混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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ついに悲惨な真実を知った井草。

そして、アグレアスを戦火の炎が包み込む


6話

 

「………死にたくないよぉ、井草……っ」

 

 五十鈴がふり絞ったその言葉に、井草は決意を固める。

 

 公私混同は覚悟の上だ。それでも、これだけは意地でも叶える。

 

「分かった。今からすぐにアザゼル先生達に連絡を取るよ。大丈夫、死刑だけは意地でも―」

 

「……ううん。違うの」

 

 井草をさえぎって、五十鈴は首を横に振る。

 

 そして、うつむいたまま―

 

「私は………もう、一か月も生きれない」

 

 -残酷な真実を、口にした。

 

 モウ、イッカゲツモイキレナイ

 

 その言葉が一瞬理解できず、井草は思考を停止させる。

 

 そして、その所為で力が緩んだのにも関わらず五十鈴は逃げない。

 

 そのまま脱力してへたり込むと、涙をこぼしながら肩を震わせる。

 

「五十鈴ちゃん!? ど、どういうことぉ!?」

 

 そして愕然としながらも、ピスは五十鈴の肩を掴んで問い質す。

 

 そんなピスに涙をこぼしたまま、五十鈴は自嘲の笑みを浮かべる。

 

「EEレベル1,0を6,0にまで強制的に引き上げる為に、私の体はもうボロボロ。投薬と外科処置を続けても30までは生きれないし、薬の補充は一月分を切ってるから、私の寿命はそこまでしかない」

 

 ……当然といえば、当然だった。

 

 EEレベル6,0。最上級悪魔のそのまた上位に相当するEEレベルは、あまりにも高すぎる。

 

 魔王サーゼクス・ルシファーとすら渡り合えるナイファーザー達精鋭で6,5。そのレベル以上の者は、本場ともいえるムートロンですら四桁程度。

 

 おかしいのだ。いくら何でも、高すぎる。

 

「本当は何十世代もかけての時間をかけてゆっくりとする遺伝子調整や強化改造、そして受精卵段階での調整や品種改良の応用の世代の積み重ねが必須なEEレベルの上昇。それをたった数年で追い越した私の体は、ムートロンでしか生成できない最先端エボリューションエキス技術の塊である薬がないと生きていけない」

 

 ムートロンは神々に滅ぼされた超古代文明の生き残りだ。

 

 少なく見積もっても数千年間の積み重ねがある。そしてその積み重ねをもってしても6,0のEEレベルは少数派。

 

 それを強引に引き上げた代償が、安いわけがない。

 

 冷静に考えればすぐに分かる事だった。

 

 抜群に相性のいい神器を持って、高位堕天使クラスの基礎能力を持つ井草とすら、五十鈴は性能で渡り合っている。エボリューションエキスの性能が大きいとはいえ、不自然なのだ。

 

 その対価は絶大だろう。当然の事なのだ。

 

 井草は目の前が真っ暗になって崩れ落ちそうになり、しかしデュリオに支えられる。

 

「しっかりしろ、井草くん!! キミがここで倒れたらダメだろ!」

 

 いつものひょうひょうとした調子を捨て去りながら、デュリオは呆然とする井草を叱咤する。

 

「一番つらいのは五十鈴ちゃんだろ!! キミがそんな調子でどうするんだ!!」

 

「……あ」

 

 その激に、井草は我に返る。

 

 そうだ。そうだろう。

 

 そも、五十鈴がここまでショックを隠せてないのは、井草があんな事を言ったからだ。

 

 もうすぐ死ぬと諦観して、それでいいと覚悟していた相手に、もっと生きていたいと強く思わせる事を言った。

 

 そんな事を、知らないとはいえ残酷な事をしてしまった自分が、五十鈴よりショックを受ける資格なんてありはしない。

 

 ふと、視線を何とかして五十鈴に戻す。

 

「死にたくない……しにたく、ない……資格なんてないけど、まだ、死にたくないよぉ……っ」

 

「五十鈴ちゃん……!!」

 

 泣きじゃくる五十鈴を抱きしめながら、ピスもまた涙を目に浮かべている。

 

 ……この光景は、ある意味で井草が作ったようなものだ。

 

 砕け散りそうになるほど奥歯を噛み締める。爪が皮膚を突き破るほど、拳を握り締める。

 

 そしてそれでも抑えきれない激高を井草は吠えようとして―

 

『諸君、大いなるハレの日を台無しにする無礼、あえて謝罪はしない』

 

『いやっほーい! 大イベントだぜ面白そうだなぁ、おい!!』

 

 -少しだけ聞いているビルデの声と、それに続く怨敵の声が、アグレアスのスタジアムから聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時刻は少し前にさかのぼる。

 

 会場の観客達は、誰もがその光景を待ち望んでいた。

 

『さあ、ついに始まりますは、冥界の若き英雄達同士の激突です!!』

 

 司会であるガウド・ナミジンが声を張り上げ、そして魔法技術を利用したスポットライトが点灯される。

 

『東口ゲートから入場しますは、被災の身に生まれながらも絶対的な努力で圧倒的な実力を手にし、この冥界の危機に対してバアル義勇軍を率いる、次期大王! サイラオーグ・バアル率いるバアル眷属!!』

 

『『『『『『『『『『わぁああああああああああああ!!!』』』』』』』』』』

 

 サイラオーグ率いるバアル眷属の入場と共に、大音響という言葉すら生ぬるいほどの歓声が鳴り響く。

 

 そして、次にスポットライトが真逆のゲートに向けられると共に、音楽が鳴り響く。

 

『そして西口ゲートからは!! 冥界の希望の星である乳龍帝おっぱいドラゴンを従える、リアス・グレモリー率いるグレモリー眷属が入場します!!』

 

『『『『『『『『『『ずむずむいや~ん!!!』』』』』』』』』』

 

 おっぱいドラゴンの主題歌をBGMにイッセー達もまた入場する。

 

 そして両チームが対になっている浮島に陣取ると同時に、更なる放送が流れようとし―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『諸君、大いなるハレの日を台無しにする無礼、あえて謝罪はしない』

 

『いやっほーい! 大イベントだぜ面白そうだなぁ、おい!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放送設備をジャックして、アグレアス中に聞こえるように声が鳴り響く。

 

 そして霧が会場中を多い、そして消え去った時には大きな変化が生まれていた。

 

 スタジアムの外周部分と試合会場である内周部分を取り囲むように、大きな物体が鎮座している。

 

 同時に、グレモリー眷属とバアル眷属を同時に見れる位置に、十人ほどの人影がそこに立っていた。

 

 その姿を認め、サイラオーグとイッセーは目を見開いて声を張り上げる。

 

「ビルデ・グラシャラボラス・サタン!!」

 

「てめえ、ナイアル!!」

 

 その声を受け止め、ビルデとナイアルは悠然と視線も受け止める。

 

「よっす赤龍帝!! 井草・ダウンフォールは元気してるか?」

 

「久しいな、諸君。サイラオーグはともかく、リアス・グレモリーとはあの会合以来か」

 

 双方ともに余裕の表情を浮かべながら視線を受け止めると、ビルデが一歩前に出て周に視線を向ける。

 

「悪魔という種の在り方を捨てた愚か者の諸君!! 今日という久しぶりの気晴らしを台無しにする事、詫びるつもりは一切ない」

 

 悪意が込められたその言葉と共に、ビルデは一度息をすうと、はっきりと宣言する。

 

「今日は諸君らの心を更にどん底に沈めるべく、そして我々ビルデ・グラシャラボラス・サタン眷属の力がどれほどかを伝えるべく、ここにはせ参じた!!」

 

「……冥界の者達が心から待ち望んでいたこの一戦を。そして、俺達とリアス達の夢をかけたぶつかり合いを台無しにするとは、いい度胸だな、ビルデ!!」

 

 本気の怒りをにじませたサイラオーグの怒声に、ビルデは悠然と微笑む。

 

 そこの気負いは一切ない。恐怖も緊張もなく、市全体と言っても過言ではない。

 

 そしてサイラオーグは迂闊に突撃する愚だけは犯さない。

 

 気づいているのだ。今の状況は既におかしい事に。

 

 そして、リアスもまたそれに気づいていた。

 

「……未だお兄様もゲストとして来られている神達も乱入してこない。何をしたの、ビルデ!!」

 

 そう、明らかにおかしい。

 

 禍の団の大勢力であるムートロンと大魔王派。その最強格と指導者が、寄りにもよってこんなところに出てきたのだ。

 

 当然、本来なら即座に迎撃部隊が出て来てもおかしくない。

 

 そもロキとの一戦で大活躍をしたサイラオーグとイッセーがぶつかるこの試合。その注目は絶大で、直接見物に来た者達も数多い。主神クラスも二桁に届く勢いで見に来ている。

 

 北欧アースガルズからは主神オーディン。中国須弥山からはインドラこと帝釈天。ギリシャオリュンポスからは主神ゼウスとその兄弟であるポセイドンとハーデスが来ている。

 

 三大勢力を嫌っているハーデスすら見に来たこの一戦。台無しにするような真似を見逃せば、当然の如く沽券に係わる。

 

 ましてや喧嘩を盛大に売られている神々も見過ごすどおりはないだろう。即座に戦闘が開始されてもおかしくないのだ。

 

 だが、ビルデは余裕の態度を崩さない。

 

「神々の援護を求めているなら無駄だ。今回ゲオルクに用意してもらった結界装置は特別製でね。二時間しか発動する事はできないが、二時間の間はオーフィスすら破るのに苦労する代物となっている」

 

「ついでに言うと!! 対神迎撃用に大魔王派からは大部隊が出撃だ!! 中級クラス以上の悪魔を、一万ちょっと投入させてもらったぜ!! 最上級クラスは五十人だったっけか?」

 

 ナイアルが追加する言葉に、誰もが息を呑む。

 

 おかしい。あり得ない。

 

 最上級クラスを五十人も用意するなど、できるわけがない。

 

 合流した旧魔王派と現政権から裏切った者達を含めても、総力に匹敵するような人員だ。そんな事をすれば、戦線が瓦解すると言ってもいい。

 

 その事実に誰もが驚愕と疑念を同時に抱き、しかしリアスはふとビルデの演説の内容を思い出し、正体に勘付く。

 

「……まさか、王の駒という、あれ!?」

 

「ほう、聡いな。その通りだ」

 

 ビルデはそういうと、一つの悪魔の駒を取り出す。

 

 それは上級悪魔が普通に与えられる駒とは全く異なるものだった。

 

「これが王の駒の現物だ。能力は、適合した悪魔の能力を数十倍から数百倍に強化するというものだ」

 

 そう告げるビルデは、それと同時にエボリューションエキスを取り出すと変身する。

 

『コピー』

 

 その言葉共に変化したビルデは静かに自嘲するかのようなトーンで告げる。

 

「正直に告白しよう。私は王の駒を材料を利用してコピーする事は出来ても、正真正銘新造する事は出来ない」

 

 そして、その視線を映像機器に向けると、今度は皮肉の色を込める。

 

 この意味が分かっているという事がどういう事か、ここにはいないアジュカ・ベルゼブブに告げるかのように。

 

「つまり、一から本当に意味で作れる者が新造すれば情勢はさっさとひっくりかえせるのだ」

 

「……愚かな。その意味が本当に分かっているのか?」

 

 サイラオーグはその言葉に静かに首を振る。

 

「安易に手にした力は暴走を引き起こしかねん。王の駒を安易に大量生産すれば、待っているのは三大勢力の戦争すら超える神話を巻き込んだ大戦争だぞ?」

 

「それこそ望むところだろうに」

 

 それに真っ向からビルデは異を唱える。

 

 それのどこに問題があるのかと、ビルデは言外に言いきった。

 

「勝利とは戦って勝ち取る物。栄光とはすなわち敗者の血と痛みと嘆きによって作られるものだ。弱肉強食は自然の理である以上、勝者になる為に強者になるのは当然の帰結だろう?」

 

 何を言っているのだ馬鹿がと言わんばかりに、ビルデは心の底から断言する。

 

 そして、サイラオーグに心底から嫌味な視線を向けて、言い切った。

 

「マグダランの地位をその拳で奪い取ったのは貴様だろう? 血を分けた弟相手に我が言葉を実践した男が、偉そうに異を唱えるなど笑わせる」

 

 そして真っ向から視線をぶつけ合うと、そして肩をすくめて周りを見渡す。

 

「一応言うが、ナイアル殿はあくまでイレギュラーが発生した時の保険だ。余興の為のゲストは用意しているが、グレモリー眷属とバアル眷属は我がサタン眷属でお相手する……が」

 

 そこでビルデは一つ言葉を切る。

 

 そして、眷属達と共に立っているフードの者達に視線を向ける。

 

「……女王のスリエールと戦車のエウクレイテスは所用により欠席で、兵士の親衛隊小隊長達はアグレアスの衛兵用に差し向けた。ゆえに今回はゲストで代行する事を許してほしい」

 

「ゲストだって?」

 

 警戒する祐斗に頷いて、ビルデは指を鳴らす。

 

「そう、中々面白い顔ぶれだと思うぞ?」

 

 そして、フードが投げ捨てられ……。

 

「……まさか、貴方が出てくるとは」

 

「ふむ、まあ私が若手に牙をむくのはいじめかもしれんな」

 

 サイラオーグを瞠目させるは、ビィディゼ・アバドン。

 

 王の駒を使用した者達の1人にして、レーティングゲーム三位にまで到達した、魔王クラスの領域に到達した実力者。

 

「……まさか、アーシアの前にのこのこと現れる度胸があるとはね……っ!!」

 

「当然だろう。僕は彼女を穢したくて穢したくて堪らないんだから」

 

 リアスに殺意を抱かせるは、ディオドラ・アスタロト。

 

 徹底的に叩き潰されてなお行動するその悪意には呆れを通り越して感心させる。

 

「まさか、君が悪魔と手を組むなんてね」

 

「ですよねー。でも、それ以上に君達への想いが僕ちんを突き動かすのデス! そう、これはまさしく愛……いや、憎悪SA!!」

 

 祐斗に呆れを抱かせるのは、はぐれ悪魔払いだった男、フリード・セルゼン。

 

 悪魔を毛嫌いしていたかれがこの状況下で出てくる事に一周回って感心すら抱かせる。

 

 それほどまでに、人生のけちのつけはじめだったグレモリー眷属が嫌いだという事なのかもしれない。

 

 そして―

 

「………嘘、だろ?」

 

「ううん、嘘じゃないよ、イッセー君♪」

 

 顔を真っ青にして汗を流し、震えすら見せるイッセーに、彼女は満面の笑顔を浮かべて弾んだ声を出す。

 

 その可憐な表情は間違いなく美しいが、しかし同時に底なしの悪意を感じさせた。

 

 そして、それは間違いなく事実である。

 

 神の子を見張る者の総督であるアザゼルが、脅し目的とは言え査問会を起こすとまで告げた相手だ。相応に問題のある性格をしており、彼女を知るグレモリー眷属は一斉に敵意を向ける。

 

 そして、それを楽しそうに受け止めながら、彼女は表情を一変させる。

 

「腐り果てた悪魔のクソガキに復讐する為に、こうして悪魔なんかに頭を下げてリベンジしに来てあげたわよ!!」

 

 堕天使レイナーレ。

 

 過ぎさった悪夢が、再び舞い降りた。

 




ビルデ襲来。さらにアグレアスに大戦力が襲い掛かる大動乱です。

そしてレイナーレの逆襲がスタートです。最初からこの作品では、レイナーレとフリードは強化することが決定されていました。厄介な難敵と化しております。
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