混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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井草ハードモードはまだ続く!!

そしてイッセーたちにとっても試練! 割と強敵な五十鈴&伊予!!

因みに彼女たちの戦闘能力は準幹部クラスなだけあり高いです。具体的にはタンニーンをサーヴァントとすると死徒27祖……逆にわかりにくいな。


13話

 

 その言葉に、真っ先に外套のイーツが返す。

 

「いや、私達はナイアルの女だもの、井草」

 

 そして、獣人のイーツも続けて答える。

 

「ナイアルさんの頼みだからだよ、井草君」

 

 その二人の返答に、井草は拳を握り締めて、ブルブルと震えだす。

 

 それは怒りか。其れとも悲しみか。

 

 だが少なくとも、井草はその事実を認めたくないのだけはよくわかった。

 

「俺の、俺のせいなのか? 俺が、あんなことをしたからなのか!?」

 

 その、死刑の判決を受けた罪人のようなつらそうな声に、獣人のイーツは何処かすまなそうな態度を見せた。

 

「ううん。あれは、私が悪かったと思ってるの」

 

「……は?」

 

 信じられない。そんな感情を全力で出す井草に、獣人のイーツは続ける。

 

「本当にごめんね? 井草君、初めてだったんだからもっと感じた声を上げればよかったよね?」

 

 その言葉に、井草は崩れ落ちた。

 

 だが、獣人のイーツはその反応が意外だったらしい。

 

 小首をかしげ、なんでそんな反応なのかわからないと体全体で示している。

 

 それを寂しげに見つめた外套のイーツは、しかし肩をすくめると嘲笑うように声を上げる。

 

「アッハハ! 驚いたでしょ、あれからいろいろ経験したから、伊予にあんな程度でショックを受ける感性はもうないわよ」

 

 そして、嘲笑を態度で示しながら、外套のイーツは

井草を見下ろす。

 

「私も悪党が染みついちゃったわ。ええ、今からあなたを痛めつけるぐらいには、悪党をするって決めてるの……よ!!」

 

 そして、即座に井草に接近すると、その拳を井草に向けて振り抜き―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『少しその口を閉じろ、外道』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 振るわれたタンニーンの拳を回避するため、即座に飛び退った。

 

 そして宙に舞い上がりながら、外套のイーツは肩をすくめる。

 

「危なかったわ。さすがに、準魔王クラスの最上級悪魔相手だと油断できないのよ、EEレベル6,0の私や伊予は」

 

「大丈夫、五十鈴ちゃん?」

 

 五十鈴と呼ばれた外套のイーツは、伊予と呼ばれた獣人のイーツに気遣われながら、しかし余裕の態度を見せる。

 

 そして、嘲笑の感情を態度で示しながら、井草を見下ろした。

 

「無様ねぇ、井草。悪党の私相手によくもまあ、そんな負け犬みたいな姿をさらせるようになったもんね」

 

 そして、やれやれといわんばかりに首を振ると、鋭い視線を向けた。

 

「正義の三大勢力様なら、本気で仕掛けてきなさい。テロリスト風情に容赦するとか、あきれ果てて声も出ないわね」

 

 そして、五十鈴は両手を広げながら殺意を込める。

 

「来なさい。是でも私は性能だけなら最上級悪魔クラス。……殺す気で来ないと死ぬわよ?」

 

 その言葉と共に、五十鈴の両手の直線状で一対の竜巻が形成される。

 

 それらは周囲の燃える森の影響を受け、炎を纏った灼熱の渦と化して井草たちに襲い掛かる。

 

 だが、その攻撃は井草には届かない。

 

『させると思うか!』

 

「いい加減にしなさい!!」

 

 大出力のタンニーンのブレスとリアスの魔力が、その攻撃を相殺する。

 

 そして、即座にリアスは消滅の魔力を五十鈴たちに向けて放つ。

 

 並の上級悪魔なら一撃で大ダメージを受けるだろう一撃。アザゼルの指導を受けたリアスは、既に現役の(キング)ですら、戦闘能力だけなら対抗できるレベルになっていた。

 

 しかし、その魔力は五十鈴には届かない。

 

 横合いから、伊予と呼ばれた獣人のイーツが灼熱の奔流をはなち、それを相殺する。

 

「ごめんね? ちょっと直撃は五十鈴ちゃんが怪我しそうだから」

 

 そう、なんてことの内容に伊予は言い放つ。

 

 その様子からは一切の気負いを感じない。間違いなく上級悪魔でも上から数えた方が早いだろう攻撃を相殺したにもかかわらずだ。

 

 相手はまだ本気を出していない。その事実に、リアスは己の力不足を察して歯噛みする。

 

 そしてそんなリアスの苦悩を意にも介さず、伊予は困った風に首を傾ける。

 

「あの、ナイアルさんに言われたのは、井草君を叩きのめすだけで殺せって言われてないの。だから、それだけしたら帰るからね? お互いに死ぬかもしれないのは、避けたいでしょ?」

 

 ようは、井草を痛めつけるだけ痛めつけたら帰るといっているのだろう。

 

 そして、その邪魔をして殺し合いになるのはお互いのためにならないとも言っている。

 

 挑発のつもりはなさそうだ。おそらく本心から言っているのだろう。邪気もなければ悪意も感じない、善意の言葉だ。

 

 そう、彼女は善意で言っている。

 

 それが、イッセーたちの神経を逆なでした。

 

「……ふっざけんな、この野郎!!」

 

 イッセーは激昂すると、赤龍帝の鎧がまだ維持されているのをいいことに殴り掛かる。

 

 その加速力はすでに並みの上級悪魔を一蹴するレベル。かつて神や魔王すら超えると称された、赤龍帝の力の一部を見せつけていた。

 

 まさか断るどころかいきなり攻撃するとは思わなかったのか、伊予は一瞬隙を見せる。

 

 しかし、その攻撃は割って入った五十鈴によって止められた。

 

 まるでエアバッグを殴りつけたかのように、拳を柔らかくとめられる。

 

 そしてその手をつかんで動けないようにしながら、五十鈴はイッセーをにらみつけた。

 

「悪いわね。伊予ってばタガが外れちゃってて、今のが侮辱に近いこともわかんないのよ」

 

「みたいだな、反吐が出るぜ……っ!」

 

 奥歯をかみしめながら、イッセーは五十鈴と伊予をにらみつける。

 

 女性に殺意を抱いたのは、レイナーレ以来だ。

 

 それほどまでに、今の伊予の言葉がイッセー達の神経を土足で踏みにじった。

 

 井草・ダウンフォールは、イッセーの恩人だ。

 

 井草・ダウンフォールは、イッセー達の友達だ。

 

 井草・ダウンフォールは、イッセー達オカルト研究部の仲間だ。

 

 そんな井草を目の前で痛めつけられるのを邪魔するな?

 

 あり得ないことだ。その時点で、目の前の伊予という獣人のイーツは、イッセーたちの敵以外の何物でもない。

 

 その殺意のこもった眼に対して、二人の反応はそれぞれ異なる。

 

 伊予は、首をかしげて疑問符を浮かべている。本当に、殺すわけじゃないのだからそこまで怒らなくてもいいではないかといわんばかりだ。

 

 反対に、五十鈴はどこか満足げだった。まるで、そういわれることがうれしくてたまらないといわんばかりだ。

 

『……下がってろ、兵藤一誠』

 

 そして、タンニーンが怒気を溢れさせながら一歩前に出る。

 

 そのオーラは絶大で、イッセーの目の前の2人より強大であることが見て取れる。

 

 火力だけなら、魔王クラス。タンニーン自身が言っていたことが、何ら間違っていないことを皆が理解する。それほどまでの密度のオーラを、タンニーンは纏っていた。

 

 そして、それを叩きつけられれば伊予も五十鈴も軽傷程度では済まないのも確実だ。

 

『貴様らが難敵で、そして遠慮をする必要がない相手であることも理解した。言っておくが、今見る限りではお前たちに情けを掛ける必要を感じないぞ?』

 

 その言葉に、伊予も五十鈴も戦闘態勢を取り直すことで反応する。

 

「うーん。そんなに怒らなくてもいいのに……」

 

「そうでなくっちゃ。悪党に向ける態度はそうじゃないといけないのよ、ドラゴンさん?」

 

 伊予は戸惑いながら。五十鈴は嬉しそうに。

 

 お互いに態度は異なりながらも、しかし戦闘を取る意志だけは消さずに戦う準備をし―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いーやいやぁ。私達も怒らせてくだせぇよ、ドラゴンの旦那」

 

「流石に、少し怒ってるのですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 二人のプルガトリオが、真後ろから二人のイーツに切りかかった。

 




今回はキリがいいので短めです。


因みに、ムートロンの精鋭クラスなどが使用するイーツは、基本的にクトゥルフ神話からとっております。バイアクヘーが基本的な上位イーツのデフォルトで、ナイアルやホテップが適正とEEレベルの高さから特別製。伊予と五十鈴は準幹部であり適性もあってのことでナイアルから特別に上位エボリューションエキスをもらっています。

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