混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E 作:グレン×グレン
遠慮なく龍殺しの聖魔剣を使って切りかかる祐斗の支援をするべく、井草もレセプターイーツになりながら光力の剣を展開する。
少々不利な事に、現在トールセイバーは修復中で間に合っていない。まさか魔王のお膝元でこんな戦いになる可能性は低いと踏んでいたが、このタイミングで勧誘に来るとは想定外だ。
ゲオルギウスイーツとなっているジークは強敵だ。祐斗は強くなっているとはいえ、それでも苦戦必須の相手だろう。
できれば上手く立ち回って撤退に持ち込みたいところだ。アジュカがいるという事実がある以上、ジークフリートもむやみやたらに消耗する事を選ぶとも思い難い。
だが―
「どうにかできるなら、どうにかしたいね」
―こちらも、英雄派に対して敵意は強い。
何度も何度も煮え湯を飲まされている。しかも、親しい友人であるイッセーを失った事でこちらも色々とストレスが溜まっている。
彼らが直接殺したわけではない。八つ当たり一歩手前の行動かもしれない。だが、テロリストであり元凶であるシャルバが所属していた組織の幹部である以上、容赦する義理もない。
「一応言うけど、投降するなら命は取らないけど……っと!!」
「お気遣い無用! どうせ勝つしね!!」
そう言いながら、ジークは魔剣をふるい、祐斗と井草の攻撃を捌く。
しかし、急成長を遂げた祐斗と、元からイッセーに次ぐ性能を発揮する戦の相手は苦労するのか、多少は手傷を負っている。
龍殺しの力を警戒して、祐斗の攻撃は全て捌いている。だが、その分井草の攻撃に対して意識を割き切る事ができず、苦戦している状況だ。
これなら、撤退させる事はできるか?
そう考えた瞬間、ジークは魔剣全てのオーラを全開放して、二人の接近を阻む。
長時間続く真似ではない。実際、二人が大勢を取り直した時にはオーラの噴出は止まっている。
そして、ジークの体には負傷が生まれていた。
「……困ったものだと思わないかい? グラムは僕の体に遠慮をしてくれないんだ。赤龍帝のアスカロンが羨ましいよ」
その言葉に、井草はすぐに理由を察した。
ジークフリートは優れた存在だ。
英雄シグルドの末裔。魔帝剣グラムを筆頭とする、五本の魔剣に選ばれた。イーツとしてもポテンシャルは、地球人では高い。そして神器まで持っている。
あらゆる才能に恵まれ、そしてそれを高めてきている勤勉な神童だ。これで強くなれない方がどうかしているだろう。
だが―
「残念だったね。イッセー君はそういう意味では君よりスペシャルらしい」
前にジークが、イッセーに曹操のことをスペシャルと形容した事からくる意趣返し。
それを、祐斗は言い放つ。
それに対して、ジークは苦笑する。自分が行った事を思い出したのだろう。
イッセーとジークはある意味で似ている。
ともに龍に関する神器を持ち、龍殺しの剣を持っている。
神器と剣の性能の比率なら、相対的だろう。本人の戦闘センスなら、ジークが上だろう。
だが、相性という点ではイッセーが遥かに優れている。
様々な勢力が手伝い、赤龍帝の力が特別だからだろう。イッセーはアスカロンの龍殺しで悪影響を受けてはいない。それどころか、アスカロンは赤龍帝の力で強化されている節がある。
だが、無名のドラゴンを封印した
そも、グラムの方がその辺りの気を使わないようだ。そういう意味ではジークがイッセーを羨むのも当然だろう。
それを自嘲したジークは、しかしどこからともなく注射器を取り出した。
……凄まじく嫌な予感を覚えた井草だが、しかしジークは邪魔をさせるようなヘマはしなかった。
一瞬で、躊躇なく、邪魔される隙すら作らず、注射器を首筋に差し込む。
「……僕ら英雄派は、一つの研究を行っていた」
そう言いながら、ジークの体は震える。
「テーマは簡単だ。魔王と神という相反する存在の力を複合させたらどうなるか。……すなわち、聖書の神が作りし神器に、魔王の血を混ぜ込んだらどうなるか」
そして、ジークの体が膨れ上がる。
「膨大な実験と犠牲の末に、それは形となった。……神器のドーピング剤が出来上がったのさ、こんな風にね』
声の質すら変えながら、ジークフリートは一体の異形へと変化を遂げる。
そしてその瞬間、ジークの腕がぶれた。
これまでの経験則から、井草はとっさに伏せて攻撃を回避する。
その瞬間、空間が割けた。
絶大な切れ味を発揮したグラムが、空間すら切り裂いたのだ。
その瞬間、井草は判断する。
これは、今のままでは手に負えない。
「……アジュカさん! ちょっと交代してくれませんか!?」
「いや、そういうわけにはいかない!!」
祐斗は意地になったのか、強引に突撃を刊行する。
強大な力を手にして若干の慢心が生まれたのだろう。ジークの攻撃には一瞬の穴が開き、そこに祐斗はボロボロになりながらも滑り込む。
そして、龍殺しの聖魔剣が付きこまれ―
『―残念だけど、イーツとこの
―その聖魔剣は、砕け散った。
「凄まじい力だ。やはり人間という種族は可能性の結晶だと思うね」
「感心してる場合ですか! 祐斗くん!!」
とっさにとどめの攻撃から、背中に糸を付けて引っ張る事で避けさせる井草だが、しかしそれでもジークの動きが速い。
完全には避け切れず、腕の一本が切り裂かれた。
感性の法則と剣圧に従い、腕と祐斗は別々の方向に弾き飛ばされる。
井草は即座に割って入るが、しかしジークは呆れ顔だ。
『しかしまあ、あのグレモリー眷属が堕ちたものだ』
その目には失望すら浮かび、リアス達に視線が向けられる。
その瞬間放たれた攻撃を、ジークフリートは防御も回避もしようとしない。
それほどまでに、その攻撃は軽かった。
「く……イッセー……っ」
リアスは思わずイッセーに使われていた駒を握り締めるが、しかしそれは何の意味もない。
それを見て、ジークフリートは心底からため息を付いた。
「赤龍帝一人死んだだけでこの様、友情とは枷にもなれば重荷にもなるという事か」
「……君、ちょっと黙れ」
流石に怒りが限界を超えかけて、井草は光の剣を作り出し切りかかる。
瞬時に振るわれる反撃の刃をしのぎながら、井草は心底から怒りに満ちた声を上げる。
「確かに、愛情にしろ友情にしろ、それは掛け違えれば毒になる。だけど、かみ合えばそれは不屈の心を生む糧になる……!」
斬撃を受けて鮮血をまき散らしながら、井草は一気に踏み込んだ。
殺意と激怒を込めた目でジークを睨み付け、蜘蛛の糸で足を止めて、後退を許さない。
そして、渾身の力で拳を握り締め―
「あまり馬鹿にするなよ、この野郎!!」
―顔面に拳を叩きつける。
轟音が響き、そしてイーツの力が爆散し―
「だけど、その情の力をもってしても君は勝てない」
-カウンターのグラムが、井草の胴体を深く切り裂いた。
その余波で弾き飛ばされながら、井草は着地を試みる。
しかし、深手を負った事で力が入らず、そのまま地面に転がってしまう。
『まさかイーツが破壊されるなんてね。これは、そろそろ撤退した方がいいかな?』
そう嘯きながら、しかしジークは余裕の表情を浮かべ、そしてすぐに失望の表情を浮かべる。
『シャルバがサマエルの毒を持っている事は分かっていた。アイツが生きてるならこの状況下で犯行声明ぐらい出している。そして、赤龍帝が生きていたとしても、この状況下で出てこないなんてありえないだろう』
敵ながら、イッセーのことを相応に調べているのがよく分かる。
そして、だからこそジークフリートはイッセーの死を確信しているようだ。
そして、この期に及んでまともな戦闘行動をとる事もできないリアス達を見て、ため息を付いた。
『オーフィスはともかく、シャルバは後でも倒せた。にも関わらず一人で相討ちをし、更には仲間達をこうも落ちぶれさせる。……兵藤一誠は無駄死にだよ』
「言って……くれるね……っ」
流石に怒りが込み上げてくるが、ダメージも深く井草は動けない。
だが、それでも無理やり立ち上がる。
そして、同じように立ち上がる者がいる。
「……ふざけ、るな……っ」
祐斗もまた、その兵藤一誠をさげすむ男に渾身の怒りを込めて立ち上がる。
「確かに彼は考えなしで変態だ。人によってはとても好感が抱けない、一点特化型の致命的欠点持ちだとも。……だけど!!」
渾身の力で光力の刃を具現化させながら、井草はその切っ先をジークフリートに突きつける。
「彼はあなた程度が愚弄できる男じゃない! 僕達の仲間を馬鹿にするな!!」
そして祐斗もまた、聖魔剣を形成して切っ先を突きつける。
その状況で、しかしジークは余裕の表情を浮かべる。
『無駄だよ! 井草・ダウンフォールはともかく、人間ベースの木場祐斗では、その傷での戦闘は不可能だ! 強みの回復役が役に立たない現状で、どう戦う!!』
その宣言と共に、ジークは魔剣を構えて突撃を敢行する。
更に手にはもう一つのイミテーションイーツがあり、即座に新たにゲオルギウスイーツへと変身する。
しかし井草も怯まない。
アジュカに速攻で助けを求める事を考えるべきだが、しかしもう一発は入れないと気が済まない。
だからこそ、渾身の力で前に一歩を踏み出し―
―いつもありがとうございます。リアス達のこと、頼みますよ!
この辺に関しては撒いて行きます。
しかし、ケイオスワールドでは兵夜のキャラ関係故に省略し、イレギュラーズでは魔改造でとんでもないことになっていたジークフリート。原作とあまり変わらない展開なのはこれが初めてな気がしてきました。