響だよ(中身別人)、その戦いぶり(近接が主)から不死鳥(捨てられた小鳥レベル)の通り名もあるよ   作:ヴェルヌイ

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響、欧州棲姫と戦う(勝ち目ゼロ)


神よ、『俺/私』に危機に陥っている仲間を救うだけの力をください

「…………あれか?」

 

俺は今海上を20分ほど駆けている。そして日が沈み真っ暗になってからようやく欧州棲姫と思われる影と、艦娘らしきシルエットが見えるようになった。

みたところ欧州棲姫はほぼ無傷に近い状態で、艦娘たちはボロボロの状態で撤退しようとしている。

 

そんな中1人の艦娘を俺の目が捉えた。

 

「あれは………暁と長月?」

 

そう、響の姉の暁と俺が前世で相当愛してやまなかった長月の姿だ。

2人ともボロボロで今にも沈みそうで怖い。

 

俺が2人の方へ近付き、加勢すると言おうとしたその時、長門と思わしき声と欧州棲姫の砲撃音、そして暁へ迫る砲弾を目が捉える。

 

気づけば暁を押し出しながら海上を転がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーーーーこほっ、ゲホッ!海水飲んだ!」

 

「え?あ?」

 

水を吐き出し周りをみると全員状況が飲み込めていない様だった。

仕方ない、一言喝を………

 

「何をしているんだ!全員私が時間を稼ぐ!早く撤退するんだ!沈みたいのかい!」

 

俺が叫ぶと全員慌てて欧州棲姫から逆方向へと逃げていく。多分欧州棲姫と戦っていた長門も悔しそうな顔で逃げて行ったのが分かった。

 

「さて、お前の相手はこの私だッ!欧州棲姫ッ!!」

 

「アハハッ!ズイブンチイサイワネェ?ソノテイドデワタシヲトメラレルトデモ?」

 

「止められるのかじゃない!止めるんだ!」

 

俺は全速力で欧州棲姫へと突っ込んでいく。欧州棲姫の砲弾が飛んでくるが、間一髪で躱し欧州棲姫に肉薄する。

そして欧州棲姫へと全力でイ級アンカーを振り下ろす。しかしそれは安易に止められ逆に強烈な拳を左の腹部に受ける。

 

「ガホッ!?」

 

肺の空気が全て強制的に吐き出され、衝撃で大きく吹き飛ぶ。

水面をゴロゴロと転がり、十数m転がった後にようやく停止する。

 

「フフフ、ヤハリアナタジャワタシノアイテニハナラナイワ。コノママシズミナサイ。」

 

欧州棲姫がその大きな砲をこちらに向ける。それに対し俺は口角を上げて笑った。

 

「残念だったね欧州棲姫。生憎私の狙いはお前を倒す事じゃないんだ。」

 

「……………ナニ?」

 

「私の目的は無事にあの艦隊を逃すこと、この目的は遂行されたね。」

 

少しだけ後ろに目線を向けるとすでに暁たちの姿は見えなくなっていた。

 

「そして次の目的は…………ここから無事に逃げおおせる事だ!!」

 

俺はスッと立ち上がると踵を返し、あの島の方向へと全速力で逃げた。今まで出した事のない、完全に限界を超えたスピードで駆け抜ける。

 

背後から欧州棲姫の砲撃とどこから出てきたのか戦艦級の砲撃も止むことなく飛んできていた。

時々至近弾が体を掠め、その度に体がボロボロになっていくがそんな事も気にせずにただひたすらに逃げた。

 

 

気がつけば出発地点であった溶接所がある砂浜に倒れこんでおり、そしてそのまま眠りにつく。風邪を引くなどとそんな事は一切気にせずに死んだように俺は眠った。

 




響、生き残る。普通なら死ぬと思うが。
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