響だよ(中身別人)、その戦いぶり(近接が主)から不死鳥(捨てられた小鳥レベル)の通り名もあるよ 作:ヴェルヌイ
神よ、響の姿になって近接武器を作る羽目になるとは思わなかった
「……………こんなものか。」
俺は今、森の中で見つけた民家のリビングを掃除し終え、元々埃をかぶっていたソファに腰掛けている。
ボロボロなのもあるだろうが、安いソファなのか座り心地は中々に悪い。これなら床に座った方が…………
「……………硬いしゴツゴツしてる」
そうでもなかった。これならやっぱりソファの方がまだマシである。
「さて…………これからどうしようか?」
次の課題だ。次は食糧問題、つまり食べ物を探す。見たところ自然豊かな場所だから動物や木の実は有り余るほどある筈だ。ほら、そんな事言ってる合間にも山の頂上辺りから吠え声が聞こえてくる。きっと狼やらがいるんだろう。気を付けねば。
安全を求めるのならそこらに自生してる木の実を収穫し、チビチビと食べるのがもっとも安全だろう。だが果たして木の実で腹が脹れるだろうか?答えはNoだ。いくら響の体が小さくて大人に比べれば必要なエネルギー量が少ないと言えど木の実だけじゃあ…………あっ。
「そうだ……大事な事を失念していた…………」
この体は響、イコール艦娘なのだ。つまり必要なエネルギーに燃料や鋼材も含まれる可能性があるのだ。
しかし燃料は民家にあるガソリンで代用できるかもしれないから兎も角、鋼材なんぞこんな辺鄙な島にあるはずがない。
……………とりあえずは燃料や鋼材は船としての活動で必要と仮定して、陸上で動いたり怪我したりする分には普通の人間としての体力や血液が消費されるだけだろう。そう祈りたい。
話を戻そう、安全を求めるなら木の実。なら効率を求めるのなら?
単純である。動物を狩ったり魚を釣ればいい。そうすれば数日間は食料に困ることはない。ほら、某コンビで活動してるあの芸人も海に潜ったりして自給自足3泊4日ほどしてたじゃないか。あれの延長と考えればいい。
しかしそれでも問題が発生する。
この体でどこまで獣に対抗できるか、だ。最悪肉食生物にペロリされてしまう可能性もあるが、それでも肉を食わず野菜だけ食っていれば艦娘だろうといつか死ぬ。
「……………やっぱり近接戦闘用の武器は必須だ。」
そしてこの結論に至る。これからを見通して、いつかはここを出てどこかの鎮守府にも行かねばならないだろう。その時海上で深海棲艦と出くわすかもしれない。その場合砲も持たずに戦いになった場合どうなる?簡単だ、すぐに海の藻屑と化すだろう。それを避けるためにも深海棲艦に有効そうな砲を作れない今、まずはこの体に艤装と認められるような武器を作る事が先決ではなかろうか?
幸い、形状は決まったも同然。鏡を見た時自分の姿に違和感があったのだ。それが今分かった。
そう、今の響は持っているはずの錨(いかり)が無いのだ。多分どっかに落としたか元々無かったか……………だがこれは好都合、完成形響になるために錨も作ってしまおう。
流石に鉄を溶かしたりなどの技術や道具は持ち合わせていないので石で作ろうと思う。
さて、いつ完成するかな……………
「ふぅ、これならまぁまぁだね。」
あれから約1日経った。成果といえば地面からせり出していた黒い岩だか何かを頑張って破壊し、それを15時間ぐらいかけて加工したのだ。
そうそうこの黒い鉱石?これは少し特殊な物質で突然の衝撃に対しては驚愕的な硬度を誇っていた。お陰で何本もの木のツルハシが犠牲になった。そしてゆっくりと削ればなかなか簡単に削れていく。のこぎりなどがいいだろうか?
そしてできたのが全体的に響の持っていた錨とは違い、真っ黒でいて独特の光沢を持っている錨ができた。持ち手には手が擦りきれないように民家にあったボロボロクッションから剥ぎ取った綿を巻きつけている。それでいて滑りにくいのが良いポイントだ。
こうして持ち手はふわふわ、攻撃力は絶大(笑)という最強(大爆笑)の近接武器が完成した。これでこの島を脱出する第一歩が踏み出せた訳だ。
艦これで近接戦闘って………長門さんじゃあるまいし。
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