混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E 作:グレン×グレン
吹き飛ばされる井草は、しかし追撃の手が緩んだ事に気が付いた。
「分隊長! あれを!」
「―なんだ? 次元が大規模に割け……グレートレッドだと!?」
その狼狽した隙をついて、井草は反撃を試みようとし―
「甘いわぁ!」
-此方に視線も向けずに放たれた、ナイファーザーの射撃で動きが止まる。
そして次の瞬間、バイアクヘーイーツ二人に組み付かれた。
とっさに魔力を放出して振り払いを試みるが、瞬時に銃口が突きつけられる。
「―動くな劣等種族。死にたいのなら別だがな」
ナイファーザー含めた九人のバイアクヘーイーツが、一斉に銃口を向けていた。
……敵は推定EEレベル5,0以上のバイアクヘーイーツ九人。うち一人は、よりにもよってサーゼクスとまともに渡り合ったナイファーザー。
口は軽く挑発に激高する小物っぽいところはあるが、それでも魔王クラスの実力者だ。更に、デフォルトイーツがフェニックスである為非常にしぶとい。
このままでは勝てない。それが嫌というほど分かってしまう。
このままはいそうですかと捕まる気はない。だが、迂闊に動けば確実に死ぬ。
どうしようもない状況下になるか、それとも一瞬の隙を見つけるか。そのどちらかでなければ動けない。
……だが、後者は予想を遥かに上回るほどに難しい。
間違いなく、敵は絶大な実力者だ。駒王会談での醜態で小物に見えるが、戦闘能力は正真正銘絶大である。
このままでは、連れていかれる。
だが、無謀な特攻はできない。
そんな事になれば、悲しむ者が多すぎる。
イッセー達が悲しむ。
ピスが悲しむ。
リムが悲しむ。
伊予が悲しむ。
五十鈴が悲しむ。
ニングが悲しむ。
故に、一瞬の隙を何としても探るべく、井草はこれまでになく集中し―
「ふむ、気絶させた方が速そうだな」
―それを見抜ける程度には、ナイファーザーは優秀だった。
「絞め落とせ」
「クッ!」
どうやら、無謀な賭けに出るしかない。
井草は相手がこちらを気絶させる前に戦闘を開始しようとし―
「……井草ぁああああああ!!!」
―その声を、聞いた。
「―五十鈴!?」
顔を向ければ、そこには既にハストゥールイーツとなっている五十鈴が、こちらに向かって突貫してきていた。
「第二班は後退! 第一班は弾幕を張れ!」
ナイファーザーは即座に指示を出すと、迂回するようにして五十鈴に接近する。
そして井草を拘束している四人が後退し、残り四人が小銃を構えて弾幕を張る。
幹部用でない為性能は大幅に落ちているが、上級悪魔を損傷させうる弾幕が、一斉に放たれた。
距離が離れている為五十鈴は躱す事に成功するが、しかしその隙をついてナイファーザーが迫る。
-その真下から、一斉に光力の槍が襲い掛かった。
「チッ! 伏兵とは味な真似を!!」
瞬時に躱しながら、ナイファーザーはムートライフルで射撃手を迎撃。
それを雷撃を纏った腕で弾き飛ばしながら、伏兵であるピス・ダウンフォールが突撃する。
「五十鈴ちゃん!」
「分かってる、ピス姉さん!!」
「チッ! 炸裂弾を近接信管で放て!!」
連携を仕掛ける二人を防ぐべく、ナイファーザーは即座に攻撃の手段を変更させる。
炸裂弾による爆発が広範囲に巻き起こり、二人の接近を阻害。
そして、その爆発の影響をフェニックスイーツの力で強引に無視して、ナイファーザーが二人を蹴り飛ばす。
「五十鈴! ピス姉さん!!」
「第二班ぼさっとするな!! 早くそいつを絞め落として連れていけ!!」
井草が吠えたことでナイファーザーが激を飛ばす。
そして、それに反応して捕縛しているバイアクヘーイーツ達が井草を絞め落とそうとして―
「……かかったわね、馬ぁ鹿!!」
五十鈴は、勝ちを確信して吠えた。
そして次の瞬間―
「任せて、五十鈴ちゃん!!」
真下からの灼熱が、井草ごとバイアクヘーイーツを吹っ飛ばした。
「熱い!?」
「耐えなさい、男でしょ!」
五十鈴が無茶ぶりをしてきた。
だがしかし、攻撃で纏めて吹っ飛ばされた事で、拘束から解放された事もまた事実。
即座に井草は空中で態勢を立て直し、しかし敵も見逃さない。
「させるか!」
「レセプターイーツと
即座に捕縛の為に、体勢を立て直したバイアクヘーイーツが仕掛ける。
だがしかし、そこに割って入る赤いイーツがいた。
灼熱を思わせるカラーリング。全身にまとわれるのは毛皮のような装飾。そして、その身から放たれる灼熱。
クトゥグアイーツが割って入り、迎撃のプラズマを放つ。
その砲撃に相手が警戒する中、井草はそれがまったく目に入らなかった。
「……い、よ?」
思わず、ぽかんとしてしまった。
そして、その言葉に気づいたクトゥグアイーツ―行仁伊予―が、振り返る。
「うん。ごめんね、待たせちゃった」
イーツになってなければ涙をこぼしていた。
起きてくれた。
目を覚ましてくれた。
意識を、取り戻してくれた。
「……でも、起きてすぐで大丈夫!?」
「えっと、正直全然状況とか分かってないんだけど……ね?」
あはは……と苦笑いしながら、伊予はしかしすぐに我に返ると敵に向き直る。
「色々大変で、だから力になりたいの」
静かにプラズマを迸らせながら、伊予はまっすぐに敵を見据える。
「今までずっと間違えてきたから、その分頑張りたいの」
そして、ぎこちなく、まったくセンスがない構えを取る。
「だって……だって……だって………っ」
そして、心の底から言い切った。
「まだ、井草君や五十鈴ちゃんと一緒にいたいから!!」
そう言ってくれるのか。
あんな事をした自分や、それを仕向けた五十鈴に、そう言ってくれるのか。
井草はその事が心から嬉しい。
ああ、死を選ばなくて良かった。頑張って生き残って良かった。
心の中の枷が、解放されるのを感じる。
罪悪感は胸にある。後悔は、薄れる事はあっても消える事は生涯ないだろう。この傷は、決して癒し切ってはいけないものだ。
だが、しかし、それでも。
また、一緒にいる事を彼女は望んでいる。
「ああ……ああ……ああ………っ」
何度も何度も頷いて、井草は決心する。
ニングと共に、リムと共に、五十鈴と共に、ピスと共に。
そして、伊予と共に。
仲間と一緒に生き抜こう。その為に、矛盾した言い方だが命を懸けて頑張ろう。
少なくとも、仲間達はそれを許してくれるのだから。
今まで以上にそれを望む心が強くなり、そして井草は壁を超える。
心が、世界の流れに逆らうほどにまで高まった時、神器使いは究極の領域に至る。
それこそが、神器の禁じ手。
それこそが、神器の究極系。
それこそが、神器使いの新たな次元。
「………
それこそが、
神器使いの禁じられた手段。
井草・ダウンフォールは、今ここに新たなる領域へと突入した。
ようやく井草が至りました。
しかし、敵は魔王クラスのナイファーザー。さらに主神クラスのナイアルも控えています。
井草の禁手によって得た力は、果たして奴らに届くのか!?