混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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お気に入りが100人を超えましたが、評価がまた下がったグレンです……OTZ

マジでお気に入りに入れてくれたみんな。おらに4以上の評価を分けてくれ……。いや、切実に。









ナイアルに大打撃を与えた井草と五十鈴。

しかし戦いは終わらない。というより、この程度では状況をひっくり返せてすらいない。

そして、ベールを脱ぐナイアル最悪の所業。


14話

 鮮血がほとばしり、骨が砕ける音が聞こえる。

 

 そして何より、壁に叩き付けられた轟音が、そのダメージを物語っている。

 

 まず間違いなく、明確に。ナイアルは大きなダメージを受けている。

 

 それを確信して、五十鈴は崩れ落ちた。

 

「……五十鈴!!」

 

 とっさに井草が受け止めるが、しかし五十鈴は首を振る。

 

「ゴメン。もう、時間切れ」

 

 その言葉と共に変身が解ける。

 

 人間の姿に戻り、そして力も抜ける。

 

 分かり切っていた事だ。何度も聞かされているので、いやというほど知っている。

 

 薬の過剰服用による適正の疑似上昇。その代償は寿命の急激な浪費だと。

 

 もう、五十鈴は時間切れだ。

 

「五十鈴! 五十鈴しっかり―」

 

「井草、まだ終わってないわ」

 

 肩を揺すろうとする井草を制し、五十鈴は井草の油断をたしなめる。

 

 そう、まだ戦いは終わったわけではない。

 

 ビルデ・グラシャラボラス・サタンは健在。彼らの眷属や代理も健在。この時点で難敵が揃っている。

 

 そして何より、ナイアルは終わっていない。

 

母体(リリス)の駒とフェニックスエキスの合わせ技で、フェニックスの涙は作れるの。ナイアルは確実に一つは持ってる」

 

 そう、井草はこれで倒せたつもりかもしれないが、ナイアルはそう甘くはない。

 

 ムートロン先遣艦隊の最高戦力の一角であるナイアルに、フェニックスの涙を渡さない理由はない。そも、あの一撃で戦闘不能になっているとも思えない。まだ続くのだ、戦いは。

 

 五十鈴は最初から命を懸けて、相手の回復リソースを奪う事だけを考えていた。

 

 それすらできるか分からない戦いだった。無駄死にと言われてもおかしくない結果になる事を覚悟した。

 

 だが、井草とピスのおかげで何とか一つは減らせたはずだ。

 

 そして、もう一つの功労者に顔を向ける。

 

「悪いわね。散々ボコったのに助けてもらっちゃって」

 

「いや、俺も君のことを見誤っていたからね、お相子だよ」

 

 デュリオ・ジュズアルドはそう言うと苦笑する。

 

 かつて旧魔王派の作戦に関与した時には、殺し合いをした仲だ。

 

 それが二回目に会った時には共闘する事になった。運命とはどういうものなのか不思議なものだ。

 

 そう思うとおかしくなって、五十鈴は苦笑する。

 

「五十鈴ちゃん……」

 

 そして、ふらつきながらもピスが五十鈴の下に屈み込む。

 

「……ピス姉さん。井草のこと、お願いね」

 

「うん。分かってるわぁ……分かってるわよぉ……」

 

 流石に苦しいが言葉を紡ぐと、ピスは涙ぐみながらも頷いた。

 

 彼女には本当に感謝してもし足りない。

 

 井草が終わり切らなかったのは、彼女がいたからだ。彼女が支えてくれたからこそ、なんとかギリギリ踏み留まっていたのだ。

 

 昔からたまにだが面倒を見てくれたピス・ダウンフォール。彼女にそんな顔をさせてしまう事が悲しいが、そんな事を言う権利もないだろう。

 

「ごめんね。そして、ありがとう」

 

「うん……うんっ」

 

 ぽろぽろ涙を零すピスに微笑んで、五十鈴は最後の力を振り絞る。

 

 既に視界も暗くなってきて、体に力も入らない。

 

 だが、まだするべき事が残っている。

 

 五十鈴は、何より大事な男に、目を向ける。

 

「………五十鈴」

 

「井草………」

 

 何も言えなくなっている井草に、五十鈴は微笑んだ。

 

 死ぬのは怖い。覚悟していたが、やはり実際に死が迫ると恐怖を感じてしまう。

 

 何より井草ともう会えないのが悲しい。

 

 やりたいことも色々あった。償わなければならない事もたくさんある。出来る事ならやり直したいと思った事もいっぱいある。

 

 だが、それもここまでだ。

 

 だから、最後に伝えよう。

 

 愛の言葉ではない。そんな事を言う資格は、間違いなく自分にはない。それに、もう勢い任せで伝えている。

 

 だから、最後に言う事は―

 

「伊予、の……こと、まかせた……わよ」

 

 その言葉を何とか言い切ると同時に、意識が一気に暗くなる。

 

 恐怖はある。悲嘆もある。

 

 だが、それでも出来る事は全部やった。

 

 なら、あとは任せよう。

 

 そう、井草のことは大丈夫だ。

 

 井草・ダウンフォールは一人ではない。ピス・ダウンフォールがいる。赤龍帝達仲間達もたくさんいる。

 

 そして、彼女達がいる。

 

―任せるわよ、プルガトリオのコンビさん達。

 

 そう脳内で思ったのを最後に、五十鈴の意識は闇の中へと沈んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……感動的な場面っていうのかねぇ?」

 

 五十鈴が動かなくなってから、土煙の中から声が響く。

 

 そしてゆったりとした歩みで、ナイアルは土煙をかき分けて姿を現した。

 

 既に負傷は完全に修復され、ナイアルの手には小さな小瓶が握られている。

 

 五十鈴の推測通り、中身は間違いなくフェニックスの涙だろう。ゆえに、傷が完全に回復しているはずだ。

 

 そして明らかに不快そうな表情を浮かべ、ナイアルは歯ぎしりすらする。

 

「まさかイレギュラーに対する保険の俺が、更に保険のフェニックスの涙を使う事になるとわねぇ。こりゃ手柄の一つでも立てないと、流石に始末書じゃ済まねえわな」

 

 そう言いながら頭をかくと、ナイアルは静かに拳を構える。

 

 そこには今までよりも遥かに繊細な意識の使い方がある。間違いなく、ナイアルはこちらに対する警戒の度合いを数段上げている。

 

 断言しよう。確かに五十鈴の命を捨てた戦いは成果を上げたが、それと同時に難易度を上げていたと。

 

 本来なら、倒れた五十鈴を無視して追撃を行うぐらいでちょうど良かったのだ。そうであれば、戦闘不能にする事も不可能ではなかったはずだ。

 

 だが、五十鈴は死にピスは戦闘続行が不可能な程に消耗している。井草だって精神状態は明らかに悪いだろう。リアス達もまた、ビルデ眷属との戦いで消耗している。最強戦力であろうベルフェゴール眷属も、主神クラスのナイアルが相手では苦戦は必須だ。

 

 反面、ビルデ眷属はまだ余裕を残している。その上フェニックスの涙も何人が持っているか分かったものではない。

 

 このままでは、まずい。

 

 それが分かっているからこそ、ナイアルも真剣ではあるが余裕を残していた。

 

 そして、彼らにはまだ人員でも余裕が残っている。

 

「伊予! そろそろお前にも働いてもらうぜ?」

 

 ナイアルは伊予に戦闘参加を指示する。

 

 実際問題、龍王クラスであるタンニーンに匹敵する火力を持つ伊予は絶大な戦力だ。数の差をしのぐ程の質が集まっているビルデ眷属とナイアルに一人増えるだけでも厄介なのに、この火力は大きな脅威となる。それこそ、十分こちらを全滅させかねない程に。

 

 その事実を理解し、リアス達は歯噛みする。

 

 その様子を見て、ナイアルは得意げに嘲笑う。

 

 そして皆の視線が伊予へと向かい―

 

「……ホント、()()()は、ぶつかる相手を間違えたよねぇ」

 

 ……その自虐的なデュリオの言葉とともに、異常に気が付いた。

 

「「……伊予?」」

 

 ナイアルと井草が同時にぽつりと言葉を漏らす。

 

 そして、その声に、伊予は一切気づかない。

 

 ただ、伊予はプルプルと震えている。五十鈴を見て、周りを見て、そして自分を見て、ぶるぶると震え出す。

 

 その感情が恐怖と絶望である事に気付く者は、多かった。

 

「あ……あぁ………あぁああああああ…………っ」

 

 力が抜けたかのように膝をつき、変身すら解いた。

 

 そして、その表所を見た井草は愕然とする。

 

 その表情を、井草はよく知っている。

 

 四年前からずっと、井草の人生は大半がその感情と共にあった。それ以外の感情を内心で抱いていた事の方が稀で、余計な揉め事を避ける為に隠す事はあっても、それを捨てる事すら問題だとすら思っていた。

 

 かつての自分が苛まれ、今彼女苛まれている感情。これほどまでに分かり易いモノはないと判断できるだけの、強い感情。

 

 それは―

 

「………ごめん、なさい」

 

 ―罪悪感だ。

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごねんなさいぃいいいいいいいいいいい!!!」

 

 絶望のままに絶叫し、伊予は涙を流しながら髪を振り乱す。

 

 そのあまりの狂乱状態に、誰もが一瞬意識をそちらにしか向けれなかった。

 

 そして、そうなった原因に心当たりがある者は、二人しかいなかった。

 

「やってくれたなぁ、デュリオ・ジュズアルドくぅん?」

 

「ここまで効くとは思わなかったけどね」

 

 一周回って冷静になったらしきナイアルの挑発交じりの言葉に、デュリオも何故か怒りの表情を見せながらそう返答する。

 

 そして、二人の間に殺意がぶつかり合う。

 

禁手(バランス・ブレイカー)のぶつけがいがあるよ。俺、基本的にあんたみたいなろくでなしにしか禁手を使わない主義だから」

 

「そうかい。ま、それでもあんたは勝てねえけどな?」

 

 そう言い合う二人の間に敵意がみなぎり、そしてそれだけで誰もが理解する。

 

 デュリオが何かしたのだ。

 

 そしてその結果、伊予は戦闘どころか行動すらできる状態ではなくなった。それどころか、正気すら失いかけている。

 

 否、これは―

 

「正気に、戻った?」

 

 井草はそう思いたかった。

 

 退屈な日常を内心で疎み、非日常を与えてくれたナイアルに傾倒した伊予。それに関してはどこか納得できるし、洗脳をされているのなら、そもそも五十鈴も同じようにされていなければおかしかった。

 

 だが、それでもあの心優しく大人しい少女だった伊予が、そんな風に変貌する事にどこかで違和感を覚えていたのは事実だ。

 

 だから、この反応を見て正気になったと考えたいのが、井草の本音だった。

 

 だが、それにしたってなんで急になったのか。

 

 そこを疑問に思い、そして井草はすぐに気が付いた。

 

「まさか、虹色の希望(スペランツァ・ボッラ・ディ・サポネ)とかいう?」

 

「ああ、前に五十鈴ちゃんに使って、見事に空回りしたアレを使ったのさ」

 

 井草の問いに、デュリオはそう答える。

 

 虹色の希望。あらゆる属性を支配する神滅具、煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)の応用で形成されるシャボン玉。

 

 攻撃力そのものは一切ないが、特筆すべきはその特殊性。

 

 触れた相手の精神に作用し、大切な思い出や大切なものを思い出させる作用を持つ。その特性上、激情に呑まれて冷静さを失っている相手を我に返らせるのには十分すぎる能力を持ち、無力化においては一定の効果を持つ。

 

 もちろん欠点もある。大切な事や物を思い出させるという事は、そもそもない相手や覚えている相手には大した効果が見込めない。それに無人兵器などにも意味はないだろう。

 

 まともな精神の相手が常軌を逸した行動を取っている時には非常に有効ではある。しかし、まともな精神性を持っていない相手や常軌を逸した理屈で動く相手には意味がない。デュリオのいう禁手を使う対象―すなわちろくでなしや人でなしの類―には効かない能力だと言ってもいい。

 

 五十鈴の場合もそうだ。彼女の場合は大切な思い出を思い出しているからこそ悪逆に身を堕としていた。明後日の方向に全力で突っ走っており、その原動力が大切な思い人である井草なのだから、思い出させる力しかない虹色の希望では効果がない。

 

 その為、旧魔王派の大規模作戦の時に使用した際、デュリオはそんな明後日の方向の暴走を想像できず、五十鈴を人でなしの類だと誤解した。当然の判断である。

 

 だが、ゆえにこそイッセーの乳語翻訳(パイリンガル)で似たような反応をした伊予にも使う事を無駄と判断していた。

 

「……イッセーどんの乳語翻訳が五十鈴ちゃんに意味があったのなら、俺の虹色の希望は伊予ちゃんに効果があるかもしれない。だからさっき君達を止める時に、ついでに当てたんだよ」

 

 そのデュリオの結果が、これである。

 

 誰もが分かる。誰もが察する。誰もが理解し、想像できる。

 

 ……行仁伊予は、何かされたのだ。

 

「………ナイアルっ! 伊予に、一体、何をした!!」

 

 井草はトールセイバーを構え、何時でも伊予に駆け付けれるように踏み込みながら、ナイアルの吠える。

 

 そしてナイアルも面倒くさそうにため息を付きながら、静かにそれをけん制する。

 

「別に伊予だけにしたわけじゃねえよ。五十鈴にもきちんとしてたんだがよ?」

 

 そう返答するナイアルが、しかしそれ以上続けず踏み込もうとした時―

 

「―唾液か何かを飲ませた、といったところでしょうか?」

 

 -声が、響いた。

 

 そこにいたのは、メイド服を着た女性だった。

 

 何故ここにメイドが、などという疑問も出そうだが、戦闘を行っている者達は全員がそれ以上のとある疑問を抱いた。

 

 今この戦闘空間は、特殊な結界によって封じられている。

 

 そして同時に外側では大絶賛神話クラスの戦闘が起きている状態であり、余程の事がなければ戦力はそっちに向けなければいけない状況化である。

 

 そして何より、この結界は転移妨害も兼ねており、特定条件がなければ入る事はできないようになっている。

 

 ゆえに疑問の内容を簡潔にまとめるのなら、それは彼女が誰だという事ではない。

 

 どこから入ってきた、この女。

 

「いや、あんた誰?」

 

 ナイアルの当然の疑問に、メイドは会釈を返す。

 

「お初にお目にかかります。私は先日までグレモリー家のメイドをしておりました、シアリー・ルキフグスと申します」

 

「……ルキフグスって、確か現政権にはグレイフィア・ルキフグスしかいないんじゃなかったっけか?」

 

 ナイアルが言う通りのはずだが、シアリーと名乗ったメイドは、自嘲の笑みを浮かべながら首を横を縦に振る。

 

「直系はそうです。私は人間との某流で、かつ先祖返りした身ですので、数には入れないでいただきたく存じます」

 

 どうやら、色々と大変な事情らしい。

 

 だが、問題はそこではない。

 

 ナイアルは静かに警戒の色を強くし、攻撃態勢すら取る。

 

 そしてビルデも興味深げな視線を向け、方眉を上げた。

 

「……それで、シアリーとやら。どうやってこの結界を突破してきたのかね? 見たところ、上級悪魔に届くかどうか程度の魔力だが、それではこの結界を通る事はできないだろう」

 

 当然の疑問だが、シアリーはそれに対して自分の目を指さす。

 

「私は人間からの先祖返りです。……敵にはこれで十分でしょう」

 

「なるほど。神器(セイクリッド・ギア)か」

 

 その一言で得心が言ったのか、ビルデは頷く。

 

 それで十分と判断したのか、シアリーは視線をナイアルに戻した。

 

「それでは、答え合わせと行きましょうか」

 

「……ああ、言ってみろよ」

 

 ナイアルの返答を受けて、シアリーは指を一本立てる。

 

「まず前提としますが、かつてサーゼクス様と戦った時に、貴方は「クトゥルフイーツ」と「クイーンアントイーツ」の二つの力を使いました。そして、その前にサーゼクス様と戦ったナイファーザーという人は「バイアクヘーイーツ」と「フェニックスイーツ」の二つのイーツを使いました」

 

 その通りだ。それについてはよく知っている者も多い。

 

 そしてその前提とまず掲げ、シアリーは続ける。

 

「以上の事から、ムートロンの戦闘員には二種類のイーツを併用できる者がいる事が推測できます。また枢五十鈴嬢の提供なされた情報で、ムートロンの一部メンバーには「デフォルトイーツ」という、人の姿のままでイーツの力をほぼ使える者がいるとか」

 

「やっぱ流されてたか」

 

 これもまた、ナイアルはあっさりと肯定する。

 

 そして、シアリーは更に続ける。

 

「そしてイーツの能力は大抵名前で推測できるのが特徴です。フェニックスイーツなら再生能力、ゲオルギウスイーツなら龍殺しの聖剣の具現化と使用……といった具合に」

 

 そこまで言ってから、シアリーは小首を傾げた。

 

「では質問なのですが、「クイーンアント」はどのような能力を持っているのでしょうか?」

 

「………いいところに気づいたな」

 

 ナイアルは、にたりと嗤った。

 

 それに多くの物が寒気を覚えながら、シアリーは続ける。

 

「「アント」ではなく「クイーンアント」だというのなら、そこにはただの蟻ではなく女王蟻でなければ保有できない能力があるのでしょう。具体的には………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フェロモン、とか。

 




ここまでやってまだ終わらないナイアル。マジうざい敵です。

そして活動方向で募集したメイド長登場。烈さんしかアイディアくれなかったので、八割がたそのまま出しました。

そして彼女によって突き止められるナイアルのさらなる外道っぷり。詳細は次の話をお待ちください。

そして次回、最大の衝撃が井草たちを襲う!!
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