混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E 作:グレン×グレン
「井草さん、受け取ってくれ!!」
言うなりイッセーがいきなり手を伸ばして来て、井草は反射的にその手を取った。
その瞬間、赤龍帝の鎧の隙間から、赤い光が漏れ出てくる。
「え、なに? なになに!?」
慌てて目を見開くと、今度は鎧が分割される。
驚くべき事に、赤龍帝の鎧の中にはイッセーの姿がなかった。
それに驚いているうちに、赤龍帝の鎧は変形しながら井草の全身に装着される。
赤龍帝の鎧の力が、井草の力を、堕天使の力を、レセプターイーツの力を増幅させ、そしてオーラとなって全身から漏れ出させる。
「……なにこれぇ!?」
思わずびっくりしたのも仕方がないだろう。
「……グレート合体方式、だとぉ!?」
曹操も流石に想定外だったのか、目を見開いている。
「なんで知ってるのかな、ほんと!!」
そう言うなり、井草は光の槍を斉射した。
赤龍帝の力が一体化しているがゆえに、その光は赤く染まり、そして勢いよく放たれる。
「上等、防いでやら―」
「受けるな避けろ!!」
真正面からぶつかろうとしたヘラクレスを、曹操が蹴り飛ばす。
そして自分も慌てて伏せると、そのまま直進した光の槍は、二条城は愚かまっすぐに疑似京都を破壊して、山脈部分すらごっそり削って吹き飛ばしていく。
放った自分も少しびっくりしているレベルだ。当然、周りのニング達は目を見開いてる。
「こ、この空間もつのですか?」
「もたねえ、でしょうねぇ」
引き気味のリムの意見ももっともである。
しかし、こんなものは序の口ですらなかった。
「……じゃあ、第二射」
「「「「第二射!?」」」」
英雄派が絶叫したのも無理はない。
今の一撃は魔王クラスにすら通用する火力だった。非戦闘系の下位の神なら、喰らう前に降参する事すら考えるだろう。
そんなものを何の気負いもなく第二射と発言する。
単純に言って狂気でしかない。
「おいおい何発撃てるんだよお前は!!」
「合計30発ぐらいは撃てそうかな?」
疲労感で推測して答えれば、怒鳴ったヘラクレスは絶句した。
当然だろう。いくらなんでも大火力すぎる。
冗談抜きでこの疑似京都が崩壊するレベルだった。
「ちょっとまずくない!? そんなに撃たれたら、私達がやられるより先にこの疑似京都が壊れるわよ!?」
「だろうな、接近戦で抑え込むしか―」
ジャンヌに同意しながら、曹操は素早く聖槍を構え―
「じゃあ接近戦で叩き潰すよ」
―そんな事は分かっているといわんばかりに、井草は先に接近した。
その勢いを利用した蹴りこそガードされたが、その上で曹操は吹き飛ばされる。
そして瞬時に光の槍を二本生成すると、ジャンヌとヘラクレスに投擲し―
「させると思うかい?」
その砲撃を、魔帝剣グラムが両断する。
神クラスにすら届きかねな威力の投げ槍を、二本同時に切り捨てる。
ある意味で神業としか言いようがない。否、神ですらできる方が少数派だろう。
それを成し遂げるのが魔帝剣グラム。最強の魔剣にして、伝説の龍殺し。
その現代の担い手であるジークは、更に伝説の魔剣を四本保有。そのうえでイーツと化し、更に聖剣すら疑似的に保有する。
明らかに強敵だ。加えていえば、今の井草はイッセーと合体した影響で龍の一種と化している。
龍殺しの魔剣であるグラムと、龍殺しの聖剣であるアスカロン。この二本を同時に受ければ、致命傷とは言わなくても戦闘は不可能だろう。
アーシアに即座に回復してもらえばいいかもしれないが、ジャンヌとヘラクレスが妨害してくるのは間違いない。曹操だってそろそろ復帰してくるはずだ。
間違いなく状況は不利なのだが―
『大丈夫です、井草さん!!』
イッセーの声に頷き、井草は素早く左腕を構える。
同時に右腕にはトールセイバーを握る。こちらはグラムとまともに撃ち合える武器である事は証明済み。グラムはこれで止めればいい。
そしてアスカロンは―
「『アスカロン!!』」
『BLADE!!』
-オリジナルで迎撃すればいいだけの話である。
「チィッ!」
ジークが舌打ちするのも当然だろう。
イッセーの持つアスカロンは、正真正銘オリジナルのアスカロン。イーツの力で具現化した紛い物ではない。
加えて、ただのアスカロンでもない。赤龍帝の籠手と基本的に合一化しているこのアスカロンは、赤龍帝のオーラを帯びている。二天龍と龍殺しの矛盾したコラボレーションは、アスカロンを元の時より強大な聖剣として具現化させていた。
ゆえに、ジークの持つアスカロンより性能では上。
むろんジークは教会でも最高峰の剣の使い手だ、同年代では勝てる者などいないだろう。年齢による区別を抜きにしても、確実に勝てるといえるのは、生きた伝説二人ぐらいだ。
だが―
「モードケンゴウ!!」
草刷が展開され、一気に井草の動きが変わる。
歴戦の剣豪のような卓越した剣技を、井草自身の戦闘経験で補正する事で借り物のそれではなくして戦う。
その結果、ジークと井草の戦いは、一瞬で井草の有利になる。
如何にイーツといえど、井草は堕天使であり、赤龍帝の力まで保有している。
単純に基礎性能が圧倒的に違う。本来なら技術や作戦でそれをカバーするのが英雄派の戦いなのだろうが、今回に至っては井草の技術力とイッセー達のサポートによってそれすら超えていた。
「くそ! 新世代の英雄である、この僕が……」
「英雄を名乗るは勝手だけどさぁ―」
そして四本の魔剣による迎撃を翼で防ぎ―
「殺し合いで名を上げたいなら、志半ばで死ぬ覚悟はしてからくるんだったね!!」
-至近距離から光の槍を二本叩き込んだ。
その絶大な火力が、ジークを軽く数百メートルは弾き飛ばす。
そして速やかに止めを刺すべく、井草は光力の槍を一斉に展開し―
「まずは一人!!」
一気に五本全部斉射して―
「いや、させねえからよっと!!」
合計八本の砲撃でかき消された。
「なっ!?」
『嘘だろ!? あれをあっさり!?』
井草もイッセーも、思わぬ乱入者に一瞬虚を突かれる。
そしてその瞬間―
『前だ、井草・ダウンフォール!!』
―ドライグの言葉に反応した井草がとった防御ごと、その拳は井草を弾き飛ばした。
一気に五十メートルは吹き飛ばされ、井草はしかし着地すると、反撃の光の槍を一本叩き付ける。
しかしそれを、まるで蛇とタコのキメラと形容するべき下手人のイーツは拳を構え―
「おらぁ!!」
気合を入れた拳で真正面から叩き壊す。
『いきなり突破されたのかよ!?』
「みたいだね。しかも、一番嫌な奴に……っ」
驚愕するイッセーに、井草は奥歯を噛み締めながら相手を睨み付ける。
先ほどは蛇とタコのキメラと形容したそのイーツは、しかしもう一つ意匠があった。
そう、それは蟻。
そして、蟻のイーツとして何度か姿を現し、本来の姿すら現して此方の神経を逆なでしてきた悪鬼を、井草はよく知っている。
「重役出勤とはいいご身分だね、ナイアル!!」
「いや、場外乱闘から逃げてきたんだよ、マジで大変だったぜ」
そうため息交じりで告げるナイアルは、拳を構えて井草をけん制しながら視線を向けずに曹操に告げる。
「撤収だ。須弥山の連中、西遊記の妖怪どもはもとより、自前の四天王すら送り込んできやがった。割とマジでこっちの首を狙ってるぜ?」
「……あの柴又の神様は、口封じでもする気なのかな? まあ、逃げるけどさ」
ため息をついた曹操はそう言って肩をすくめる。
出来れば意趣返しを一発ぐらい叩き込みたいが、しかしそのチャンスがあるかどうか。
明らかに敵は強敵だ。ナイアルの戦闘能力はシャレにならないし、曹操達もナイアルの片手間に片づけられるほど楽な相手ではないだろう。
つまりここは見逃すしかなく―
『いや、まだだ!!』
そのイッセーの言葉と共に、最後の策が脳裏に贈られる。
それに対して井草は瞬時に動いた。
「流石に無傷で帰らせるわけにはいかないね!!」
『散々好き勝手しといて、ただで帰れると思ってるんじゃねえ!!』
数百の光の槍と砲撃を斉射する。
それに対し、ナイアルは自分の体から太い蛇のような部分を一つ動かす。
そして口が開くと共に、一斉に大出力のエネルギーが放出された。
「馬鹿か。魔王クラス程度で俺と砲撃戦ができるかよ」
ため息交じりのその言葉の通り、放った砲撃は立った一発の砲撃でかき消される。
だが、一発だけ違った。
『……そいつは囮だ!』
「あん……曹操!!」
イッセーの言葉に察したナイアルが曹操に叫ぶ。
それに気づいた曹操は咄嗟に上を振り仰ぎ―
「がっ!?」
その右目を、低出力のドラゴンショットが抉り取った。
種は非常に簡単である。大出力の砲撃と光の槍を目くらましに使用し、それとはまったく別の方向に、対人なら十分なレベルのドラゴンショットを放つ。
そしてナイアルが砲撃で相殺している隙に捻じ曲げて、そのまま真上から曹操を強襲する。
この一体化形態は悪魔の駒の昇格と、赤龍帝の籠手の譲渡を併用した形態だ。
井草はとっさに僧侶の駒の特性で装着した。大火力砲撃が可能なのはその一環である。自分の戦闘スタイルで、比較的レベルが低い砲撃戦闘能力の強化に運用したのだ。
だからこその作戦は的確にはまり―
「ふ、ふふふ……」
-それを喰らった曹操は、怒りとも喜びともとれる激しい表情を浮かべていた。
「眼が……赤龍帝にダウンフォールぅうううううう!!!」
そして興奮状態になると、聖槍を構え―
「落ち着け馬鹿」
-ナイアルの裏拳を喰らってもんどりうって倒れた。
盛大に後頭部を地面に強打する曹操を半目で見ながら、ナイアルはため息をつく。
「流石に
「痛いな全く。……まあ確かに、ちょっと興奮していたね」
たったそれだけで冷静さを取り戻したのか、曹操は不敵な笑みを浮かべると、井草とイッセーに視線を向ける。
「今回は花を持たせてあげるよ。俺達の作戦も失敗したしね。……ゲオルク!」
「はいはい」
ゲオルクがため息交じりに霧を展開しつつ、撤退準備を始める。
追撃したいがそれも難しいだろう。敵は正真正銘強敵であり、これ以上の戦闘は体力がもたない。死者も出る。
元より八坂姫を救出できたのならそれでいいのが今回の作戦だ。匙と玉龍によって八坂姫は沈黙化しており、とりあえず目的は達成できている。
散々ボコられた借りもしっかり返せたし、これ以上無理をする必要はないだろう。
なのであえて見逃す体制をとると、霧に完全に包み込まれる前に曹操は最後の言葉を告げる。
「次は俺も
その言葉と共に曹操達は姿を消し、井草もイッセーとの合一化を解除する。
「井草さん!」
「ニング! 無事で良かった」
感極まって抱き着いてきたニングを抱きしめ返しながら、井草は笑顔を返す。
そしてそれを苦笑に買えると、片手を広げてリムに視線を向ける。
……その意図を察して、リムは顔を赤くしながらちょっとおろおろし―
「い、井草ぁ~……なんちゃって」
「はいはい。リムも頑張ったね~」
そのまま二人を抱きしめながら、井草は何となくほっとする。
二人が無事で良かった。イッセーも強くなって良かった。仲間達も、ダメージこそあれど生きていて良かった。
そして五十鈴も助けに来てくれて嬉しかった。伊予も、闘戦勝仏が相手では捕縛されるしかないだろう。
諸問題は立て続けに残っているだろうが、しかし、嬉しい事も立て続けに発生したものだ。
「うん、とりあえず今回は素直に喜びますか」
そう呟き、井草は愛する二人をしっかりと抱きしめた。
イッセーの新技は封印系神器の特性を拡張発展させての、自分の鎧化といったところですね。今回は井草が僧侶の特性で身にまといました。
結果として井草が超パワーアップ。僧侶重視なのはとっさに砲撃戦を強化した形で、実際問題総合性能なら新女王より上です。
だがしかし、それでもなお圧倒するのがナイアルという男。ぶっちゃけコイツ主神クラスなので、D×Dの領域に到達してようやく同格です。