混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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8話

 

 そして、訓練期間は過ぎた。

 

 井草は特訓と強化の二つの実感を得て、それをより体感する為に、一人でグレモリー城の周りをランニングしたりなどしていた。

 

 トレーニングは神の子を見張る者の精鋭との激戦。そのうえで、強化措置を受ける事で今後の禍の団との戦いに備える方向だった。

 

 異物の移植に対する適合値の高さこそが売りの、受容の器(レセプター・カーゴ)。その特性を最大限に発揮するには、自分にない力を取り込む事が必要不可欠だ。

 

 その成果に関してはまだ出せないが、しかし特訓の成果は如実に出ている。

 

 今迄ならバテテいたであろう距離を、軽く息を切らす程度で走れるようになった。今迄では両手を使わなければ持ち上げられないような物も片手で持ち上げられるようになった。更に堕天使としての力量も上昇している。

 

 之なら、イーツになった時により強くなる事もできるかもしれない。

 

 そして、そうすれば―

 

「伊予、五十鈴……」

 

 二人の仇を、討てるかもしれない。

 

 そこまで考えて、井草は静かに首を振る。

 

 ふざけた話だ。自分のような屑にそんな資格はない。そんなこと、自分でもよく分かっているだろうに。

 

 贖罪は必要だ。生涯かけて罪を背負わなければならないだろう。だが、当人がいなければどうしようもない。

 

 井草が罪深い事には変わりないのだ。

 

 だから、井草は自分が嫌いで愛想をつかしている。

 

 自分が誰かの為に生きるのは当然だ。見下されるに値する屑は、それ相応の生き方というものがあるのだから。

 

 イッセー達の変態行為を、ピスに頭を下げてまで阻止したのも当然だ。自分が屑なのが分かりきっているのだから、しなくてはいけないだろう。まだ一線を超えていないものに、自分と同じところに来てはいけないというのは、罪を犯してしまったものの務めだ。

 

 だから、自分は―

 

「あ、井草さん!」

 

 ―その声に、井草は思考を切り替える。

 

 見れば、そこには見るも無残な姿になったイッセーの姿があった。

 

「イッセー。相当揉まれたみたいだね」

 

「……はい。サバイバル生活はもうこりごりです」

 

 その言葉に、井草は少し疑問に思った。

 

 サバイバル生活。そんなことをしているとはどういうことだろうか?

 

 そして、すぐに思い至った。

 

 そして、すぐに結論した。

 

「イッセー。ちょっと先生をしばき倒しに行こうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや~。俺も逃げ帰る事前提で組んでからな。まさか完遂するとは思わなかったぜ」

 

「ふざけんな、この鬼教師ぃいいいいいい!!」

 

 イッセーは涙ながらに絶叫する。

 

 しかし、ボコボコにされたにも関わらずアザゼルはからからと笑っている。これは完全に反省していないノリだ。

 

 この男、面倒見は良いしちゃんと成果もあげる人物なのだがこういうところがあるのが困り者だ。

 

 はっきり言おう。オカルト研究部は基本的に生活環境がちゃんとしているところでトレーニングを行っていた。

 

 城内で生活している者が半分ぐらいいる。祐斗やゼノヴィアは外で特訓していたが、それでもグレモリーの別荘やペンションなどを使わせてもらっていた。井草もそうだ。

 

 イッセーだけだ。イッセーだけが文明人の生活環境をもらわずに特訓させられていた。しかも、睡眠中も不意打ちを喰らうという酷い話だ。サバイバル技術まで鍛え上げる必要に迫られていた。

 

「鬼ですか、アザゼル先生」

 

「仕方ねえだろ。ぶっちゃけ、それぐらいしねえとヴァーリには届かねえしな」

 

「せめて食事ぐらいまともなのを食べさせてあげましょうよ……」

 

 言ってくれればデリバリーの真似事ぐらいしたのにと、井草は心底反省する。

 

 もし合宿がまた会った時は、他のメンバーの様子を見に行く程度の事はしなければならない。

 

 準最年長として、最年長のおふざけの監視は必要だった。自分が強くなる事に拘り過ぎたのは迂闊でしかない。

 

「まあまあ、井草さん。その分イッセー君は逞しくなったじゃないですか」

 

「確かにな。体つきが戦士のそれに代わっているのは良い事だ」

 

「そりゃ、特殊部隊でも根を上げそうな地獄の特訓を超えたんだからね」

 

 祐斗とゼノヴィアの言葉に、井草は半分同意するが、流石に同情する。

 

 まともな戦闘訓練すら受けていない、新米同然の下級悪魔がする特訓ではない。死んでない事がおかしいぐらいだ。というより、逃げ帰りたくても逃げられないだけではないだろうか?

 

 まあ、心が折れて無謀な逃亡をしないという事はそれ相応の精神力だろう。スケベ根性は絶大なのは知っていたが、普通の根性は非常にある事が発覚した。

 

「でも、禁手にはなれなかったです。でも、これ以上あんな地獄にはいたくないです……」

 

 いろんな意味でブルーになっているイッセーを、リアスが無言で抱き寄せる。

 

 井草も、目を伏せながら肩に手を置くしかない。

 

 アザゼルも多少は同情の視線を向けるが、こちらはそこ迄動揺していなかった。

 

「ま、その辺は想定の範囲内だ。そもそも禁手なんてそう簡単になれるもんでもねえしな」

 

 実際、その通りなのだ。

 

 禁手とは、想いに応える神器の極限。いわば〇解である。

 

 至れただけでも賞賛に値する事であり、至れなかった事を責められる謂れはない。

 

 そも、この場に神器使いは五人もいるが、至っているのは祐斗だけだ。これこそ、禁手に至る事が難しい事の証明だろう。

 

「木場のパターンを見てみろ。人生の根幹に根差した憎悪を振り払って、そのうえで同胞達の残留思念とエクスカリバーを使えるだけの聖剣因子を取り込んだからこそ至れたんだぜ? 一月の地獄程度で至れるなら、禁手に至った連中の数は桁が二つぐらい違うだろうよ」

 

 実際、地獄と形容できる環境に放り込んだだけで至れるのなら、戦場に生きている者は皆至っていなければならないかもしれない。それほどまでに禁手とは難易度が高いものなのだ。

 

 よほどの精神的なインパクトがあるか、神器を極限迄極めるか。それぐらいしなければ、生涯かけても至る事はできないのが禁手である。

 

 悪魔に転生した神器使いも大半は禁手に至っていない。人間の寿命を遥かに超える年月を生きていてもだ。一月程度で至られては、彼らが泣くだろう。

 

「つっても早いとこ至らねえとそれこそ死ぬんだがな。だがこれ以上やると心が折れそうだし……」

 

「いっそのこと、義姉さんに頼むべきかもしれませんね……」

 

 アザゼルが考え込むのに釣られて、井草もまた考え込む。

 

 そしてその瞬間、イッセーはガバっと振り返った。

 

「そ、それはまさか!?」

 

「え? 何かあるんですか?」

 

「何か秘策でもあるの?」

 

 イッセーが目の色を輝かせたのに反応して、アーシアとリアスが驚く。

 

 だが、アザゼルは首を横に振る。

 

「いや、ピスは確かに神器を三つも移植してるが、どれも至ってねえよ。そもそも反動もでかいしな」

 

 案に参考にならないと言い切るアザゼルだが、その時祐斗が何かに気づく。

 

「あ、まさか……!」

 

「どうしたんですか、祐斗先輩?」

 

 ギャスパーに促され、祐斗は井草に視線を向ける。

 

「あれは、まだ約束が果たされてないんじゃないかい? それに―」

 

「分かってる。あほらしすぎて君には悪いと思うけど、それでも可能性はあるんだ」

 

 その言葉に、祐斗は静かに首を振る。

 

「いや、そうじゃなくて……」

 

 そして、イッセーはプルプルと肩を震わせる。

 

 そして、ブルブルと大きく震え始める。

 

 その様子に気づいた全員が目を向けたその瞬間。

 

「童貞、卒業ぅううううう!!!」

 

 感極まって飛び上がり、その瞬間天井に激突した。

 

 そして悶絶しながら床に激突し、更に悶絶。

 

 明らかにあほ極まりないが、しかしそんな事を気にする余裕は井草にはなかった。

 

 なぜならば、その瞬間にリアスに詰め寄られていたからだ。

 

「……ドウイウコトカシラ?」

 

「え? いや、イッセーはすごくスケベだから、童貞を卒業すればもしかしたらもしかするかもと―」

 

 その瞬間、リアスによる、魔力を全力で込めたビンタにより、井草はクアトロアクセルを決めて壁に叩きつけられた。

 

 その光景に半目を向けながら、祐斗は納得したかのように息を吐いた。

 

「……井草さんが知っているイッセー君の童貞を食べてくれそうな人って、あの人だったんですか」

 

「まあ、あいつは時々逆ナンパするし井草とそういう事をした事もあるから納得だが、どういうこった?」

 

 状況を飲み込み切れないアザゼルに、木場は苦笑をしながら返答する。

 

「井草さんがイッセー君達の覗きを止めさせる時に、「高校卒業まで覗きを封印したら、童貞を食べてくれる人を紹介する」って約束したんですよ。別学年までには詳細が伝わってなかったみたいですね。」

 

 その言葉に、全員がなるほどという答えに至る。

 

 人を動かすのに必要なのは、根本的に飴と鞭だ。

 

 だが、イッセー達は何度もしばき倒されても覗きを辞めようとはしなかった。

 

 これは単純な理由だ。目の前の欲求に素直という事。目の前の女体という餌に夢中になり、痛みという恐怖でセーブする事ができないのだ。

 

 なら対処方法は単純。其れより美味しそうな餌に夢中にさせればいい。気にならないぐらい夢中になる餌に誘導すれば、それより気にならない餌によってくる可能性は減るだろう。

 

 だが、だが、だがしかし。

 

「井草? 私のイッセーの貞操を捨てさせようとはいい度胸ねぇ? 特訓の成果を見せてあげるわ……」

 

「待ってリアスちゃん! こっちが先約、先約だから!?」

 

 この調子では、この作戦は中断するしかないかもしれない。

 

 他にどんな餌を用意して気を散らすべきか。井草は真剣に考え始ながら、目の前の脅威を鎮静化させる方法を考える羽目になったのであった。

 




なお、一か月の地獄で作り上げられた可能性を、乳首をつついて解き放つのがイッセーである。









努力はしている。それがあってこその覚醒である。

だが、覚醒の最後のカギはたいていがおっぱいである。

まあ、受け付けられない人が出てくることまでは否定しない。

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