混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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主役が覚醒したり戻ってきたりで、ようやく本番といった感じですね。


8話

 

 

 そして、半目でナイアルは先ほどの砲撃を確認した。

 

「……帰るか」

 

「ナイアルの旦那、流石にそれは不真面目すぎねぇっすか?」

 

 舎弟の一人がそう言うが、しかしこれは言いたくもなる。

 

「冷静に考えろや。グレートレッドが参戦してんだぞ? 勝ち目ねえだろ」

 

 ナイアルはそう告げるが、事実正論だ。

 

 彼我戦力差を考慮して、勝ち目がある戦いだからこそ戦うのが基本中の基本。勝ち目がないのに勝負を挑むのは無謀以外の何物でもない。

 

 必然的に、勝ち目がなくなったと判断したのなら見切りをつけて逃げるのも立派な戦術である。三十六計逃げるに如かずという格言があるぐらいだ。

 

 如何にナイアルが主神クラスの実力者だといえど、龍神クラスに単独で挑むなど愚行の極み。よほど対ドラゴンに特化してない限り勝てるわけがない。文字通り桁違いの相手なのだから。

 

 英雄派が龍の天敵であるサマエルを運用できたからこそ初めて弱体化させる事ができたのが、龍神という規格外の領域なのだ。

 

 勝ち目がないから逃げる。ごく当たり前の判断である。

 

「そもそも俺らは「ウォーミングアップがてらに火事場泥棒してこい」って事で動いてきたんだろ? それで龍神と仕掛けて死んだら意味ねえだろうが」

 

「言ってくれるな。俺達は眼中にないと?」

 

 睨み合う形になったサイラオーグがそう言い放つが、ナイアルは肩をすくめる。

 

「そりゃそうだろ。お前らぶっ殺すのは余裕だしな」

 

 さらりと即答し、そしてナイアルは拳を構える。

 

「何なら殴り掛かるか? カウンター当てて潰してや―」

 

 そう言いかけたその瞬間だった。

 

 ナイアルは即座に手近な部下を掴むと、即座に飛び退る。

 

「散開しろ!!」

 

「へ…っとぉ!?」

 

 慌てて舎弟達が散る中、勢いよく地面に激突するバイアクヘーイーツが出た。

 

 そして直後、青い髪の青年が地面に叩き付けられる。

 

「……ったぁ! まだ慣れてないか!」

 

「三下の捨て台詞だな!!」

 

 起き上がった青年に、炎を撒き散らすバイアクヘーイーツが襲い掛かる。

 

 だが、真後ろから仕掛けてきた見覚えのある堕天使が回し蹴りを叩き込んでそれを妨害した。

 

「させると思うぅ! ……井草、無事ぃ!?」

 

「勿論!!」

 

 そう返答した青年―井草・ダウンフォール―は、そしてすぐに気が付いた。

 

「あ、ニング、リム!」

 

「井草!」

 

「井草さん!!」

 

 タイミングのいい増援に感謝しながら、リムもニングも声を上げる。

 

 そしてすぐに、その変化した姿に軽く驚いた。

 

 しかし、誰もがすぐにその原因に思い至る。

 

 そう、彼は至ったのだ。

 

 そして、その切っ掛けもすぐに分かった。

 

「待ってピス姉さん! こっちのフォローもお願い!!」

 

「うわーん! EEレベルが下がってるからしのげないぃ~!」

 

 そう泣き言を漏らしながら、バイアクヘーイーツから逃げるようにハストゥールイーツとクトゥグアイーツが更に追いついた。

 

 そして、クトゥグアイーツの方が僅かに肩を揺らす。

 

「あ……その……」

 

 それですぐにわかる。

 

 彼女たちは五十鈴と伊予だ。

 

 伊予からすれば、散々酷い事をやってきたうえで、今更出戻りしてきたようなものだ。思うところはあるだろう。

 

 だが、それを見て真っ先に動いた者がいた。

 

「目が覚めたのね。それは良かったわ」

 

 リアス・グレモリーは心からほっとして微笑んだ。

 

 それに思わずぽかんとなった伊予に、リアスは宣言する。

 

「新しい見習いメイドの参加は歓迎するわ。……自分がしてきた事が罪だというのなら、これからの行動で贖罪しなさい。その場所はニングが用意したでしょう?」

 

「全くなのです」

 

 リアスの言葉に続き、ニングもまたそう言い切る。

 

「貴方の命は私がもらっているのです。罪を償う気があるのなら、井草・ダウンフォールの為に生きて、このニング・プルガトリオ・ルシファーの為に戦うのですよ」

 

 その言葉に、伊予は一度変身を解く。

 

 そして、涙を浮かべながら頷いた。

 

「……かしこまりました、お嬢様っ!」

 

「……とんだ茶番を見せられてる気がするな、オイ」

 

 そして、ナイアルはそれを見て苛立ちすら浮かべる。

 

 ナイアルの立場と価値観からすれば、当然だろう。

 

 だが、井草達の価値観と立場からすれば、実に「お前にだけは言われたくない」だ。苛立ちどころか殺意が浮かぶ。

 

「……まさかここでナイアルにまで遭うとはね。流石に、ちょっと厳しいか」

 

「ちょっとじゃねえよ絶望だよ。おいナイファーザー! お前も手柄立ててえならさっさと起き上がって援護しろや!」

 

「貴様に言われたくはない。……まあいい、とにかくここでこいつらを潰せば、それ相応の戦果にはなるか」

 

 井草が警戒し、ナイアルが吠え、そしてナイファーザーが復帰する。

 

 緊張感が復帰し、そして激突が始まろうとして―

 

「あ、リアス! アーシア! みんなー!」

 

 ―信じられない人物が、姿を現した。

 

 具体的にいうと、オーフィスを背中に乗せた赤龍帝の鎧である。

 

 神滅具は世界に一つしかない、正真正銘のオンリーワン。なので、その持ち主は現状一人しか考えられない。

 

 だがしかし、彼は体が消滅しているはずである。そも、次元の狭間に漂っているはずである。

 

 というか、本人なのか?

 

 などというわけのわからない思考停止が始まるが、イッセーは鎧の頭部を外してぎこちない表情で片手を上げた。

 

「えーと、おっぱい! グレートレッドの力を借りて帰ってきました!」

 

 この瞬間、誰もが確信した。

 

 あ、こいつイッセーだ。

 

「イッセー!」

 

「イッセーさん!」

 

 真っ先に二大巨頭であるリアスとアーシアが歓喜の表情を浮かべて理解し、そして皆も続く。

 

「……馬鹿な!? 龍種に対する絶対の天敵であるサマエルの毒を浴びて、ただで済むわけがない!!」

 

「当たらなかったのか? つっても、こいつらの性格だと出待ちとかしねえと思うんだけどよ……」

 

 ナイファーザーが愕然とし、そしてナイアルも怪訝な表情を浮かべた。

 

 プロファイリングなどは済んでいる。兵藤一誠という男は、直情的で真っ直ぐな性格で、かつ善良だ。絡め手には基本的に向いていない。

 

 だから、この冥界の危機に真っ先に動かないのはおかしい。よしんば上が止めたとしても、何らかの形でおっぱいドラゴンという立場を生かしてもいいはずだ。

 

 ましてやグレモリー眷属は全体的にその傾向がある。だから何かあればなにかしらのアクションは必ず見せるはずだ。それがないのはそれ相応の理由があって、すぐには動けない時以外に考えられない。

 

 だからこそ、ムートロンは兵藤一誠はサマエルの毒で死亡、もしくは重体と判断。グレモリー眷属は精神的主柱を失った事で、すぐには動けない状態だと判断していた。

 

 それが、ピンピンして来訪というのも意外である。当然の判断だろう。

 

「無事だったか、兵藤一誠。流石は俺の見込んだ男だ」

 

「……流石に驚いたよ。っていうか、体あるんだ」

 

 サイラオーグが感心し、井草は苦笑いしている。

 

 この様子を見るに、どうやら井草達にとってもこのタイミングのイッセーの来訪は予想外だったらしい。

 

「おい、ナイファーザー。これやばくね?」

 

「同感だな。流れがあちらに傾いているうえに、どうやら理解しがたい事象が起こっていると見るべきだ」

 

 ナイアルとナイファーザーは同じ結論に至る。

 

 すなわち―また何かやらかしやがったなこのおっぱいドラゴン―だ。

 

 この男が計算外の何かを引き出す事はもはや確定事項だ。

 

 おっぱいが減ると聞いて格上をフルボッコにする。乳首をつついて覚醒する。生乳に触れて暴走状態から正気に戻る。ここまでは心の影響を受ける神器の機構上まあいいだろう。前代未聞ではあるが、言われればシステム上納得できなくもない。

 

 だが、異世界から乳を司る神が救いの手を差し伸べるとか想定外すぎる。

 

 京都では、謎のおっぱい召喚現象を引き起こした。これまた意味不明すぎる。

 

 そして、乳の光を浴びて前代未聞の進化を遂げた。もはや異常事態と言っても過言ではない。

 

 科学技術という、「理屈」で発達してきたムートロンからすれば、この意味不明な奇跡のつるべ打ちは警戒対象だ。現時点で法則が読めないがゆえに、対応が困難だと言ってもいい。

 

 しかも今回は特にきつい。

 

 本来すぐに動いてもいいこの状況下で動かなかった上に、グレートレッドの反応が出たと共に参上した。

 

 これはもう、グレートレッドの参戦そのものに何かしらの関与があるという根拠になっているとも言える。

 

「グレートレッドは貴様が動かしたのか? 生態も性格も分からんから、それができたとしてもある意味納得だが」

 

「っていうか、動きから見てその体、今までとは違うな。グレートレッドから力貰って、それに慣れてないって感じか?」

 

 グレートレッドが何らかの形でイッセーに関与したと、ナイファーザーもナイアルも確信していた。

 

 このタイミングがあまりにも良すぎるのだ。今までのイッセーの想像の斜め上を回転しながらカッ飛んでいく行動から見て、それぐらいはあっても驚かない。

 

「ん? ああ。サマエルの毒で体が滅んだんでさ。グレートレッドとオーフィスの細胞で、オーフィスとドライグが作ってくれたんだよ」

 

 ……だがしかし、これは予想外だ。

 

 誰もが一瞬思考停止と沈黙をする中、真っ先に復帰したのがナイアルとナイファーザーなのは意外だったかもしれない。

 

 二人は目配せをすると、頷いて結論した。

 

「よーし。お前ここでぶっ殺す。なんかもう、危険すぎて油断できねえ」

 

「そうだな。殺して死体を回収するか。それが一番な気がしてきたぞ」

 

 こいつは危険だ。二人はそう確信する。

 

 もはや意味不明にして理解不能。なにか明らかにこちらの常識や理論を無視した何かを持っているとしか思えない。

 

 殺せるうちに殺しておくべきだろう。二人はそう判断した。

 

 ナイアルとナイファーザーの部下達もそれに納得し、全員が我に返ると戦闘態勢をとる。

 

 それに呼応するかのように、井草達もまた、戸惑いながらも戦闘態勢をとった。

 

「っていうか井草さん。もしかして禁手ですか?」

 

「まあね。伊予が起きた事でほんとに至っちゃったよ。愛って凄い」

 

「い、井草君!? その、ちょっと恥ずかしいけど……」

 

「貴様ら真面目にやれぇっ!」

 

 イッセーが余計な事を言って井草と伊予の夫婦漫才が始まりかけ、最終的にナイファーザーがキレた。

 

 そして、勢いよく激戦が始まりかけ―

 

『おや。念の為に来てみれば、想定外の事態が起きているようですね』

 

 ―空間が歪み、そして新たなる乱入者が姿を現す。

 




カマセが到着しました(笑

そしてナイファーザーはキレ芸が板についてきた気がします。我ながら面白いキャラを作ってしまったもんだ。
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