混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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6話

 

 振るわれた斬撃は超高速。少なくとも上級レベルでも上位に位置するだろう。

 

 また、相手は聖剣エクスカリバーの合一版。一振りでも並の上級悪魔なら倒しうる強大な力を持った聖剣。それが六本も集まり、全盛期にかなり近い状態になっている。

 

 また使い手も脅威。イーツとは、ニンゲン世界で暴れまわる程度のものですら、軍隊が兵器を投入する必要に迫られるもの。それも、異形社会で運用されたものは更にその上をいった。

 

 はっきり言って、リアスで対処できる状況ではない。

 

 そしてその斬撃は首元に迫り―

 

「―チッ」

 

 放たれた光弾を捌く為に使われ、かろうじてリアスの命は繋がった。

 

 そして掛ける戦士の刃が、エクスカリバーとぶつかって衝撃を生み出す。

 

 その一撃の威力はエクスカリバーが上だが、その使い手は上手く殺して一撃を凌ぐ。

 

「ニング! 慌てねえで冷静に対処しやがれデス!!」

 

「分かっているのです!」

 

 ボロボロのニングはエクスカリバーを捌き、同じくボロボロのリムが牽制の銃撃を放つ。

 

 バルパーは擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)の力で幕を作って防ぐが、しかしその弾幕に後退した。

 

 しかしバルパーも反撃を怠らないわけではない。破壊の聖剣(エクスカリバー・ディストラクション)の力で地面を壊し木々を吹きとばして、それをもってして反撃を行う。

 

 だが、その程度の事は当然読んでいた。

 

「この学園を荒らさないで頂戴!!」

 

 その叱責とともに放たれるリアスの魔力が、その攻撃を文字通り消滅させる。

 

 上級悪魔、それも元72柱の次期後継者であるリアス・グレモリー。そのポテンシャルは、同年代においては傑出している。

 

 そしてそこに、反撃の攻撃が放たれる。

 

「イッセー先輩。行ってください」

 

「やってくれ、小猫ちゃん!!」

 

 小猫に投げ飛ばされる形で加速したイッセーが、その籠手を全力で握り締める。

 

 そして、躊躇う事なく全力でバルパーに殴り掛かる。

 

「木場の仇!!」

 

「悪魔風情が!!」

 

 振るわれるエクスカリバーと、赤龍帝の籠手がぶつかり合う。

 

 本来なら、この攻撃のぶつかり合いは間違いなくバルパーの勝利だろう。

 

 如何に神滅具とは言え、至っていない代物。また、悪魔にとって聖剣は天敵極まりない。まともに打ち合えばイッセーが確実に押し負ける。

 

 だが、その一撃は赤龍帝の籠手を両断することなく、弾き飛ばすにとどまった。

 

「なんだと!? 悪魔が何故、エクスカリバーを受け止められる!?」

 

「誰が言うか、オッサン!!」

 

 驚愕するバルパーに吐き捨てられるイッセーの言葉。

 

 そして、その隙をついて更に追撃が飛ぶ。

 

「雷よ!!」

 

 朱乃の雷撃がバルパーに襲い掛かり、そしてバルパーはそれを回避する。

 

 だが、それは極めて単純に逃げやすいところに飛んだだけである。誰でも分かるぐらい攻撃の密度に隙があった。

 

 そこをついて、ニングとリムが再び攻撃を仕掛ける。

 

「もらったのです」

 

「喰らいやがっちまうです!」

 

「チィッ!」

 

 天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)の力で即座に離脱するが、然しバルパーは不機嫌極まりない。

 

 当然だ。エクスカリバーを振るっている今の自分は、間違いなく戦闘能力で他を上回っている。コカビエル以外は超えていなければおかしいのだ。

 

 なのに、ふたを開けてみれば数の暴力にさらされているとはいえ五部の勝負という有様。これではエクスカリバーの名に傷がつく。

 

「己! ドラッグシリングによって、今の私は優れた剣技を持っているはずなのだぞ!?」

 

「それは簡単だよ」

 

 そして、イーツは一人ではない。

 

 気づけば、そこには井草が立っていた。

 

 イーツの戦闘能力には個人差があるが、素体の性能は重要だ。

 

 バルパーは人間で、しかも基本的に非戦闘員である。

 

 井草は戦闘訓練を積んでいる。それも、ハーフとは言え上級堕天使である。

 

 その差は、歴然だ。

 

「終われ!」

 

「ぬぅおおおおおお!?」

 

 超至近距離から大量の光の槍を叩き込まれ、バルパーはそれを捌き切れなかった。

 

 いかに技量が大幅に上昇しようと、その致命的なまでの経験不足は致命傷だった。

 

 バルパーは技量は補えた。だが、それを使いこなすセンスも経験も知識も不足していた。

 

 ゆえに、その攻撃を捌き切れず―

 

「前座は退場してくれ」

 

 そして、叩きのめされ、爆散した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 爆散した……が、かろうじてバルパーは生きていた。

 

 イーツとしての変身は解除されたが、しかしズタボロになっているがかろうじて生きている。

 

 とはいえこれでもう戦闘は不可能だろう。見ればエボリューションエキスは破壊されて地面に転がっていた。

 

 しかし―

 

「んじゃぁ、こっからが本当のBATTLEだ!」

 

 エクスカリバーは、フリードが確保していた。

 

「せこい! せこさが爆発してるな!!」

 

「爆発に目くらましされたてめえが悪いぜ!!」

 

 井草は即座に奪い取りに向かうが、しかしフリードはさらりとかわすと切りかかる。

 

 井草も飛び退って回避するが、然し完全には躱しきれ図、かすり傷を負う。

 

 その一瞬の攻防で、全員が理解した。

 

 フリードは生身だ。しかしイーツだったバルパーとは次元が違う。

 

 彼は14歳にして正式な悪魔祓いに選ばれるほどの逸材。その彼が、エクスカリバーをその手に持っている。

 

 更に危険になればイーツに変身する事もできる。すなわち、まだ上の状態に移行できる。

 

 この状況に全員が脅威を感じ―

 

「……バルパー、ガリレイ……っ!!」

 

 そこに、聞き覚えのある声が届いた。

 

 全員の視線が集まる中、木場祐斗は渾身の力を込めて魔剣を振るう。

 

 狙いはバルパーただ一人。彼以外など目にも入っていなかった。

 

 当然だ。彼こそ、祐斗は愚か数多くの子供達を実験体にし、そして使い捨てた諸悪の根源。祐斗からしてみればエクスカリバー以上に恨みのある男だ。

 

 其のためその渾身の一撃は狙い違わずバルパーに飛び―

 

「そうはいかないにゃん」

 

 ―フリードによって、遠慮なく両断された。

 

 もちろんフリードは祐斗ごと狙ったが、ぎりぎりのところで井草がその服を掴んで引っ張ることで斬撃の半円から祐斗はずれた。

 

 そして、反撃の蹴りがフリードに迫るが、しかしフリードはそれを擬態の力で壁を作る事で器用に回避する。

 

「そんなぬるいキックじゃ、この聖剣ならぬ聖壁エクスカリバーはくだけないZE!」

 

「祐斗から離れなさい!!」

 

 そして放たれるリアスの魔力を器用にスウェーヴァックでかわし、フリードは素早くエクスカリバーを構える。

 

 そして、フリードは祐斗を見るとにやりと笑った。

 

「そういや、なんかエクスカリバーっちに恨みがあるっぽいけど、なんかあんのかにゃぁ?」

 

 心底苛立つ声だったが、然しそれに反応したのは、バルパーだった。

 

 彼は立ち上がって冷静さを取り戻すと、木場に興味深げな視線を向ける。

 

「……そういえば、実験体が一人逃げ出してたな。毒の影響で野垂れ人だものだとばかり思っていたが、悪魔となる事で生き残っていたとは」

 

「同士の……彼らの仇……っ!」

 

「落ち着け祐斗君! 今はフリードがいるからまずい!」

 

 憤怒の表情で襲い掛かろうとする祐斗を、井草は羽交い絞めにして動きを止める。

 

 それを面白そうに見て、バルパーは喜悦の表情を浮かべた。

 

「礼を言うぞ。お前達のおかげで、我が研究は完成したのだ」

 

「完成だと!? 僕達を失敗作として処分しておいて何をいう!!」

 

 唾をまき散らして激昂する祐斗に、バルパーはしかし得意げな表情を浮かべる。

 

「私は聖剣が好きだった。しかし聖剣の適性がない事に絶望した。ゆえに、聖剣を使える者を生み出す道を選んだ」

 

 それは、この場においては好都合にも不都合にも働いた。

 

 バルパー自身の戦闘経験が圧倒的に不足していた事もあって初戦は勝った。これは好都合だ。

 

 だが、強敵であるフリードがエクスカリバーを振るえるようになった。これは不都合だ。

 

 皮肉なものだ。バルパーは聖剣使いを作る研究にまい進した事で、それを叶えた。しかし逆に聖剣を振るう戦士には決してなれなかった。

 

 しかし、それでも聖剣を使って戦えた事が嬉しかったのだろう。それを自身の研究でなす事が狂喜だったのだろう。

 

 バルパーの表情は歓喜で歪んでいた。

 

 そして、彼は一つの結晶体を取り出した。

 

「長年の研究の末、人が聖剣を使うには体内に存在する聖剣因子が必要だという事を突き止めた。残念な事に、君達実験体はその因子こそあれど、必要なまでの量に達していなかった」

 

 そう。其れでは意味がない。

 

 聖剣の適性を数値として図る事ができるようになっただけでも大したものだが、それが満たされているかどうかは生まれついた時の運に左右される。

 

 それでは、人工的に生み出す事など不可能だ。

 

 だが、バルパーは天才だった。

 

「そこで私は発想を転換した。因子が足りないのなら、足りるまで注ぎ込めばいいのだと思い至ったのだ」

 

 まさに逆転の発想だ。足りないのなら補充すればいい。

 

 そして、其れは確かに形になった。だからこそ、彼は人工的に聖剣使いを生み出す事ができたのだし、教会でも聖剣使いを人工的に生み出す事ができている。

 

「……それが死人を生むなど聞いてないのです。間違いなく暗部案件のはずなのですよ?」

 

 ニングが務めて冷静さを持った状態で問い質す。

 

 その言葉に、バルパーは苛立たし気に鼻を鳴らした。

 

「当然だ。私は用済みになったものを破棄したが、奴らはそんな私を排斥したのだから。搾りかすも生かしておいているのだろうよ」

 

 つまり、聖剣使いを人工的に生み出す事に死人を出す必要はない。

 

 にも関わらず、バルパーは祐斗達の仲間を毒ガスで殺した。

 

 教会を排斥されて当然だ。正義を謳う組織が、そのような存在を無条件に受け入れるわけがないのだから。

 

「あいにく私には戦士の才能がないようだが、それでもエクスカリバーを振るえて満足だ。あとは、この私の研究を勝手に使っているミカエル共をエクスカリバーを使って復讐するのみ」

 

 完全な逆恨みで、バルパーはコカビエルに協力を申し出た事がよく分かる。

 

 そして、コカビエルも戦争を起こすのなら戦力が必要だろう。バルパーの研究は悪魔祓いの質を大幅に向上させる。呑まない道理はない。

 

「手始めに木っ端の聖剣使いを殺す予定でな。バルパーの研究で使い手はいくらでも見繕える。殺した分だけ戦力が強化されるなど、便利極まりないな」

 

 コカビエルが楽しそうに嗤う。

 

 彼からすれば、倒したい敵を倒したついでに戦力が増えるという好都合な展開でしかないのだろう。

 

 もし彼がレイナーレの直属の上司だったのなら、アーシアを巡った戦いは大変な事になっていたと断言できる。

 

 それほどまでに、コカビエルは邪悪だった。

 

「貴方のような人が、よく今まで神の子を見張る者の運営に携わっていたのかと感心しますよ、コカビエル様」

 

 井草は激情を込めて睨み付けるが、コカビエルはそれを鼻で笑う。

 

「だったらまずはフリードを倒して見せるがいい。それができなければ話にならん」

 

 その言葉に、井草は舌打ちする。

 

 フリード・セルゼンは天才だという評価がなされている。

 

 フリード・セルゼンはイーツになる事ができる。

 

 フリード・セルゼンは合一化したエクスカリバーを武器として使っている。

 

 素体、強化、武装。

 

 其の三点がすべて高水準にまとまっている今のフリードは、間違いなく強敵だった。

 

 うかつに戦えばその時点で首が飛ぶ。少なくとも、下級堕天使だったドーナシーク達とは格が違う相手だ。

 

 ゆえに、誰一人として迂闊に動く事ができず―

 

「……みんな……そんな……」

 

 それを認識する事もできない程ショックを受けた、木場祐斗だけが一歩前を踏み出した。

 

「ふん。それほどまでに仲間が大事か? まあいい、どうせ新しく生産する手はずは整っているのだ、冥途の土産に持って行け」

 

 バルパーはそう言い放つと、ぞんざいに結晶体を放り投げる。

 

 地面に落ちてころころと転がったそれを、祐斗は力なく拾い上げた。

 

「僕だけが……生かされた。僕よりも生きたかった子がいただろうに……っ」

 

 そして、涙が一粒、結晶に落ちる。

 

 そして、結晶体が輝いた。

 

 そこから何人もの子ども達の姿が現れる。

 

「……あの服は、実験体に用意したものと同じ……?」

 

 怪訝な表情をバルパーは浮かべるが、然し祐斗の目には見えていない。

 

 そこにいるのは、忘れもしなかったあの時の仲間達。

 

 思わず謝罪の言葉を駆けようとする祐斗より先に、子供一人が微笑を浮かべて言葉を投げかける。

 

―生きててくれて、ありがとう

 

 その言葉に、祐斗は自分の大きな思い違いを叩き込まれる。

 

 彼らは、復讐なんて望んでいなかった。

 

 ただ、祐斗に生きていて欲しかっただけなのだと。

 

「……祐斗くん。動けるかい?」

 

 そしてフリードをけん制していた井草が、そんな祐斗に声をかける。

 

「君は致命的な一歩を踏み出す前に、気づくことができた。……なら、やることは一つじゃないのかい?」

 

 井草の言葉の真意は分からない。だが、それが祐斗を想っての言葉であることだけは分かる。

 

 そうだ。エクスカリバーに復讐する必要なくなった。

 

 だが、このままでいいわけがない。

 

 自分を助ける為に命を捨ててくれた仲間達。その残滓が目の前の外道にいいように利用されている。そして、其れをなした元凶は更に悪用しようとしている始末。

 

 これを見逃すわけにはいかない。それは、断じて認められない。

 

 それを成せば、自分は木場祐斗でもイザイヤでもいられない。

 

「……僕は、剣になる」

 

 なろう。今度こそ。

 

 自分を死の淵から救い上げてくれた主の件になろう。

 

 暴走した自分を見捨ててくれなかった仲間達の剣になろう。

 

 その身を犠牲にしてそんな機会をくれた、同士達に誇れる剣になろう。

 

 その決意が、世界の理にすら反逆し、神器を新生させる。

 

禁手化(バランス・ブレイク)

 

 静かに、その禁じ手の言葉を唱える。

 

 その瞬間、彼が手に持つ魔剣は新生した。

 

 聖なる力と魔なる力。その二つを併せ持つ、世界の均衡すら崩しかねない剣。

 

 双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)。聖剣因子を取り込んだことで生まれた、亜種禁手というイレギュラー極まりない力が、ここに産声を上げた。

 




バルパー。あっさりと撃退される。

まあ、いかに能力を底上げしようと、歴戦の戦士や特訓を積んだあいてに即座に対応できるほど、世の中は甘くなかったということで一つ。
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