混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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そしてついに判明する、衝撃の事実……っ!!



















まあ、タイミング的にシリアル極まりないあれなのは明白なのですが(笑


8話

 

 一方その頃、イッセーは崩れ落ちていた。

 

「あの、どうしたのですか?」

 

 ニングが気になるのも当然だろう。

 

 なにせ、イッセーはオフェンス陣のリーダーだ。

 

 指揮官としての経験の低さは経験豊富なメンバーで補えばいいが、リーダーがこれでは士気に関わるのは明白。

 

 ついでに言えば、イッセーはニングの友達でもある。普通に心配になる。

 

「ああ、気にしてやるな。ちょっとこいつの可能性が京都で迷惑な事をぶちかましやがってな」

 

 アザゼルが苦笑いするが、しかしそこでドライグの苦渋に満ちた呻きが聞こえてくる。

 

『勘弁してくれ、相棒……』

 

「いや、俺も何が何だか……」

 

 凄まじく落ち込んでいる。

 

 ニングはそれが訳が分からず、首を傾げるとアザゼルに向き直る。

 

 ここは当事者より、客観的に語れる第三者に頼るべきだろう。年季の差もあるので、分かり易く教えてくれるはずだ。

 

「どういうことなのです?」

 

「ああ。……京都で多発していた痴漢は、イッセーの可能性が引き起こしてやがった」

 

 意味が分からない。

 

 ホントに意味が分からなかったが、アザゼルはすぐに事情を説明してくれる。

 

 魔王アジュカ・ベルゼブブによる駒の調整と、赤龍帝の籠手に眠る残留思念の内、憎悪に捕われていなかった二人の先代。

 

 その協力により、イッセーは赤龍帝の籠手の可能性を解き放つ事に成功した。

 

 ……そして、それはどこかに飛んで行ってしまった。

 

 ここまでは良い。明らかにトンデモな事態ではあるが、しかしここまでは良かったのだ。問題はここからである。

 

 そのイッセーの可能性は、人に乗り移って移動していたらしい。

 

 ……その過程として、その人のおっぱいへの渇望をイッセー並みにまで高めるという余計な真似をしたうえで、だ。

 

「イッセーさんのおっぱい好きは、常人の理性では制御できないということなのです?」

 

「どんだけおっぱい好きなんだろうなぁ」

 

「自分でもちょっとショックだったりする……」

 

 三者三葉で複雑な表情になるのも無理はない。

 

 自らの可能性を解き放ったら、文字通り飛んで行った。きちんと帰ってきたのは良いのだが、その過程で人々の迷惑をかけまくっている。というより、可能性と一緒の煩悩まで飛んでいくとはどういうことだ。しかも当人に影響がないレベルなのに、他人には悪影響がありすぎるという質の悪さ。

 

 前代未聞すぎて意味が分からない。

 

「と、とにかくフォローはしないとなのです! おっぱいドラゴン関係でお金はありますし、再就職までのお世話をするべきなのですよ!?」

 

「だ、だよね!? 俺の所為で逮捕されちゃった人達に、とにかくお詫びしないと……」

 

 若干慌て始めるニングとイッセーだが、しかしアザゼルは落ち着かせるように両手を掲げる。

 

「そっちのフォローはこっちでやっとくから気にすんな。お前らはとにかく作戦に集中しろ」

 

「お、お願いします!! 俺の所為で痴漢させちゃったなんて、流石にちょっと可哀想すぎるっていうか、目も当てられないっていうか……」

 

 本心から、色んな意味でショックを受けているイッセーだが、それはそうだろう。

 

 彼は基本、善性なのだ。自分の所為で犯罪行為をしてしまったものがいるなら、その事を悔やむぐらいの感性はちゃんとある。ましてや、それがこんなアホな事で人生に悪影響などと、下手したら一生気にしかねない。

 

 アザゼルもそれは分かっているので、しっかりきっかりちゃんとする事は決意していた。

 

「……しっかし、こいつ(イッセー)の可能性は特殊すぎるな。乳の力と書いて乳力(にゅーぱわー)なんてあるんじゃねえかと本気で思ってきたぞ」

 

「理解不能な事ばかりする人です。人を救ったり迷惑を……かけた……うぇっぷ!」

 

 アザゼルに乗っかったロスヴァイセが、顔を真っ青にしてうずくまる。

 

 アザゼルの昼酒に業をにやしたロスヴァイセが、勢いに任せて自分でひったくってしまった結果がこれだ。

 

 酔っ払いの因縁つけそのもので英雄派が割とマジ防御する攻撃を放ったりして仕切り直しにしたのは良いのだが、それからずっとこの調子である。

 

 ニングはその背中をさすりながら、とりあえずビニール袋を差し出した。

 

「エチケット袋を貰ってきたのです。一応持っておくのです」

 

「ありがとうございます。……その前に、とりあえずトイレで出せる分だけ……っ」

 

 ロスヴァイセはトイレに直行していった。

 

「……間接的に原因になったのですから、職務中のお酒は控えるのです」

 

「悪かったよ。しかし、ゲロ吐きヴァルキリーか……」

 

 そんなロスヴァイセが知ったらマジギレしかねない愛称を付けながら、アザゼルはイッセーの可能性の宝玉をイッセー本人に渡す。

 

「とりあえず、どんなきっかけで力を発揮するか分からねえからお前が持っとけ」

 

「はい」

 

 イッセーもこれ以上迷惑をかけるわけにはいかないと、割と真面目に受け取ると、ポケットにしまった。

 

 しかし、同時にイッセーは何かを考えこんでいる。

 

 それが足かせになってミスをされたり判断が遅れたらあれだ。ニングはガス抜きを進める事にする。

 

「何か気になるなら、相談に乗るのですよ」

 

「あ、ありがとな、ニング」

 

 イッセーはそう笑顔で礼を言うと、首を傾げながら自分の考えを捻り出した。

 

「……三国志の曹操って、どんな人だったのかなぁって思っててさ」

 

「チャイニーズは、炒飯美味しいですぐらいしか、分からないのです」

 

 ……中国の文化には疎いニングでは、相談に乗れなかった。

 

 それに苦笑しながら、アザゼルは何かを思い出すかのように指を顎に当てる。

 

 現実問題、彼はその頃も生きていたはずだ。もしかするとリアルで見ていた事もあるのかもしれない。そんな気に、イッセーとニングはあった。

 

「酒飲むなーとか国家統一とか功罪は多々あるが、個人的に目を向けているところがあるってなら、人材の発掘だな」

 

「「人材?」」

 

 二人して首を傾げるのを笑みで見ながら、アザゼルは続ける。

 

「ああ。曹操は才能さえあればどんな身分のやつでも登用したところがある。それが原因かは知らねえが、後の歴史家も魏は人材に富んだ国だと評されるようになったからな。血がなせる業なのか、英雄派の曹操も人材登用にはこだわりがあるようだ」

 

「とはいえ、それはあまり褒められたやり口ではないのですよ」

 

 と、ニングはため息をつく。

 

「拉致も同然の方法で人材を集め、洗脳して兵士にする。どう考えても悪党のやり方なのです」

 

「ところがどっこい、流石に曹操ほどじゃねえが、国民を強引に兵士にするなんて話、中世にさかのぼれば大抵の国でしてる事なんだよな。いまだ徴兵制のある国家なんて珍しくもねえしな」

 

 アザゼルはそう告げると、何かを思い返しているのか、天上を見上げる。

 

 そこにアザゼルが映し出しているのが何なのか、ニングにもイッセーにもよく分からない。

 

「英雄もそうだ。簡単にまとめれば特別な何かを持っていて、それを使って大きな事をした連中の総称だ。……その華々しい功績の裏で何百何千人も死んでるし、功績を得る為に後ろ暗い事をしている連中もゴロゴロいる」

 

「そ、そういうもんなんですか?」

 

 イッセーがちょっと戸惑うのも当然だろう。

 

 一般人が持つ英雄のイメージとは、基本的に清廉潔白かつ高潔な騎士道精神を守るイメージがある。

 

 だが、実際には英雄も人の子なのだ。

 

「……ギリシャ神話の英雄ヘラクレスは酒癖が悪くて師を誤射で死なせた事がある。オルレアンの聖女ジャンヌ・ダルクは、苦情を言ってきた女性を殴りつけた事がある。龍殺しの英雄シグルドも、そのやり方は穴に隠れての不意打ちだ」

 

 アザゼルが語る、英雄達の栄光という光に隠された黒い光景。

 

 それにイッセーが戸惑う中、アザゼルは軽くため息をつく。

 

「……ムートロンが勝ち宇宙開拓時代ができれば、それに貢献した曹操達は、名実ともに英雄になれる。勝者の側で勝利に貢献したんだから当然だ。それが現実だよ」

 

「身もふたもない残酷な現実なのです」

 

 アザゼルの言葉に、ニングは思わず頭痛を感じる。

 

 それに苦笑を感じながら、アザゼルは更に続けた。

 

「ま、英雄になるのはそう簡単にはいかねえって事だ。「英雄になれる力を持っている」という事と「英雄になる事ができる」はイコールじゃねえ。神器所有者とか英雄が持つ力に相応しいが、むしろ悪人の方が多かった」

 

 そこから生まれた悲劇や、それを阻止する為の自分達の汚れ仕事に思いをはせているのか、アザゼルの表情は僅かに暗い。

 

 そして、イッセーはイッセーは首を捻る。

 

「しっかし、ムートロンが勝てば曹操は名実ともに英雄かぁ。じゃ、俺なんか倒すべく邪悪そのものですよね。悪魔でドラゴンだし」

 

 その言葉に、アザゼルは少しばかり目を丸くすると、心底呆れた感じの表情になる。

 

「おいおいイッセー。悪魔になった自分の存在と英雄―つーか人間という存在について考えてたのかよ。……ったく。じゃあ、お前は何になりたいんだったか思い出してみろ」

 

「上級悪魔になってハーレム王!! 眷属や仲間の為に頑張ります!!」

 

 即答だった。

 

 脊髄反射レベルの即答だった。

 

 だが、それに満足げになりながら、アザゼルはうんうんと頷いた。

 

「それでいいんだよ、悩むこたぁねえ。お前はそれで十分だ」

 

「確かにそうなのですよ」

 

 ニングも、苦笑交じりだが確かにほほ笑んでいいた。

 

「それにイッセーさんは立派に三大勢力の英雄なのです」

 

「え、マジで? どこが?」

 

 真剣に分からない感じのイッセーに、ニングは苦笑を深める。

 

「駒王会談防衛に尽力し、旧魔王派幹部三人を自身の寿命と引き換えに撃退して、更に悪神ロキによる和議妨害を防ぎ切った戦士。英雄的行動をいくつもとっているのに、気づいてないのですか?」

 

 首を傾げてニングが言った事を思い返すが、しかしイッセーはピンとこない。

 

「いや、俺は皆の為に一生懸命頑張っただけだって。英雄とかそんなんじゃないと思うぜ?」

 

 イッセーはそう答えるが、その答えにニングとアザゼルは顔を見合わせると噴出した。

 

「え、え、え?」

 

「気にすんな! お前はお前のままでいて良いってこった!」

 

「なのです。現実の英雄はともかく、子供達の英雄(ヒーロー)に相応しい心意気なのです」

 

 二人が何でそんなに嬉しいなのか分からず、イッセーは首を傾げるしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 そして二条城に向かうメンバーが集まる中、彼らは其の為の移動手段である用意された車を待っていた。

 

「……英雄派の連中、誰が来るんだろうな」

 

「少なくとも、曹操かジーク、あとゲオルクと誰か一人は来ると思うね」

 

 緊張する匙がぽつりと漏らした言葉を聞いて、祐斗はそう答える。

 

 井草の聞き覚えがない人が何人か出てくるが、すぐにそれに気づいたゼノヴィアが教えてくれた。

 

「英雄派の首魁とサブリーダーだ。それぞれ三国志の曹操と、北欧神話のシグルドの末裔だそうだ」

 

「特にジークは教会でも有数の戦力だったの。伝説の魔剣にいくつも選ばれてて、魔剣(カオス・エッジ)ジークって呼ばれてるぐらい凄い人なのよ。……なのに禍の団に就くなんて! アーメン! 主よ、このショックをお癒し下さい!!」

 

 などとイリナはかなりショックを受けているらしい。

 

 とは言え、それだけの実力者となると要警戒だろう。

 

 しかも聞いてみれば、曹操はあの最強の神滅具、黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)の担い手らしい。まともに戦えばこちらが確実に負ける。

 

 ジークも最強の魔剣である、魔帝剣グラムの保有者だそうだ。更にそこに、ノートゥングやバムルンクなどといった伝説の魔剣を保有。神器が亜種で腕が増えるというコンボだ。

 

 間違いなく、この場の全員で言っても勝てると断言できないだろう。それほどまでの強敵だった。

 

「……これは、姐さんが連れてくる助っ人が来るまでは防戦に徹してた方が良さそうだね」

 

 井草がそう考えたその瞬間―

 

「赤龍帝!!」

 

 其の声に全員が振り向くと、そこには九重がいた。

 

 九重はイッセーを見つけると、急いでこちらに駆け寄ってくる。

 

 イッセーはそれを見て、とりあえず屈み込んで目線を合わせた。

 

「九重! ホテルで待ってろって言われただろ?」

 

「私も行くぞ! 母上を助けたいのじゃ!!」

 

 その目は力が籠っていて、梃子でも動きそうにない。

 

 だが、この状況下で流石に幼女を連れて行くわけにはいかないだろう。

 

 井草はそう考えると、再び心を鬼にして九重を掴み上げる。

 

「却下! 万が一にでも君に何かあれば、それこそややこしい事になる。足を引っ張らないのも助力だと理解してもらうよ」

 

「放してくれ! 母上が! 母上がぁあああああ!!!」

 

「ちょっと待っててイッセー。すぐに誰かに預けてくるか―」

 

 ―ら、と続ける時間的余裕は、生憎全くなかった。

 

 振り返った井草の目には、イッセー達は映らなかった。

 

 映ったのはただ一つ。彼らをすっぽり覆い隠すほどの、黒い禍々しい霧だった。

 

「ニング、リム!?」

 

 慌てて駆け寄るも、しかしそれより先にイッセーたちの姿は霧と共に消え去る。

 

 あの霧は、おそらくは神滅具の一つである絶霧(ディメンション・ロスト)によるものだろう。そして、絶霧の使い手であるゲオルクは英雄派の幹部の一人だ。

 

 ……グレモリー眷属達を余興として招待していたのは知っていたが、まさかこんな形で態々迎えに来るとは思わなかった。

 

「……上等だよ」

 

 井草は歯を食いしばると、素早く二条城へと視線を向ける。

 

 結果的に出遅れたのは事実だ。既にイッセー達は戦いを始めているだろう。

 

 だが、そうだというのならさっさと追撃を行なえばいい。

 

 直ぐに二条城に辿り着いて、そしてすみやかに戦闘に介入する。それだけの話だ。

 

「待っててくれ、ニング、リム、皆!!」

 

 即座にレセプターイーツにへ変身すると、井草は周りの目も気にせず全力で走り出した。

 

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