混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E 作:グレン×グレン
前からガイアメモリ的なものをイメージしたものを書きたかったので、この際書いてみました。
其れとは別のこの作品のテーマは「罪に苦しむ男が、自分を許すことはできるのか」です。
まずはその辺と、ガイアメモリ的なアレについての紹介編になりますね。
「ホント、お前さんはダメだよなぁ、少年」
殴り飛ばされ、そのまま崩れ落ちる井草・ダウンフォールは、その言葉に何も反論できなかった。
「あんな可愛い幼馴染が近くにいて、手を出さねえとか馬鹿だろうに。俺が言うのもなんだが、言い寄ってくる男になびくのは当然だろうよ」
そう蔑んだ表情と共に悪意ある言葉を浴びせながら、その青年はしゃがみこむと、井草に視線を合わせて悪意ある嗤いを浮かべる。
「安心しな。俺は自分の女にゃ気を遣う。俺と一緒にいて幸せだって思わせてや・る・よ」
その言葉と共に、青年は井草に拳を叩き込む。
そして、……今までとは違う冷徹な表情を浮かべた。
そこにあるのは弱者を見る愉悦の目ではない。実験動物を見る研究者の目だった。
「……誤作動か? 変化しないな」
何も言わずに、そもそも何も聞こえないぐらい打ちのめされた井草を興味深げに見たが、やがて青年は首をひねるとそのまま担ぎ上げようとする。
「しゃあねえ。ちょっと本部まで運ぶとす―」
「―ねえ、お兄さん?」
その動きを止める、音の楔が撃ち込まれる。
振り返った青年は、自分が窮地に陥りかけていることに気が付いて、舌打ちをした。
そこにいるのは金髪の女性。
出るところが出て、しかも露出度の高い服装をしている。明らかに貪欲な男に好まれ、そしてそれを楽しむような手合いだ。
そして、明らかに
「悪いけど、その子の面倒見てるの私なのよぉ。最近幼馴染に男ができて荒れてたから、喧嘩売ってしまったかしら? ごめんなさぁい」
「いやいや。その男は俺だから気にすんな。こういうのも、持てる男の税金だしよ」
そう軽い言葉を交わし合うが、青年はさっさと立ち去ることを決定した。
あとで本格的に人員を動かした方がいい。商店街の路地裏での喧嘩ならともかく、この日本で殺し合いはさすがに目立つ。
「んじゃ、そいつの説教は任せるぜぃ?」
「ごめんねぇ? あとできつく言い聞かせとくからぁ」
そう話をつけると、青年は足早にその場を去った。
どうせ、少年の住処はすでに把握しているのだ。あとで人員を送って、家族ごと夜逃げを装い連れ去らうことなどたやすいのだから。
幼馴染からそろそろ遊びを終えて戻るようにとも言われている。任務で此処に来ている身としては、最低限の仕事もしないといけない。
……玩具をついでに連れて帰る程度のことは、しても大丈夫だろう。
そして、二人の少女と一人の少年、そして一人の青年及び一人の女性が行方をくらますこととなる。
ただ一つ、青年の予想を超える事態があったとすれば、女性と少年の行方不明は、青年の組織とはまったく関係ないことだった。
そして数年後の夜、とある都市の一角で爆発が起きる。
その爆発に視線を向けた人々は、その爆炎を平然とかき分けながら出てくる存在に、一様に目を見張る。
その外見は、まるで爆弾で構成されたかの様な外見だった。
人型ではある。人間サイズではある。だが、人間には見えない。
そして、その人型の存在は腕を勢い良くふるった。
その瞬間、その腕の先にあるビルが吹き飛んだ。
「……逃げろぉおおお!! 化け物だぁああああ!!!」
誰かが悲鳴を上げ、そして全力で走り出す。
恐怖にかられた者たちがわれ先に逃げ出す中、その化け物はそれに惹かれたのか走り出す。
そして、一瞬で人々の中に現れた。
否。それは転送などというわけのわからないものではない。
単純に走るのが速かった。ただそれだけだ。
その証拠に、何人かは弾き飛ばされてビル壁に激突して血しぶきを飛ばしている。
そして次の瞬間、爆発が連続して起こった。
吹き飛ぶ肉片と共に、絶叫の協奏曲があたり一帯を支配する。
あり得ないほどのタイミングで現れたその存在は、その後も何の躊躇もなく暴れ続ける。
駆けつけた警官隊の拳銃の一斉射撃をものともしない。
増援としてきた機動隊の機関拳銃の雨あられを、文字通り雨でも浴びてるかのような態度で平然とする。
さらに駆けつけた自衛隊の小銃の攻撃すらものともしない。
結局、戦車及び攻撃ヘリによる一斉射撃によって撃破されるまでの間、この怪物は暴れまわり、千人を超える死者を出すという大惨事となった。
「……まったく。いったいどこの勢力がこのような馬鹿な真似をしたのやら」
心底苛立ちの感情を込めたため息をつきながら、シェムハザという男はこの事件について書かれた新聞を投げ捨てる。
……突然だが、この地球ではあらゆる神話・宗教の勢力が現実に存在する。
そして彼はそのうち、聖書にしるされし堕天使の準トップだ。
この事件を引き起こしたと思しき怪物と同じように、何かを印象付ける意匠の人型の怪物たちが世界各国で出現。そのすべてが、軍隊を投入してもそれ相応の被害をうむほどの被害をうんでいる。
特に日本の影響は甚大で、これをどこかの国の新兵器と判断した国民は、手のひらを返すように軍拡路線を求め、自衛隊は日本軍へと改名。防衛費も国家予算の4パーセントを超えるほどに投入し、最新鋭の兵器を輸入するなどして徹底的な対抗準備を整えているほどだ。
彼は、これを他の勢力が行ったものではないかと疑っている。
地球の現行の技術で、これほどまでの被害を生み出せる人間型の兵器を生み出すなど不可能だ。何らかの形で異能がかかわっていると判断するほかない。
しかし、それは暗黙の了解でタブー視されていることだ。どこの勢力が行ったか判明すれば、あらゆる神話宗教の垣根を超えて徹底的に共同して叩き潰しに行くことは間違いない。
傲慢なものの見方だが、人間の欲望は際限なく異能を高めてしまうだろう。其れこそ、人間の世界が滅びかねないほどに。
だからこそ、どの勢力も人間をある程度重宝しながら、然し国を丸ごと取り込むような真似だけはしなかった。
それを無視するかのようなこのタブー。放っておくという選択肢はない。
「バラキエル。我々も対策部隊を講じる必要があるでしょう。……幾瀬君を呼んでください。彼を中心に調査を行いましょう」
その言葉に、同じ部屋で別の新聞の化け物の記事を読んでいたバラキエルはうなづいた。
雷光を操る、堕天使でも一二を争う実力者。先の幾瀬鳶尾を、彼が指導したことがある実力者だ。
「そうだな。まず我々が警戒するべきは、やはり悪魔だろう」
「でしょうね。天界や教会が、人間を積極的に殺すような真似をするとも思えません。まあ、あのサーゼクス・ルシファーがかかわっている可能性も薄いですが」
戦争継続派である魔王末裔たちを切り捨て、追放した現魔王派のトップたちが、このようなそれ以上の戦争を始める要因になる真似をするとも思えない。
とはいえ、勢力としては真っ先に調べるべき案件だと判断し―
「―いや、それは早計だとおれはおもうぜ?」
そこに、一人の男が現れる。
「……アザゼル」
その男は、堕天使総督アザゼル。
研究者気質なうえにマッドサイエンティストの領域に片足踏み込んでおり、よく神の子を見張るものの運営資金を横領する男だ。
だが、同時に無用な犠牲を嫌い。世界の秩序を考慮することができる人物でもある。
ゆえに、その意見は一考に値する。
「どういうことですか?」
「この事件。どうも動きが妙だ。……見ろ」
そういってアザゼルが差し出したタブレットの画面を見て、シェムハザは目を見開く。
―化物の名前はイーツだと断定。
―あの化け物、イーツっていうらしいぜ?
―イーツという化物の被害が急増しているそうだ。
世界各国で、イーツという呼称が使われ始めている。それも、ほぼ同時刻にだ。
「これは……」
「まさか、あの怪物を生み出したものが、情報を拡散させているのか?」
シェムハザとバラキエルが怪訝な表情を浮かべる中、アザゼルは最悪の推測を口にする。
「これは、下手をすると俺たちも知らないまったく別の勢力が動いているかもしれねえ。それも、極めて強大な勢力だ」
その可能性が事実であることを想定して、シェムハザもバラキエルも背筋を凍らせるほどの戦慄を覚えた。
もしそうだとするならば、この怪物はまだ本気のほの字もだしていないことになる。
そこが見えないというのは、それだけで大幅に脅威として認識するほかないということだ。
シェムハザとバラキエルが戦慄する中、アザゼルはため息をついた。
「それと、もう一つ」
「今度は何ですか?」
これ以上厄介ごとは避けたいと、心からの視線でシェムハザが訴えるのに、アザゼルは苦笑いを浮かべる。
「これはいつもの件だ。……ヤバイ神器反応が観測された。それも、異能と何のかかわりもねえ一般人なうえ、適性も薄いと来てやがる」
その説明に、シェムハザは別の意味でため息をついた。
ある理由により、それが原因で教会から排斥されるものもいる。悪魔の血を引きながらも手にする者もいる。使いこなせずに死に至るものもいる。
そして最も厄介なのが、使いこなせないだけでなくそのまま暴走する手合いだ。
しかもこのケースは、場合によっては多くの人々を巻き込んだ大被害に発展する可能性すらある。
「……暗殺ですか」
「ま、いつもいい気分はしねえがな」
2人して微妙な表情を浮かべるのも当然だ。
あまりいい気分になるようなものではない。少なくとも、この千年以上の時で自分たちのメンタルはそういう方向性を持っている。
バラキエルも嫌な気分になりながら資料を見るが、こちらも苦い表情だ。
「しかも駒王町か。……朱乃と、しかも
「ピスのことも忘れんじゃねえって」
アザゼルは苦笑を浮かべながらも、然し資料を見て眉を顰める。
……いろいろとややこしい場所にいるせいで調査が微妙だが、反応が微妙である。
よほど神器の才能がないのだろう。数値がまちまちで正確なところがつかめない。
それでも強大にもほどがある神器なのはわかる。まともに使うことができれば、
だからこそもったいないとも思うし、少々罪悪感もある。
だが、ここで冷徹な判断を下さなければどれだけの被害が出るかもわからない。
何の罪もない無辜の人々を大量に犠牲にするわけにはいかなかった。
ましてやイーツの件もある。今そんな事態が起こり、万が一にでも異形の存在が人類に知られればことだ。
高い確率で、多くの人々が関連性を疑うだろう。そうなれば自分たちは自滅する。
「……正直残念だ。これが神滅具とかだったら、いっそのこと自滅覚悟で迎えるっていう手段もとれたんだがな」
そう独り言ちながら、アザゼルは下の者に兵藤一誠の暗殺を指示する。
あとは彼らの判断に任せるとして、アザゼルも思考を切り替えるとイーツ対策に誰を用意するかを真剣に考え始めた。
この後、ややこしいことになるのだが、それはまだ彼も分かっていない。
と、いうわけでイーツが本作のオリジナル要素ですね。オリジナル神器とかも出てきますが、これはできる限り最小限に抑える予定です。
いや、ガイアメモリとかフルボトルとかはとても気に入っている設定で、自分もそんな感じの変身アイテムを使ったバトルモノを使いたかったんですよ。それでつい書いてしまいました。
それはともかく雨の中いきなり殴り飛ばされてDisられる少年。彼が主人公です。
テーマに書かれた罪を犯した後、それが遠因で殴り倒されたわけですね。
あと、殴った男が何かしましたが、これが主人公の力となります。まあ、イーツ関連なのだけは言っておきます。
其れとは別にイーツの脅威を示しました。戦車や攻撃ヘリが一斉射撃して撃破できる化物ですが、インフレ激しいD×Dですので、こんなもんで終わりません。
自分の作品、ハードモードが基本なので。戦闘を楽しみにしている方は楽しめると思いますぜ?