混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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発動してしまった神器の摘出装置。

このままアーシアは神器を奪われてしまうのか……っ!!


8話

 

 装置は起動させた。

 

 この装置はレイナーレ達の一派が本部から持ち出した物で、神の子を見張るもの(グリゴリ)の技術で作られた、神器摘出装置の最新型である。

 

 これなら確実に神器を抜き出せる。そして、其れをレイナーレは自分に移植する。

 

 結果として、レイナーレは堕天使ですら癒す事ができる存在になる。其の力で自分の権威を高め、上層部に至る事が目的だった。

 

 しかし、上役達は人間なんかを好きに殺すだけで不快を示す者達。そんなところの上役になっても、余計な仕事が増えるだけで意味がない。

 

 既に受け入れ先も出来ている。そちらの方が好きに活動できる余地がありそうだ。少なくとも、自分達の行動を許容して相当の待遇で迎え入れてくれる事を約束してくれた。

 

 そのダメ押しとして、しっかりアーシアの神器は摘出しようとして―

 

「………イッセーさん! しっかりしてください、イッセーさん!!」

 

 その、他人の心配をする余裕があるアーシアの姿に目を見開いた。

 

 おかしい。少なくともこの装置が起動すれば、アーシアには絶叫するほどの激痛が走るはずだ。というよりそれ相応に派手な事になる。

 

 神器は魂と密接に繋がっている。それを無理やり引き剥がされれば、文字通り死に至る苦痛が走るのは当然。他人の心配をしていられる余裕などあるはずがない。

 

 万が一、イカレていると言い換える事もできる精神力で他人の心配をしていたとしても、それでも装置が反応している。それ位神器の摘出は分かり易いのだ。

 

 だが、まったく装置が反応していない。

 

「ど、どういう……」

 

「え? ……え?」

 

 レイナーレはもちろん、イッセーも痛みを別の意味で忘れてきょとんとした。

 

 状況が、まったく分からない。

 

 見れば、祐斗も小猫も、レイナーレの取り巻きの悪魔祓いも唖然としている。

 

 状況が、まったく分からない。

 

 その間の抜けた緊張感を、足音がかき消す。

 

「あ、成功してたのですよ」

 

「マジ最高でやがりましたね」

 

 と、のんきな表情で入ってきたのは、小猫達が拘束したはずの悪魔祓い二名。

 

 心からほっとした顔で、アーシアが無事な事を喜んでいる。

 

 その瞬間、レイナーレは全てを悟った。

 

 この二人は、敵だ。

 

「あんた達、何者よ!!」

 

 即座に光力を放って攻撃を叩き込む。

 

 今の自分の戦闘能力は、並の上級堕天使を上回っている。力の使い方に慣れていけば、下位の最上級堕天使なら対抗できるだろう。

 

 少なくとも、ただの悪魔祓いが対抗できるような手合いではない。

 

 しかし、即座にその二人はその攻撃を弾き飛ばした。

 

 片方は明らかに禍々しいオーラを放つ魔剣。だが、どこから取り出したのかが分からない。

 

 片方は悪魔祓いの基本装備である光の剣。だが、その出力は明らかに異常だ。

 

 今までこんな実力は見せてこなかった。そして、明らかに自分にとって脅威のレベルに到達している。

 

「……とりあえず、そろそろいい加減キレそうだったのですよ」

 

「まあ、元をただせばこっちが悪ぃんでやがりますけどね」

 

 未だに冷静さを保っている二人を見て、レイナーレは後退して槍を構える。

 

 そして、二人はそんなレイナーレを警戒しながらも、イッセー達に軽く頭を下げた。

 

「申し訳ないのです。上から「失敗の可能性も考慮して逃げれるようにしておけ」と言われていたのです」

 

「んなしちめんどくせえことになってるんで、装置の破壊を確認するまで出待ちさせてもらいやした」

 

「え……えっと…? 味方でいいの?」

 

 二人の言葉にイッセーはそう聞くが、二人はあっさり首を振った。

 

 そして緑の髪の方が、隠し持っていた十字架を持った。

 

 それは、炎に包まれた意匠を施されていた。

 

「私らは、教会の者ですぜ、お兄さん」

 

「教会って……なんでアーシアを追放しておいて!?」

 

 怒りもあるが、それ以上に驚きもある。

 

 アーシアは、悪魔を治してしまった事が原因で魔女扱いされて追放された。

 

 その追放した教会の側が、何故アーシアを助けようというのか。

 

 その疑問に答えを示したのは、茶髪の方だった。

 

「追放されたので、上は逆に自分達の側に取り込もうとしたのです。……ちゃんとした信徒を入れないのが、プルガトリオ機関の一線なのです」

 

 その聞き慣れない組織名に、レイナーレは目を見開いた。

 

「プルガトリオ……!? なんで教会の者が、煉獄の名を組織の名に関するのよ!?」

 

 レイナーレが何で驚いているのかが分からない。

 

 と、思ったがふと気が付いた。

 

 確か煉獄というのは、地獄ほどじゃないけど天国じゃない場所だったはずだ。

 

 確かに、信徒が好んで付けたがる様なものではない。

 

「……まともな機関じゃ、絶対ない」

 

「そうなのです」

 

 小猫の感想に、茶髪の少女がそう答えた。

 

 そして、緑髪の方は胸を張るように答える。

 

「我ら、主の祝福を受けるに値しない者。されど信仰を守る者」

 

 そして、光の剣の切っ先を、まっすぐにレイナーレに突き付ける。

 

「我ら、教会暗部プルガトリオ機関。……その子の身柄、我々がもらい受けるッス」

 

 状況は、更に二転三転する。

 

 それを理解したレイナーレは速攻で切り札を切った。

 

 自分達の受け皿を用意した奴を切り捨てるのはあれだが、しかし状況が状況だ。

 

 出せる手札は全部出す他ない。

 

「……フリード!! こいつらを始末しなさい!!」

 

「あいあ~い! 天才剣士の出番ですねぃ!!」

 

 その言葉と共に、白髪の悪魔祓いがどこからともなく表れて銃を放つ。

 

 その攻撃をさらりと光りの剣で捌きながら、緑髪の少女はため息をついた。

 

「フリード・セルゼン? あんたにゃ悪ぃですが、ちょっと話を聞かせてもらいますぜ?」

 

「やーだよーん!! リムちゃんこそ、スパイちゃんだからレイプしてもいいよね? 答えは聞かないぜ!!」

 

 即座に銃を乱射するフリードに、リムと呼ばれた少女はそれを弾きながら、一瞬で接近する。

 

 そしてその刃がフリードを切り裂こうとしたその時―

 

『パイレーツ!!』

 

 注射器型デバイスが、フリードの首に突き立った。

 

 その瞬間、フリードの姿がキレイに代わる。

 

 髑髏を模した顔。ボロボロの海賊服。

 

 そんな怪人の姿になったフリードは、その斬撃をカトラスで受け止めた。

 

「やるねぇリムっち。とっさにパイレーツイーツにならなきゃ、やられてたぜ!」

 

「シグルド機関の連中は手強いでやがりますな。色々としつこいっつーかなんつーか!!」

 

 そして、高速での剣劇戦闘が勃発。イッセー達の目に留まらない速度での戦闘が発生した。

 

「チッ! イーツになったフリードと互角とか、化け物!? ならせめてアーシアだけでも―」

 

「させないのです!」

 

 アーシアを確保しようとしたレイナーレを、回り込んだもう片方の少女が牽制する。

 

 振るわれる魔剣のオーラによって、レイナーレはアーシアに近づけない。こちらもまた、イッセーとは次元違いのスピードだ。

 

「邪魔よ、ニング!! 教会の飼い犬風情が、私の邪魔をするな!!」

 

「そうはいかないのです!!」

 

 レイナーレも圧倒的な身体能力で抑え込もうとするが、イングはそれを抑え込む。

 

 状況は拮抗。そして、時間が経てば井草やリアスも駆けつけてくれるだろう。

 

 だが、レイナーレもそこまで愚鈍の極みではなかった。

 

「お前達!! 早くアーシアを確保して離脱しなさい!!」

 

 業を煮やしたレイナーレが、はぐれ悪魔祓い達に大声を飛ばす。

 

 それで我に返ったはぐれ悪魔祓い達がアーシアを確保しようとし―

 

「そうはいかない」

 

「させない」

 

 ―既に持ち直していた祐斗と小猫が、それを阻む。

 

 そんな中、イッセーは悔しさに歯噛みしていた。

 

 アーシアを助けると最初に言い出したのは自分だ。なら、自分が一番動かなければならないはずだ。

 

 にも関わらず、女の子に守られている。

 

 それが、どこまでも悔しい。

 

 それに涙すら浮かべるイッセーの耳に、声が届いた。

 

「イッセーさん!」

 

 アーシアの、声が届いた。

 

「大丈夫ですか、イッセーさん!」

 

 アーシアが、心配している。

 

 そうだ。何をぼさっとしている。

 

 自分は彼女を助けに来たんだ。まだ彼女は捕まっているではないか。

 

 ここで手が空いているのは、自分だけだ。だから、自分が動かなくてはいけないだろう。

 

 その決意と共に、イッセーは立ち上がると足を踏み出す。

 

「……神様……いや、俺は悪魔だから魔王様の方がいいか」

 

 ふらふらと、しかししっかりと足を踏みしめて一歩一歩近づく。

 

 激痛が走る。あの衝撃だ。悪魔の体でも、骨の一本や二本は折れているかもしれない。

 

 だが、歩くのに支障はない程度の負傷だ。なら、何の問題もないだろう。

 

『BOOST!』

 

 神器が反応して、少しだけ楽になる。

 

 力も入った。ならば大丈夫だ。

 

「……あのクソガキ! させると―」

 

「こちらのセリフなのです!!」

 

 レイナーレとイングが激戦を潜り抜けている横を、ゆっくりとした歩みで通り過ぎる。

 

『BOOST!』

 

 流れ弾が掠めるが、それでも歩みは止まらない。

 

 友達を助ける。アーシアを助ける。今はそれだけを考える。

 

 もとより自分は馬鹿者なのだ、なら、馬鹿なりに出来る事を続ければいい。いや、それしか出来ない。

 

『BOOST!』

 

 更に力が戻り、そして歩く速度も速くなる。

 

「行くんだ、兵藤君!」

 

「先輩、急いで」

 

 迎撃しようとするはぐれ悪魔祓いを、祐斗と小猫が迎撃する。

 

 もちろん流れ弾ぐらいは飛んでくるが、しかしもう効きはしない。

 

『BOOST!』

 

 そして階段を上り、アーシアのもとに辿り着いた。

 

「助けに来たぜ、アーシア」

 

「イッセー……さん」

 

 涙をぽろぽろとこぼすアーシアの頭を、イッセーは撫でる。

 

「もう泣くな。これから、一緒に遊ぼうぜ?」

 

 ああ、だから邪魔者は粉砕しよう。

 

 どうせ自分は悪魔だ、なら、悪徳の一つや二つやって見せろ。

 

「……させるかぁあああああ!!!」

 

「あ!?」

 

 そして強引にイングを突破したレイナーレが、宙を舞ってイッセーに迫る。

 

 其の戦闘能力は上級クラス。おそらく、リアスや井草でも苦戦するだろう。

 

 だが何故だろう。その動きは、今のイッセーには手に取るように遅く感じられた。

 

 全てがスローモーションのようにゆっくりと動く中、イッセーは一度呼吸を整える余裕すらあった。

 

 そして思い出す。自分の純情が踏みにじられた時のことを。

 

 加えて思い出す。自分を助ける為にアーシアが泣きながら庇った時のことを。

 

 ……一瞬で、怒りが沸点を超えた。

 

「吹っ飛べ―」

 

 そして勢い任せの攻撃をかわし―

 

「―クソ堕天使!!」

 

 顔面に、勢いよく左拳を叩きつけた。

 




―ニングとリムの介入により、アーシアは一応無事。そしてイッセーによってレイナーレもボコられました。

自分、原作をきちんと立てることを作品を書くにあたって基本としております。そしてアンチ・ヘイト作品でもないのでなおさらです。イッセーは準主人公的なポジションとして、しっかり活躍させるのでご安心を。









次の話では井草の覚醒を書く感じですね。もっとも、こっちはかなり短くなる予定ですが。
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