混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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それでは戦闘関係も終わり、ついに学園祭です!!


21話

 

 そして、駒王学園の学園祭が開催された。

 

 オカルト研究部が行うのは、部室として使っている旧校舎を思いっきり使った「オカルトの館」

 

 喫茶店あり、お化け屋敷蟻、展示発表ありの何でもあり。中には朱乃や小猫の技能を生かしたお祓いや占いなどもあり、非常に多角的に動いていた。

 

 正直な話、文科系の部活とすれば人員が多いとはいえ、教師込みで二十に届かない部員数でやるような事でもない。この辺り、二足三足のわらじを履く事が多い異形社会の価値観が影響しているだろう。負の側面である。

 

 ゆえに井草も色々と忙しかった。

 

「はいそこ。まだ何もやってない相手をボコボコにするのはただの暴行罪だからね? 武器使っての集団リンチも普通は犯罪だからね? イッセー、覗きはもうやめてるから穏便にね?」

 

 いまだ多少は残っているイッセー憎しの女生徒達をなだめたり―

 

「はい! ホットケーキ三人前にミックスジュースお待たせしました!!」

 

 時に忙しくなってきた喫茶店コーナーの調理を担当し―

 

「そうですね。この辺りは俺達二年生が修学旅行で京都に行った時に、現地の情報を元にデザイン委修正をかけたもので―」

 

 また、展示物の簡単な説明を流暢に行う。

 

 オカルト研究部部員最年長として相応しい、八面六臂の大活躍だった。

 

 いずれは自分の二足三足の草鞋を履いて本格的に仕事をする堕天使の一人である。ましてや、すでに学生とエージェントと緊急対策班の三足の草鞋を履いているともいえる。

 

 学園祭の出し物を何とかするぐらい、やってのけなければならないだろう。

 

 そう思いながら井草は一旦小休止で旧校舎の外に出る。

 

 そして飲み物を買いに行こうかとしたその時、スポーツドリンクが差し出された。

 

「よっ。ご苦労さん」

 

「アザゼル先生」

 

 アザゼルからスポーツドリンクを受け取りながら、井草は軽くにじんでいた汗をぬぐう。

 

 それを見てアザゼルは苦笑し、そして自分もコーヒーをふたを開けると一口飲む。

 

 多少沈黙が続くが、アザゼルはほっとしたかのように息を吐いた。

 

「行仁伊予の検査は終わった。今はまだ眠ってるが、命に別状はねえし何らかの精神干渉を受けた可能性もねえ。反逆防止の術式もかけたし、もう大丈夫だ」

 

「そうですか……よかったぁ」

 

 その言葉に、井草も心から安心する。

 

 これで何かしらの反応があって、隔離などといった話になったら目も当てられない。そこだけは不安だった。

 

 なにせ相手はナイアルだ。生粋の外道であるあの男なら、仕込みをするのならとんでもない仕込みをしてもおかしくない。

 

 過剰投薬させればほぼ確実に死亡するというのは本当だったらしい。だからこそ、ホテップなどの油断しにくいタイプもナイアルにそれ以上の仕込みをさせる必要はないと判断したのだろう。

 

 そして、その間隙を突いた打開策を行ったのは、アザゼル達である。

 

「……ありがとうございます、先生」

 

 井草は涙ぐみながらアザゼルに頭を下げる。

 

 本当に感謝してもし足りない。

 

 アザゼル達が展開を予見し対策を用意してなければ、五十鈴も伊予も助からなかった。

 

 本当に、アザゼル達には助けられっぱなしである。

 

 そんな井草の頭をポンポンと叩きながら、アザゼルは微笑する。

 

「気にすんなよ。ま、駒を作ってどうするかが問題だったが、ニングがルシファーを引き受けてくれたからこそその辺の手間がなくなって間に合ったしな」

 

「……はい。俺にはもったいないぐらいのいい女……っと駄目だ駄目だ」

 

 ついそんな自虐を仕掛けて、井草は慌てて頭を振る。

 

 それでは駄目だ。

 

 自分にはもったいないぐらいの素晴らしい女性達だと思っているが、しかしそれではいけない。

 

 そう、こう言い直すべきだ。

 

「彼女達の自慢の男になる為に、もっと頑張りたいと思わせてくれる、とっても魅力的な女性達です」

 

 その言い直し方を聞いて、アザゼルは感慨深げな表情になる。

 

「……ああ、安心したぜ」

 

 そして、井草の頭をわしゃわしゃと撫でると、にかっと笑って見せた。

 

「その様子ならもう大丈夫だ。お前はそのまま頑張れよ」

 

「………はいっ!」

 

 その本心からの安堵の声に、井草もまた元気よく頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして文化祭も終わり、フォークダンスが行われる駒王学園高等部。

 

 その様子を見ながら、井草は駒王学園の屋上でコーヒーを飲んでいた。

 

 今頃イッセーはリアスに告白している事だろう。下手に旧校舎に居て、邪魔になったらいけない筈だ。

 

 適当に時間を潰してから合流しよう。きっとみんなも同じ気持ちのはずだ。

 

 ……実際のところ、オカルト研究部の過半数が覗き見の態勢をとっている事を井草は知らない。

 

 気を利かせているのは井草だけである。知らずにみんなで打ち上げをする為のケーキを焼いているレイヴェルは、悪魔どころかむしろ天使かもしれない。

 

 とはいえあまり長時間いないと心配されるかもしれない。

 

 このコーヒーを飲み終えたら、そろそろ旧校舎に戻ってもいいだろう。

 

 井草はそう判断し、フォークダンスを眺める。

 

 正直に言うと、あれをしたいという気持ちはないでもない。

 

 両想いの好きな人がいるのだ。もう見せつける勢いでやってみたいというちょっとした欲もある。

 

 だが、日本は一夫一妻制の国家だ。二股通り越して四股は流石にまずい。

 

 加えて、ピスの様子もアレである。下手をすると五又になるかもしれない。

 

 井草とピスは堕天使でニングは魔王血族、五十鈴や伊予、リムは転生悪魔になったのだから問題ないが、それら事情を知らない駒王学園の生徒の前で、あまりそういう事をするわけにはいかないだろう。

 

 ややこしい事になるのは確定だ。そこは心から気を付けよう。

 

 故に、ちょっとだけ寂しく思いながら空を見上げる。

 

 そこに、足音が響いた。

 

「あ、井草さんいたのです」

 

「探しましたぜ、井草」

 

「ニングにリムも。何でここに?」

 

 てっきり旧校舎の方に居るかと思ったのだが、意外だった。

 

 そして井草の反応に、二人は心外だと言わんばかり少しだけむっとして見せる。

 

「なにって、私ら付き合ってんでしょうが。こういう時こそ一緒にいるもんじゃねえんですかい?」

 

 リムに言われれば確かにそうなのだが、しかし三人一緒というのは別の意味であれだろう。

 

 日本の風俗的な意味で、ちょっとよろしくない。後々ややこしい事になる可能性がそこそこある。

 

 とはいえそれは分かっているのか、ニングは苦笑しながらフォークダンスを寂しげに見る。

 

「確かに、あの場には参加できないのが残念なのです」

 

 ニングはそう言うと、しかし井草の手を取った。

 

 そして、リムももう片方の手を取る。

 

「だからここで踊るのですよ」

 

「そういうこと。三人だけの秘密の時間ってやつですなぁ」

 

「あ、そういう事」

 

 すっかり納得して、井草は二人に引っ張られるように踊り出す。

 

 最も三人一緒なので、適当にリズムを付けて回るだけだ。流石に組体操のようなレベルのダンスを即興でできる能力はない。

 

 ただ、それだけで十分なぐらい楽しかった。

 

 そして校庭から聞こえる音楽に乗って、三人は楽し気に踊り続ける。

 

 今頃イッセーは告白を成功させて、浮かれている頃だろう。

 

 そんな中、自分達は自分達で一緒に浮かれている。

 

 そんな相似性が、なんとなく楽しかった。

 

「……二人とも、改めて言いたい事がある」

 

「なんですかい?」

 

 井草が言いたい事は分かっている。

 

 だけど、あえて聞いてくれる二人がありがたい。

 

「ありがとう。ほんと、この言葉しか思いつかない」

 

 二人が許してくれたからこそ、井草は前を向く事ができた。

 

 二人が助けてくれたからこそ、井草は今まで生き残ってこれた。

 

 そして、ニングの決断とリムがそれを支えたからこそ、井草は大切な伊予と五十鈴(過去)を取り戻す事ができた。

 

 心からそれに感謝する。

 

 リム・プルガトリオとニング・プルガトリオ・ルシファー。二人の悪魔払いとの出会いが、井草の枷を解き放ってくれたのだ。

 

 だから、井草は今ここにいる。

 

 今、ここで笑えている。

 

「本当にありがとう。俺、二人のことが大好きだ」

 

 そう、だからこんないい笑顔を浮かべる事ができるのだ。

 

 その笑顔を受け止めて、二人もまたとても可憐な笑顔で返してくれた。

 

「「どういたしまして」」

 

 それから十分ぐらい、三人は笑いながら踊り続ける。

 

 満天の星空が、まるでそれを祝福するかのように輝いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで総督ぅ? 何とかなっちゃってんですけど、言うんですかぁ?」

 

「まあな。約束しちまったんだから、そりゃ言わなきゃダメだろ」

 

「本人忘れてるみたいですし、誤魔化してもいいんですよぉ?」

 

「……」

 

「井草だって、そこまで本気で両親の事を知りたいわけじゃないでしょうしぃ、総督の気まぐれだってそんなに珍しわけでもないしぃ―」

 

「ピス」

 

「っ」

 

()()()()()だ。井草が両親の事を「そういうもんだ」と見放してる事こそ、俺は看過するわけにはいかねえだろ」

 

「………ですけどぉ、総督だってあんなもの、どうしようもないじゃないですかぁ」

 

「ああ、そうだな」

 

「………言っても、聞かないんですねぇ」

 

「ああ。井草は約束通り、伊予や五十鈴と決着(ケリ)を付けて見せた。だからこそ、今ならあいつも受け止められる。……俺が恨まれるのはまあ仕方ねえだろ」

 

「別に恨まないと思いますよぉ。井草の性格もそうですけどぉ、総督にどこまで責任があるかってのもあれですしぃ」

 

「だといいがな。ま、何時かはきちんと話すべきだった事だ。遅いぐらいさ」

 

「……了解です。ただ、私も立ち会いますからねぇ」

 

「お前が立ち会えるの、何週間後だよ? 週単位で仕事溜まってるだろ?」

 

「それぐらいの心の準備は必要でしょうにぃ」

 

 

 

 

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