混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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此処でついに、リムとニングの本領が発揮されます。

リムもニングもプルガトリオ機関のメンバーであるため、其れなりに複雑な事情持ちです。そのうち、ニングの事情がある程度判明します。








ちなみに、彼女はこの作品の自分の定番手段の一人でもあります。詳細はまた後程。


14話

「ってさっきの、生きてたの!?」

 

 驚きながら、五十鈴は切りかかるリムに対して回し蹴りで反撃を行う。

 

 その攻撃は高速で渦巻く大気の奔流が纏わりついており、触れれば一瞬で人間など削り取られるだろう。

 

 しかし、その攻撃をリムは持っていた光の剣で受け止める。

 

 そしてその攻撃を受け流しながら着地。そしてそれと同じタイミングで光の銃を放った。

 

 その弾丸は回避行動をとった五十鈴の体をかすめ、僅かにだが裂傷を刻み込む。

 

 その事実に、五十鈴は驚きの感情を浮かべた。

 

 本来なら、悪魔祓いの装備ごときで上位イーツであるアウターイーツと化した五十鈴を傷つけるなど有り得ない事だ。

 

 しょせん悪魔祓いの装備など、基本的にはよくて上級悪魔クラスとの戦闘を考慮した物。人間に当てたとしても、頭部を吹き飛ばすのが関の山だ。

 

 光の剣にしてもそうだ。先ほどの五十鈴の蹴りは、間違いなく最上級悪魔クラスにすら通用するレベルの威力がある。

 

 EEレベルの高さは、イーツの性能に匹敵する。高ければ高いほど強くなり、1上がれば格が一段階上昇すると言っても過言ではない。

 

 6,5のナイファーザーが、最強の魔王であるサーゼクスに相性上有利とは言え互角に渡り合ったのだ。6,0の五十鈴や伊予のイーツ時の戦闘能力も非常に高い。一対一でもカタログスペックに限定すれば、タンニーン相手に勝負になるだろう。

 

 例えて言うのならば最上級悪魔の平均より上のレベル。それが、EEレベル6,0。

 

 断じて悪魔祓いがどうにかできるようなレベルではない。どうにかできるなら、悪魔と堕天使はとうの昔に滅びているはずだ。

 

 だが、彼女の攻撃は確かに五十鈴に通用した。

 

 そして、その理由も何とか理解できる。

 

「……何の神器?」

 

「ふっふーん。知りてぇっすか? 知りてぇっすよね?」

 

 めちゃくちゃ得意げにしながら、リムは両手の武器を見せびらかすように掲げる。

 

 よく見れば、その武器には光力とは別の意味でオーラのようなものが纏わり付いていた。

 

「これぞ神器、剣豪の腕(アーム・ザ・リッパー)! 所有する武器の性能を大幅向上させる、素敵神器ちゃんですぜ、旦那ぁ」

 

 その言葉に、五十鈴はワザとらしい舌打ちを返す。

 

 ただの悪魔祓いの装備を、最上級クラスにすら通用する兵器へと変える装備。

 

 これは確かに強力だが、しかし喰らっても精々が軽傷だ。

 

 之なら、十分勝算がある。

 

 勝算はある……が。

 

「コイツを相手しながらタンニーンを相手するのは、流石に厄介ね」

 

 嬉しそうに、五十鈴はそう表した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、伊予と対峙したニングは、ニコニコと笑顔を浮かべていた。

 

 そして、それを見た伊予は、寒気を感じていた。

 

 理由は簡単だ。極めて分かり易く説明できる。

 

 本心から激怒している者の笑顔は、恐怖を与えるモノである。

 

「あの、私は井草君を痛めつけたら帰るから、別に邪魔しなくていいんだよ?」

 

「その口を閉じるのです」

 

 そう言い切ると、ニングは即座に魔剣を構える。

 

 それに対して伊予は即座に対応した。

 

 とりあえず空高くに舞い上がったのだ。

 

 悪魔祓いは陸上戦闘しかできない。空の敵に対抗する事はできても、光の銃如きでは高速移動すれば当たらないし、当たってもかすり傷にすらなるか分からない程度だ。

 

 だから、とりあえず安全を確保してからゆっくり説得しようと試みて―

 

「……逃がすと思わないのです」

 

 その時点で、目の前にニングの顔が映った。

 

 あり得ない。既に自分は地上から五十メートルは離れている。

 

 ジャンプで届くような距離だとは思えない。そして、魔法を使っている風にも思えない。

 

 その疑問は、一瞬で解決した。

 

 僅かに距離を取れた事で、視界が広がる。そしてニングの全身を見る事ができた。

 

 ……そこに、悪魔祓いにはあってはならないものがあった。

 

 悪魔祓いとは、悪魔を殺す者である。

 

 和平が結ばれてその役目は意味をなさないとはいえ、基本的に悪魔を殺す人間である。それぐらいは伊予とて知っている。

 

 ゆえに、あり得ない。

 

 悪魔祓いであるニング・プルガトリオに、()()()()が生えているなどありえないのだ。

 

「え? あれ? あなた、その恰好は悪魔祓い―」

 

「そうなのです」

 

 戸惑う伊予に、ニングは即答する。

 

 そして、ニングはその隙をついて大上段に魔剣を振りかぶる。

 

 ……伊予は知らぬ事だが、ニングはかつて、井草にこう言った事がある。

 

 プルガトリオ機関には、悪魔も所属している。

 

 プルガトリオ機関。それは、様々な理由で普通の強化印は置いておく事のできない者を集め、信仰の為の戦いに関わる事で居場所を作る暗部組織。

 

 悪魔を癒すがゆえに信仰に悪影響を生む、聖母の微笑の持ち主であるアーシア・アルジェントすら参加が許される暗部組織。

 

 その底知れなさは、正真正銘信仰さえ持てば悪魔すら迎え入れる。

 

 その呆れ果てるほどにまで無節操な懐の深さに、伊予は負傷以上の衝撃を受けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、それだけで終わる事はない。

 

「隙あり! くらえ必殺、洋服崩壊(ドレスブレイク)!!」

 

 イッセーが一瞬で五十鈴に触れ、煩悩だけで構成された必殺技を叩き込む。

 

「私達を忘れないで頂戴!」

 

 意地とプライドで戦意を奮い立たせたリアスの消滅の魔力が、伊予をかすめる。

 

 プルガトリオの2人に気を取られ、五十鈴も伊予も隙をさらしてしまった。

 

 だが、隙をさらした事とそれが効果を発揮したのかという事は全く別の問題。

 

「イーツの私は服着てないのも当然だっての!」

 

 五十鈴は意に介する事なく反撃の暴風でイッセーを弾き飛ばす。

 

「危ないなぁ、もう」

 

 伊予も灼熱を放って消滅の魔力を相殺する。

 

 如何に今代の赤龍帝であろうと、如何に現ルシファーの妹であろうと、今の2人ではEEレベル6,0には届かない。

 

 だが、更に気を散らせる事には成功した。

 

『俺がいる事を忘れてもらっては困るな!!』

 

 その一瞬のタイムラグで、タンニーンが最大出力のブレスを連発で放つ。

 

 僅かな一瞬のスキを突かれ、伊予も五十鈴もその攻撃を回避する事はできなくなった。

 

 お互いに暴風と灼熱で防御を行うが、しかしそれも防ぎ切る事はできない。

 

 EEレベル6,5のナイファーザーで、魔王であるサーゼクスと互角の戦いが関の山だった。それはすなわち、0,5も違う伊予と五十鈴では魔王クラスの戦闘能力は発揮できないという事でもある。

 

 そしてタンニーンは元龍王。其の戦闘能力は最上級悪魔でも最高峰。火力だけなら魔王クラスとも評される其の力に、嘘偽りは存在しない。

 

 二人では、タンニーンの全力は防ぎきれない。

 

「……ハハッ! これでいいのよ、これで!!」

 

「あ、熱……熱い!?」

 

 圧倒的な火力。

 

 その一撃に、五十鈴は笑い、伊予は戸惑い―

 

『この冥界で好き勝手出来ると思うなよ、外道!』

 

 タンニーンの一撃は、2人を勢いよく弾き飛ばした。

 




リムの神器は、かつて活動報告で募集した神器、剣豪の腕です。割と便利な神器なので、また出してみました。こういうスターシステムもどきがじぶんの常とう手段です。


一方ニングの秘密が悪魔であるということ。その時点でいろいろ疑問に思うこともあるかもしれませんが、其れに関してはホーリー編で明かされる予定です。

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