混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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状況がピンチ寄りになってきた井草たち。

だが、そろそろD×D恒例パターンが、はっじまっるよ~!!


12話

 

 顔面に叩き込まれた打撃に吹き飛ばされながら、しかし井草はすぐに態勢を整える。

 

 追撃の為に放たれたエネルギー弾を光力の槍で弾き飛ばし、素早く翼を広げて空中で姿勢を整える。

 

 そして後ろから迫ってきたバイアクヘーイーツの斬撃をトールセイバーで受け止めた。

 

「ヒヒヒヒっ! ナイアルの兄貴がトラブってるんで代役で来てみりゃよぉ? てめえがここに来てるとは思わなかったぜぇ?」

 

 下品な笑い声を浮かべながら、バイアクヘーイーツが再び攻撃を叩き込む。

 

 それを即座に距離をとって躱しながら、井草は反撃の光力の槍を叩き込もうとし―

 

「後ろにもいるぜぇぇええええ!!」

 

「横にもなぁあああああ!!」

 

 十字砲火を放たれ、素早く上昇して回避。

 

 即座に放たれるイーツ達の砲撃を翼で叩き落しながら、しかし井草は情勢の不利を察する。

 

 何時の間にやら敵の増援が大量に表れている。それも、EEレベルの高い者達は愚か、幹部クラスのバイアクヘーイーツまでもが複数体。

 

「ちょ、何人来てるのさ!?」

 

「あれ? 今回ナイアルさんと私だけじゃなったっけ?」

 

 伊代がきょとんとすれば、バイアクヘーイーツ達はゲラゲラと笑う。

 

 そして面白そうにしながら、井草を取り囲む。

 

「勝手に来たんだよ。ホテップの奴は俺らに「やれ殺す前に犯すな」とかうるさくて嫌いだしな!!」

 

「原住民殺す程度でいちいちうるせえ奴なんざ知るか! 敵のエース殺せば黙るだろうよ!!」

 

 そう口々に言いながら、バイアクヘーイーツ達はムートウェポンを井草に向ける。

 

 醜い笑顔を浮かべているのが馬鹿でも分かる。下衆である事がよく分かる典型的なセリフ。

 

 問題は、その全員が少なく見積もってもEEレベルが5,0以上はあるだろう実力者の群れだという事だ。

 

 このままでは押し切られる。否、勝ち目がない。

 

 その事実に歯噛みしたその時―

 

「つくづく、ホテップ指令には同情するわね、ほんと」

 

「外宇宙航行までする超文明と言っても、性根は悪党の群れっぽいようじゃのぅ」

 

 その声と共に、三人のバイアクヘーイーツが地面に叩き落された。

 

 一人を叩き落したのは、黄色い外套を身に纏ったイーツ。二人を同時に叩き落したのは、サイバーなサングラスを付けた一匹の大きめの猿だった。

 

 だが、その存在を知っている井草は目を見開いて驚くしかない。

 

「五十鈴!? それに……あなたは!?」

 

 五十鈴の存在にも驚くが、それ以上に目の前の存在に驚愕するほかない。

 

 それもそのはず。目の前の猿はただの猿ではない。

 

 中国神話体系須弥山の所属。その中は愚か、全精力を見渡しても上から数えて二桁には入るだろう実力者。日本ですら知らない方がどうかしている伝説の存在。

 

「闘戦勝仏、孫悟空……っ!?」

 

 井草達の観点からすれば、美候の先祖というべきだろう。

 

 生きた伝説。伝説の英傑。日本でもっとも有名な猿の妖怪。そして、中国神話体系の実力者の筆頭格。

 

 その伝説の存在が、何故か五十鈴と共にここにいた。

 

 そしてその猿はキセルをぷかぷかと喫いながら、辺りを興味深そうに見渡した。

 

「全く、陰の気が強いだけでなく、荒くれ者どもが揃っとる様じゃのう。こりゃ聖槍の坊主のところに行くのは手間取りそうじゃい」

 

「ごめんなさいね。まさかここまで馬鹿が揃ってるとは思ってなかったから、準備が足りてなくって」

 

 溜息をつく闘戦勝仏に五十鈴はそう言うと、一歩前に出て伊代に視線を向ける。

 

「資格はないけど、止めに来たわよ」

 

「え、必要ないよ? だって五十鈴ちゃんには感謝してるもん」

 

 そうあっさりと返答する伊代は、変態した姿でも分かるほどにっこりとほほ笑んだ。

 

「だって、毎日が楽しいもん。五十鈴ちゃんやナイアルさんのおかげだよ?」

 

「………っ」

 

 それに肩を震わせた五十鈴は、しかし深呼吸一つで切り替える。

 

「井草! ここは私とそこのお爺ちゃんで引き受けるわ!!」

 

「その方が良さそうじゃのう。こ奴ら、仙術を叩き込んだのに気が乱れとらん。儂じゃなけりゃぁ手が足りんわい」

 

 その言葉とともに、バイアクヘーイーツたちは立ち上がる。

 

 そして怒りでプルプルと肩を震わせながら、一斉に武器を構え直す。

 

 殺意が垂れ流されていると言ってもいいほどに怒りに燃え上がっている。この何というか、二条城の無事を心配したくなるほどだ。

 

 やっぱり手を貸した方がいいような気がしたが、しかしそんな井草に五十鈴は小さな機械を投げ渡す。

 

「ムートロンが開発した、緊急用の結界干渉装置よ! それがあれば赤龍帝達のいる疑似京都に行けるはず!!」

 

 そして、五十鈴は暴風の結界を作ると苦笑する。

 

「あんたはまず、友達を助けなさい」

 

「………っ!」

 

 その言葉に、井草は奥歯を噛み締め、そして覚悟を決める。

 

「分かった! 任せたよ、五十鈴!!」

 

 そして、機械を起動させる。

 

「玉龍! お前も行ってこい!! 京料理たらふく奢ってやるからさぼるんじゃねぇぜぃ!!」

 

『うっへぇ~! 引退したおいらを巻き込むんじゃねえよ畜生!』

 

 そして上から降りてきた龍と共に、井草は開いた空間へと飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジークの圧倒的な力が振るわれようとした直前、その真上の空から何かが舞い降りた。

 

「お、グレートレッドが引っかかってくれたかな? 龍喰者(ドラゴン・イーター)……を準……備……ん?」

 

 行動に移ろうとした曹操が怪訝な表情を浮かべる。

 

 曹操達の目的は、京都とリンクしているこの疑似京都をレイラインに、龍王クラスの力をもって京都と密接に繋がっている八坂姫を龍王の代わりにして、グレートレッドが呼び出せるかテストをする事である。

 

 他の存在が足元にも及ばないレベルの最強ゆえに、データを取りたくても迂闊に取りに行けない存在。少し解析するだけでも価値がある。

 

 それに、対龍の切り札である龍喰者(ドラゴン・イーター)が龍神クラスに通用するかどうか試すのも、超常の存在を倒す方法を探る英雄派の目的に合致している。

 

 なので、グレートレッドの情報はある程度は持っている。

 

 あれは典型的な西洋型のドラゴンだ。大きな翼を持ち、そして蜥蜴のような体をしている。

 

 だが、あれはむしろ蛇のようなドラゴンだ。完膚なきまでに東洋タイプである。

 

 というより、サイズも小さい。

 

 そこまで考えて、曹操はその正体に思い至った。

 

「違う! あれは西海龍童(ミスチバス・ドラゴン)玉龍(ウーロン)か!」

 

「おいおいおい! ここまで来て大外れかよ!?」

 

「あれ、もう引退してたんじゃなかったの!?」

 

 ヘラクレスとジャンヌが驚く中、玉龍は明らかに面倒くさそうにため息を吐きながら、即座に匙と交戦している暴走状態の八坂姫へと向かう。

 

『よう聖槍の坊主!! めんどくせえが邪魔させてもらうぜぃ!!』

 

「やらせないよ。 ちょうどいいから手土産に首をもらおうかな?」

 

 そう言いながらジークが魔剣の切っ先を向け―

 

「こっちがやらせないよ。君が俺達の手柄になってくれないかな?」

 

 その切っ先を、井草の堕天使の翼が叩き落した。

 

 そして即座の回し蹴りが、ジークをとっさに行ったガードごと弾き飛ばす。

 

「井草!」

 

「井草さん!!」

 

 リムとニングが歓喜の声を上げる中、井草は瞬時に辺りを見渡すと、状況を把握する。

 

「とりあえず、八坂姫がどうにかなるまで凌ぐよ!! 魔剣使い(イーツ)(イーツ)が相手するから、三人はアーシアちゃん達のカバーに入って!!」

 

 そう言いながら振り返る井草に、ジークが六本の伝説の剣を引き抜きながら迫る。

 

 その速度は、下手をすれば吹き飛ばされた時よりも早い。

 

 そして、真っ先にノートゥングの刃が振るわれる。

 

 それは勢いよく振るわれ、切断力で井草を両断せんと迫るが―

 

『シャーク』

 

甘い(あふぁい)

 

 よりにもよって、歯で噛んで受け止められた。

 

「……嘘だろ?」

 

「んなわけないじゃんか」

 

 そして唖然となるジークの顔面に拳を叩き込む。

 

 これまた魔剣でガードするが、しかしこれまた吹き飛ばされる。

 

 そして五十メートルぐらい打ち上げられたジークだが、一瞬で引き戻される。

 

 見れば、魔剣に糸がついて、井草はそれを引っ張っていた。

 

 そして井草はトールセイバーを構え、同時に4対の翼を広げる。

 

 堕天使の翼は接近戦にも運用する事が可能である。コカビエルのような最上級の堕天使ともなれば、その性能は聖魔剣にすら匹敵する。

 

 要は簡単だ。

 

「切り合いを挑んでくれるとは嬉しいねぇ!!」

 

「そっちの方が手っ取り早そうだからね!!」

 

 そしてグラムとトールセイバーが呪いと雷撃を放つながらぶつかり合い、大きな衝撃波がぶつかり合う。

 

 同時に剣と翼が高速で振るわれ、超速の多連続攻撃が交錯し合う。

 

 普通なら井草ほどの堕天使でも伝説の魔剣を翼で防ぐのは困難だ。しかし、今のイーツ化している状況なら、一回一回はかすり傷でどうにかできる。

 

 だから、ここでどうにかする事を考えて―

 

「おっぱい」

 

 ―突然聞こえた声に、ジークと共に思わず動きが止まった。

 

 どうやら幻聴が聞こえたらしい。色々ストレスやショックが積み重なる半日だから、無理もない。

 

 首を慌てて振りながら距離を取り、仕切り直しを行おうとして―

 

「おっぱい」

 

「おぱーい」

 

「おぱいぱい」

 

 更に別の声が次々に響く。

 

 そして、井草は何となく察した。

 

 あ、これイッセー案件だ。

 

 嫌な予感がしたので振り向くと、そこには大量のぼんやりとした人影があった。

 

『『『『『『『『『『おっぱいおぱいおぱーいぱい。おっぱいおぱいおぱーいぱい』』』』』』』』』』

 

 何か合掌しながら、隊列を組んでいた。

 

 おっぱいおっぱい言いながら。

 

 ふと視線がイッセーに向かう。

 

 イッセーもまた、複雑な表情を浮かべながら視線を向けてきた。

 

「……どういう流れ?」

 

「れ、歴代赤龍帝の一人が、今こそ俺の可能性を開放する時だって……」

 

 酷い可能性の開放もあったものである。

 

「おいおい、おっぱいゾンビか?」

 

 曹操が凄く的確に酷い事を言っている。的確過ぎて反論できないのが実に酷い。

 

 というより数が多すぎる。これまでの過程から考えて、あの亡霊擬きの数だけおっぱいを揉む事しか考えられなくなった被害者がいるという事だろう。フォローが大変だ。

 

 松田もいるんだろうなぁ。そんな事を考えた井草は、ふと気づいた。

 

 だが、これはチャンスだ。

 

「とにかく時間を稼ぐから、すぐに至って!!」

 

「……あ、なんか歴代が変な事言ってる!!」

 

 すぐに戦いに戻ろうとしたら、すぐにイッセーが変な事を言ってきた。

 

「今度などんな現象が起こるのですか?」

 

 もはや虚無の感情すら見せながら、ニングがしかし話を進める為に聞いてきた。

 

 イッセーも戸惑いながら、しかしちゃんと答えてくれた。

 

「お、俺だけのおっぱいだってさ」

 

 ……一同が、脳裏に部活の部長を思い浮かべたのは悪くない。

 

 そして、気づけばゾンビ達は魔法陣になってリアスを召喚していた。

 

 ついでに言うと、下着姿だった。

 

「え、あれ? ここ、京都!? っていうかイッセー!?」

 

「さ、さすがの俺も鼻の下を伸ばせねえ!!」

 

「だろうね……」

 

 イッセーがエロ暴走できないほど、状況は暴走していた。

 

 井草も何とも言えない表情でそれを見ていたが、しかしすぐに目がふさがれた。

 

「見てはダメなのです!!」

 

 言われてみれば下着姿である。それも、事実上他人の女である。

 

 ニングの対応は確かに正しいのだが、しかし戦闘中である。

 

「うっひょー。私は女も相手できるようになってますが、ああいうナイスバディとお相手しやがりたかったですなぁ!!」

 

「だったら見てはダメなのです!!」

 

 リムが悪ふざけをしてニングに怒られているが、戦闘中である。

 

 そして最悪なことに、この流れでは何が起こるかなど決まり切っている。

 

「ぶ、部長! 俺も良くわからないけど、乳をつつかせてください!!」

 

 満面の笑顔でそんなことをのたまっているイッセーという名のバカがいる。

 

 おそらく、つつけと歴代から指示が来たのだろう。そして戦闘中だろうと何だろうと、乳首をつつくチャンスを逃せるイッセーではないだろう。大義名分まであるのだからなおさらだ。

 

 まあ、普通なら絶対に首を縦に振ったりはしないのだろうが―

 

「全くよくわからないけど、わかってるわ。スイッチを押しなさい!!」

 

 -しかし以上に慣れているリアスはすでに普通ではなかった。恋は盲目ともいう。

 

 そして英雄派も面白がってるやら呆れてるやらで、手を出してこない。

 

 そしてそのまま乳首がぽちっと押され―

 

「ぁあん!!」

 

 そんな喘ぎこと共に、神々しい輝きに包まれながら、リアスは消えていった。

 

「……イッセー。リアスちゃんは?」

 

「……役目が終わったから帰ったって、歴代の人が」

 

 もう何も言えない展開だった。

 

「あと、歴代の人が成仏する前に、「ぽちっとぽちっとずむずむいやーん」って、満面の笑顔で言ってきたんだけど」

 

 下手な慰めは返って傷つける気がするので、何もできない。

 

「おいおい。歴代赤龍帝はみんな変態なのかい?」

 

「ちょっと黙っててくれやせんかい?」

 

 曹操のあまりの物言いに、リムがダメもとで叱責を投げかけるぐらいにはシュールだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 -どうせ、俺も変態ですよ。

 

 そんなやけっぱちな感想を思い描きながら、イッセーは力を解放させる。

 

 体力はそこを突きかけている。戦力差は圧倒的だ。

 

 だが、逆転の目は見えた。

 

 そしてそれを実行に移そうとし―

 

 -いや、待てよ?

 

 イッセーはふと気づいた。

 

 今覚醒しようとする力は、確かに効果的だ。

 

 悪魔の駒の昇格(プロモーション)を参考に、赤龍帝の鎧を昇格した駒の特性に合わせて変更させる。

 

 それぞれにおいて弱点はできるが、しかし長所を伸ばすという自分達グレモリー眷属に向いている方法だろう。

 

 だが、それで曹操に通用するのか。

 

 初見殺しで叩き込めたとして、二戦目は、三戦目はどうなるのか?

 

 そう考えた時、ふと視線が井草に向かう。

 

 機動力、近接戦闘、異能戦闘。全てにおいて高水準でまとまっている、井草・ダウンフォール。

 

 曹操のようなタイプにとってやりづらいのは、むしろ井草の方なのではないか?

 

 そう考えた瞬間、イッセーは一つの思い付きに至る。

 

 生物などを封印し、その力を具現化する封印系神器。なら、これを使う事でより強大な力を具現化する事は出来るのではないだろうか。

 

『面白い事を考えるな、相棒。出来る出来ないで言うなら出来るかもしれない』

 

 -そっか。だったら、そうするしかねえよな。

 

『いいのか? 出来る事ならお前が仲間の無念を晴らしたいだろうに』

 

 -確かにそうだけどさ、でもそれ、井草さんも同じだろうしさ? それに……

 

 イッセーは、ふと思い付いた事がある。

 

 この思い付きが実行に移されれば―

 

―木場やゼノヴィア達もお礼参りとかできそうじゃん?

 

『なるほど、違いない』

 

 その返答に、ドライグは苦笑した。

 




闘戦勝仏登場。敵の精鋭であるはずのバイアクヘーイーツ二体を一蹴しましたが、こいつらはナイファーザーなどのネームド幹部程は強くないので、オーディン神が弱いなどという指摘は的外れですのでストップです。

EEレベルの高さ=イーツとしての性能の高さといっても過言ではないですが、今回出てきたナイアルの射程共はレベル5の範囲内です。ナイファーザー達ネームドバイアクヘーは魔王クラス以上である6,5ですので、性能差は比べるまでもありません。F-15とF-15Eぐらい違います。


そしてちゃっかりいろいろと便利なものを隠し持って五十鈴登場。まず井草には自分達裏切り者より今の仲間たちを優先させ、ここでバトンタッチです。



そして活動報告で募集したイッセーの魔改造ですが、最初に出てきたどこでも行方不明さんの案を今回採用しました。D×Dに至るまでなら、味方を底上げする都合上使う相手次第では真女王より強化できそうなこれなら、イッセーの立ち回り次第で真女王と使い分けができそうだったからです。

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