響だよ(中身別人)、その戦いぶり(近接が主)から不死鳥(捨てられた小鳥レベル)の通り名もあるよ 作:ヴェルヌイ
イ級との戦闘後、俺は一度自宅に戻り加工用具を持って再度砂浜に戻っていた。
今から何をするのか、それはイ級の装甲を加工して新たな武器として活用するためだ。
死んだ後のイ級の装甲を手で叩いてみると中々に硬い。駆逐級とは言え、やはり並みの物質より数段も硬い。
だが頑張れば加工する事も出来るはずだ。
それとなぜ砂浜で加工するかだが、ただ単にイ級が大きすぎて運べなかっただけである。こればかりは仕方がない。
目の前にはきちんと手入れしたチェーンソーと12kgはある鉄製ハンマー、そして錨の形をした型。
さて、加工の準備は揃った。行くぜ3時間クッキング!
まずはチェーンソーでイ級の装甲部分だけを剝ぎ取る。全部剥いだ後は内部の肉らしきものを海へ還す。深海棲艦だって生き物なのだ、こうして海に還すのも誠意というものだろう。あいにく火葬はできないが。
そしてそれを全て砂浜に何故かあった溶接所に運び込む。ここはこの島の溶岩を無理やり地下から引いているらしく、物凄く暑い。だから早く作業を済ませて出たいところではある。
イ級の装甲を長いペンチで掴み溶岩に少しだけくっつける。するとあっという間に溶け始めた。
慌てて溶岩から出して型へ流し込む。そしてもう一度別の装甲を溶かして流し込む。
その後ある程度固まったものを型から取り出して一時間ほど海に付けて冷やして取り出す。すると見事にイ級の装甲で出来た錨が完成した。
やったぜ、これである程度戦え『ォォォン…………』え?
「なんだ………今の音。」
何か聞こえた。腹の底に響くような重低音、多分今のは…………
「砲撃音!」
そう艦娘か深海棲艦が砲撃した音に違いない。つまりここから音が聞こえる位置で絶賛戦闘をしているのだ。
ここは夏イベ真っ最中、今まで砲撃音が聞こえない方がおかしいのだ。敵棲地でもない限り…………という事は。
「ここって敵棲地とお隣さんみたいな存在だったんだ………」
これであんなに補給に来る深海棲艦の謎が解けた。そりゃ来るわ、こんな資源が置いてある優良物件をほっとくわけないもんな。
さて、真面目に考えるか。今が2017年だとすれば今戦っているのは多分欧州棲姫だろうか?ちょっと様子見ぐらいならいいだろうか?
そう思い、俺は今作ったイ級アンカーを手に持ち黒石(黒曜石に非ず)アンカーを腰にかける。
「さて、出発するかな。」
俺は海上に着水し、30ノットほどの速力で音が鳴ったと思われる方向へ向かった。
「くっ、なんて火力だ………!」
「長門!もう無理よ!撤退しましょう!」
「ぬぅ……!仕方あるまい…………全艦撤退!迅速にここを離れろ!」
「分かりまし…きゃあ!?」
「暁!?長門さん!暁が中破しました!」
「くっ、急げ!私が殿を務める!」
「長門!あなたも中破してるじゃない!」
「なぁに、この中で1番装甲が硬いのは私だ。殿にはぴったりだろう?」
「でも!」
「それでも、だ。いいか、陸奥。帰還中にもし深海棲艦に遭遇したら駆逐艦や軽巡の皆を守ってくれ。」
「長門!まさか………!」
「さぁ、時間がない!行け陸奥!また会おう!」
長門はそう言うとここのリーダーであろう欧州棲姫へと突っ込んでいく。
「くたばれ深海棲艦ッ!!」
「ムダナコトッ………イマ、ラクニシテアゲルワ!」
長門の砲撃が欧州棲姫へとヒットするが、大して効いた様子もなくお返しとばかりに砲撃が飛んでくる。
長門は必死に避けるが、少しずつかすり始めてしまう。
対して欧州棲姫は避け続ける長門にイラつき、砲門を別のターゲットに変更する。
避け続けた長門の表情が驚愕に染まるのを見ると気分がスカッとした。
「ココデ、シズミナサイ!」
無慈悲に発射された砲弾は真っ直ぐと撤退している駆逐艦暁へと向かっていく。
「やめろぉぉぉおおおお!!!」
長門の悲痛な悲鳴も届かず、砲弾は長門の声に振り向いた暁へと…………
暁轟沈フラグ、それとタイトルと後半が噛み合ってない