混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E 作:グレン×グレン
一方その頃、ドーム外側では既に激戦が勃発していた。
襲い掛かる数十人の最上級悪魔と、バイアクヘーイーツ数十名。
中にはナイファーザーなどの魔王クラスまで存在しており、神クラスを相手に最低でもツーマンセルで遅滞戦闘を行っている為、戦線は膠着していた。
そして、最大の問題が再び来た事に気が付いて、アザゼルは舌打ちする。
「……砲撃来るぞ!! 全員、防壁を展開しろ!!」
アザゼルの指示に従い、結界を張る事ができる防衛部隊が一斉に防御障壁を展開。同時にアザゼルが力を籠め、その防御出力を大幅に強化する。
その瞬間、神クラスの全力に匹敵する砲撃が軽く十数発は放たれ、ぶつかり合う。
……帝釈天が連れてきた四天王も防壁側に回っている為何とか防げているが、これが定期的に来る所為で、防衛側であるアザゼル達は敵部隊の迎撃に集中できない。
かといって、敵の実力者は隙あらば殺しに来ている。それも、普段は足止めに徹しておきながら、一瞬でも強引に振り切ろうとすれば全力の殺意と共に攻撃を叩き込んでくるのだ。
これによって大会を見学に来ていた神クラスすら動きが封じられている。
オーディンやハーデス、サーゼクスなどに至っては片手が埋まる数で攻撃を仕掛けてきている為動きたくても動けないのが実情だ。アザゼルが指揮に意識を向ける事ができているのが奇跡に近い。
そして、そんな戦闘を行っている理由も簡単だ。
彼らはこちらを殺す気が薄いのだ。
おそらくこの作戦はテストが半分。来るべきムートロン本艦隊が到着した後、そして王の駒による強化悪魔が一定数を超えた後の為だ。その為の事前データ収集こそが目的なのだ。
そう、対神戦闘のノウハウや、精鋭達がどれぐらい戦えるのかを知る為のテスト。それがこの作戦の目的の半分だ。
そして、もう半分も明白。
「……本気でビルデがイッセー達を殺せると確信してやがるってわけか!!」
今回の作戦の一つは、間違いなくビルデによるサイラオーグとリアスの蹂躙。可能ならば殺す事だ。
冥界の陰鬱なムードを払拭する為のこのイベント、台無しにするだけで現政権側の士気は更に落ち込む事が断言できる。
ましてや若手悪魔の二強が撃ち滅ぼされれば、現魔王派は大魔王派に勝てないという印象が強まる。そうなれば大魔王派に流れる悪魔は更に増えるだろう。
そうなれば、少なくとも悪魔は終わる。現政権側の中核である三大勢力の一角が終われば、その影響は甚大だろう。
むろん、それはビルデがリアスとサイラオーグを眷属ごと撃ち滅ぼす事ができればの話である。
それ以外の目的はもちろんある。だが、それでもこのタイミングでやるという事は、それだけの確証があるという事だ。
「ビルデ、奴はどこまでできるんだよ……っ」
アザゼルが歯噛みしたその時、堕天使の一人がアザゼルに近づきながら大声を張り上げる。
「アザゼル総督! 敵の砲撃の地点判明しました!!」
「マジか! 誰がぶっ放してやがる!!」
周囲の攻撃を警戒しながら振り向いた先、堕天使が見せた映像に、アザゼルは目を見開き……納得した。
そこにあるのは、流線型のボディをした巨大な物体。
少なく見積もっても400mはあるであろう事が、周辺の環境との比較で分かる。
そして物体は少なく見積もっても片手が埋まる数存在し、砲撃を叩き込んでいる。
だが、それがムートロンが出どころだと考えれば驚きは少なくなる。
なにせ相手は、外宇宙に進出して戻ってきた存在だ。それも、神々を相手に殲滅すると断言するような者達だ。
考えればすぐに分かるはずだ。化学兵器による戦争とは、白兵戦だけで決着がつくものではない。
宇宙空間に進出するような存在が、その為の機会を使用しないわけがない。
そう、あれは―
「宇宙戦艦まで投入たぁ、この作戦の本気度がよく分かるぜ、ナイアル……っ!!」
―外宇宙航行を可能とする、戦闘航宙艦艇である。
「HAHAHAHAHA! まさかただの機械で神クラスの力を発揮するとはなぁ!! 流石に驚いたぜ、オイ!!」
体中から血を流しながら、その情報を受け取った帝釈天は高笑いをする。
ぶったちゃけ、黄昏の聖槍を持つ曹操の存在を早期に知りながら秘匿していた彼は問題児だが、しかしムートロンに対する警戒だけはしていたつもりだ。
曹操を利用して情報を探るつもりだった。流石にムートロンはまずいと判断して、京都の一件で関与が疑われた時点で自慢の四天王すら送り込んだ。
だが、どうもそれでも足りなかったようだ。
まさか純粋な機械で神クラスの火力を発揮する存在を投入するとは思わなかった。しかも、前座の部隊で複数機も投入できるほどの余力を持っている。
「和平とか正直むかついてる連中も、これには度肝を抜かれただろうぜ!! 今頃泡くってるんじゃねえか!?」
本気で笑える事態になっているが、しかしそんな事ができるのはバトルジャンキーの気質がある彼のような主神クラスぐらいだろう。
実際、同じ主神であるゼウスは半目を向けている。
「言っとる場合か! ワシらすら全員苦戦してるだろうに!!」
ゼウスがそう文句を言ったその瞬間、一人先行していたトールが弾き飛ばされる。
そしてその瞬間、荷電粒子砲が一気に三つ、それぞれの神に対して放たれた。
「おっと!!」
そして帝釈天はヴァジュラを放つ。
ゼウスもケラウノスを叩き込み、トールはミョルニルを勢いよく叩き付ける。
そして十数秒の拮抗ののち、その砲撃を何とか相殺する。
それは本来あり得ない事だ。
中国神話体系の長にである、帝釈天ことインドラ。ギリシャ神話体系オリュンポスの主神であるゼウス。そして北欧神話体系の戦神筆頭であるトール。
彼らはそれぞれ雷の神。そして主神もしくは主神に並び立つ者だ。
その絶大な力を前に、あろうことか彼らの土俵である雷撃で渡り合っている。そんな事が可能な存在など、この地球には存在しないと言ってもいい。龍神クラスですら多少難儀するレベルだ。
だがしかし、それをなしている存在が目の前にいた。
「……流石雷を司る主神クラス。流石に一人で戦うのは無謀だったか」
肩で息をし、血を流しながらそう漏らすは、ムートロン先遣艦隊司令であるホテップである。
その前身は淡いオーラのようなもので包まれ、肉体そのものは黒を基調として黄色の模様が刻まれたイーツと化している。
その両手に持つのは、装飾が施された一対のトンファー。そこからもまた雷撃が放たれ、その余波だけで近くにいた上級悪魔が一瞬で消し飛ばされる。
その激戦で、帝釈天は相手の力の一部を見抜いていた。
「サンダーイーツってところか? で、持ってるのはミョルニルを参考にした装備なんだろ? 先遣艦隊司令さんよぉ?」
「正解だ」
帝釈天のカマかけに、しかしホテップは分かったうえでそれに答える。
元より隠す必要はない。それほどまでに自分の力は隙が突かれにくいものだ。それに、技術者としては自分の持つ技術を誇示したいというものである。
「私のデフォルトイーツはサンダーイーツで相違なく、これはロキ一派に潜りこませたスパイが入手した技術をもとに作ったトールトンファーだ。そして―」
『アザトース』
その合成音声とともに、オーラが更に濃くなる。
「我がアウターイーツはアザトースイーツ。能力は、宇宙全体の流れからエネルギーを抽出する事だ」
アザトース。クトゥルフ神話において、世界とは彼が見る夢にすぎないとすら称される邪神の一角。
そしてその言葉を聞いて、帝釈天はある事に気づいてため息をついた。
「……クトゥルフ神話の原型は、お前らが接触した宇宙生命体か」
「しかり。一部のバカが夢の形で発信したそうだ。……それがここまで有名になるとは思わなかったが」
思わぬ真実もあったものである。帝釈天は呆れてため息をついた。
だが、それで読めた事もある。
「……アザトースイーツで引き出したエネルギーをサンダーイーツで雷撃に変換し、更にそれで制御して効率的に運用するのがお前の戦闘スタイルってか?」
「ああ、アザトースイーツだけではエネルギーを引き出す事はできても、制御に難があってな。サンダーイーツの力で制御を容易くする事で、効率が9割ほど上昇する」
その言葉と共に、ホテップはトールトンファーを構える。
同時に、何体かのバイアクヘーイーツが周囲を取り囲むと、一斉に専用の装備を構える。
「精製したオリハルコンをコアとするムートウェポンシリーズ。その技術も含めて開発したトールトンファー。そして……」
そして周囲から一斉に殺意が叩き付けられ、帝釈天は流石に身構える。
面白い。素直にそう思う。
流石に鬱陶しいを通り越して脅威だが、戦いとはこうでなくてはならない。
シヴァといつか決着をつけるまで死ぬ気はない。そして、こいつらを乗り越える事ができれば、それに一歩近づくと確信する。
そんな帝釈天の考えを知ってか知らずか、ホテップは静かに身構え―
「外宇宙白兵戦闘用強化システム、エボリューションエキスの最先端であるアウターイーツの力を知るがいい」
……主神クラス三名と、それを殺しうる戦力による激突は、文字通り世界を揺るがした。
ホテップは現段階におけるラスボス候補ですので、めちゃ強いです。少なくともD×Dに至ったイッセーおよび最終決戦仕様の井草を苦戦させなければいけないため、結構盛りました。
そして超遠距離からの神クラスの砲撃で苦しめる宇宙戦艦。まあ、外宇宙に逃げてから出戻りしてきたやつらなので、恒星間航行が可能な船は当然持っております。そしてそのレベルの勢力がイーツによる白兵戦闘だけで戦うわけがありません。ラウバレルの開発した悪魔型起動兵器アーマーボディも、一部ムートロンの技術を流用しております。