混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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戦闘終了後の一幕ですね。


20話

 

 

 ……と、ここで終われば完璧だったのだがそうもいかない。

 

「……はふぅ」

 

「ってきゃぁああああ!? 井草が倒れたぁ!?」

 

 しかしそれで井草が限界だった。

 

 具体的には精神的な疲労と肉体的な疲労が堪り過ぎて失神した。

 

「うぅ~ん」

 

「イッセー先輩まで倒れましたぁああああ!?」

 

 そしてギャスパーの目の前でイッセーが気絶した。

 

 こちら一度半殺しにされている。しかも新技を使って体力の消耗も激しい。当然である。

 

「……すまん、俺も……だ」

 

 そしてサイラオーグも限界だった。

 

 こちらもビィディゼ・アバドンに叩きのめされたうえで、更にビルデと初使用の新技で戦ったのである。当然の疲労だ。

 

 一気に三人も気絶した事で、凄まじい勢いで混乱が生じたが、幸い禍の団は既に撤収していたので間隙を突かれる事はなかったのが幸いである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして次元の狭間でも。

 

「……かはっ」

 

「おぉいヴァーリ!? しっかりしろ!!」

 

「美候、慌てないでとりあえず足を持ってください。ルフェイは頭をお願いします。私はコールブランドで空間を切り裂く必要がありますので」

 

「わ、分かりましたお兄様!!」

 

「……ねえ、あのシスターちゃんに治してからもらってから撤収したら良かったんじゃにゃい?」

 

 ヴァーリも限界を超えて意識を失ったが、これに関しては些細な事であり、誰もこの後口にしなかったので知られる事はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おい帝釈天」

 

「なんだよ、アザ坊」

 

 そんな騒ぎが起きている頃、アザゼルは一人の神と対面していた。

 

 その名は帝釈天。インドラとも呼ばれる中国神話組織「須弥山」のトップである。

 

 今回の襲撃ではトールやゼウスと共に、ムートロン先遣艦隊の最強戦力であるホテップを迎撃。

 

 新技術と圧倒的なEEレベルによって苦戦を強いられながらも、しかし護衛の増援まで喰らったにも関わらず生き残った、生粋の実力者である。

 

 だが、アザゼルに敬意はない。

 

 元より神であろうと台頭に接する男ではあるが、しかし今回は敵意の方が強い。

 

「単刀直入に聞く。曹操のことを他の勢力に隠してたな?」

 

「素直に白状するぜ。闘戦勝仏が見つけてたのを隠してたのは事実だ」

 

 その言葉に、アザゼルは青筋すら浮かべる。

 

 しかし帝釈天は堂々としている。

 

 この事実が下手に知られればややこしい事になるのは確実だ。こと禍の団は各勢力にとって最大レベルの問題。その幹部にして神の天敵を匿っていたと言ってもいいのだから、須弥山そのものが世界を敵に回しかねない。

 

 しかし、帝釈天は余裕の表情だった。

 

「そこまで言う事かよ。程度はともかく似たような事は大抵の神話勢力はやってるだろうよ」

 

 帝釈天はそう嘯く。

 

 実際問題、和平に心から賛同している神は、残念ながら少ない。

 

 他の神話体系が滅びてくれれば都合がいいと思っている神々は多いだろう。しかし人類を巻き込んだり下手な事をして自分達が滅びては損だから、それもできない。ましてやムートロンという魔王クラスを千人以上保有している存在がいるのなら、ロキのような切り札を持っていない限り共闘するしか選択肢がない。

 

 しかし、中には上手く立ち回ろうと禍の団に接触している神もいるだろう。下手に帝釈天を公然と非難すれば、その神々が焦って余計な事をする可能性がある。

 

 だからされないと確信して、帝釈天は安心している。

 

「まあ、それについては流石に悪かった。黙っててくれるってなら、ちっとばかし貴重な仙丹を分けてやってもいいから勘弁してくれや」

 

「おいおい、やけに下出に出てるなインドラ。……ホテップの奴にビビったか?」

 

 思ったより交渉の態度を示してきた帝釈天に、アザゼルの嫌味が飛ぶ。

 

 下手にプライドの高い神なら即座に襲い掛かりそうな発言だが、帝釈天は嗤って流す。

 

「HAHAHA! むしろ滾ってきたぜ? 最近は戦争がなくって退屈だったからな。ああいう奴らと戦える機会がすぐそこってのは、ちょっと楽しいもんだ」

 

「ヴァーリにしろ英雄派にしろコカビエルにしろ、バトルジャンキーに迷惑かけられっぱなしだな、俺は」

 

「対価をくれてやるだけ俺の方がましだろ?」

 

 ため息を付くアザゼルに、帝釈天はそう冗談をかましてくる。

 

 しかし、帝釈天は表情を改めると空を見上げる。

 

 彼が見ているのは冥界の空ではない。地球ならその先に存在するもの、宇宙である。

 

「しっかし宇宙は広いもんだ。調子ぶっこいてた地方のヤンキーみたいな連中が、数千年かけたとはいえ俺らとまともにやりあえる勢力になって帰ってきたんだからよ。……須弥山も宇宙開発に乗り出すべきか?」

 

 割と真剣に考えているようだった。

 

 それを見て、アザゼルは更にため息を付いた。

 

「技術開発で神の子を見張る者(ウチ)を出し抜くんじゃねえよ……。ま、そっちに関しちゃイミテーションイーツがあるからだいぶ差は縮まったがな」

 

 イミテーションイーツの完成は、大きな飛躍になるだろう。

 

 武器ではなく兵器としての力。人間が地球上でもっとも優秀な生物と化した根源である、軍事力の根幹。

 

 それらの新たな領域となるこの力があれば、おそらくイーツにもだいぶ対抗できるはずだ。

 

「ちょうどいい、あれを俺らにも一枚かませろよ。金ぐらいは払ってやるからよ?」

 

 帝釈天はそう言って、即座に小切手をちらつかせる。

 

 シヴァに先を越される前にこちら側に技術を流してもらいたいのだろうが、その心配は無用だ。

 

「……何言ってやがる? お前、なんか勘違いしてるぞ?」

 

 まったくおかしな話だ。笑ってしまう。

 

 イーツに対抗する為に新たな力。そして、近い将来必ず来るムートロンの本艦隊。

 

 それらに対抗する為のイミテーションイーツなのだから―

 

「国連加盟国も含めた全勢力に無償で提供するに決まってるだろ。既に日本とアメリカじゃ独自研究も始まってるぜ?」

 

「………マジか」

 

 思わず目が点になる帝釈天を見て、アザゼルは辞意に愉悦を覚えた。

 

 どうやら意趣返しぐらいはできたらしい。これは幹部達に良い土産話ができた。

 

 そう、土産話といえば―

 

「……まあいいさ。俺は今日機嫌が良いから、ヒマしてんなら神の子を見張る者(ウチ)が出店したアグレアス(ココ)の酒場に来な。特別サービスで本日無料で酒飲み放題サービス中だ」

 

「……何か良い事あったのかよ?」

 

「そりゃぁもう。俺のここ数年の悩みの種が、一気に解決に向かったんでな」

 

 ―最高の土産話をバラキエルが既に持ち帰っている事だろう。

 

 本部に帰ったらもみくちゃにされそうなので、今日は別の形で羽目を外す事にする。

 

 ついでに帝釈天を二日酔いにしてやろうと思いながら、アザゼルはふっと笑った。

 

「……こっから先も大変だが、ま、今日ぐらいは幸せを甘受しろよ、井草」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その直後、井草がひっくり返った事を知ってアゼルが大慌てするまで、あと五分。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あれ?」

 

 ふと目覚めると、医務室だった。

 

 井草は目を覚まして胴体を起こすと、その衣擦れの音に気付いて三人ほど顔を向けてきた。

 

「お前も起きたか、井草・ダウンフォール」

 

「井草さん! 大丈夫ですか?」

 

「やあ、よく眠れたようだね」

 

 サイラオーグが、イッセーが、そしてサーゼクスにそう言われて、井草は一気に記憶を取り戻した。

 

「……五十鈴はどうなりますか、サーゼクスさん」

 

 真っ先にサーゼクスに聞くのはそこだ。

 

 なにせ五十鈴は色々とやらかしている。その辺がふと不安になった。

 

 しかし、サーゼクスはにこやかな表情を浮かべると安心させるように井草の肩に手を置いた。

 

「大丈夫。彼女は多大な貢献をしてくれたのだ、賠償金も神の子を見張る者(グリゴリ)が立て替えたし、何より新たなるルシファーであるニング君の眷属がそう簡単に処罰される事はないさ」

 

「そうですか。良かった……」

 

 サーゼクスが確約した事で、現実味がとても濃くなった。

 

 その所為か脱力して、井草は再びベッドに倒れこむ。

 

 枢五十鈴にはちゃんと会える。これからも一緒にいる事ができる。

 

 ちょっと図々しいとは思う。彼女がやってしまった事を考えれば、いい顔をしない者も多いだろう。

 

 だが、それを背負ってでも五十鈴はちゃんと前に進める。少なくとも、その機会は与えられた。

 

 それが、凄く嬉しい。

 

「良かったですね、井草さん!」

 

「まあ、ロキとの一件で彼女には同情していたからな。俺からもおめでとうと言わせてもらおう」

 

 イッセーとサイラオーグにもそう言われ、井草は本当にこれが現実なのだと理解する。

 

 目の前が涙でにじんで見えなくなる。

 

 四年間、四年間の間、五十鈴と伊予は暗闇の中にいた。

 

 支えてくれる者がいた井草よりも大変だったろう。五十鈴は文字通りたった一人で頑張り続けてきたのだ。伊予に至っては、暗闇であった事すら気づかないほどに精神が汚染されていた。

 

 だが、これからは違う。

 

 井草も、五十鈴も、伊予も。三人が再び一緒に入れる。それに、ニングやリムも一緒でよりにぎやかになる。

 

 ある意味とても妬まれそうな井草の立ち位置だが、もうその辺りは覚悟しよう。

 

 四人がそれで幸せだと、心から言えるぐらい井草は頑張る。どうせ冥界では合法なのだから、羨ましがられるのは諦めても文句については一切聞かない。

 

 その決意を込めて、井草は拳を握り締めた。

 

 その光景を優しく見守りながら、サーゼクスはイッセーに向き直る。

 

「そうそう。井草君が起きたので言いそびれていたけど、イッセー君には伝えておく事があったんだ」

 

「はい?」

 

 イッセーが首を傾げると、サーゼクスは居住まいを少し正す。

 

 それだけの事があるのだと判断して、井草とサイラオーグもなんとなく沈黙する。

 

 そして、サーゼクスはにっこりと微笑んだ。

 

「イッセーくん。君に昇格の話が来ている」

 

「「おお!」」

 

 それはめでたいと、サイラオーグも井草も声を上げる。

 

 逆に、イッセーはよく理解できないのか少しぽかんとしている。

 

 それに苦笑しながら、サーゼクスは更に付け加えた。

 

「より正確に言うなら、君と木場くんと朱乃くんに、中級悪魔昇格試験の受験資格が与えられた」

 

 悪魔の昇格は普通にある事である。

 

 転生悪魔が上級に昇格し、そして眷属を得る。ここまで至る転生悪魔は確かに少ないが、しかし確かに存在している。

 

 その権利を上層部が認めているからこそ、転生悪魔になりたがる者達も多数存在している。そして旧家としては面白くないだろうが、他種族からの転生悪魔でも成果次第で上級悪魔にする実例はきちんと出さねばならない。そうでなければ支持率に響いてしまう。

 

 そして、兵藤一誠は冥界の窮地ともいえる戦いで成果を上げてきた若手の期待のホープだ。

 

 対をなす白龍皇と圧倒的不利な状況で渡り合った。

 

 エボリューションエキスとオーフィスの蛇で強化された、魔王末裔三人と戦い、捕縛または撃退に成功した。

 

 悪神ロキとの戦いにおいても、ロキの捕縛に大きく貢献している。

 

 京都においては神滅具保有者達を複数人相手にして、一矢報いた。

 

 そして、このレーティングゲームに襲撃を仕掛けた大魔王派盟主ビルデに一発かました。

 

 本来なら数十年数百年かけても獲得できるか分からないのが中級昇格資格だが、一年足らずのこの激戦と成果はそれだけのものだった。

 

「確かにまだまだ未熟なところもあるが、あれだけの成果を出した君達は昇格の資格があるべきだ。将来性も込みの判断だね」

 

 サーゼクスにそう言われて、イッセーはちらりと井草達の方を見る。

 

 意見を求めているのだろうが、これに関しては言うまでもない事だ。

 

「問題ないんじゃないかい?」

 

「ああ、受けるべきだな」

 

 井草もサイラオーグもそこに関して異論はない。

 

「まあ前代未聞の速さだけど、それだけの危機を潜り抜けてるんだから当然の報酬だよ」

 

「冥界の英雄になるべき男が、いつまでも下級悪魔でいいわけがないだろうしな」

 

 井草もサイラオーグもイッセーが昇格して当然だと、続けざまに言い切った。

 

 間違いなくそれだけの事をしてのけている。

 

 資格を飛ばして昇格確定というわけではないのだから、後ろめたく感じる必要もないだろう

 

 サーゼクスも頷き、そして少し茶目っ気のある笑顔を浮かべる。

 

「それにリアスと婚約してもらうからには、色々と拘りのある旧家達に言い訳する為にも上級に放ってもらわないと困るからね」

 

「「ああ、確かに」」

 

 そこも重要だと、井草もサイラオーグも納得する。

 

 できる限り純血を維持し、できなくても相応の立ち位置の物を配偶者に求める旧家達だ。如何にグレモリー家の儀式を潜り抜けたとしても、イッセーがリアスの婚約者になる事に否を言いたいだろう。

 

 最低限黙らせる為にも、イッセーには冥界の英雄だけでなく貴族になってもらいたいところではあるのだろう。

 

 冗談半分だが半分は本気、そんな感じの声色だった。

 

 だが、そこでイッセーは明らかに挙動不審になる。

 

「………お、俺、自信もっていいんでしょうか?」

 

 イッセーは勢い余って、戦闘の真っ最中にリアスに対して愛を叫んでしまった。

 

 ちなみに自棄を起こした報道陣によって、戦闘中であるにも関わらず生中継である。最低でも数百万人は聞いているだろう。

 

 冷静に考えると暴挙である。割と一般人の感性を持っているイッセーからすれば、不安になってもおかしくない。

 

「まあ、あんなタイミングでやると色々とあれではあるよねぇ」

 

 井草がそんな事を言うが、完璧におまいう案件である。

 

 告白しただけのイッセーより、キスまで交わしている井草の方が凄まじいだろう。それも二回もである。

 

「なら簡単だ。もう一度想いを改めて伝えればいいだろう」

 

 と、サイラオーグが助け舟を出した。

 

 確かに、どさくさ紛れの告白より、改めて告白し直した方がムード的には抜群にいいだろう。

 

 お互いに冷静になってからすれば、それだけで価値も変わるはずである。

 

 イッセーは頷きかけて、しかしあわあわしだす。

 

「じ、じ、自信もっていいんですかね!?」

 

 顔が赤くなっているし、明らかに呼吸も荒くなっている。

 

 まだ告白してないのに緊張している証拠だった。

 

 それを見て、サーゼクスもサイラオーグも井草も微笑んだ。

 

「君は既にグレモリーの婿になる試験をクリアしている。大丈夫だよ」

 

「駄目なら俺のところに来い。慰めのコーヒーぐらいは出してやる」

 

 サーゼクスもサイラオーグもイッセーの背中を押す。

 

 そして、井草もにっこり微笑んでイッセーを応援する。

 

「大丈夫だよ。君は、それだけのものを積み上げてきた。きっと上手く行くさ」

 

 そう、井草はこの中で一番イッセーを見てきている。

 

 一時期まで覗きをやめられなかったド変態だが、しかしとてもまっすぐな好青年だ。

 

 彼がリアス達の心を掴むだけの事をしてきた事を、井草はずっと見てきた。

 

 だから大丈夫。上手くいかないわけがない。

 

「頑張れイッセー。勢いよく、本音でぶつかってくるといいよ」

 

「…………はいっ!!」

 




限界超えた倒れた主力たち。いやぁ、ビルデとナイアルは強敵でした。

そして帝釈天もテンションが上がる難敵、ムートロン。

そしてジエームシリーズは地球全土に広まる予定です。それぐらいしないと、将来的にムートロンが来た時に対抗できませんから。

そしてイッセーも中級悪魔昇格です。ここまで短いですが非常に濃い時間でしたね。
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