混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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では、お久しぶりに投稿します!

停止教室のヴァンパイア編です!!


停止教室のヴァンパイア
1話


 

 夏。それは、水が恋しい季節。

 

 夏。それはプールが気持ちいい季節。

 

 井草もまた、プールで涼むことに否はない。

 

 否はないが……。

 

「俺が堕天使だって忘れてないかい?」

 

「なんかもう、どうでもよくなってきたわ」

 

 と、水着姿のリアスは、井草の指摘をサラリと受け流した。

 

 今オカルト研究部は、生徒会からの依頼でプール掃除を行った。

 

 そしてその報酬である、プールの初使用を楽しんでいる真っ最中だ。

 

 イッセーは子猫とアーシアに泳ぎを教えており、なかなかいい雰囲気になっている気がする。

 

 残念ながら祐斗は別件で外れていたが、しかしオカルト研究部の憩いの時間だ。

 

 しかし自分はオカルト研究部だが、堕天使だ。オカルト研究部は本質的には、リアス・グレモリーとその眷属の集まりだということを忘れてはいけない。

 

 神の子を見張るもの(グリゴリ)は和平をしようと考えているが、然し現段階ではそれは堕天使側での希望に過ぎない。

 

 悪魔側も和平には賛同すると予想されているがそれは予想だ。最低でも、そうだと断言されているわけではないのだから。

 

 故に、こうして仲良くプールに入ること自体がどうかしているのだが―

 

「というより、あなたを経由してアザゼルに文句を言いたいのよ。……営業妨害にもほどがあるって」

 

「……総督は何やらかしたのさ」

 

 正直嫌な予感しかしない。

 

 堕天使総督アザゼルは人格者である。

 

 自分のようなものを受け入れるほどに器が大きい。研究者として超一流であり、その技術はそろそろ人工的な神器の開発に成功するだろうとまで言われている。カリスマ性は莫大で、多くの堕天使が彼に忠誠を誓っている。とどめに戦闘能力も堕天使全体で十指に入り、魔王と真正面から渡り合えるといわれているほどだ。

 

 ……そして同時に問題児である。

 

 思い付きでわけのわからないものは作る。まあ大丈夫だと思ったら、平気で人を実験体にする。おまけに費用が足りないと思ったら、平然と神の子を見張るものの資金から横領する。

 

 始末が悪いことに、それをなすための頭脳と技術力を持っている。つまり、彼の目論見は何らかの形で結果を伴ってしまうのだ。

 

 結果としてその後始末に駆り出されたことなどいくつもある。

 

 それは良い。自分のようなものがそう言うことをするのは当たり前であり、当然の義務だ。

 

 だが、和平をするという時期に余計なことをしてつつき倒すいたずら心は勘弁してほしいと心から思う。

 

「総督にはあとで怒っておくよ。……いっても聞かないだろうけどね」

 

「貴方も苦労してるのね」

 

 心の底から同情の視線を浴びた。

 

 納得できる境遇だと、自分でわかってしまうところに不条理を感じた。

 

「で、何をしたのさ総督は」

 

「こっそり駒王町(ここ)に潜入して、正体を隠したうえでイッセーのお得意様になってたのよ」

 

 なるほど。井草は納得した。

 

 いつまでたってもいたずら心を忘れないアザゼルらしい。おそらく、イーツの研究も部下に投げてまでやりたかったのだろう。

 

 まあ、アザゼルの専門は神器の研究だ。神滅具、それもヴァーリと対をなす二天龍の研究は優先的に行うことだろう。

 

 ……最も、単純にイッセーがからかいがいのある少年だと思っただけかもしれないが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……総督。そういうわけなんで、このデリケートな時期につつくのやめてください」

 

『悪かった悪かった。へんな先入観とかがないまっさらな状態の反応が知りたくてよ』

 

 かけらも反省してないなと、井草はすぐに理解できた。

 

 この男はこういうところがあるから困る。というより、勢力の将来がかかった重要な会談の前に何をやっているのか。

 

「……それで、イーツについては何かわかりましたか?」

 

『とりあえず、会談の時に提出できるだけのデータは手に入った。これで乗り切れるとは思うぜ?』

 

 その言葉は信用できる。

 

 アザゼルは研究者として一流だ。そして、神の子を見張るもの(グリゴリ)全体が研究機関としての側面を持つ。そして超一流の文字をつけるべきほどだ。

 

 その神の子を見張るものが調べて成果が上がったのなら、確かに情報はつかめたのだろう。

 

 最低限のデータは本当にとれたのだろう。さすがにそうでなければこんな遊びをするわけがない……と信じたい。

 

「それで、俺はいつ検体として出頭すれば?」

 

『いらねえよ。お前がぶん殴ったバルパーやら、コカビエルについた連中やらでデータは嫌というほど取れてる。なんで裏切ってねえお前をわざわざモルモットにする必要があるんだよ』

 

 こちらもこちらでこの意見だ。

 

 あまり言うと気に障られるかもしれないので言えないが、しかしそれでも気にしてしまう。

 

「いや、俺って結構経緯が不明ですし―」

 

『俺は俺の味方には優しいんだよ。だからお前にも優しくさせてもらうってんだ』

 

 その割には、身内を容赦なく実験に巻き込んでいるような気がするのだが。

 

 いや、気安い関係だからこそだと信じよう。もとい、信じたい。

 

『何が悲しくて、成果上げて尽力してるやつを酷い目に合わせる必要がある。俺はギャグで済む展開じゃなけりゃぁ、気のいいやつらを実験体にしねえよ』

 

「ギャグで済むならするんですか!?」

 

 最悪だこの男。自分とは別ベクトルで最悪である。

 

 自分も人として最低の部類にいるという自負があるが、この男も別ベクトルで最底辺ではないだろうか。

 

 誰だ、この男に権力をあたえたやつは。自分にそんなことを言う資格はないが、しかし一応誰かに代わっていってやるべきかもしれない。

 

『ま、そんなわけだからそっちは任せる。俺はいったん本部でデータをまとめとくからよ』

 

 その言葉と共に、通話が切れた。

 

 井草はため息をつくと、とりあえずスマートフォンをしまう。

 

 さて、残りの時間で何をして過ごそうかと考えて―

 

「―!?」

 

 いやな予感と共に最近会ったばかりのオーラを察知して、慌てて走り出した。

 

 

 

 




そんなこんなで今回は短めです

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