

「…………………まぁそうだろうと思ったよ。だって………………」

 

「な、なんだ?」

 

「君、生命力を感じないから。」

 

「………………………は?」

 

「恐らくだけど今回私の身体が深海凄艦に奪われたのはそれが原因かな。魂だけの存在と化し、生命を感じさせなくなった君の不安定な魂につけこんで中身から深海凄艦に変えていったんだ。まるでウイルスのように。でも私は君の魂が壊れないように必死に守った。襲い来る大量の深海凄艦から君の魂を守ったんだ。でもね、いずれは限界が来た。倒れ伏す私の目の前で君の気を失っていた君の魂はどんどん侵食されていった。どんどん白い魂は黒に染められて、傷ひとつなかった表面はどんどんひび割れていった。」

 

「それは……………………俺が何かに食われて海中に引きずりこまれて気を失った時か。」

 

「多分そうだね。それで私は一つの手段に出たんだ。それはね、私が君が受けたダメージを受けとるということだ。」

 

「そんなことが出来るのか?」

 

「理論上不可能ではない。魂は固体じゃないからね。その事自体は水を別の容器に移す様に簡単だ。だけどそれをする覚悟がいる。」

 

「覚悟って……………………まさか!?俺が受けたダメージを全部取ったのか!?」

 

「そうだよ。そうすれば君は助かるからね。」

 

「どうしてそこまで………………………」

 

「どうして?当たり前じゃないか。だって君は……………………私とケッコンしてくれたじゃないか。」

 

「……………………………………………………へ?」

 

「だから、ケッコンだって。」

 

「………………………………………まさかヴェールヌイ、いやヴェルか?」

 

「やっと思い出してくれた。そう、私はヴェル。君の妻だよ。カッコカリだけどね。」

 

「そうか…………………何故俺は今まで忘れていたんだ……………………心から愛していたのに何で…………………」

 

「それもそうだよ。私と一体化していくんだから私への愛情は消え、それにともないケッコンの記憶も消滅するから。」

 

「そうか………………………よし。」

 

「? どうしたんだい?」

 

「俺はヴェルに何回も命を救われた。なら次はこっちが響を守る番だ。」

 

「え?一体何をする気?」

 

「ケッコンの事を思い出して更に決心がついた。やっぱり俺の魂が消えようとも響だけは助ける。響だけはリスクを背負わせねぇ。」

 

「だ、ダメ!」

 

「…………………………響は俺の事が好きで守ってくれてたんだろ?じゃあ俺も同じだ。」

 

「え?」

 

「俺だってヴェルのことが大好きだ。だからな、俺も響と離れるのは嫌なんだ。記憶が消えようとも自我が消滅しようとも、響と一緒ならそれでもいい。電子体ではなくこうやって目の前に触れて、抱き締める事ができる響がいるんだからこれ以上求めるのは我が儘ってもんだろう。」

 

「………………………ふふっ、あはははははは!!」

 

「ちょ、どうして笑うんだ。」

 

「いや、君からそんなことを言ってもらえるなんて思わなかったから…………………」

 

「………………ふっ、そうか。まぁとりあえず俺は響をどっかに行かせるつもりも無いし、更に言えばここから記憶を失うつもりもない。俺はヴェルも自分も守る。守られっぱなしじゃ男の顔も立たねぇからな。」

 

「ふふ、君は本当に面白いね。」

 

「そうか、好きな人を守ろうとするのは普通だと思うけどな。」

 

「なら……………………頑張って。ここから出るには外からこの精神を覆う肉体を一度沈めるか、内部から脱出するしかない。」

 

「一度沈めるのか。この世界の艦娘の強さが分からない以上期待しない方がいいな。ならこちらから脱出する方がいいかもしれねぇ。」

 

「そうだね、私もずっと外に出れなかったし、君もあまり艦娘に構わなかったしで強さが分からない。なら待つよりこっちから殻を破った方がいいよね。」

 

「そうだな………………………ってどうやって脱出するの?」

 

「え?」

 

「え?」

 

「…………………………………さぁ?」

 

「おい。」

 

「いやだってここから出ようとしたことなんて一度もないから…………………」

 

「え?」

 

「え?」

 

「……………………それでいいの?」

 

「だって君と一緒なら別にいいし、いつもはこんな真っ暗空間じゃなくて元の君の部屋みたいな場所だし。」

 

「あっ!羨ましい!俺が腹貫かれたり焼き餅(物理)になってたりしてるときに菓子とかジュースとか飲んでたのかよ!」

 

「ご馳走さまでした。実に美味しかったです。」

 

「ヴェルお前……………………まぁいいや。代わりにちょっと眠くなってきたから膝枕して。」

 

「ふふ、仕方ない。勝手に色々食べちゃったお詫びに私特製膝枕をご賞味あれ。」

 

「よっこらせ………………………………あぁ、最高だわ。」

 

「そうかい?ありがとう。」

 

「これならすぐ寝れるわ……………………おやすみ」

 

「うん、おやすみ……………………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………………はっ!?」

 

目が覚めると知らない天井だった。身体は元の響に戻っており、さっき(?)とのギャップで体がぐらぐらする。周囲にはもう響はおらず、一瞬嫌な想像が脳裏を過るが、次の瞬間そんな考えは何処かに吹っ飛んでいった。

 

 

『私はいつでも君を見守っているよ。安心して、これからは絶対に沈ませないし、悲しみや悔しさは私が一緒に背負ってあげる。だから安心して。いつか本当に会える日まで………………………』




書き始めから書き終わるまで3日、執筆速度遅くなったなぁ
それと足の骨にヒビが入ったり、副鼻腔炎になったり。やっぱり呪われていると思う。

P.S 北上さんとケッコンカッコカリしました
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