混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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なんかケイオスワールドの番外編を描いた影響で、そのまま筆が進んで止まらない。そしてこっちの筆のノリが微妙に悪い!!









一応ヒーローズ編までは賭けているので、そこまではそんな止まったりしないと思いますが、場合によってはいったん休載するかも……。


10話

 

 イッセーと曹操が激突を開始すると同時に、井草もまた動く。

 

 狙うはただ一人。

 

 ムートロンの最精鋭の1人。怨敵、ナイアル。

 

 届くとは思っていない。今の井草のEEレベルは5,5だが、ナイアルは7,5もあるのだから。2,0の差は桁違いと言っても過言ではない戦闘能力の差を生み出している。

 

 だがしかし、それでも我慢できない事がある。

 

 自分が酷い目に遭ったのはいい。それは、自分の未熟さが招いた事で、一生背負っていかなければならない事だろう。

 

 五十鈴のことも攻めきれない。五十鈴のあの精神状態なら、いつかは似たような事をしていただろう。むしろ、ナイアルの介入で暴走したからこそ、許される可能性が出てきたと言ってもいい。

 

 だがしかし、伊予の件だけは話が別だ。

 

 断じて許さない。絶対に見逃さない。彼女だけは純然な被害者であるがゆえに、井草・ダウンフォールは彼女の被害だけは見過ごさない。

 

 そして、ナイアルは堕天使陣営は愚か、同盟全体に戦争を仕掛けているムートロンの一員であり、精鋭戦力だ。

 

 彼を殺す理由は、それだけあれば十分だ。

 

「ナイアル……覚悟!!」

 

「いや無理。だって負けようがねえし?」

 

 振るわれる連続攻撃をナイアルは片手で全て捌く。

 

 それを理解しつつ、井草は瞬時に戦闘タイプを変化した。

 

「モードバアル!!」

 

 放たれるは消滅の魔力。触れただけで物体を消滅させる、バアル家に由来する力。

 

 絶大な対物理能力を持つそれは、ナイアルが如何に最強格のムートロンであろうと、当たれば負傷は避けられない。

 

 だから、ナイアルは即座にに対応を変える。

 

「おっと!」

 

 迎撃で放たれるは、クトゥルフイーツが展開する、フレキシブルキャノン。

 

 八つあるその一つが具現化し、拡散砲撃を放つ。

 

 それは最上級クラスに届く消滅の魔力を逆に消し飛ばし、井草に襲い掛かった。

 

「モードベリアル!」

 

 井草はそれをベリアルの特性で無価値にし、そして突貫する。

 

「モードバラム!!」

 

 そして次に放つは強大な怪力。

 

 絶大な筋力から放たれる拳は、間違いなくタングステン鉱すら砕くだろう。

 

 だが、ナイアルはその程度では倒せない。

 

「甘いっつの!」

 

 ナイアルはその拳に対して、冷静にカウンターを叩き込む。

 

 一発一発の威力も、高いEEレベルに裏打ちされたアントイーツの怪力によって、凌がれる。

 

 これが、主神クラス。これが、EEレベル7,5。これが、ムートロン最精鋭の一角。

 

 ナイアルにとって、今の井草は面倒で手応えのある敵だが、しかしそれだけでしかない。

 

 そして、リアス達も舎弟達が押さえ込んでいるので、尚更余裕を持って対応できる。

 

 突破できるのは精々数名。そして、数名突破された程度では窮地に陥る要素すらなく―

 

「井草!」

 

「井草君!!」

 

 突破して助けに来そうな輩は、大した事がない。

 

 枢五十鈴と行人伊予。井草を想うがゆえに、罪悪感を持つがゆえに助ける為に全力を尽くしてしまう女二人。

 

 だが、彼女達が二人掛かりで援護しようと、ナイアルは突破できない。

 

 追加でいえば、EEレベルが1も低下している今の二人なら、倍の人数で来ても余裕でしのげる。

 

 想いを糧に突破してきたのは素直に凄いと褒めてやるが、しかしゆえに心配はない。

 

「伊予……五十鈴……」

 

 そして、井草もまた顔を伏せ―

 

「……二人の命を、俺に預けてくれないか?」

 

 -そこで、まだ伏札がある事に気が付いた。

 

 迎撃の為に攻撃を放つが、読まれていたのかバックステップで回避され、距離を取られる。

 

 そして、井草の言葉に二人は一瞬だけ思案し―

 

「「……預ける!!」」

 

 -しかし、すぐに覚悟を決める。

 

 井草もそれに一瞬だけ迷いを見せながら、しかしすぐに決意を決めた表情を浮かべた。

 

「……行くぞナイアル! これが、レセプターエボリューションの奥の手だ!!」

 

 その瞬間、レセプターエボリューションがレセプターイーツに退化する。

 

 しかし同時に、レセプターイーツから莫大なオーラが放出。それが、イーツ状態の伊予と五十鈴を包み込む。

 

 そして、伊予と五十鈴の姿がかき消えると共に、レセプターイーツの外観が変化する。

 

 色が黄色に変わり、そして毛皮と外套を身に纏った、奇抜な姿へと変貌する。

 

 問題なのは、その力が絶大なレベルにまで高まっている事である。

 

「これが、レセプターエボリューションの裏技にして奥の手、レセプタートリニティだ!!」

 

 その瞬間、井草は一瞬で距離を詰めると、ナイアルに拳を放つ。

 

 それに対してナイアルは迎撃ではなく反撃を選択した。

 

 それは余裕の表れでは、断じてない。

 

 むしろその逆。回避できないと判断したからこそ、即座の反撃でせめて条件を同格にする事を選んだのだ。

 

 そして轟音が響き、双方が共に吹き飛んだ。

 

 瞬間、即座に再起して再び打撃戦を開始する。

 

 圧倒的な技術と打撃力を基にするナイアル。そして、圧縮された灼熱のプラズマによる威力向上で食い下がるレセプタートリニティ。

 

 その打撃戦は、主神クラスの頂と言っても過言ではない。

 

 神すら殺せる壮絶な打撃戦が、冥界の首都リリスにて巻き起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『い、いいい井草や伊予と一緒になってる!?』

 

『うわ、うわ、うわぁ!?』

 

 困惑する五十鈴と伊代の声を受けながら、井草は吠えた。

 

「力を借りるよ二人とも! 俺は、二人と一緒に戦いたい!!」

 

 心からの願いを告げながら、井草は打撃戦を繰り広げる。

 

 実際問題、これでもなおナイアルの方が有利である。

 

 近接戦闘なら渡り合える領域に到達しただろう。加えて、相手の精神的動揺を生み出した事でその差は更に縮まっている。

 

 だが、冷静になって砲撃戦闘まで組み込まれたら状況は一変する。

 

 相手が近接戦闘に意識を向けている間に決着を付けなければ、こっちが負ける。

 

 だが、それでも勝ち目が普通に見えただけでも僥倖だろう。

 

 アウターイーツの力を取り込む。普通なら、レセプターイーツでは処理要領を超える為不可能だ。

 

 だが、禁手(バランス・ブレイカー)に至った事で、限定的に可能になった。

 

 それは、伊予と五十鈴に限定して、まとめて取り込む事による能力向上だ。

 

 愛の力と吠えたいところだが、ニングやリムの場合はできないと思われるので、それは言わない。

 

 しかし、それでも凄い事だ。アウターイーツの力を取り込んだ事で、勝機が大幅に向上した。

 

「伊予、五十鈴。……ありがとう」

 

 これは、伊予と五十鈴が井草に命を預けてくれているからこそできる事だ。

 

 井草の心に神器が答えたからこその形態だ。

 

 あの三人で一緒だったあの頃への渇望。失った四年間の分、それをより取り戻したいと思った事から生まれた、一種の反動。そして大人になったがゆえに、その先への願望。

 

 その結果が、二人を取り込んでの上位形態。身も心も一つになる、上位形態の変化だった。

 

 歪んだ願いの成就だと、自虐はする。

 

 だが、同時に感謝しよう。

 

 この力の大幅な増大があるからこそ、今ナイアルに勝機が見えたのだ。

 

『仕方ないわね。井草、ナイアルをボコるわよ!!』

 

『うん、私も一回ぐらい怒ってもいいと思うから!!』

 

 二人の意識がナイアル打倒に向けられた事もあり、より戦闘駆動が容易くなる。

 

 そして、動きに対応し始めたナイアルに追いすがる。

 

「ありかよ畜生が! そんな奇跡のバーゲンセールはお呼びじゃねえ!!」

 

「地が出てきたね! ああ、実に小物らしいよ、下衆が!!」

 

 流石に状況が大きく変動しすぎて余裕を失っているナイアルに、井草は吠える。

 

 ……思えば、ナイアルがいなくてもいつかは崩れていただろう。

 

 井草・ダウンフォールは馬鹿だった。自分の特殊性に目が暗み、大切なものを本当の意味で見ていなかった。

 

 枢五十鈴はどうしようもなかった。若いがゆえに努力に苦しみ、それゆえの逆恨みで人生を転げ落ちた。

 

 行仁伊予は愚かだった。子供じみた夢想家ゆえに悪鬼にあっさりと絡め捕られ、無邪気ゆえに惨劇を引き起こし、血にまみれた。

 

 三人とも幼かったのだ。そして、それゆえに大きな歪みが関係性に生まれていた。ナイアルがいなくても、いつか破綻していただろう。

 

 下手をしなくても、そのまま関係が修復しなかった事もあるだろう。その可能性の方が大きい以上、三人が関係性を修復できたのは、三人だけの限定した視点ならマシなのかもしれない。

 

 だが、そんな言葉で済まされていいはずがない。

 

 目の前の男の悪意によって、三人が引き裂かれたのは事実。

 

 結果、伊予と五十鈴は何百を超える命を奪うという、一生背負っていかねばならない業と罪を背負い込んだ。

 

 井草もまた、四年間もの長い期間を自罰の感情に呑まれて過ごしてきた。

 

 結果的に三人にとって好都合になったからと言って、それを許していいわけがない。

 

 何より、この男をそのままにしておけば同じ悲劇は必ず起きる。

 

 五十鈴も伊予も、決して特別に選ばれたナイアルのお気に入りなどでは断じてない。立った二人だけの被害者などというわけではない。

 

 他にも何人も、同様の手法で堕ちた情婦はいるのだ。そして、その過程に何人もの井草・ダウンフォールがいる事だろう。

 

 だから、倒せる機会を見過ごせるわけがない。

 

「『『ナイアルぅううううううう!!!』』」

 

「おいおい勘弁してくれや!!」

 

 その攻撃をしのぐナイアルがぼやくが、そんなものは意に介さない。

 

 圧縮灼熱の拳を纏ったレセプターエボリューションは、近接打撃でナイアルに追いすがる。

 

 後先を半ば考えていないからこそできる出力で、井草達はナイアルにその牙を食らいつかせていた。

 

「熱ちちちちちぃ! ……あ、これ距離取れば一発で終わりじゃね?」

 

「させるか!!」

 

 気づいてはいけない事に気づいたナイアルだが、しかしそれを見過ごすつもりはない。

 

 プラズマの収束をワザと乱して推進力へと変換し、一気にスピードを上昇。

 

 攻撃力は低下したが、これで距離を取られる事はない。

 

 そしてその打撃力により、ナイアルと極限の接近戦を展開する。

 

 届け。

 

 届け。

 

 届け。

 

 あの日々を。あの輝きを。あの絆を。

 

 大切だったあの頃を、奪った男を決して許すな。

 

 その願いを込め、井草達は心を一つにして、そしてナイアルに怒りを叩き付ける。

 

 そして、その拳がナイアルを揺るがした。

 

「が!?」

 

 ラッキーパンチと言ってもいいだろう。運よく急所に当たっただけだ。

 

 だが、実戦を重ねていた井草達は、それに戸惑う事なく、一気に畳みかける。

 

 拳が、蹴りが、頭突きが、ナイアルに叩き込まれ、更に揺るがした。

 

「やべ、脳が……揺れた……っ」

 

 どうやら軽度の脳震盪を起こしているらしい。明らかに動きが悪くなっており、明確な隙が生じている。

 

 このチャンスは逃せない。此処を逃せば、勝ち目がなくなるかもしれない。

 

 だから逃さない。

 

 故に勝って見せる。

 

『勝つわよ、井草!!』

 

『行くよ、井草君!!』

 

「分かってるさ、五十鈴、伊予!!」

 

 三人の気持ちは一つになり、そして拳に力が籠る。

 

 そう、ナイアルはこれ以上見逃せない。

 

 同じ悲劇は生み出させない。

 

 だから、ここで、倒す。

 

「『『もらったぁああああああああ!!!』』」

 

 そして、脳震盪が回復しきっていないナイアルに、レセプタートリニティは拳を構えて突撃し―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その変身が、一瞬で解除された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……うおっしゃぁ!?」

 

「舐めるな!?」

 

 その好機を得ようとしたナイアルの拳を回避しながら、井草はギリギリで伊予と五十鈴を拾い上げて距離をとる。

 

 砲撃を喰らう可能性こそあるが、今の状態でナイアルとの近接戦闘は危険である。

 

 そして、井草はとっさに着地しようとして―

 

「……が……っ!?」

 

 -血を吐き、そして地面に膝をつく。

 

 激痛が走り、そして文字通り体中が傷ついている。

 

 この様子では内臓にもダメージが入っている。血管や筋線維も断裂し、内出血などのダメージで物理的に動きが阻害された。

 

「井草!? ちょっと……な……に……っ?」

 

「五十鈴ちゃん……あぅっ!?」

 

 五十鈴と伊予も、体中から血を流しながら、激痛に顔を歪めて崩れ落ちる。

 

 そして、その理由をナイアルは即座に把握した。

 

「どうやら、合一はできても負担はでかいようだな。……おかげで助かったぜ」

 

 安堵の息を付きながら、ナイアルは体の調子を確かめながら戦闘態勢を取り直す。

 

 それを見ながら、井草は己の迂闊さを恥じた。

 

 ただでさえ土壇場で覚醒したばかりの禁手。しかも、その裏技とも言えるレセプタートリニティ。

 

 デメリットを調べる暇もなかった。そもそも、その力の強さに目を奪われて、デメリットの可能性に思い至らなかった。

 

 まずい。

 

 まずい。

 

 まずいまずいまずい。

 

 激痛は無視できる。オカルト研究部の根性は伊達ではない。短時間ならショック死物の激痛に耐えることもできるだろう。

 

 だが、肉体の損壊ゆえに動けないのはどうしようもない。根性論以前に、そもそも物理的に動く事ができないのではどうしようもない。

 

 まずい。

 

 駄目だ。

 

 ふざけるな。

 

 五十鈴は漸く日常に慣れてきたのだ。伊予に至っては意識を漸く取り戻したばかりで、日常に戻るとっかかりができてもいないのだ。

 

 それなのに、ここで全てなくなるなど、あってはならない。

 

「ぐ……させる、か……ぁ!!」

 

 井草は全力で光力の槍を具現化して、一斉に放出する。

 

 だが足りない。ナイアルはそれを拳でやすやすと破壊すると、フレキシブルキャノンを向ける。

 

 そこからくる絶大な火力は、最上級悪魔クラス。

 

 一発一発がクリムゾンブラスターにも匹敵するだろう。それが、二つも放たれようとしている。

 

「一時はどうなるかと思ったが、ま、ここでやっといた方が良さそうだな」

 

 冷徹な視線をナイアルは向ける。

 

 そこにはい相手を殺すという意志が込められ、そして井草達を確実に殺す砲撃を準備していた。

 

「まず……! 井草、伊予……っ!」

 

「二人とも、逃げ……て……っ!」

 

 五十鈴も伊予も、自分よりも二人のことを考えて、せめて盾になろうと動く。

 

 二人とも激痛に苛まれているだろうに、それでも動こうと努力している。

 

 だが、足りない。

 

 時間も足りなければ、そもそもこの状況下ではまとめて吹き飛ばされる事は確定だ。まったく意味がないと言っていい。

 

「くそ……っ! させて……たまるか……!」

 

 井草もまた動こうとする。

 

 ここでこんな結末だけは認められない。

 

 二人はこれから取り戻すのだ。漸くその機会が巡ってきたのだ。そのチャンスを手にする事ができたのだ。

 

 それが、こんなところで、井草の判断ミスによって台無しになる。

 

 そんな事は、断じて認められない。

 

「させるかぁああああああああ!!」

 

「いや、無理だね!!」

 

 井草の叫びを叩き切り、ナイアルは砲撃を叩き込んだ。

 




 ちょっとぶっ飛んだ切り札系能力。レセプタートリニティ。応用技の類です。

 疑似的にアウターイーツと化したこともあり、更に相乗効果で性能が主神クラスにまで届く奥の手です。初見なうえに急激すぎるパワーアップもあり、ナイアルも戸惑って追い込まれました。

 が、かなり無茶したので肉体の負担が大きく、残念ながら撃破には至らず逆に敗北寸前に。反動がでかすぎなのが最大の問題ですね。ちなみにこれは無茶苦茶な進化形態で、もっと正統派の進化形態は最終章で出す予定です。
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