混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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急変したい事態。

まさかオーフィスをピンポイントで狙う禍の団の行動に、完璧に出遅れた現政権はというと……


9話

 

 一方その頃、この緊急事態はサーゼクス達も把握していた。

 

「……それで、井草さんはまだ見つからないのですか!?」

 

「残念だがそうだ。リアス達も含めて、誰一人として見つかっていない」

 

 顔面蒼白のニングを落ち着かせるように、サーゼクスは目を伏せて告げる。

 

 その表情を見て、ニングもひと呼吸開けて冷静さを取り戻す。

 

 目に入れてもいたくないほどに溺愛しているリアスが行方不明。シスコン極まりないサーゼクスからすれば、今すぐにでも暴れ出したいだろう。

 

 愛する井草が行方不明のニングもつらい。だが、妹が将来の義弟と共に行方不明のサーゼクスもつらいのだ。

 

 それを思い出し、ニングは冷静さを強引にでも取り戻す。

 

 自分は既にルシファーを背負った身である。愛する者が危険に巻き込まれていようと、狂乱することは許されない。それをサーゼクスは体現している。

 

 象徴としてのルシファーと実験保有者としてのルシファー。違いはあれどルシファーという重荷を背負う事を決めた者同士なのだ。

 

「……失礼しましたのです」

 

「いや、当然の反応だよ」

 

 ニングをそう慰めると、サーゼクスは同時に視線を外に向ける。

 

 その目には、明らかな警戒の色が浮かんでいた。

 

「おそらくだが、今回の事件は禍の団は関わっているがオーフィスは関与してない。彼女は巻き込まれた側だろう」

 

 その言葉に、ニングは怪訝な表情を浮かべる。

 

 確かにオーフィスは大組織である禍の団のトップだ。そして、大組織とは末端の行動をトップが完全に把握できないものだ。

 

 なのでオーフィスが小規模作戦を把握していない事はいい。

 

 だが、今回はオーフィスが接触したイッセー達が巻き込まれている。それも、オーフィスがすぐ目の前で関わっている時にだ。

 

 流石に一言いうべきではないだろうか。下手をすればオーフィスから叱責される可能性もある。

 

 それを問い質そうとしたが、そんなニングを制するようにサーゼクスは口開いた。

 

「そもそも、オーフィスの目的であるグレートレッドの打倒は、禍の団としてそこまでメリットのある行動ではない」

 

「それは……分かるのです」

 

 実際そうだ。

 

 グレートレッドほど強大な存在はオーフィスぐらいしかいないが、しかしグレートレッドはかなり危険性が低い存在だ。

 

 基本的に次元の狭間を気ままに漂っているだけで、此方から接触してこない限り、向こうからアクションをとってくる事はない。生態が把握できない不気味さはあるが、現状積極的に排除する理由はないのだ。

 

 冥界の覇権を狙う旧魔王派や、地球を制圧したうえでの宇宙開拓時代を作ろうとする大魔王派、それに加えて神々がターゲットであるムートロンなどの大派閥からすれば優先順位ははっきり言って低い。強者との闘いを目的としている英雄派からしても、まずは神々を先に狙うべきだろう。

 

 はっきり言って、オーフィスの言う事を聞くメリットはあってもオーフィスの願いをかなえる積極的理由は、禍の団にはない。

 

 しかし、そこには大きな問題が存在する。

 

「かと言って、オーフィスを倒す必要があるのです?」

 

 ニングの懸念はもっともだ。

 

 オーフィスは強大すぎる存在だ。それこそ、グレートレッドのと同格と判断されている。

 

 一神話体系が総力を挙げても返り討ちにあいかねない。少なくとも、禍の団の脅威度を数段跳ね上げている存在ではあるのだ。

 

 態々彼女を裏切って敵対するのも、デメリットが大きいはずだ。

 

 そのニングの懸念はもっともであり、しかしサーゼクス達の警戒はその上を行っている。

 

「気持ちは分かる。だが、禍の団にとってもオーフィスのメリットは蛇と象徴の二つだ。その二つ以外は禍の団の視点から見てもデメリットが大きい」

 

 サーゼクスは、そう告げる。

 

「何を考えているのか分からず、覇権を獲得した後は明確なデメリットになる次元の狭間の独占を願っている。はっきり言えば、グレートレッドよりは餌で釣れる可能性が確認できるが、グレートレッドより面倒な存在でもある」

 

 その言葉は、真実だ。

 

 ある程度願望が把握できているから、グレートレッドよりは交渉のテーブルにつきやすい。だがしかし、グレートレッドより積極的である為に、グレートレッドより小隊的な敵になりやすい存在でもある。

 

 勝ち目はなく、利益をくれるが、しかし将来目障りになる。そんな面倒な存在が、オーフィスだった。

 

「……同盟の諜報組織が、龍喰者(ドラゴン・イーター)なるコードネームを英雄派絡みで聞いているそうだ。おそらく対龍に特化した禁手保有者で、更に対龍特化のイーツでもあるのではないかという推測が出ている」

 

 その言葉に、ニングは寒気を感じた。

 

 禁手は強大だ。特に限定特価型の禁手ともなれば、下手をすれば神滅具の禁手すら超える成果を上げかねない。

 

 イーツは強大だ。高いEEレベルと特化型の能力があれば、神滅具の禁手すら超える能力を発揮できる。

 

 もしその二つが対龍という属性でかみ合えば―

 

「……目下敵にならないグレートレッドより、将来邪魔になるオーフィスを倒した方が得だと言うのですか?」

 

「初見とはそれだけで脅威だよ。こちらに妨害されない最大効率の一手をどちらに叩き付けるのかは、向こうとしても考えただろう」

 

 ニングにそう答えるサーゼクスは、しかしその答えを確信しているのだろう。

 

 そもそもおかしかったのだ。

 

 禍の団でも目障りになっていて、同盟側の目に見える形で二度も主流派と衝突していたヴァーリチーム。

 

 そのヴァーリチームにオーフィスの護衛を任せるのも、おかしな話だ。

 

 もしや、オーフィスの接触の手引きはヴァーリチームの独断だったのではないか。

 

 それどころか、禍の団はオーフィスに愛想が尽きたのではないか?

 

 その可能性を把握すると同時、どたばたと廊下から足音が聞こえてくる。

 

「ニング! サーゼクス様!! 大変ですぜ!!」

 

 ドアを蹴り開け、リムが部屋に突入する。

 

 そしてその首根っこをつかみ。グレイフィアもまた姿を現す。

 

「落ち着きなさいニングさん。……サーゼクス様、ヴァーリチームのアーサー・ペンドラゴンから通信が届きました」

 

「内容を手短に説明してくれ」

 

 サーゼクスの簡潔な指示に、グレイフィアは頷いた。

 

「ヴァーリ・ルシファーとフェンリルの交換転送を確認した。おそらく英雄派が龍喰者(ドラゴン・イーター)のコードネームを持つ存在を使ってオーフィスの排除を目論んでいる……との事です」

 

 その言葉に、サーゼクスもニングも息を呑む。

 

 間違いなく、事態は大きく動き出している。

 

 敵を調べて戦術を練るのが英雄派。加えて、オーフィスの強大さは禍の団が一番よく知っているはず。

 

 その禍の団がオーフィスと敵対。間違いなく、それだけの切り札を持っている事に他ならない。

 

「……井草さん……っ」

 

 ニングは肩を震わせる。

 

「信じやしょう。井草さんは、そう簡単にやられやしません」

 

 その肩に手を置きながら、リムもまた、顔色を悪くしながらニングを諭した。

 

 それでも、寒気という名の嫌な予感がぬぐえなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 実際、既に全滅一歩手前の状況だった。

 

 リアスと朱乃は力を封じられた。

 

 ゼノヴィアはエクス・デュランダルを破壊されたうえで戦闘不能。

 

 黒歌はヴァーリの転移された砲撃から子猫を庇って戦闘不能。

 

 そして、今更に新たに仲間が倒れ伏す。

 

「がはっ」

 

「「……ぐ……ぁ……っ」」

 

 曹操の聖槍に貫かれ、アザゼル及び、イッセーと合一化した井草が倒れ伏す。

 

 それを見下ろしながら、曹操は静かに告げた。

 

「全身鎧型の禁手は、オーラが強大すぎる所為で動きが先読みできる。更に赤龍帝と合一化するその技は、二人羽織りゆえに動きがぎこちない。ある程度動きを調べていれば、俺なら簡単に避けられるんだよ」

 

 龍の鎧を纏ったアザゼルも、赤龍帝との合一化で挑んだ井草も一蹴された。

 

 そして、それをなした曹操は静かに告げる。

 

「黄金龍君を封印した鎧と赤龍帝の合一化。その二つの欠点は、完全な個人個人の調整ができない事だ。俺みたいなタイプからすれば、初見でなければいなしやすい」

 

「やってくれるな……曹操……っ」

 

 アザエルは血を吐きながらそう告げるが、曹操は静かに首を振った。

 

「いやいや。これは第二ラウンドゆえの不意を付けたからで、こんなものは鼬ごっこですよ、総督殿。三戦目は逆にこちらが不利ですので、できれば新たな手札を編み出すまでは避けたいのが本音です」

 

 そうアザゼルを評価する曹操に、ヴァーリの拳が迫る。

 

「曹操! よくも!!」

 

 それを回避しながら、曹操はあざ笑うかのようにヴァーリに聖槍を向ける。

 

「総督をやられて怒っているのか? 親から恐怖すらされたと聞いているが、アザゼル総督を父のように思っているようだね? しかも、自分の攻撃で仲間をやられた事も根に持っているらしい」

 

 放たれる全ての攻撃を絶妙なタイミングでかわしながら、曹操はそう告げる。

 

 全身鎧型の禁手はオーラの動きで先読みができる。

 

 そう告げたとおりに、動きを先読みしているからこそできる反応で曹操は攻撃を全て回避する。

 

「いつから二天龍はそんなに甘くなった? そこで無様に転がる赤龍帝のように、仲間に対して情が深すぎるぞ?」

 

「……よほど殺されたいらしいな……っ!」

 

 挑発を受け流す余裕は、ヴァーリにはなかった。

 

 激昂すると同時に、ヴァーリはオーラをほとばしらせる。

 

 誰が見ても分かる。ヴァーリ・ルシファーは怒りのあまり覇龍(ジャガーノート・ドライブ)を解放しようとしている。

 

 だがしかし、相手の弱点を突くのが英雄派のやり口。

 

 そんなものを、あえて見逃す道理はない。

 

「……冷静になるんだ、ヴァーリ・ルシファー!!」

 

「ゲオルク! 流石にこれは結界がもたないから任せる!!」

 

 井草の叱責と曹操の指示はほぼ同時だった。

 

 ゆえに、頭に血が上っているヴァーリより、曹操の指示を冷静に聞いていたゲオルクの方が遥かに反応は早い。

 

 そして、英雄派には切り札があった。

 

 龍喰者(ドラゴン・イーター)、サマエル。

 

 アダムとイブに知恵の実を食べるように諭した、蛇にして龍。

 

 そのサマエルは異例ともいえる聖書の神の怒りと怨念を浴び、それゆえに同種の存在の毒となった。

 

 結果として、サマエルという存在はドラゴン及び蛇に対する猛毒として機能すると、英雄は突き止めたのだ。

 

 そして英雄派は、サマエルと封印している冥府と交渉し、一度だけ使用の許可を得た。

 

 その結果、オーフィスは完全に封じられ、未だに動きが取れない。

 

 そのサマエルを制御している英雄は相手に、大技の隙を見せるのは致命傷以外の何物でもなかった。

 

 一瞬。一瞬だった。

 

 一瞬だけ、サマエルはオーフィスだけでなく、ヴァーリにも敵意を向け、攻撃を行った。

 

 そして、その瞬間に勝敗は決する。

 

「……が……ぁ……っ!?」

 

 その瞬間に、ヴァーリ・ルシファーは一撃で戦闘不能になった。

 

「危ない危ない。だが、これでほぼ詰みだね」

 

 曹操はそう断言し、そしてそれは正しかった。

 

 グレモリー眷属とヴァーリチーム。

 

 若手悪魔の中でも最高峰の実力者。全メンバーが揃ってと言うわけではないが、それでも主力陣が集結しているこの現状。

 

 それを、たった二人に圧倒されて敗北する。

 

 眷属を引き連れたビルデと比較しても、遜色ない成果を、曹操は叩き出してのけたのだ。

 

 それを認識すると同時、井草は意識を喪失した。

 




 いまだ状況が完全には読めていないサーゼクスたち。まあ、ハーデスが各勢力の共通認識で封印しているものを持ち出すほど嫌っているとは呼んでなかったのでしょう。ほんと、あの老害は迷惑やでぇ。

 そして省略されて完封された井草たち。まあ、憑依せし赤龍帝の力は強大なのですが、真女王を使う機会がなくなるのもあれなので、初見殺しと露払い向けの性能になっております。二戦目以降の強敵との戦闘では真女王の方が有効です。
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