混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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キリがいいので、この話は短めです。


6話

 

 吹き飛ばされる井草は、しかし追撃の手が緩んだ事に気が付いた。

 

「分隊長! あれを!」

 

「―なんだ? 次元が大規模に割け……グレートレッドだと!?」

 

 その狼狽した隙をついて、井草は反撃を試みようとし―

 

「甘いわぁ!」

 

 -此方に視線も向けずに放たれた、ナイファーザーの射撃で動きが止まる。

 

 そして次の瞬間、バイアクヘーイーツ二人に組み付かれた。

 

 とっさに魔力を放出して振り払いを試みるが、瞬時に銃口が突きつけられる。

 

「―動くな劣等種族。死にたいのなら別だがな」

 

 ナイファーザー含めた九人のバイアクヘーイーツが、一斉に銃口を向けていた。

 

 ……敵は推定EEレベル5,0以上のバイアクヘーイーツ九人。うち一人は、よりにもよってサーゼクスとまともに渡り合ったナイファーザー。

 

 口は軽く挑発に激高する小物っぽいところはあるが、それでも魔王クラスの実力者だ。更に、デフォルトイーツがフェニックスである為非常にしぶとい。

 

 このままでは勝てない。それが嫌というほど分かってしまう。

 

 このままはいそうですかと捕まる気はない。だが、迂闊に動けば確実に死ぬ。

 

 どうしようもない状況下になるか、それとも一瞬の隙を見つけるか。そのどちらかでなければ動けない。

 

 ……だが、後者は予想を遥かに上回るほどに難しい。

 

 間違いなく、敵は絶大な実力者だ。駒王会談での醜態で小物に見えるが、戦闘能力は正真正銘絶大である。

 

 このままでは、連れていかれる。

 

 だが、無謀な特攻はできない。

 

 そんな事になれば、悲しむ者が多すぎる。

 

 イッセー達が悲しむ。

 

 ピスが悲しむ。

 

 リムが悲しむ。

 

 伊予が悲しむ。

 

 五十鈴が悲しむ。

 

 ニングが悲しむ。

 

 故に、一瞬の隙を何としても探るべく、井草はこれまでになく集中し―

 

「ふむ、気絶させた方が速そうだな」

 

 ―それを見抜ける程度には、ナイファーザーは優秀だった。

 

「絞め落とせ」

 

「クッ!」

 

 どうやら、無謀な賭けに出るしかない。

 

 井草は相手がこちらを気絶させる前に戦闘を開始しようとし―

 

「……井草ぁああああああ!!!」

 

 ―その声を、聞いた。

 

「―五十鈴!?」

 

 顔を向ければ、そこには既にハストゥールイーツとなっている五十鈴が、こちらに向かって突貫してきていた。

 

「第二班は後退! 第一班は弾幕を張れ!」

 

 ナイファーザーは即座に指示を出すと、迂回するようにして五十鈴に接近する。

 

 そして井草を拘束している四人が後退し、残り四人が小銃を構えて弾幕を張る。

 

 幹部用でない為性能は大幅に落ちているが、上級悪魔を損傷させうる弾幕が、一斉に放たれた。

 

 距離が離れている為五十鈴は躱す事に成功するが、しかしその隙をついてナイファーザーが迫る。

 

 -その真下から、一斉に光力の槍が襲い掛かった。

 

「チッ! 伏兵とは味な真似を!!」

 

 瞬時に躱しながら、ナイファーザーはムートライフルで射撃手を迎撃。

 

 それを雷撃を纏った腕で弾き飛ばしながら、伏兵であるピス・ダウンフォールが突撃する。

 

「五十鈴ちゃん!」

 

「分かってる、ピス姉さん!!」

 

「チッ! 炸裂弾を近接信管で放て!!」

 

 連携を仕掛ける二人を防ぐべく、ナイファーザーは即座に攻撃の手段を変更させる。

 

 炸裂弾による爆発が広範囲に巻き起こり、二人の接近を阻害。

 

 そして、その爆発の影響をフェニックスイーツの力で強引に無視して、ナイファーザーが二人を蹴り飛ばす。

 

「五十鈴! ピス姉さん!!」

 

「第二班ぼさっとするな!! 早くそいつを絞め落として連れていけ!!」

 

 井草が吠えたことでナイファーザーが激を飛ばす。

 

 そして、それに反応して捕縛しているバイアクヘーイーツ達が井草を絞め落とそうとして―

 

「……かかったわね、馬ぁ鹿!!」

 

 五十鈴は、勝ちを確信して吠えた。

 

 そして次の瞬間―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「任せて、五十鈴ちゃん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真下からの灼熱が、井草ごとバイアクヘーイーツを吹っ飛ばした。

 

「熱い!?」

 

「耐えなさい、男でしょ!」

 

 五十鈴が無茶ぶりをしてきた。

 

 だがしかし、攻撃で纏めて吹っ飛ばされた事で、拘束から解放された事もまた事実。

 

 即座に井草は空中で態勢を立て直し、しかし敵も見逃さない。

 

「させるか!」

 

「レセプターイーツと受容の器(レセプター・カーゴ)の同時保有サンプル、見過ごせん!!」

 

 即座に捕縛の為に、体勢を立て直したバイアクヘーイーツが仕掛ける。

 

 だがしかし、そこに割って入る赤いイーツがいた。

 

 灼熱を思わせるカラーリング。全身にまとわれるのは毛皮のような装飾。そして、その身から放たれる灼熱。

 

 クトゥグアイーツが割って入り、迎撃のプラズマを放つ。

 

 その砲撃に相手が警戒する中、井草はそれがまったく目に入らなかった。

 

「……い、よ?」

 

 思わず、ぽかんとしてしまった。

 

 そして、その言葉に気づいたクトゥグアイーツ―行仁伊予―が、振り返る。

 

「うん。ごめんね、待たせちゃった」

 

 イーツになってなければ涙をこぼしていた。

 

 起きてくれた。

 

 目を覚ましてくれた。

 

 意識を、取り戻してくれた。

 

「……でも、起きてすぐで大丈夫!?」

 

「えっと、正直全然状況とか分かってないんだけど……ね?」

 

 あはは……と苦笑いしながら、伊予はしかしすぐに我に返ると敵に向き直る。

 

「色々大変で、だから力になりたいの」

 

 静かにプラズマを迸らせながら、伊予はまっすぐに敵を見据える。

 

「今までずっと間違えてきたから、その分頑張りたいの」

 

 そして、ぎこちなく、まったくセンスがない構えを取る。

 

「だって……だって……だって………っ」

 

 そして、心の底から言い切った。

 

「まだ、井草君や五十鈴ちゃんと一緒にいたいから!!」

 

 そう言ってくれるのか。

 

 あんな事をした自分や、それを仕向けた五十鈴に、そう言ってくれるのか。

 

 井草はその事が心から嬉しい。

 

 ああ、死を選ばなくて良かった。頑張って生き残って良かった。

 

 心の中の枷が、解放されるのを感じる。

 

 罪悪感は胸にある。後悔は、薄れる事はあっても消える事は生涯ないだろう。この傷は、決して癒し切ってはいけないものだ。

 

 だが、しかし、それでも。

 

 また、一緒にいる事を彼女は望んでいる。

 

「ああ……ああ……ああ………っ」

 

 何度も何度も頷いて、井草は決心する。

 

 ニングと共に、リムと共に、五十鈴と共に、ピスと共に。

 

 そして、伊予と共に。

 

 仲間と一緒に生き抜こう。その為に、矛盾した言い方だが命を懸けて頑張ろう。

 

 少なくとも、仲間達はそれを許してくれるのだから。

 

 今まで以上にそれを望む心が強くなり、そして井草は壁を超える。

 

 心が、世界の流れに逆らうほどにまで高まった時、神器使いは究極の領域に至る。

 

 それこそが、神器の禁じ手。

 

 それこそが、神器の究極系。

 

 それこそが、神器使いの新たな次元。

 

「………禁手化(バランス・ブレイク)!!」

 

 それこそが、禁手(バランス・ブレイカー)

 

 神器使いの禁じられた手段。

 

 井草・ダウンフォールは、今ここに新たなる領域へと突入した。

 




ようやく井草が至りました。

しかし、敵は魔王クラスのナイファーザー。さらに主神クラスのナイアルも控えています。

井草の禁手によって得た力は、果たして奴らに届くのか!?
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