混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E 作:グレン×グレン
そして作戦会議です。
井草が合流したのは、自分達に割り当てられた和室だった。
アザゼルとセラフォルーを上座に置き、それを囲むようにして、グレモリー眷属とシトリー眷属が着席。ニングとリム、イリナは何故か押し入れの中に入っていた。井草もとりあえず角の方に立つ。
「よし、全員来たから作戦を伝えるぞ」
そう言いながら、アザゼルは畳の上に地図を広げる。
そこに書かれているのは、二条城を中心とした京都中心部の地図だった。
「現在、二条城と京都駅を中心に、非常警戒態勢を敷いた。京都の探索を行っていた悪魔と堕天使の関係者を総動員。京都の妖怪からも腕利きを中心として集まってもらっている」
「先生。それに対して英雄派の反応は?」
未だ状況を読み込み切れていない井草は、より詳細情報を聞き出す為に質問を入れる。
その積極的な態度に、五十鈴に引っ張れて作戦に集中できないか心配していたアザゼルを含めた数人のメンバーがほっとする。
しかし、アザゼルはすぐに表情を引き締め、地図を睨む。
「現状動きは見られない。だが、京都の各所から上場に向けて、不穏な気の流れが観測されている」
「気の、流れ……なのです?」
ニングが首を傾げると、アザゼルは静香に頷いた。
「京都が術式都市なのは知ってるな。京都は陰陽道や風水を組みこんで作られていて、各所にパワースポットの類がいくつもある」
井草の観光した場所にも、それなりに在ったのだろうとふと考えてしまう。
だが、そんな事は露すらず、アザゼルは地図にその気の流れをいくつか書き込んでいた。
「とにかく、だ。それらが現在、乱れに乱れてに二条城にパワーを流し込んでいる」
「なんですかいそりゃ。戦略攻撃でもするんですかねぇ」
リムがそんな不吉な事を言ってくるが、しかしアザゼルは首を捻った。
「そんな単純なもんならまだマシなんだろうがな。ま、奴らはこの都市の気脈を司っていた九尾の狐を使って、実験とやらを開始しようとしている。そこを踏まえたうえで作戦開始だ」
そして、アザゼルの視線はまずシトリー眷属に視線を向ける。
「シトリー眷属は、万が一の為のホテルの警備だ。結界もしっかり張っているが、万が一って事があるからな」
「リーダーは私なのよん♪ いざと成ったら大暴れしちゃうから」
アザゼルの言葉を継ぎ、セラフォルーが腕をまくる。
用意できる限り最強クラスの守護者である。優先順位の問題もあるし、敵にはご愁傷様と言うほかない。
「で、グレモリー眷属とイリナに井草ハーレム」
「先生ふざけないで」
「文字数節約だ。お前達はいつも通りで悪いがオフェンス任せる。二条城に直接向かってくれ」
井草のツッコミをあっさりスルーしながら、アザゼルは難しい顔をしながら地図の上の二条城をにらむ。
「ぶっちゃけ敵戦力は未知数だ。危険な賭けになるんだが、とにかく八坂姫の救出が最優先、それができたらソッコーで逃げろ」
『『『『『『『『はい!』』』』』』』』
いつも通りに強敵とのぶつかり合いが確定しながらも、いつも通りなので気負い仕儀ない返事で答える。
その様子に苦笑しながら、アザゼルはほっとさせるように告げる。
「それと、須弥山からの助っ人を連れて、ピスも来てる。合流出来たら占めたもんだ。思う存分頼れ」
「え? 誰なんですか?」
イッセーが気になっていたようだが、アザゼルは悪戯心を出したのかニヤニヤ笑うだけだ。
「ま、間違いなく最高レベルの戦力だって事だけは約束するぜ。こっちがこの作戦で投入できる中じゃ、問答無用で最強だ」
その言葉に、井草達はセラフォルーを見る。
そこに特に反意を見せていないという事は、それぐらいの人物なのだろう。
魔王が認めるほどの強者。そんな人物が来てくれるとなると、かなり助かると言うほかない。
「……それと、こっちは悪い知らせだ。フェニックスの涙は、この作戦では二個しか支給されなかった」
その事実に、井草達は情勢が意外に悪いという事を思い知らされる。
フェニックスの涙は治癒の力において最高峰だ。今回オフェンス陣営はアーシアがいるのでそこまで酷い事にはならないだろうが、しかし自分の判断で使える回復薬は、重要ではある。
それが二個しか使えない。これは若干緩んだ緊張感を締め直すにも十分すぎた。
「とりあえず、両方の班に一つずつ渡しておく。あとは二つだけあるから、それを聞いたら作戦開始だ」
そして、アザゼルはまず匙に顔を向けた。
「匙。お前は今回オフェンス組だ。龍王の力ならグレモリー眷属にも引けを取らねえだろうしな」
「は、はい!!」
龍王ヴリトラの力を復活させた匙は、その時点で一級品レベルの戦力とみなされていた。
まず間違いなくシトリー眷属最強。それだけの力を持っているのである。
そして、アザゼルは次に視線をイッセーに向ける。
「イッセー。オフェンス班の指揮はお前に任せる」
「……え?」
思わずきょとんとするイッセーに、アザゼルは安心させるように肩に手を置いた。
「細かいところは実戦経験豊富な仲間に頼れ。だが、全体を引っ張るのならお前が一番最適だと判断した」
その言葉に井草たちは納得の表情すら作る。
「たーしかに。リーダーシップとかはこの中でも一番ありそうですなぁ」
「大まかな方向性は一任するのですよ。細かい判断はこちらで引き受けるのです」
リムとニングもそれで納得してしまったらしい。イッセーは置いてけぼりだった。
そんな戸惑うイッセーに、井草は肩に手を置くと、静かに微笑む。
「それだけのものを持っているって事だよ。大丈夫、足りない経験則は俺達が補うさ」
「は、はい!! が、頑張ります!!」
イッセーはそう言うと、気合を入れる。
「よ、よし!! 八坂さんを助けておっぱ……じゃなくて!! 九重と八坂さんを再会させてやろうぜ!!」
『『『『『『『『『はい!!』』』』』』』』』
気合を入れ、そしてそれを見たアザゼルも撃を飛ばした。
「修学旅行は家に帰るまでだ。……死ぬんじゃねえぞ!!」
そして、作戦会議は終了した。
「さて、そろそろ動いたみたいね」
枢五十鈴は、静かに伏せていた眼を開ける。
人生最期の観光として京都を一旦目標地にしていたが、こんな流れになるとは思わなかった。
だが、起きてしまったのなら介入しよう。
……正直、英雄派の中二病ぶりには憐れみすら感じているのだ。それで死人が出るなど、かつての自分の焼き増しな気がして見過ごせない。
それに何より―
「井草の敵を減らすぐらいはさせてもらうわ。……命までは獲らないから覚悟しなさい」
『ハストゥール』
枢五十鈴、参戦。
「ナイアルさん。遅いなぁ」
京料理を食べに行ったナイアルを待ちながら、行仁伊予はしかし時計を見て時間を確認した。
「もう戦闘開始時刻なんだけど。……まあ、
『クトゥグア』
そして、伊予は何のためらいもなくクトゥグアイーツになると、二条城の敷地内に飛び込んだ。
「い、イーツだぁあああああ!!!」
「逃げろ、逃げろぉおおおおお!!!」
慌てて散り散りに逃げていく人達を追いかけず、五十鈴は適当に全身から灼熱を放つ。
その圧倒的火力とイーツの登場という事実に、二条城の人達は慌てて敷地外へと避難を開始した。
そしてそれをあまり気にせず、伊予は首を傾げる。
「あ、でも井草君来てるんだっけ? もしかして、ここに来るのかな?」
そうなったらいいと思う。
悪意も邪気も欠片もない、純粋な楽しみの感情で、伊予はそう願う。
「久しぶりに井草君とお話しできるんだろうなぁ。うん、何を話そうかな?」
……本心から、伊予は井草と世間話をするつもりだった。
これだけの事をして、多くの人間に恐怖を叩き込んで。そこに急行するだろう人との世間話を楽しむ。
何かのタガが完全に外れた行仁伊予は、何かを致命的に壊した状態で井草の登場を心から待っていた。
そして、ナイアルはいきなり隔離されていた。
京料理をたらふく食べて、酒まで飲んでテンション爆上がりの状況下。
さて、京都でのイーツ暴動の傘下を命じられたので、イーツの真の恐ろしさをこの日本で思い知らせてやるぜ! というわけでノリノリだったのである。
それが一気に醒めていくのを感じながら、ナイアルはため息をつきながらデフォルトイーツを発動させる。
『クイーンアント』
女王蟻の力を最大限に発揮し、ナイアルはまっすぐ視線を向ける。
そこにいるのは二人の中国の民族衣装を着た男。
片方は豚で、片方は髪の色が特徴的だった。
そして、ナイアルは当然の事だが帝釈天が送り込んだ、京都への使者の詳細も知っている。
なので、当然の如く敵対者である事も分かっている。
「……ったく。腹いっぱい食った後で豚料理は胃もたれしちまうじゃねえか」
「こっちは、腹減ってんだがなぁ」
豚が恨めしそうにそう言う中、ナイアルはそれを無視すると半目を向ける。
「……で、カッパさんは頭の皿どうしたんだよ。キュウリ買ってやるから帰ってくんね?」
「あ、馬鹿……」
その挑発にすぐ反応したのは、豚の方だった。
そして相方の方は静かにプルプルと肩を震わせ―
「河童言いやがったな、……死ぬか、ぁあん?」
その激怒を叩きつけられ、ナイアルはファイティングポーズを取りながら愉快気に嗤う。
「いいねぇ。そっちの方が面白そうだ」
京都市の一角におけるこの遭遇戦。
事実上、古都京都の激等において最高峰の戦いが、主戦場から離れた場所で始まろうとしていた。
ムートロン先遣艦隊所属特務中隊隊長、ナイアル。
西遊記の三英傑の内、猪八戒と沙悟浄。
割と冗談抜きで神話の戦いが、街はずれで勃発した。
役者はそろって京都大動乱です。
あとついに百話到達しました。
此処まで×作品はさすがになかなかないので、ちょっと胸を張りたいです。