混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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ちょっとした日常会です。








いかに井草の自虐癖が、クラスメイトを心配させてたのかがわかりますwww









そして、ニングの件ですが、わかりにくかったみたいなので補足説明を。

隔世遺伝というより、先祖返りの方が近いかもしれません。なんというか、イングヴィルドと似たようなパターンで、神滅具の代わりに特異体質を持っていると思っていただければいいかと。彼女は都合上E×Eに出せないので、その辺をインスパイアしました。








あと、PVもUAも増えているけどお気に入りや感想はなかなか増えなくてちょっと残念(涙

増えたと思ったら同じだけ減ったしOTZ


3話

 そんなこんなで日常は過ぎていく。

 

「はい! それ私が参加します!!」

 

「じゃあ、二人三脚女子の部は私とニングでいきやすかねぇ」

 

「それがいいのです」

 

 転入したてのイリナ達も、すぐにクラスに馴染んでいた。

 

 この辺り、覗きの常習犯すらクラスメイトとして受け入れる駒王学園の人の好さが出ているというものだ。

 

 流石に井草の過去を知れば状況は変わるだろうが、それでも他の学校よりかはマシな展開になるのだろうとは思う。

 

 そんな事を思いながら、井草もまた手を上げる。

 

「じゃあ、俺は1km走に参加するよ」

 

 そんな事をなんとなく言ってみた。

 

 その瞬間、クラス中に衝撃が走った。

 

『『『『『『『『『『えぇ!?』』』』』』』』』』

 

「……なにこの反応」

 

 信じられないものを見るかの視線に、井草は少し引く。

 

 というより、転向して日が浅いイリナ達はもちろん、アーシアとゼノヴィアも状況が読めずに驚いている。

 

 逆に、イッセーは何やら微笑ましいものを見るかのような視線だった。立場が逆転している気がする。

 

 そんな視線の中、生徒の一人が目を見開いて、涙を流す。

 

 それどころか、クラス中から嗚咽を漏らす者が続出した。

 

 意味が不明だ。心底解せぬ。

 

 そんな状況に井草含めた数人が気圧される中、桐生が目元をぬぐいながら感動の表情を浮かべる。

 

「こういう時「じゃあ俺が一番誰もなりたくないのを選ぶよ」と真っ先に言っていた井草さんが……っ」

 

「ああ、自分からしたいのも選ぶだなんて、選ぶだなんて……っ」

 

 松田まで嗚咽を流しながら、喜びの表情を浮かべている。

 

 そして、元浜に至っては眼鏡を落としながら歓喜に震えていた。

 

「このクラスで一番報われるべき井草さんが、井草さんが、ついに自分から何かを欲する努力を!!」

 

 そして―

 

『『『『『『『『『『今日は赤飯だぁああああああああ!!!』』』』』』』』』』

 

「そこまでぇえええええ!?」

 

 想像以上に心配されていたらしい。

 

 クラス中がお祭り騒ぎになるぐらい、井草が自発的になりたいものを選ぶというのは驚愕ものだったらしい。

 

「いや、だって俺、体力はこのクラスでのトップクラスだし。一位になりやすくてなりたがる人がいないって便利じゃない? むしろ面倒ごと引き受けてなくない?」

 

 正直がっかりさせそうで不安だが、一応の言い訳をしてみる。

 

 だが、クラス中の歓喜のムードは全く消えない。

 

「井草さんが! 自分がトップになったら「俺なんかがトップになって、他の頑張った事が可哀想だ」とか言っちゃう井草さんが!! トップを自分から狙うだなんて!!」

 

「今日は赤飯だぁああああああああ!!!」

 

 凄まじい勢いでお祭り騒ぎだった。

 

 気づけば、井草は胴上げされていた。

 

 正直天上にぶつかりそうで怖い。担任の教師ですら涙を浮かべていて、止めてくれない。

 

「井草さん。本当に井草さんだったんですね……」

 

「ああ。井草さんはもう少し自分に自信を持つべきだ」

 

「だけど井草さんは変わったのね。成長したのね! ああ、主よ井草さんの未来に光を!!」

 

「ここまで言われるほどだとは思わなかったのです……」

 

「ったく、井草は反省するべきでさぁ」

 

 教会五人衆から凄まじいツッコミを喰らってしまった。

 

 そして何とか胴上げから抜け出すと、そこにはイッセーが。

 

「井草さん」

 

「な、何かな?」

 

 そこには、苦笑があった。

 

「井草さんは、それだけ心配されるぐらい、色々やってたんだって自覚した方がいいですよ?」

 

「……分かった。気を付ける」

 

 流石にここまでされるほどだとは思わなかった。これからは気を付けよう。

 

 井草は心底反省すると、少しは自発的に何かを求める姿勢をするべきだと猛省した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「負けんぞイリナ!」

 

「こっちのセリフよ、ゼノヴィア!!」

 

 体育の授業にて、ゼノヴィアとイリナがデッドヒートを繰り広げている。

 

 既に国体どころかオリンピックレベルである。あの二人は自分達が異形だという事を忘れてないだろうか。

 

 そんな事で少し不安になるが、しかし周りの生徒達は普通に楽しんでいる。

 

 なら、大丈夫なのだろう。

 

「しかし、揺れすぎるおっぱいは堪能しづらいな」

 

「ああ。おっぱいは適度に揺れないとな」

 

「まったくだぜ」

 

 松田、元浜、イッセーと、変態三人衆がその光景を見ておっぱいについて語り合っている。

 

 まあ、この三人はこれぐらいの悪ふざけで怒られることもないだろう。かつての三人があまりにも酷かったので、これぐらいならという風潮になっている。是でもマシになっているのだ。

 

 それに、決して悪い事でもない。

 

「まあ、確かに適度に揺れてると興奮するけどね」

 

 井草もその辺についての理解はあるので、そう返す他ない。

 

 ……そして、校庭の8割が5秒間ほど沈黙した。

 

『『『『『『『『『『『えええええええええええっ!?』』』』』』』』』』

 

「またこれぇ!?」

 

 心外である。

 

「言っとくけど、俺も性欲の一つぐらいあるよ!? 非童貞だよ!?」

 

 童貞卒業の相手を変態3人に紹介できる時点で、童貞の可能性は低いと何故気づかない。というより、つい先日に童貞を卒業していると言ったばかりではないか。卒業の仕方は最悪なのは言ってないが。

 

 そう不満を込めて反論するが、そういう問題ではない。

 

 というより、校庭中で何やら歓喜の雄叫びが響き始めている。

 

「井草さんが、自分の欲求を出すようになったぞ!!」

 

「あの井草さんが! 自分のことが大嫌いっぽい井草さんが!」

 

「皆! 胴上げだ!!」

 

「また胴上げぇええええええ!?」

 

 思わず井草は全力疾走で逃亡した。

 

 そして5分ぐらいかけて逃亡し、最後に体育館の屋根に上ると、一息ついた。

 

 まさか、自分の欲求を少し出しただけでこれとは思わなかった。大騒ぎにもほどがあるというものだ。

 

 それほどまでに、井草のいつもどおりは周りの皆の心配を生んでいたのだろう。

 

 心底反省する。

 

 反省する。しかし、それと同時に少し怖くなってしまう。

 

「……伊予と五十鈴の事、知らせた方がいいのかなぁ」

 

 駒王学園の人達は、井草が4年前に何をしてきたのかを知らない。だからこそ、井草を評価している節もある。

 

 嫌われるのは怖い。追い出されるのはやはり怖い。だが、皆に真実を伝えずに持ち上げられるのは、少しだけ罪悪感を感じてしまう。

 

「伝えた方が、いいのかなぁ」

 

「……その時は、弁護ぐらいはさせてもらいますぜ」

 

 まさか返答が返ってくるとは思わず、井草は慌てて振り返った。

 

 そこにいるのは、体操着姿のリム。そして、後ろにはニングもいた。

 

「2人とも、何時から?」

 

「何やらフリークライミングをしている姿を見かけたので、ちょっくら追いかけさせてもらいやした」

 

「ビックリしたのです」

 

 どうやら心配を掛けさせてしまったらしい。

 

「あ、なんか……ごめんね?」

 

 思わず謝ると、ニングは静かに怒り顔になった。

 

「そういうところは治すのです」

 

 そう言って、ニングは人差し指を井草の口に押し付ける。

 

 そして、少し困り顔になって叱責した。

 

「井草さんはしっかり苦しんだのです。そして、反省して立ち直ったのです。だから、井草さんは自分の事をもっと許していいのです」

 

 その言葉に、井草はもう申し訳なく思わない。

 

 そうだ。イッセー達は井草を認めてくれた。罪を償ったと思ってくれている。

 

 そう思わない者もいるだろう。井草を嫌ってしまう者もいるだろう。

 

 それでも、井草を赦してくれる人はいるのだ。

 

 だから、それに恥じない生き方をしなくてはいけないだろう。

 

「うん、そうだね」

 

 その言葉に、ニングはほっとしたように表情を緩める。

 

「よろしいのですよ」

 

 それに井草もまたほっとして、しかしふと気になる事が生まれた。

 

 そういえば、そもそもだ。

 

「……なんで、再会した時から俺の事を気遣ってくれるんだい?」

 

 そう、そこが気になってしまう。

 

 井草は堕天使だ。ニングとリムは、教会側の勢力だ。

 

 本来、敵対しているのだ。共闘こそ何度もしたが、それもたまたまの側面が強い。

 

 そんな時期からですら、ニングは井草に気を使ってくれた。井草のことをたしなめてくれた。

 

 そんな立場の者だったからこそ通ったものもあるが、しかし本当ならおかしな話である。

 

 そして、ニングはというと―

 

「……ぅう………っ」

 

 何故か、顔を赤らめてしまった。

 

 そして、リムその後ろではニヤニヤとしていた。

 

 ……井草は、深入りしてはいけないと判断した。

 




徐々に縮まっていく、ニングやリムとの井草の距離。

さて、2人は井草のヒロインになることができるのか!?

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