混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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さて、そしてイッセーたちの中級昇格試験の行く末はどうなる?

そして、ついに動き出すは―


8話

 

 そして、イッセー達がレストランに合流したが、笑うに笑いづらいミスを犯していた。

 

 筆記試験は何とか頑張れたのだが、問題は完璧にこなせるとすら思われていた実技試験である。

 

 ……割と本気で相手を殴ってしまったらしい。

 

 兵藤一誠は、今は下級悪魔である。

 

 だが、その戦闘能力は凄まじい。

 

 不完全な禁手ですら、若手のエリートとすら称されたライザー・フェニックスを相手に立ち回った。旧魔王派の一大作戦においては、魔王末裔にすら牙を届かせた。更には神や神殺しを相手に大立ち回りを演じ、大魔王派とムートロンの合同作戦においても、覇龍を一蹴したビルデ相手に、覇を克服した力によって一矢報いるという大戦果を挙げている。

 

 彼と共に戦う仲間達は、誰もが断言するだろう。

 

 兵藤一誠は、最上級悪魔にも届く戦闘能力を持つ冥界の英雄である。

 

 というより、最上級悪魔クラスでなければ、史上最強の白龍皇ヴァーリ・ルシファーすら圧倒したビルデに一発かませるわけがない。普通に考えれば当然の結論である。

 

 なので、イッセー以外の誰もがこの実技試験で無様をさらす可能性など考慮していなかった。というより、一段下の祐斗と朱乃でも余裕で対処できる程度の難易度が平均だろう。実技で高評価をとるのは確定事項だった。

 

 それが、イッセーだけは「上手く行くか分からない」という不安を持っていたのだ。サーゼクスたちと話していた時の発言は、冗談でも何でもなかったのである。

 

 結果、対戦相手は思いっきり殴られて失神。イッセーはあまりの圧勝ぶりに拍子抜けしてぽかんとしたという。ちなみに外野は恐れおののいていたりしていた者すらいたという。下手をすれば自分がぶつかっていたのかもしれないのだから当然である。

 

 井草は心からその対戦相手に同情した。むしろ生きている事を素直に称賛できるレベルだ。死んでない事が幸運である。

 

「……何やってるんだか、ほんとにもう」

 

 自分がどれだけ実力があるか認識が足りていないイッセーに、井草はため息を付きながら用を足していた。

 

 一歩間違えれば死人が出ていた。その悪魔は昇格資格を与えてもいいだろう。実に頑丈だ。

 

 そして、井草はそんな事を思いながら天井を見上げる。

 

 そろそろ時間だと思うが、さて、どうしたものか。

 

 ニングはサーゼクスと共にルシファーとして準備を終えているのだろう。リムも珍しく正装で迎えてくれるかもしれない。

 

 伊予はそろそろ目覚めてくれてもいいのではないだろうか。五十鈴は、掃除が忙しくて大変かもしれない。

 

 そんな事を苦笑しながら思いながら、井草は考える。

 

 ……強く、なりたい。

 

 守るべきものが増えた。一緒に添い遂げたい女性が何人もいる。

 

 ハーレムなどというのは、男の側に財力・体力・器量が必須で、かつそれなりの実力を持っているからこそ認められるものだ。

 

 財力は、そこそこある。

 

 体力は、同格以上ある。

 

 器量はちょっと自信がないが、それでも少しは成長したと思っている。

 

 そして、実力は足りているのだろうか。

 

 井草・ダウンフォールは確かに強い。上級堕天使クラスのポテンシャルはある。レセプターイーツになれば、その戦闘能力は間違いなく最上級クラスに届く。

 

 だが、それでも超えたい相手にはまだ届かない。

 

 ナイアルは強敵だ。主神クラスの実力はまさに絶大で、堕天使最強格のバラキエルが、並び立てる実力者であるミカエルやロイガン・ベルフェゴールとともに挑んでも倒しきれなかったほどだ。

 

 ムートロン先遣艦隊では準最強。ムートロン全体で見ても、上から数えて二十番目の規格外の化け物。そのポテンシャルは、文字通り神の頂に立ち、更にその上位にいる。

 

 その領域に立ち向かうには、今のままでは足りないのだ。少なくとも、最上級のそのまた上位ぐらいは進まなければ、太刀打ちする事はできないだろう。

 

 力が欲しいと願ってしまう。強くなりたいと願ってしまう。

 

 心も、体も、強くなりたい。

 

 昔よりは成長できた。だが、それだけでは決して届かない高みに手を伸ばしたい。牙を届かせたい。

 

 井草・ダウンフォールはナイアルを倒したいと、心から願っている。

 

 井草・ダウンフォールは伊予や五十鈴、リムやピスを守れる男になりたいと思っている。

 

 井草・ダウンフォールはニング・プルガトリオ・ルシファーの夫として恥じない冥界の英雄でありたいと、魂から望んでいる。

 

 だから、せめてまずは禁手に至りたい。

 

「……ま、なろうと思ってなれるほど甘くないか」

 

 いっそのこと、英雄派の研究データが手に入ればいいのに。そんなことを願いながら、井草は用を足し終え―

 

「……うえっぷ」

 

 -飲みすぎて吐いた。

 

 そして十分ぐらいかけて完全にすっきりして、井草は今度こそトイレのドアを開け―

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、それじゃあそろそろ無限を堕とすとしよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 -その体が霧に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 気づいた時には、誰もいないホテルの中に立っていた。

 

 状況が全く分からないわけではない。幸い、想定できるものが一つはある。

 

 絶霧(ディメンション・ロスト)。上位神滅具の一角である、最強の結界系神器。そして、転移系神器。

 

 その能力で転移させされたのだと、すぐに理解できた。

 

 井草自身がこれで転移したのは今回が初めてだが、しかしすぐに状況は理解できる。

 

 英雄派が、仕掛けてきたのだ。

 

 そして、井草は首を傾げながらもしかしすぐに対応する。

 

「……とりあえず、イッセー達と合流しないと!!」

 

 仲間達と合流しなければ、各個撃破される可能性がある。

 

 英雄派は無謀な挑戦ではなく、勝てる方法を見極めて戦う戦術をとっている。戦略的にも情勢を混乱化させて、仕掛けるチャンスを意図的に増やす傾向が強い。

 

 同時に若さゆえに過ちか、油断しやすい傾向もある。なら、合流する隙ぐらいは作れるはず。

 

 どちらにしても単独で行動している井草が一番危険なのだ。合流は理に適っており―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ゼノヴィア!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その声に、井草は想像以上に状況がまずい事を理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 声のする方に駆け出し、そして辿り着く。

 

 そして、意外な顔をした青年の姿を確認した。

 

「やあ、井草・ダウンフォール。合流が遅れるとは思わなかったよ」

 

 一度だけ会った事がある、英雄派の首魁。曹操孟徳の末裔である、聖槍使い。

 

 井草はその姿を確認して、即座にレセプターイーツへと変身すると、躊躇なく両手両足を狙って光力の槍を放つ。

 

 既に血まみれになっているゼノヴィアの姿も見えている。

 

 彼は敵だ、間違いなく。

 

「……どういう事だい、黒歌? 流石にタイミングが妙だし、これが狙いだとは思わないけど!!」

 

 そう言いながら、井草は光力の剣を展開すると、槍を迎撃した曹操に肉薄する。

 

 そして、黒歌が何か言うよりも早く曹操が嗤う。

 

「いや、ちょっとオーフィスのご機嫌をうかがうのも面倒になってきたんでね。オーフィスをどうにかしようと禍の団(俺達)が動いてたんだけど―」

 

「―あたし達が妨害してたってわけだにゃん♪」

 

 曹操の言葉を引き継いだ黒歌が、即座に呪術攻撃を放つ。

 

 連続で放たれたそれを、曹操は周囲に浮かんでいた球体を操って破壊した。

 

 見るだけで強大な攻撃力を持っている事が分かる。これは明らかに曹操の能力だとも分かった。

 

 故に、その正体にもすぐに察しが付く。

 

「それが君の禁手(バランス・ブレイカー)か!」

 

「正解さ!」

 

 そして回し蹴りを回避した井草から距離を取り、曹操は素早く球体の一つを差し向ける。

 

 それに対して井草はトールセイバーを展開。フルスイングでのカウンターを狙う。

 

 比較的広いロビーであるがゆえに即座の判断。下手に躱して被害が発生することを警戒しての判断だったが―

 

「駄目だ、井草さん!!」

 

 イッセーの声が響き、しかし手遅れだった。

 

「かかったな」

 

 曹操のしてやったりといった声が響き、その瞬間、トールセイバーにひびが入る。

 

 瞬間、球体の形状が変化して井草を刺し殺しにかかるが、井草はとっさにトールセイバーを放して上体逸らしでギリギリ回避する。

 

 だが、これでトールセイバーは当分使えない。

 

 とっさに光の剣を精製しながら、井草は舌打ちした。

 

「そういう禁手か!」

 

「いや、違う」

 

 即座に魔力弾を牽制で放ちながら、ヴァーリがそう訂正をする。

 

「奴はそれ以外にも三つの能力をあの禁手で使っていた。おそらく、球体の数だけ能力があると考えるべきだ」

 

 その言葉に、井草は曹操を観察し直す。

 

 背中から後光を添加していると同時に、七つの球体が浮かんでいる。

 

 それらがオールレンジ攻撃をしてくるというだけでも厄介なのに、それぞれが特殊能力を保有する。

 

 しかも、最低でものその一つはトールセイバーすら損傷させる能力。他が同格の能力をまた別種で持っているとするのなら、把握しなければ厄介以外の何物でもない。

 

「ヴァーリ! 知ってる能力を即座に説明!!」

 

「……雑兵の生産と飛行能力、あと桁違いの攻撃を放つというものだ」

 

 十分脅威である。

 

 空を飛べない人間という種族である曹操が飛べるというだけで、警戒度合いは大幅に上昇する。

 

 ただでさえ攻撃力は高い部類だというのに、それをヴァーリが桁違いというだけでも難易度が大幅に上昇する。

 

 そして、雑兵とはいえど神滅具の禁手で生み出される雑兵は、間違いなく難敵である。

 

 そしてトールセイバーすら破壊する特殊攻撃。そしてあと三つは同格の能力を保有している。

 

 ……一言いうべきだろう。

 

「……反則だ」

 

「多種多様な能力を運用する君が言うかい?」

 

 曹操はそう苦笑するが、出力が違う。

 

 そう文句を言うよりも早く、再び曹操は戦闘態勢をとる。

 

 ここで、新たな悪夢が始まった。

 




曹操、行動開始。

そういえば、自分がこの曹操による禁手お披露目戦闘を書くのって初めてですな。

結構いろいろ書いたけど、まだまだ初めてな展開になることも多いんだなぁ。
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