混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E 作:グレン×グレン
そして目を覚ました井草は、視線を横に向ける。
そこはホテルの一室らしく、ドアが開いていた。
そして、ちょうどそのタイミングでオーフィスが通りがかった。
「あ、起きた」
「……おはよう」
意外と無事な様子のオーフィスを見て、井草はどうしたものかと考える。
確か、ドラゴンに対する絶対的な天敵によって緊急事態になっていたのではないだろうか。
「言い方悪いけど、なんで無事なの?」
皮肉でも何でもないが、疑問は出る。
しかし、オーフィスは静かに首を横に振る。
「無事じゃない。曹操達に、我の力ごっそり奪われた」
そう告げるオーフィスは無表情だが、彼女がごっそりというのならそれは相当だろう。
なにせ主神クラスを十人以上は投入して勝負になるような存在だ。その力が「ごっそり」奪われたのなら、奪われた力は主神クラスが片手が埋まるほど動員しても勝てないようなほどにレベルだろう。
グレートレッドが出てくれば話は別だが、グレートレッドは中立と言っていい。なので、敵は強大かつ自由に使える力を手にしたのだ。
「それで、どれぐらい奪われたの?」
「半分ぐらい奪われた。今の我、全盛期の二天龍の二回りぐらい」
それで大幅に奪われたと納得できるのだから、オーフィスの強大さに嫌となる。
状況は気絶している間にも進んでいるらしい。それを把握しなければ判断できない事も多いだろう。
それにアザゼルとリアスがいるのなら、そちらの判断を優先するべきだ。あの二人の方が人を率いる立場である以上、井草は最低限の方針ぐらいは聞いておくべきである。
なので立ち上がりながら、井草はオーフィスにとりあえず聞く事を聞く。
「で、何してるのさ?」
「曹操達に奪われてる間に、我、蛇の形で力を逃がした。今、それを回収した帰り」
つまり、本来ならもっと奪われていた可能性があるという事らしい。
不幸中の幸いというべきだろうか。少なくとも、禍の団がオーフィスから奪った力をロクな事に使わないのは確定なので、まあ最悪ではないのだろう。
だが、オーフィスが危険因子であるのは変わらない。
次元の狭間を独占する事を考えているオーフィスは、同盟側にとって不利益極まりない。更にはオーフィスの変質も警戒するべきであり、次元の狭間に長居されると何が起こるか分からないのが同盟側の見解だ。
必然的に、現時点でも桁違いの力をオーフィスが持っているのは問題だったが。
「……一つ、聞いていいかな?」
「なに?」
小首を傾げるオーフィスに、井草は一つ聞く。
「オーフィス。ちょっと聞きた事があったんだけど」
井草は一つ聞きたい事があった。
「……別に静寂を得たいだけなら、次元の狭間じゃなくてもいいんじゃないかい?」
その言葉に、オーフィスは首を傾げる。
「どういう意味?」
「いや、言っちゃ悪いけど、次元の狭間じゃなくても辺境とかに引き込まって「立ち入り禁止」とか言っとけば、君の実力なら関わってくる奴とかほぼいなくない?」
実際問題、オーフィスは強力すぎる。
ただ静寂が得たいなら、生物がほぼいないような場所に引き籠ったうえで「関わるな」と宣言すればいいのだ。
同盟側としても、ある程度配慮したうえで関与しない事を願っているのなら、ある程度は妥協するだろう。
むやみやたらに敵対する必要はない。むしろ、明確なデメリットがないのなら手出ししない方が無難な相手である。それだけの力を今でも持っている。
何故態々グレートレッドと揉めるなどのデメリットが多い次元の狭間に拘るのか。そこが聞きたかった。
そして、オーフィスははっきり言った。
「……盲点」
沈黙が、響いた。
そして、井草はなんとなく思った事がある。
あれ? もしかしてこれ、ディスコミュニケーションしてただけ?
……とりあえず脱出してから、アザゼルに相談しよう。
井草はそう結論付けた。
そう、今はそれをしている余裕はない。欠片もない。
井草の感覚が危険を告げている。
間違いなく、この部屋の周囲は包囲されていた。
「じゃあ、とりあえず現状の説明と俺らの対応を説明する」
井草が合流してから、ヴァーリ達を含めた全員が合流してから、アザゼルが状況をまとめ上げる。
「まず、俺達は完全に包囲されている。それはいいな?」
そこがまず問題だった。
英雄派にサマエルを提供した、ハーデス達冥府の死神陣営。
彼らは曹操達と繋がっており、曹操がここから離脱すると同時に一斉に押し寄せてきた。
下級はもちろん中級以上も存在し、立て籠る為に一フロア丸ごとに展開した結界の外側を包囲している。
死神は種族としては悪魔より戦闘能力が高い。下級死神と言っても中級クラスはあり、最上級ともなれば、魔王や半端な神とも戦えるだろう。
それらに完全に包囲された現状で、撤退は困難だ。
なら転移で逃げればいいかといえば、そんな甘い真似を英雄派も許しはしない。
英雄派の魔法使いゲオルクによる結界空間は強力で、加えてヴァーリの転送で警戒されている為一度だけ三人転移させるのが限界。加えて、転移担当のルフェイが必須なので、離脱できるのは二人までだ。
更にオーフィスは不可能。今回は対オーフィス用に特化した結界空間のようで、弱体化したオーフィスではどうあがいても不可能な設計になっているようだ。最優先するべき対象をよく理解していると言っていい。
その為天界に事情を説明する役としてイリナが選ばれ、エクス・デュランダルが大きくダメージを受けたゼノヴィアが護衛として付く事になった。
客分であるレイヴェルを選択する案もあったが、しかしこちらはレイヴェルが辞退した事もあって、イリナが選ばれた形になる。
ついでに、ルフェイから
そして、残存メンバーは増援が来るか結界空間の要を吹き飛ばすかする必要がある。
その為の作戦は決定した。リアスによるイッセーを見てきたからこそできる、凄まじい作戦だったが、グレモリー眷属らしい作戦でもある。
とはいえ、それでも確実とは言い難い。
現状は、ヴァーリチームは完全に禍の団から追放された形だ。しかも、オーフィスは英雄派が奪った力がそうだと言う事にされている。
遠慮なく禍の団も戦力を送り込めるという事だ。ゲオルクが交換転送術を真似たらしく、最低でも曹操の代わりにジークが来る事が確定している。
ヴァーリ・ルシファーはサマエルの呪いを受けて絶不調。加えて、黒歌を含めて殆どのメンバーが消耗している。
確実と言っていいほどに不利な状況だ。此処で余計な証拠を残すのも得策ではないし、過剰戦力で潰しにかかってくる可能性も大きい。
ムートロンか大魔王派から戦力が送られる可能性を考慮すれば、危険きわなりないと言う他ない。
だがしかし―
「お前ら、いいか?」
アザゼルは、応急処置の済んだ
そう、ここで誰一人として死ぬ気はない。
生き残って目にもの見せてやる。そんな気が前の者達だらけだった。
「舐めた真似をしてくれた曹操達をぎゃふんと言わせてやる。まずはここを脱出するぞ、分かったな!」
『『『『『『『『『『はい!!』』』』』』』』』』
その言葉と共に、逆襲の火ぶたは切って落とされた。
「どうした、ビルデ?
「申し訳ない、ナイアル殿。……シャルバの馬鹿の捜索を手伝ってほしい」
「……え? あのバカなにしたんだよ?」
「英雄派の構成員を殺し、レオナルドを強奪したらしい」
「おいおい。アイツ英雄派に治療を手伝ってもらってたんだろ? それがメンバー殺すとかマジか?」
「オーフィスを切った我々も人の事は言えんが、おかげで英雄派から追及が酷いのだ。オギアがいるから処刑しておいても良かったのだが、参加した旧魔王派関係者の意見を取り入れたのが悪かったようでな」
「そりゃ大変だ。……だが、これもしかするとあれか?」
「と言うと?」
「いや、ハーデスが英雄派を出し抜いた可能性があってな? てっきり人類選別機関か絶対正義団の連中に接触したんだと思ってたんだが、まさかあいつかぁ。そんな価値合ったのかぁ」
「担ぎやすい馬鹿ではあるから、ありうるか。……人類選別機関も絶対正義団も確固たる信念で動いているから、確かにシャルバよりは動かしにくいだろう」
「完全に切り捨て担当の手駒扱いってか? 気づいてねえだろうシャルバはホント馬鹿だったんだなぁ」
「……さて、英雄派に筋を通す為にも、捜索部隊を派遣したいが、しかしそんな余裕もないか」
「なんでだよ? あいつ蛇なくしてるから、ビィディゼ辺り送ればイッパツじゃね?」
「そうもいかない。精神病棟に叩き込む必要があるぐらい荒れていてな、しかもオギアまで敵視しているという報告がある。……勢い余ってこちらに喧嘩を売りかねない」
「返り討ち確定じゃね?」
「流石に何かしらの手段はあるだろう。ハーデス辺りが入れ知恵をしている可能性はある。ある程度の防備は固めておき、想定外の事態に動かす余力も用意しなければ」
「……しゃあねえ。他の連中にも報告するか。誰か手が空いてる奴は―」
「ほぉ? 何やら面白い事を話しているな」
「「コカビエル?」」