混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E 作:グレン×グレン
さあ、合流できるのか!?
二条城近辺では、三大勢力と妖怪の連合軍が、英雄派及びムートロンの部隊と睨み合いの状態になっていた。
ナイアル率いるムートロンの特殊中隊は、素行が悪いが腕は立つという人物と、ナイアルが狩ってきた女で構成されている。
女性陣は若い間だけ使えればいいという事で負担が大きい改造手術を施されている。そして、そんな女の雌としての部分をナイアルの許可の下楽しませてもらっている通常構成員は、その精神性ゆえに庇護してくれるナイアルに対してそこそこの忠誠心を持っていた。
全員がEEレベル4,5を超える、上級悪魔クラス以上。更に、現地のチンピラを利用して作り上げた使い捨ての下位イーツ部隊をまき散らす事で戦線を混乱状態にさせている。
そして英雄派もまた強敵である。
ムートロンの協力によって、構成メンバーは余程の事が無ければ全員禁手に到達している。この時点で、上級悪魔クラスでも苦戦必須の化け物達となっているのだ。
更に、英雄派メンバーの一人であるレオナルドが厄介だ。
彼に保有する神滅具は、
創造系神器の最高峰であり、自身が思い描いた魔獣を生み出す、最悪の神滅具とも呼ばれる代物。使い手があまりに子供である為本領を発揮しきれていないが、それでも中級悪魔相当の魔獣をぽんぽん作り出せるのは強敵以外の何者でもない。
対悪魔、対妖怪、対天使堕天使。それらのアンチモンスターを大量に作り出し、足止めに徹した遅滞戦術をとっているがゆえに、連合軍は中々進軍できていない。
使い捨てイーツと魔獣部隊。これらの壁と混乱を前に、連合軍は完全に進行が停止していた。
そして、そこからゲリラ戦の要領で英雄派とムートロンが仕掛けてくるのだ。
お互いに大きな被害は出ていないが、このままで英雄派の実験は何らかの結果を出す事になるだろう。
「クソ! 英雄派に八坂姫を好きにさせるわけには―」
妖怪の一人がそう歯を食いしばった、その時だった。
「うぉおおおおおおおおお!!!」
声と共に、地響きが鳴る。
否、それは地響きではない。足音だった。
まるでガトリングガンの斉射のように大きな音を連続でたて、味方陣営側から禍の団側に向かうように、足音が向かってくる。
その足音に、誰もが何事だといわんばかりの感情で視線を音のする方に向けた瞬間―
「そこをどけぇえええええ!!」
―軽く見積もって100を超える光の槍が、量産型魔獣を一気に減らした。
「!?」
「あんだぁ?」
イーツが反応して攻撃態勢を取ろうとすれば、糸に絡め捕られて身動きが取れなくなる。
英雄派のメンバーが禁手を発動しようとすれば、そのイーツを叩き付けられて鎮圧される。
そして次の瞬間、その要因が駆け抜ける。
両肩にある円錐状のパーツが特徴的な、全体的に青っぽい、イーツと思しき何か。
それはアッという間に走っていくと、魔獣達が再び増えるよりも先に二条城へと走っていく。
そして魔獣達の攻撃を迎撃しながら、連合軍は口々に慌てていた。
「あ、あれなんだ!?」
「知らねえよ! でも味方じゃね?」
「こっちにひと目もくれなかったぜ?」
妖怪達が戸惑う中、しかし三大勢力はすぐに理解していた。
なにせDシネマは三大勢力はもちろんのこと、三大勢力と和平を結んだ勢力なら誰でも見れる。
こと娯楽が少ない悪魔側にとって、彼の知名度はかなり高かった。
「仮面ファイターレセプター!?」
「俺知ってる! あれ、たぶんモデルの井草・ダウンフォールだ!!」
「確か
「あれ? でもイクサって二十歳のフリーターじゃ……」
「そこはDシネ風に調整されてんだよ。井草・ダウンフォールは和平前はリアス・グレモリーの監視役で、其のまま駒王学園高等部に在籍したまんまだ」
などと口々に悪魔や堕天使が言い合う中、しかし誰もが少しだけ士気を上げていた。
そして、井草はそれに殆ど気づいていない。
敵味方の識別はついている。なので誤射は一切していない。
全力疾走状態で、敵味方が入り乱れていないとはいえ、乱射で誤射ゼロ。
この時点で、井草の戦闘能力は高水準だという事の証明である。ここまでの事ができるからこそ、井草は魔王の妹であるリアスの監視役に抜擢されたのだ。ただ危険に見える安全圏だから死にたがりの井草があてがわれたのではない。何かあったとしても、それを遂行できる能力があってのものである。
だが、その井草は判断はしていても認識はしていない。
とにもかくにも二条城に向かう事に全力を傾けているのが現状である。
ものの見事に一人だけ絶霧から逃れてしまった。
イッセー達は今頃命がけの戦いを英雄派と行っている頃だろう。
そして何より、リムとニングが窮地に追いやられている。
井草・ダウンフォールはとにかく焦っていた。
要人の、仲間の、そして愛する者達の窮地を救わんと、とにかく全力で二条城に向かっていた。
……実際に二条城に着いても意味がない事に気づくまでは、そう遠くない。
そして、二条城に井草が向かっている事に意味がない理由は簡単である。
英雄派もイッセー達も、二条城にはいないからだ。
確かに、英雄派の実験は年規模の術式装置と龍王クラスの存在が必要不可欠である。
その目的とは単純明快。グレートレッドのおびき寄せだ。
そもそも禍の団のトップであるオーフィスの目的はグレートレッドの打倒。厳密には、グレートレッドを打倒する事で、オーフィスの故郷である次元の狭間で静寂を得る事である。
それを考慮するならば、グレートレッド撃破に貢献する事ができればオーフィスから恩返しとしてこれまで以上の恩恵を得る事ができるだろう。
そもそも、グレートレッドはその強大さゆえに碌な情報がない。それをしらべることができるだけでも、研究者の類に交渉することは容易であり、おびき寄せて観察するだけでも値千金である。
更に、英雄派は隠し玉を保有しており、それを使う事も考慮していた。
そしておびき寄せの方法として、英雄派は術式都市クラスの術式装置と、龍王クラスの存在が必要だと判断した。
しかし龍王クラスを確保するのは神々でも苦労する難行。そう簡単に事は運ばない。
そこで英雄派は龍王そのものの確保を断念。同格の存在と術式装置がセットでいる、京都と八坂姫を利用する事にしたのだ。
……が、そこで英雄派は一捻りを加えてきた。
英雄派の幹部である、神滅具の使い手、ゲオルク。
彼の持つ神滅具、絶霧の禁手は、絶霧を精製工場として結界装置を作り出す、
英雄派はこれを応用する事で、京都とリンクする疑似京都を作り上げ、そこで実験を行っていた。
その余興としてイッセー達をおびき寄せたわけで、二条城にいる英雄派は囮と言ってもいい。
……井草・ダウンフォールが余計なトラブルに巻き込まれるまで、あと十分もかからない。
そして、それより先にイッセー達は二条城で曹操達と睨み合っていた。
それぞれ別々の場所に転移して、前座として英雄派の中堅どころと戦闘するが、全員何とか潜り抜けた。
イッセーは物理攻撃を無効化する禁手の使い手と戦う事になったが、運良くリムやニングと一緒にいた事もあり、取りうる攻撃手段を総当たりで使用。その結果、気温などの影響までは無効化できな事を利用してドラゴンの炎で蒸し焼きする事で撃破する事に成功した。
そして疑似二条城で曹操達と対峙。
ゼノヴィアが、ギリギリで間に合った新兵器、デュランダルをエクスカリバーで包み込んで制御するエクス・デュランダルで開幕速攻を叩き込むが、しかし平然と凌がれて、今に至る。
「さて、貴様らもエボリューションエキスを持っているのだろう? さっさとイーツになるといい」
再び大出力攻撃を叩き込まんとするゼノヴィアが、しかし曹操達は首を振る。
その意味を図り損ねて皆が警戒するが、曹操は肩をすくめた。
「悪いが、俺達の中でイーツになるのはジークだけなんだよ」
「一応彼らにも勧めたんだけどね? どうも乗り気じゃないみたいなんだ」
ジークも苦笑するが、彼と肩を並べる英雄派の幹部達は、揃いも揃って肩をすくめた。
「宇宙に逃げ出した出戻りの力に頼りっきりは、ちょっとねぇ?」
「まったくだ。ジークフリート、てめえ腑抜けてるぜ?」
「禁手化の研究には使っただろうに。拘りすぎだよ」
などと口喧嘩一歩手前になりながらも、しかし彼らは全員イッセー達に視線を向けていた。
そして、その後ろでは、強敵に暴走させられた八坂姫が、九尾の狐の状態となっている。
これら全ての対処を行わねばならないという時点で、まさに難題であり―
「では、さっさと片づけるのです」
「そうなりやすねぇ」
いうが早いか、即座にニングとリムは得物を抜いて戦闘態勢を取る。
そしてそれを見て、曹操達は面白そうに笑みを浮かべる。
「じゃあ、誰が誰をやる? 俺は赤龍帝とやりたいんだけど」
曹操の言葉に、三人は全員一瞬考え―
「じゃあ、僕は聖魔剣とデュランダル使いをやり合いたいね。ジャンヌは?」
その言葉に、ジャンヌと呼ばれた金髪の女性は考え込む。
「そーねー。あ、ヘラクレスはどうなの?」
と、大男にジャンヌはふり、ヘラクレスと呼ばれた大男はそれに対して値踏みする視線をイッセー達に向け―
「いやいやー。相手に選ばせてやるほど善良じゃねえですぜ、こっちは」
―彼が何か言うよりも早く、リムは速攻で襲い掛かった。
素早くワイヤー付きの手榴弾をどこからか取り出すと、そのままピンを抜いてワイヤーの先端を掴んだまま投擲。
そのスムーズな動きに一瞬反応が遅れたヘラクレスは―
「あ、オイコラ―」
そのまま至近距離で爆発に巻き込まれ―
「―だったら俺の相手はてめえだな!」
―それを意にも介さず、即座に反撃の為に殴り掛かった。
それを飛び退って回避するリムのいた場所は、爆発によってクレーターが生まれる。
「どうよ! これが俺の神器、
「躱しちまえばどうって事ねえですなぁ? 間合いに入らなけりゃ意味ねえでしょうしぃ?」
そう挑発しながら、リムは光の銃を構えるとそれを連射。
それを意にも介さず受け止めたヘラクレスは、それに対して笑みを浮かべる。
「なら見せてやるよ!
その瞬間、オーラの増大と共にヘラクレスの各所からオーラで構成された突起物が展開する。
そして、それは噴煙を上げて射出された。
一言で、言おう。
それは、どうしようもなくミサイルだった。
「アリですかい!?」
「アリさ! これが、俺の
即座に連射で半分を撃ち落として空いた弾幕の隙間に滑り込んでダメージを押さえるリムだが、そこにヘラクレスが迫りくる。
対格差で何とか回避して反撃に転じるが、しかしヘラクレスはそれを意にも介さない。
如何に手に持つ装備を強化する剣豪の腕であろうと、それだけでは限界がある。
禁手に至った者とそうでない者との大きな差が、ここでリムを苦しめていた。
だが―
「―ほれ! こいつは私が受け持っちまうんで、さっさと他の連中倒して援護プリーズ!!」
―その言葉に、全員が動き出す。
そして何より、その戦闘の隙をついてニングは駆け出していた。
彼女の至った禁手によって生み出される魔剣。銘をエクストラカリバー。
その名の通り、エクスカリバーの力を基本として模倣された魔剣。其の中には、当然の如く
ゆえに、術式で支配されている八坂姫の支配権を奪い取る事も不可能ではない。
だが、そんな事を許すほど、相手も馬鹿ではない。
「あらあら、お姉さんがさせないわよ?」
後ろから追いすがるはジャンヌ・ダルク
其のまま何もないところから剣を生み出すと、即座にニングに切りかかる。
それを振り返りざまに切り砕いて、ニングは眉を顰める。
「
「そうね。これだけだと流石に勝てないわね」
そう、ジャンヌも即座に肯定する。
聖剣創造。それは、
能力は魔剣創造の聖剣版そのもの。ゆえに、魔剣創造の亜種禁手の中でも最強格である
だがしかし―
「
―至っているのなら話は別だ。
その瞬間、ジャンヌの聖剣は龍へと変じ、ニングに襲い掛かる。
エクストラカリバーの龍殺しで迎撃するが、しかしその瞬間にジャンヌがニングに切りかかる。
とっさの迎撃の結果は、双方ともにかすり傷。
そして、お互いに強敵とみなして警戒の度合いは遥かに高まる。
「私の
「そちらも亜種なのですか。これは、面倒なのです」
聖剣の特攻性はニングには通用しない。
だがしかし、強敵が二人になったという事実だけでも難易度は高くなっているのだ。
そして、残りのメンバーにはそれぞれ曹操とジークが戦闘を開始している。
これでは八坂姫の救出は困難だというほかない。
「チィ! 井草を取り込まなかったのは―」
「―あくまで余興だからなのですか!」
リムとニングが同時に歯噛みする中、戦闘は激化していった。
普通に強い井草。ただでさえ優秀な上級堕天使であるうえに、神器をもち、その影響でイーツとしても高性能。ヴァーリ並みに設定チートです。
そしてそれはともかくオカ研VS英雄派。原作でもパンデモニウム編の本番です。
英雄派はエボリューションエキスに興味はあっても、直接使用に関しては基本的には避ける傾向にあります。ただし、一部のメンバーは使用することを厭わないものもいるというわけで、原作でも「一番イカレている」ジークに担当させました。ぶっちゃけヒーローズ編では強化しないと井草たちまで相手することになりますからね。
最近はめっきりスランプで、書き溜めを少しずつ放出してごまかしてきましたが、幸い何とか筆が進み始めてきました。本日14時にパンデモニウム編は書き終えました。
このスランプっぷりに未完で終えることも考えましたが、とりあえずこの調子なら伊代と五十鈴の決着はつけられそうです。まあ、ライオンハート編で九割終える予定なのですがね。