混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

50 / 157
ちょっと予約投稿をし損ねて、短時間で連続投降してしまった14話

とりあえず、ヘルキャット編のバトルはこれで終了。レーティングゲームは天界を変えられそうにないので飛ばします。


15話

 

 弾き飛ばされた二人のイーツが、地面にたたきつけられる。

 

 その一撃は隕石の衝突を思わせ、数十メートルを超えるクレーターすら生み出した。

 

 普通なら、これで決着だと誰もが判断するだろう。少なくとも、人間世界で流通しているイーツならこれで終わる。

 

 だが、誰もがこれで終わったなどとは思っていない。

 

 EEレベル6,5のナイファーザーは、小国を単独で滅ぼしかねない魔王であるサーゼクスと互角に渡り合った。そして、伊予と五十鈴は自己申告では0,5しか違わない。タンニーンの攻撃にも、隙を見せなければ対応してのけたのだ。

 

 魔王クラスの攻撃を一発もらった程度で終わるわけがない。そんなことはわかりきっていた。

 

「……立ち上がって来いよ! 井草さんをここまで痛めつけて、ただで済むと思ってんじゃねえ!」

 

「そうね。人の部員を傷つけて、この程度で済むと思ってるのかしら?」

 

 イッセーもリアスも、怒りを収めることができずに魔力を纏う。

 

「ま、これでようやく一矢報いたってかんじですなぁ」

 

「ここからが本番なのです」

 

 リムとニングも、油断せずにここからが本番だとすら判断する。

 

『お前ら、前衛はあくまで俺がする。サポートに回っていろ』

 

 そしてタンニーンは、この場で最も彼女たちを警戒していた。

 

 わずかな戦闘で、相手の性能はある程度把握できた。

 

 断言してもいい。いま戦っている二人は龍王クラスともまともに渡り合える猛者だ。油断すればこちらが殺される。

 

 平均して上級悪魔クラスの上であるイッセー達では、戦力にはなるが単独では勝ち目がない。前線に出来てはいるが長時間戦えば地力の差で確実に負ける。

 

 ゆえに、うかつに仕掛けて四人から離れないように気を使いつつ、タンニーンはにらみを利かせる。

 

「……いいわよあんたら。悪党の相手にはちょうどいい正義の味方じゃない。私を倒してくれるのかしら?」

 

「ど、どうしよう。今ので変身がちょっと切れちゃったよ?」

 

 楽し気な五十鈴と、困っている伊予の声がして、そして煙が晴れる。

 

 そして、五人はそれを見た。

 

「さあ、私にふさわしい死をくれてやりたいなら、もっと全力……で……っ!?」

 

「もう! こうなったら私達も全力……あ」

 

 全裸の五十鈴と、半裸の伊予の生身の姿を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 多少の沈黙が時間を稼ぎ―

 

「……きゃぁあああああああああああああ!?」

 

「五十鈴ちゃん? どうしたの?」

 

 絶叫を上げ、手で局部などを隠しながらへたり込む五十鈴に、伊予は何も隠さずに声をかける。

 

 全裸になったとはいえ、顔を真っ赤にして涙目にすらなる五十鈴に、半裸で済んでいるとはいえ、平然としている伊予。

 

 その光景に一瞬あっけにとられた一同を責めることなどできないだろう。

 

 それぐらい、五十鈴はあからさまにパニックに陥っていた。

 

 それぐらいに、伊予は一切の動揺を示さずにいた。

 

 服の破け具合と同様ぐらいに異常なレベルのアンバランスを示した二人に、イッセー達は動揺を示す。

 

 異常者としか思えない行動を示してきた伊予はまあいい。だが、五十鈴に関しては少々気後れしてしまう。

 

 あれだけ盛大な悪役ムーブをしてきたのだ。それがいきなり外見年齢相応のムーブをしてきては、イッセーですら一瞬戸惑ってしまう。

 

「……う」

 

 だが―

 

「うっひょぉおおおおおおおお!!! 可愛い女の人の裸ぁあああああああああああああ!!!!!」

 

 ―一瞬で煩悩が優先するのが、兵藤一誠の(さが)であった。

 

「見るな馬鹿野郎ぉぁああああ!!!」

 

、五十鈴が即座に指向性の暴風をたたきつける。

 

 その出力はイーツの時に比べれば、子供の癇癪レベル。しかしそれは比較対象が悪すぎる。

 

 当然ではあるが、イッセーは直撃した。回避する精神的余裕がないぐらい、イッセーは煩悩に支配されていたので当然である。

 

 三十回転ぐらいしながら、燃え盛る木々に全身をぶつけるイッセーだった。

 

「が、眼福……っ」

 

「辞世の句はそれでいいのね!? 殺していいのね!?」

 

 あからさまと形容してもいいレベルで涙目を浮かべながら、五十鈴が殺意をまき散らす。

 

 裸を見られたという状況では仕方ないのかもしれないが、それにしても他になかったのだろうかという雰囲気だった。

 

 正直な話、シリアスな空気が完全に霧散している。

 

 之ばかりはイッセーのせいだけではない。五十鈴にも責任の一端はあるだろう。

 

 だが、流れ的にイッセーがボコられるのは自然の摂理でもあった。慈悲はかけらもなかった。

 

「……この格好で戻ったら、ナイアルさん興奮するかな?」

 

 と、伊予は伊予で、自分の姿を確認しながらそんなことを発現する。

 

 その、自分が裸身をほぼさらしていることを意にも介していない態度に、リアスは何か寒気みたいなものを感じていた。

 

 この、伊予と呼ばれた少女は何かが外れている。それが、羞恥心の欠如という形で表れていた。

 

「……井草」

 

 この二人の存在に激昂した、監視役だった仲間を想う。

 

 常に自分自身を低く扱い、心のどこかで自分が嫌いだといわんばかりの発言を繰り返している井草。

 

 彼女がこうなった原因に、心当たりがあるのではないか。だからこそ、井草はああなったのではないか。

 

 そして、それはイッセーも思っていたらしい。

 

 ふらふらと立ち上がりながら、五十鈴と伊予に指を突き付ける。

 

「お前ら! 井草さんがあんなふうになったのは、お前たちのせいか!?」

 

 その言葉に対する反応は、双方で全く異なっていた。

 

「え? 違うよ。そんなことしてないもん」

 

 伊予はそう言って、きょとんとする。

 

 だが、五十鈴は体を腕で隠しながら、イッセーに不敵な笑みを見せる。

 

 否、それは挑発的ではなく、挑発そのものだった。

 

「正解。厳密には、私を恨めばそれで済むのに、真面目な井草が自己嫌悪にさいなまれてるだけよ」

 

 あきれながら告げられたその言葉に、イッセーはそれを理解する。

 

 ああ、目の前の女は。間違いなく俺たちの敵だ。

 

 井草・ダウンフォールを苦しめるのなら、苦しめ続ける原因なら。最早、遠慮をする必要はない。

 

「上等だ。ぶちのめして―」

 

「……イッセー、だめだ」

 

 震える声が、攻撃を仕掛けようとしたイッセーを押しとどめる。

 

 其の声に振り向けば、小猫に支えられながら、井草がかろうじて立ち上がっていた。

 

 苦しそうに、心と体の痛みに耐えながら、しかし井草は前に出ようとする。

 

 そして、井草は声を絞り出す。

 

「そこは、駄目だ。ナイアルのところは、駄目だ。アイツは、駄目なんだ」

 

「馬鹿ね」

 

 肩をすくめ、五十鈴は井草の懇願を切って捨てる。

 

 そして、自分の体をなまめかしくなでる。

 

 そして何かを思い出したのか、蠱惑的な表情を浮かべながら、顔を赤らめた。

 

「私達はもう跡形もないわよ。あれから、何人の男に抱か……貪られたと思ってるの?」

 

 その言葉に、井草はわかっていたのかうつむく。

 

「うん。昨日の旧魔王派の人たちはすごかったよね! ストレスがたまってたから激しくって! やっぱり、たまにはああいう強引なのもないと、楽しくないよね」

 

 そして、まるで遊園地ではしゃいだ記憶を思い出したかのように、伊予は明るく楽し気に井草に語る。

 

 それも想定していたのか、井草は拳を握り締めるだけで、何も言わない。

 

 だが、イッセー達が衝撃を受けるには十分すぎる。

 

 話を聞くだけでなんとなくわかる。五十鈴と伊予の2人の少女は、その性的魅力を商品として扱っている。

 

 そしてそれを純真な子供のように語る伊予の精神は、どこかが完全に外れている。

 

 そして伊予と違い、井草が苦しむとわかって発言した五十鈴は、どこかが歪んでいるとしか思えない。

 

 そして、五十鈴はため息をつくと、

 

「まあいいわ。そろそろ私達も帰らないといけないしね」

 

「あ、そうだった! 今夜は魔法使いの人たちのサバトのお手伝いだった!」

 

 割とあれなことを平然と語りながら、五十鈴も伊予も戦闘意識を放棄する。

 

「でも五十鈴ちゃん。井草君痛めつけきれてないよ?」

 

「どっちにしても撤退時間だっての。おいてかれたらSE〇できないわよ?」

 

「すぐ帰ろう!!」

 

 一瞬戸惑った伊予を説得してから、五十鈴は静香に気を失いかけている井草に視線を向ける。

 

 その目は、どこか期待の感情が乗っていた。

 

「殺しに来なさい、井草。悪党が因果応報で殺される、そんな定番ネタを完遂してみせてよ」

 

『ハストゥール』

 

「じゃあ、バイバイ。可愛い子もいるから一緒にエッチしてもいいんだけど、敵同士だから縁が合ったらってことで」

 

『クトゥグア』

 

 イーツへと戻りながら、五十鈴も伊予も素早くパーティー会場にむかって飛び上がる。

 

 そして、パーティー会場から漏れ出る霧に飲まれて、その姿を消していった。

 

『……絶霧(ディメンション・ロスト)か』

 

 その霧の正体を察して、タンニーンは苦苦しい顔をする。

 

 イッセーの持つ赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を超える、上位陣滅具の一つ。

 

 たとえて言うならば霧型のバリア発生装置にしてワープゲートとでもいうべきだろうか。あの霧は施設ごと包み込んで最上級悪魔クラスの砲撃を防ぐこともできる。不利になったら施設を丸ごと別の場所に転移させるというまねすら可能だ。

 

 そんな神滅具の使い手までもが禍の団に参加。これは本当に非常事態というほかなかった。

 

「……いよ……いす、ず……っ」

 

 その思考を遮断するかのように、声が聞こえる。

 

「井草さん!?」

 

「井草、しっかりしなさい!!」

 

 崩れ落ちた井草をイッセーが支え、リアスが肩を叩いて意識を確認する。

 

 リムとニングも血相を変えて駆け寄るが、井草は反応を返さない。

 

「……気の乱れ具合からして、肉体のダメージと精神的ショックの二つに耐えていた精神の糸が、あの二人の撤退で切れたみたいです」

 

「まじですかい!? いや、これ、アーシアさん呼んできた方がいいんじゃねえすか!?」

 

 小猫が心配を押し隠しながら井草の体を確認し、けがのようすを見たリムもパニックを引き起こしかける。

 

 イーツが解除された井草の体は、打撲や火傷の後で体中が埋め尽くされている。

 

 このわずかな時間でここまでの負傷を与えることができた。そんな人物を相手にしていることに、リアスたちは息をのむ。

 

 何より、話を聞く限り、井草とあの二人は顔なじみ以上の関係だ。

 

 それを遠慮なく叩きのめせる精神性。其れこそが、あの二人を脅威とする厄介な側面を証明していた。

 

「あれが、上位イーツの力……!」

 

『油断できんな。小娘二人があそこまで強くなるのか……』

 

 その強大さに、リアスもタンニーンも威圧を感じる。

 

「とにかく、下手に動かすのはかえって危険なのです。アーシアさんを呼んでくるのです」

 

 そして、我に返ったニングが、悪魔の翼を広げながら、ビルのパーティ会場があった階層に飛んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これまでは、井草・ダウンフォールは苦しみながらも誰かを助ける生活を続けてきた。

 

 それを贖罪と受け取るものは多いはずだ。

 

 だがしかし、この日から井草の行動は大きく変わることになる。

 

 井草の贖罪は伊予にも五十鈴にも届かない。届かせるためには、前に踏み出さねばならない。

 

 彼は踏み出す決意を持てるのか。それが、今後の世界を大きく左右することになる。

 




五十鈴の態度で勘違いされているみたいですので、ここでネタ晴らし。

彼女はバトルジャンキーではありません。悪とみなされることにこだわりがあるのです。

そういう風なせりふ回しを心掛けていたのですが、しかしうまくいかなくて残念です。やはり小説を書くのは難しい……。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。