混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E 作:グレン×グレン
一方その頃、イッセーは意識を取り戻していた。
レイナーレにボコボコにされて意識を飛ばしていた事に気づいたイッセーだが、しかし状況の変化に一瞬戸惑う。
そこは真っ白な空間。
そして、イッセーはその場所を知っている。
ここは、赤龍帝の中の空間。歴代の赤龍帝の残留思念が残っている、思念の空間だ。
「あ、あれ? こんな事してる暇はないってのに……」
レイナーレに叩きのめされて動揺したが、しかしそんな場合でもない。
意識を取り戻したのならすぐに戦わなければ。今でも仲間達は戦っているはずなのだから。
だが、その時気づいた事がある。
歴代赤龍帝達が、どこか楽しそうな表情を浮かべてイッセーに視線を向けていた。
いつも無表情で無反応で無関心だった歴代の残留思念が、一斉にイッセーに視線を向けている。
それに一瞬気を取られた時、声が響いた。
『
その言葉と同時に、映像が映る。
そこには激戦の様子が映し出されたいた。
何時の間にかナイアルまでもが戦いに参加している。そこはいい。
何故か井草にデュリオにバラキエルにミカエルまで参加し、見覚えがあまりない悪魔や、枢五十鈴までもが戦列に加わっている。
そして、その中で一人の戦士が猛威を振るっていた。
『この程度か! ルシファーといえど血が薄くては!!』
『クッ! 井草さんの邪魔はさせないのです!!』
『つっても量産型じゃあ相手になってねえですぜ、ニング!!』
ボロボロになりながらも戦うニングとリムを相手取るは、ビルデ・グラシャラボラス・サタン。
それは圧倒的に不利な戦いだ。
覇龍を発動させたヴァーリすら蹂躙したビルデ相手では、二人ではあまりにも荷が重い。
そして、歴代はそれを見ながら怨嗟のオーラを上げる。
『奴を倒すには覇龍しかあるまい』
『身も心も委ねた覇龍でなければ、奴には届かない……』
その言葉の意味はイッセーも理解できる。
ヴァーリですら覇龍を使って倒されたのだ。イッセーがビルデに勝つには、それこそ覇龍を使わなければ話にすらならないだろう。
そして、周りでも仲間達が苦戦を強いられている。
魔王血族を筆頭とするビルデの眷属達によって、リアス達が血を流しながら戦っている。
リアスはイッセーを庇いながら、その体を傷だらけにしていた。
『覇龍』
『覇龍だ』
『覇龍を使うほかない』
『ああ、それだけが勝機だ』
その言葉と共にオーラが増幅し、イッセーと共鳴する。
「ぐ……ぁあああ!?」
その瞬間、イッセーの脳裏に憎悪の感情が灯る。
ビルデが、ナイアルが、オギアが、ディナが、ラウバレルが、敵が憎い。
歴代赤龍帝のどす黒い怨嗟の思念がイッセーに流れ込み、兵藤一誠という精神を憎悪で侵食していく。
それを、イッセーは何とか抑え込もうと試みる。
「違う……! エルシャさんが、ベルザードさんが託してくれたのは、こんな事じゃない……!」
二人は凄まじく別の意味で悲しくなる去り方をしたが、しかし希望に満ちて逝ったのだ。
それは、この赤龍帝の怨念をイッセーが乗り越えると確信したからだ。断じて、飲み込まれる事を察して失意のうちに去ったのではない。
そして、声が聞こえる。
『おっぱいドラゴン! おっぱいドラゴンー!』
『おっぱいドラゴンが死んじゃうよー!!』
『うわーん!!』
子供達の泣き声に、イッセーは悲しくなる。
子供達は乳龍帝がピンチを乗り越えるところを見て、勇気づけられてきた。その勧善懲悪の物語に、元気づけられてきたのだ。
それがこんなところで無様をさらす、しかも憎悪に飲み込まれそうになっていく。
それが悲しくて堪らなく、しかし抵抗が追い付かなくなり―
『―泣いちゃダメー!!』
声が、響いた。
『おっぱいドラゴンが言ってたんだ、男の子は、泣いちゃだめだって!!』
その子との事を、思い出した。
『男の子はつらいことや悲しいことがあっても、強くならなくちゃいけないって!!』
そうだ、確かあの子は先日のイベントで泣いていた男の子。
スタッフに怒られたが、それでもイッセーは男の子にサインを上げて、そう言ったのだ。
『それで……それで女の子を守れるぐらいに強くならなくちゃいけないんだ!!』
そう、そう伝えたのだ。
そして、覇龍に呑まれてはそれはできない。
アーシアが悲しむ。朱乃が悲しむ。小猫が悲しむ。ゼノヴィアが悲しむ。イリナが悲しむ。レイヴェルが悲しむ。
そして何より、リアスが悲しむ。
見れば、子供達は立ち上がっていた。
『そうだ! おっぱいドラゴンがあんな奴に泣けるもんかー!!』
「おっぱいどらごーん! 頑張ってー!」
『ちちりゅーてー!!』
その声が、イッセーに元気をくれる。
こぶしを握る。そして、声が聞こえた。
『そうだよ! イッセー君は、おっぱいドラゴンはどんな時でも立ち上がって勝ってきたもの!! だから応援しよう!! 信じよう、みんな!!』
イリナが、泣き出しながらも子供達に、大人達に訴える。
『みんなー! おっぱいドラゴンは大好きー?』
『『『『『『『『『『大好きー!!』』』』』』』』』』
イリナに応えるように、子ども達の声が響く。
力を籠める、そして、声が聞こえる。
『私も大好きよ! スケベすぎてダメダメなところもあるけど、努力して、頑張って、諦めなくて、大好きな人達の為に戦える人だから!! みんなも知ってるよね!!』
『『『『『『『『『『『知ってるー!!』』』』』』』』』』
子供達の声に頷く。そして、声が聞こえる。
『だったら応援するわよ! イッセー君は、おっぱいドラゴンは色んな世界に人々の為に頑張ってるんだから、一人ぼっちにしちゃいけないの!! さあ、一緒にぃ―』
『『『『『『『『『『おっぱーい!!』』』』』』』』』』
声は届いた。もう、憎悪には飲み込まれない。
涙すらこぼれる。嬉しさが止まらない。
こんなにも自分を求めてくれる人達がいる。自分を応援してくれる者がいる。自分のことを信じてくれている人達がいる。
そして、最愛の声が聞こえる。
『そうよね。あなたはいつだってそうだった……』
リアスはボロボロになりながらも、イッセーに微笑みながら立ち上がる。
『みんなあなたを求めてる。私もあなたを求めてる。だって、私はあなたのことを―』
みなまで言うな。もう大丈夫。
そして、気配が変わったイッセーを見て、歴代の一人が何を勘違いしたのか声をかける。
『さぁ、今代よ。覇道極めし覇王となるために、覇龍を―』
「すっこんでろ」
一蹴した。そして、負のオーラを無視して歩き出す。
『―なんだ?』
「子供達の声が聞こえる。みんなの声が聞こえる。そして部長の―リアスの声が聞こえる」
そう、その声は、誰一人として覇など求めていない。
「覇道なんかいらねえ、覇王になんてならない。俺は、ただのスケベで、いやらしい、ハーレム王になる男だからな!!」
その言葉に、歴代達は一様に動揺する。
『何を言う。天龍は覇王になるのが本来の道程だぞ』
「そんでもってみんなを巻き込んで滅びるってか? ごめんだね」
そして、一歩を進む。
しかし一瞬ふらつくが、その手を取る者がいた。
『ふふ。エルシャとベルザードが君に託した気持ちが分かる気がするよ』
その声と同時に、憎悪のオーラが文字通り半減する。
イッセーは顔を上げてその顔を見るが、しかし見覚えがない
「……あの、どちら様で?」
『ああ、僕は歴代白龍皇の1人さ。君がヴァーリ・ルシファーから宝玉を奪った時に人格がコピーされたんだ』
なんか凄い事になってきた。
「……なんか、ごめんなさい?」
なんとなく謝るが、先代白龍皇は微笑んで首を振る。
『いや、良いものが見れた。だから気に力を貸す。僕が怨嗟の念を抑え込んでいるうちに行くんだ』
その言葉に、イッセーは頷いた。
「俺は、おっぱいに救われた。そして、俺はこれからも求め続ける」
そして、イッセーは、振り返る。
「ここに誓うぜ! 俺は、リアスに、仲間達に、子供達に、そして歴代のみんなに、真紅に光り輝く未来を見せる!!」
その言葉に、憎悪の念に包まれていた歴代が動きを止める。
『……未来、だと?』
面食らった表情になる歴代達に、イッセーはニカッと笑う。
「ああ! 一緒に見ようぜ! 俺と一緒に、みんなと一緒に!! 友達に仲間に先輩に、そして子供達と愛する女達に!! 俺達赤龍帝が未来を見せるんだ!!」
そして、イッセーは前を向く。
「………そうさ、俺達ならできる。行くぜ先輩達!! 俺は、赤龍帝で乳龍帝!! リアス・グレモリーに惚れたおっぱいドラゴン!! 兵藤一誠だぁああああああ!!!」
そして、兵藤一誠は飛翔する。
赤き龍の天道を、今こそここに示す為に。
意識が朦朧とする中、それでもサイラオーグは前に進もうとしていた。
苦しい事など何度もあった。血にまみれた事など数えきれない。苦汁を舐めた事など幾多もある。
だが、それでも諦める理由にはならない。
しかし、サイラオーグは動けなかった。
意識すら朦朧で、自分が何でこんな事になっていたのかもよく分からない。
そのまま意識が眠りに落ちそうになり―
―……ラ……ーグ
声が、聞こえた。
聞き覚えのある声で、もう何年も聞いてなかった声だ。
―……サイラオーグ
それは、母の声だ。
自分という欠陥品を生んでしまったがゆえに、つらい目に遭わせてしまった母。
眠りの病に侵され、何年も眠り続け弱っていった母親。
その声が懐かしくなり、サイラオーグはまどろみの中で微笑みそうになり―
―立ちなさい、サイラオーグ
声は、厳しくサイラオーグを叱咤した。
その声に、サイラオーグはハッとなる。
―冥界の未来の為に、自分が味わったものを後世に残さない為に、貴方は拳を握りしめたのでしょう?
その声に、サイラオーグは拳を握る。
―生まれに関わらず、その能力に値する活躍を約束される世界。それを……作るのでしょう?
そうだ、此処で倒れているわけにはいかない。
目の前には、冥界の未来を暗くする者がいるのだ。
彼らが作る未来を、断じて受け入れられないと思ったはずだ。
そして、声が聞こえる。
『サイラオーグ様を守れ!!』
『そうだ、サイラオーグ様は必ず立ち上がる!!』
『それまで俺達が凌ぐんだ!!』
―共に戦う者達も頑張っています。此処で眠っている暇はありませんよ。
その声に従い、サイラオーグは全身に力を取り戻す。
そして、最後の声が聞こえた。
―頑張りなさい。あなたは、私の自慢の息子なのだから。
その声を生きて聞く為にも、ここで倒れるわけにはいかない。
サイラオーグは立ち上がる。
金剛に輝く大王として、冥界の未来を切り開く為に。
そんなわけでイッセー覚醒タイムとサイラオーグ覚醒タイム。
ビルデは強敵ですが、しかし原作キャラの強化も少し入れるのがじぶんのクオリティなので、ビルデもひと泡吹きますぜぇ。