混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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そして、もうちょっと五十鈴視点は続くんじゃよ。


2話

 そして、枢五十鈴はトレーニングを積んでいる。

 

 一通りの掃除が完了して、ある程度空いた時間ができたからだ。

 

 忘れてはならないが五十鈴は罪人である。メイド業務とそれで稼いだ給金による賠償金支払いで罪を償っているのだ。

 

 彼女はニング・プルガトリオ・ルシファーの眷属悪魔だが、同時に罪人。ニングの運営する懲罰部隊DDB(ディアボロス・ダウンフォール・ルシファー)のメンバーである。大絶賛、刑罰執行中である。

 

 なので、一般人と同様の自由を与えるわけにはいかない。それはもはや罪人ではない。

 

 とはいえこれが懲罰になるのかといえば疑問も残る。

 

 なにせ彼女は、ある意味では広義のグレモリー眷属として活動している。

 

 日中は学生として活動し、昼はリアス・グレモリー眷属の活動と混合されているといってもいいオカルト研究部。そして夜は悪魔としての活動を行っている、リアス・グレモリー眷属の外部メンバー扱いである。立ち位置としては堕天使側所属の監視員である井草・ダウンフォールや、天界・教会からの派遣スタッフである紫藤イリナやリム・プルガトリオに近い。

 

 そして、彼女たちは空いた時間で、己の高める訓練を欠かさない勤勉な者たちである。

 

 流れ的に、五十鈴もまた特訓で時間をつぶすことになるのは懲罰とはいいがたい気もする。

 

「……お願い……マッスル……筋肉に……相談だ……っ」

 

「やるわね五十鈴! 私も負けてられないわ!」

 

 なので筋トレである。因みに今日はリアスもしていた。

 

 基礎体力は重要である。あって役に立たないことはないし、戦闘を行う職業なら、むしろ必須な能力といってもいい。

 

 なのでオカルト研究部員はみな鍛えている。彼女たちはこう言った鍛錬を恒常的に積んでいるのだ。

 

 因みに、井草たちは重りを身につけた状態でランニングをしている。

 

 へたな学生の短距離走を超える速さで走っている。これを恒常的に行えるというだけで、基礎体力の高さがよくわかるというものだ。

 

 五十鈴は感心しながら、とりあえず腕立て伏せを続ける。

 

「リアス様? 悪魔的に……この地道な……訓練って……どうなんですか……?」

 

「あら? こういう、トレーニングが、勝敗を、分けるんじゃないっ」

 

 嫌味を言ってみたつもりだったが、通用しない。

 

 こういう地道な積み重ねを怠らないからこその強さだと自負しているリアスからしてみれば、こんなものは当然だ。

 

 だからこそ生き残ってきた。だからこそ勝ち残ってきた。だからこそ、栄光をつかんできた。

 

 その自覚があるからこそ、日常の鍛錬をおろそかにする気などかけらもなかった。

 

「健全な精神は健全な体に宿るって言うでしょ? そういうものよ」

 

「それ誤用です、リアス様」

 

 一応相手は貴族なので敬語を使う五十鈴だが、間違っているところはしっかりと告げる。

 

 とはいえ、悪い生活では断じてない。

 

 そう、悪くないのだ、こういう生活も。

 

「……昔、努力ってカッコ悪いって思ってました」

 

 五十鈴はかつてそう考えていた。

 

 才能がないものがすがる、泥臭い不器用な生き方。そう思っていた。

 

 だからこそ、隠していた。だからこそ、ばれたくなかった。

 

 だけど、井草はそれを知っても五十鈴をバカにしなかった。

 

 だからだろう。堂々と人前で努力しているのに、五十鈴は悪い気がしていない。

 

 そんな五十鈴に、リアスは何を言っているのかといった表情を浮かべる。

 

「……一生懸命頑張っている人は、すてきだと思うのだけれど?」

 

 五十鈴が道を誤ったと自覚していることを知っているから強い語彙ではないが、しかしそこは譲れないとばかりにはっきり言った。

 

 ああ、そうだろう。

 

 彼女たちはそうだからこそ、まっすぐいきれたのだ。

 

 そんな彼女達が井草の傍に居てくれて、本当に良かった。

 

 そう思い、五十鈴は苦笑する。

 

「……今なら、本心からそう思えます」

 

 その苦笑は、本人が思うよりかはよっぽど素敵な笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい! それじゃあ、アウターイーツについて説明するわよ!」

 

 と、トレーニングで疲れた体を休めている間に、五十鈴が講義する。

 

 講義の内容はシンプル。イーツとアウターイーツの違いについてだ。

 

「イーツの上位互換がアウターイーツ。これはもう想像できているわね?」

 

 ムートロンからかすめ取った、五十鈴が知りうる限りのイーツに関する知識。それを五十鈴は井草達に伝える。

 

 それが将来の戦いの役に立つと、心から思っているからだ。

 

「じゃあ聞くけど、バイアクヘーイーツのアウターイーツでの立ち位置は何だと思う?」

 

 その言葉に、イッセーが勢いよく手を上げる。

 

「はい! 量産型だと思います!!」

 

「正解! だけどたぶん勘違いしてるわ」

 

 そう、その考え方は間違っていない。

 

 だが、同時にどこまでも間違っている。

 

 この勘違いはアニメ文化に慣れているからこそだろう。量産型という意味そのものを勘違いして言うのだ。だから勘違いにも気づかない

 

 なので、五十鈴はその勘違いを質す事を目指す。

 

「たぶんだけど、量産型って言葉のイメージが間違ってると思うわね」

 

「どうしてですか? 実際、バイアクヘーイーツはEEレベルが6,5の人達が多用してますよ?」

 

 ギャスパーが首を傾げるが、五十鈴はそれに対して首を振る。

 

 まあ、やはり勘違いしているようだ。この勘違いはいつか致命傷になりかねない。

 

 なので、五十鈴は自分を指さして問いかける。

 

「じゃあ聞くけど、私がバイアクヘーイーツじゃなくてハストゥールイーツなのはどうして?」

 

「……ハストゥールイーツがバイアクヘーイーツの更に下位互換だからじゃないんですか?」

 

 理知的な木場祐斗ですらこれだ。どうやら勘違いは大きいようだ。

 

 早いうちに是正できるチャンスが巡って来て良かった。下手をすれば、この精神的な間隙を突かれて大打撃を受けていたかもしれない。

 

 なので、五十鈴は指を立てる。

 

 その勘違いは是正しなければならない。

 

 バイアクヘーイーツは決して弱いアウターイーツではない。もちろん、ハストゥールイーツやクトゥグアイーツも弱くない。クトゥルフイーツやアザトースイーツがそれらより強いわけでもない。

 

 それを、教え込まねばならない。

 

「私のハストゥールイーツは大気圏内の万能性じゃぁバイアクヘーイーツより上よ。なにせ大気を操作できるもの。大気のあるところじゃ汎用性が絶大」

 

「確かに、何でもありの多種多様な手段でしたわね」

 

「……万能」

 

 姫島朱乃と塔城小猫がそれに気づく。

 

 そう、そこに気づいてくれたのは僥倖だ。

 

「アグレアスでナイアルも言ってたでしょう? 早さならハストゥールイーツ()の方が上って。あれはクトゥルフイーツが砲撃戦闘特化な事もあるけどね」

 

 そう前置きしてから、五十鈴は続ける。

 

「そしてアザトースイーツはエネルギー精製能力に特化してるの。クトゥグアイーツは単純なパワーね」

 

 そう説明する五十鈴は、そこでまっすぐに全員を見渡して告げた。

 

「じゃあ質問。兵器に必要なのはいったい何かしら?」

 

 まずそれを聞き、そして返答を待たずに続ける。

 

「圧倒的な火力? 真似できない特殊能力? それとも、多種多様な武器?」

 

 その言葉に、何人かはそのどれかを想像した。

 

 確かにそれは仕方がない。それは、自分達や敵―すなわち強者―の持つ強みに一つだからだ。

 

 だからこそ、その勘違いに気づいたのは、そうではない人物だった。

 

「……なるほどな。そういう事か」

 

 アザゼルが、納得いったかのように頷いた。

 

 その視線を集めながら、アザゼルは目を閉じる。

 

「……それらはあくまで「強い」からこそ意味がある。ムートロンはそう結論したのか」

 

 その言葉に、五十鈴は頷く。

 

「絶大な火力は、当てられる腕がなければ意味がない。真似できない特殊能力もそれを生かす技量がなければただの手品。多種多様な手札も、それを運用できる判断力がなければ役立たず。……ムートロンはそう考えたわ」

 

 そう告げ、五十鈴はムートロンの考え方を告げる。

 

「強者の武器に最も必要なのは、使用者の実力を最大限発揮する事ができる基本性能。そして、広大な空間戦闘では機動力こそが必須。……それがバイアクヘーイーツが最も数多い理由よ」

 

 そう、バイアクヘーイーツは決して弱くない。

 

 むしろ兵器として優秀だからこそ選ばれたのだ。それが大量生産された最大の理由である。

 

 攻撃力はムートウェポンで対応すればいい。基本的に強ければ、特殊能力などという手品に頼る必要もない。多種多様な手札がなくても、普通に強ければ十分勝てるのだ。

 

 兵器に必要なのは生産性・信頼性・操作性・安定性。そして空間戦闘に重要なのは広大な宇宙空間に対応できる機動力。

 

 それこそが、ムートロンの結論である。

 

 大量生産される兵器は決して性能が低いのではない。むしろ兵器として優秀でなければ、大量生産など基本はされないのである。

 

 ガンダ〇で例えるならザ〇Ⅱだ。ザク〇ャノンやゴ〇グなどの局地戦用兵器は、F型やJ型ほど生産されてない。それが答えだろう。

 

「私の権限外だから詳しくは知らないけど、ナイアル以上の戦闘能力を持つ序列19位以上にも、バイアクヘーイーツの使い手はいるわ。そこは勘違いしないように」

 

 五十鈴の言葉に、井草も納得した。

 

「納得だよ。コカビエルさんも特種能力とかないけど、普通に堕天使最強格だからね」

 

「あー……。確かにコカビエルって強かったよなぁ」

 

 イッセーも納得したかのように頷くと、ふと気づいた

 

「あ、つまりアウターイーツって太陽〇搭載機みたいなもんで、バイアクヘーイーツはGN〇Xみたいな感じ?」

 

「……的確な例えね。メタだけど」

 

 ちょうどその世代だったので、五十鈴は理解できてしまった。

 

 それぞれが役目を持ち得意とする戦闘スタイルを持っていたソレスタル〇ーイングの〇ンダム相手に、基本性能においては同等という稀有な量産機だったGN〇X。しかも操縦性や生産性においてはむしろ格上といってもいいところがあった。

 

「……ロボットアニメとか、見てみた方がいいのかしら?」

 

 ついていないリアスがそう聞くが、井草はその肩に手を置いた。

 

「迂闊に踏み込まない方がいいよ。あそこ、ブラックホール並みに吸引力がある時あるから」

 

 のちにとあるマニアによって結局引きずり込まれる事を悟っていない、虚しい発言である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてトレーニングも終わった深夜。

 

 食器洗いなども終えた五十鈴は、自室で黙々と作業を行っている。

 

 具体的にはペタペタと値札シールを張っている。

 

 はっきり言おう。内職である。

 

「お疲れ様、五十鈴」

 

 そんな五十鈴にお茶を持ってきながら、井草はニコニコと微笑んだ。

 

 そんな井草に、五十鈴は苦笑しながら微笑む。

 

「残業している妻を支える主夫みたいね」

 

「それはそれでいいね。俺、家事は人並みにできるし」

 

 そんな事を言い合いながら、五十鈴は井草からもらったお茶を飲んで一息つく。

 

 一時間ほど内職をしていたが、しかしメイド業務と訓練を積んだ上なので、ちょっと疲れる。

 

 こういった一息つく時間帯が、とても心安らぐリラックスタイムだ。

 

「ありがとう、井草」

 

「どういたしまして」

 

 たがいに微笑みあう二人は、そのままお茶の入った湯飲みを片手に隣り合って座る。

 

 あまりしゃべらない。その必要もない。

 

 二人でいる時間。それだけでも、二人にとって価値があった。

 

 そして、静かにお茶をすすりながらまったりし、五十鈴は井草の肩にこてんともたれかかる。

 

 井草がそれを嬉しそうに受け入れてくれたことがうれしくて、五十鈴もにっこりと笑ってしまう。

 

「頑張ってるよね、五十鈴」

 

「まあ、罪人の自覚はあるもの。罪滅ぼしはしないとね」

 

 そう、この内職は小遣い稼ぎのためではない。

 

 この内職で稼いだ資金は、禍の団の活動で損害を受けた様々な場所に復興支援金として届けられる。

 

 これまで井草が恨んでくれるように頑張り、テロに関わってきた五十鈴なりの贖罪だった。

 

「……偽善かしら?」

 

「それでも、やるんでしょ?」

 

 短く沿う言葉を交わすと、そのまま無言で時間を楽しむ。

 

 ……五十鈴にとって、この時間は癒しだった。

 

 井草・ダウンフォールという愛する男性が受け入れてくれている。そんな時間がある事が嬉しい。

 

 そしてまったりしていると、コンコンとドアがノックされる。

 

 そして入ってきたのは、主であるニングと同僚であるリムだった。

 

「あ、井草さんいたのです!」

 

「やっぱりこっちでやしたねぇ。……五十鈴、ずるいですぜ!!」

 

 そんなことを言い合いながら、二人は犯しを片手に部屋に乗り込む。

 

 どうやら内職をしている時間ではなくなったようだ。まあ、過去のような自家中毒を避ける為にも、息抜きする時間は必須なのでいいだろう。

 

 そんな事を思っていたら、なんか大型の狗っぽいのがニングに寄り添って入ってくる。

 

 よく見ると見覚えがある。具体的には、サイズが遥かに大きいのと、かつて殺しあった事があるような気がする。

 

「ほら、スコルにハティも挨拶するのです」

 

 ……まさにそのものだった。

 

「ワン!」

 

「バウ!」

 

 元気よく挨拶された。

 

 五秒ぐらい思考が停止しかけたが、とりあえず冷静さを取り戻して片手をあげて質問の態勢をとる。

 

「お嬢様? そいつら、なんでいるんです?」

 

 五十鈴からすれば当然の疑問だったが、ニングは首を傾げた。

 

「従えたのなら面倒を見るのです。当然の義務なのでは?」

 

「……あ、私、同じ扱いですか?」

 

 狼扱いされている事にショックを受けるべきか、主の懐の深さに感動するべきか。

 

 井草とリムはちょっと苦笑していたが、しかし深く踏み込んだりはしなかった。

 

「ルシファーを継いだので使い魔という認定なのです。今日から兵藤邸の番犬なのですよ」

 

「メイドとドーベルマンが追加とか、本当に豪邸と化してきてますねぇ、ここ」

 

 一般気質の兵藤夫妻は大丈夫だろうか。などとなんとなく思ってしまう。

 

 そんな事を思っていたら、今度はシアリーまで入ってきた。

 

「お嬢様。お茶会でしたら呼んでくださいませ」

 

「……シアリーは混ざってくれないので居心地が悪いのですよ」

 

「…………そういう事でしたら、まあ、少し嗜むぐらいは」

 

 そんな会話をしている主従を見ていたら、井草の膝の上にリムが乗っかった。

 

 そして、井草と五十鈴の視線を浴びながら、にっこりと笑う。

 

「ルシファー眷属とその旦那とで、団らんでもしましょうや。今グレモリー眷属はベッドの取り合いをしてやがりますしね」

 

 その言葉に、井草は苦笑してリムを抱きしめる。

 

「なるほど。じゃあ、徹底的にいちゃつこうか」

 

 そんな二人の周りを、スコルとハティが小走りで回る。

 

 そんな光景を見て、五十鈴は自然と笑みがこぼれた。

 

 ……罪人とは思えないぐらい幸せな日々。こんな日々が何時までも続いてほしいとは思わない。

 

 何故なら、ここには伊予がいないから。

 

 行仁伊予と含めたうえで、思う存分楽しみたいと五十鈴は心からそう思った。




 努力をしなければならないことがストレスだった五十鈴。だが、今の彼女の周りにいるのは、努力していることを誇っている者だらけのグレモリー眷属。
 これが、五十鈴にとってのいい影響になると思っています。


 そして五十鈴によるアウターイーツ講座。

 要は量産型のジ・Oみたいな設計思想のアウターイーツがバイアクヘーイーツだと思っていただければいいかと。ちょっと仕立て直しとかもしたりしているので齟齬があるかもしれませんが、機会があればナイアルと同等以上の戦闘能力を持つバイアクヘーイーツを用意したいところ。


 さらに夜、地道に贖罪をしている五十鈴のほっこりタイム。そこに乱入するは神喰狼。

 スコルとハティには出番を用意したかったので、こうして兵藤邸の番犬となりました。一時期はニングの眷属にすることも考えましたが、いろいろ考えて使い魔に収まりました。
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