混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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5話

 

 なんとなく悪魔同士の会話に混ざるのも気になったので、井草は外に出て缶ジュースを買ってくることにした。

 

 で、戻ってきたら何やら大変なことになっていた。

 

 というか、顔面に塩がたたきつけられた。

 

「はうぉわぁあああああああ!?」

 

「あ!? ごめんなさいね、井草さん」

 

 堕天使嫌いの朱乃が素で謝るぐらいのジャストタイミングだった。悶絶ものだった。

 

 顔面に見事に塩が直撃した。クリティカルヒットである。痛恨の一撃である。

 

 三分ぐらい悶絶し、アーシアが持ってきてくれた水で塩分を流してようやく一息付けた。

 

 いかに井草とてさすがにムッとする。かつての罪を償われたといった者たちにこの仕打ちを受けるのは、実にキツイ。

 

 なので流石に反感を抱いた顔で軽くにらむ。

 

「酷くない? 罪を償ったって認識してくれてたと思ったんだけど!?」

 

 朱乃にさすがに不満を言う井草だが、しかしなぜか頭を下げたのはアーシアだった。

 

「すいません井草さん! 私のせいで―」

 

「え? かけたの朱乃ちゃんだよ?」

 

 それで何でそういう展開になるのか。

 

 まったくわからないが、イッセー達はアーシアに意識を向けていた。

 

「気にすんな! アーシアは悪くない!!」

 

「ああ、塩をまくのは朱乃副部長の当然の判断だ!!」

 

 イッセーとゼノヴィアなど、ものすごい勢いである。

 

 だが、それはそれとして井草としては不満がある。

 

 少なくとも、罪を償ったと判断した彼らが、井草にこんな仕打ちをするのは理不尽ではないだろうか?

 

 そこに気づいたのか、リアスが苦笑しながらも不機嫌な様子を見せるという荒業を叩き込んできた。

 

「ごめんなさいね。ディオドラがあまりに悪趣味だから、塩をまくことにしたのよ」

 

「な、なにがあったのさ?」

 

 気になって聞いてみたが、確かにリアスたちが怒りそうな展開だった。

 

 まずこのディオドラ、アーシアと自分の眷属をトレードしようと言い出した。

 

 この時点で、眷属をモノ扱いする風潮かつ、好きな相手をその様なやり方で手に入れようとする考えにリアスが怒りを示した。

 

 その反応を見て、ディオドラはさらに神経を逆なでするようなことをする。

 

 あろうことか、次のレーティングゲームの勝敗で賭けを行ってきた。その勝敗でアーシアのトレードの了承を行ってきたのだ。

 

 好きな女をモノ扱いするような態度に、その場で殺し合いが勃発してもおかしくない空気になったのは言うまでもない。

 

 しかもディオドラはその口でアーシアに愛をささやいて、すり寄ってくる始末。

 

 当然だが、イッセーはかなりキレた。そしてディオドラの腕をつかんでにらみつけるというまねすらした。

 

 そしてそのうえでディオドラはこう言い放ったのだ。

 

「下賤な下級悪魔ごとに触れられるのは不愉快だ」と。

 

 今度はアーシアが珍しく怒り、ディオドラを平手打ちにするという事態が勃発した。

 

 しかしディオドラはにこやかなままで、あろうことかイッセー達に惑わされているという始末。

 

 そしてアザゼルが連絡を聞いて、試合がちょうどディオドラとリアスになったのだ。当然戦意は抜群である。

 

 で、ディオドラが退出した後に塩をまけという話になった。そして、まいたタイミングで井草がドアを開けて、塩が直撃したのだ。

 

「……ねえ、まさかと思うけどディオドラが上級悪魔の平均ってことはないよね?」

 

 心底不安になるが、リアスも苦労した表情になった。

 

「流石にライザーの方がましってところね。上級悪魔の中には他種族からの転生悪魔や下級中級を差別するものも多いけど、あそこ迄なのはそこ迄……いないと思いたいわ」

 

「完全否定してよ」

 

 心底からそう思い、井草はそうぼやく。

 

 ここまでひどいのが割といるというのか。大丈夫か悪魔業界。

 

 心の底からそう思い、井草はため息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜、井草は一人ディオドラの眷属の資料を見つめていた。

 

 流石にディオドラにアーシアを差し出すという真似は看過できない。そんなことになってもアーシアが幸せになるとも思えない。そもそもアーシアの想い人はイッセーなのだから、方向性が真逆のディオドラは無理がある。

 

 うっかりテンションに任せて賭けを飲んでしまったリアスやイッセーには後で苦言を呈す。しかし今更なかったことにするというのは、話に聞くディオドラの性格からして望み薄だろう。

 

 なので少しぐらいは尽力できればと、井草もいろいろと調べてみたのだが―

 

「なんかこれ、妙だな」

 

 ふと、違和感を覚える。

 

 かなり精密に情報が書かれた眷属の情報ではある。

 

 少なくとも、悪魔になってからの情報は精密だ。此処の能力はもちろんのこと、それ以外にも日常生活についても詳しく書かれている。

 

 これだけで書いたものの性格が知れる。プライベートというものを、一切気にしていない書き方。この悪魔たちのことを道具程度にしか思っていない、人権を考慮しない書き方だ。

 

 この時点で井草はディオドラに勝たせるわけにはいかないという結論に至る。

 

 だが、井草はどうしようもない。何もできはしない。

 

 レーティングゲームの勝敗で賭けを成立させた以上井草は眷属悪魔ではないのでかかわれない。残念なことに、井草が常時イーツになってしまっている以上、眷属としての駒価値は五では済まないのでリアスの戦車の駒も使えない。

 

 そして、これはどうすればいいのか本気で気になってしまう。

 

 そして悩んで首をかしげていると、廊下の向こうからがやがやと音が鳴り響く。

 

「あ、井草さんの部屋なの、ここ?」

 

「おやぁ? お悩みのようすで、どないしましたか?」

 

「イリナさんにリムも、ちょっとぶしつけすぎなのですよ?」

 

 と、天界・教会からの派遣組が顔をのぞかせる。

 

 どうやらドアを開けたままだったらしい。悩んでいる様子を気づかれて、のぞき込まれてしまったようだ。

 

 まあ実際のところ、井草の部屋は見られて困るようなものはない。家具に関しても基本的なもの一式だ。趣味的なものも自罰的なありかたゆえにろくにない。ギャルゲー主人公の部屋の方が、まだ凝った部屋になっているだろう。

 

 直すべきだとは思っているのだが、さすがに一週間やそこらでは治らないというものである。

 

 まあ、今回はそれに助けられたようなものなのだが。

 

「ああ、リアスちゃんとディオドラのレ―ティンゲームで、情報戦ぐらいは役に立てないかと思ってね」

 

「ああ~。結構質の悪い輩だそうですなぁ」

 

 直ぐに気づいたのか、リムが苦笑しながらぽんと手を打つ。

 

 ニングとイリナも思い至ったのか、不機嫌な表情になった。

 

「とてもほめられた人格には思えないのです」

 

「ホントよ! 好きな人を何だと思ってるのかしら!?」

 

 まったくもってその通りだが、井草はなんだか嫌な予感がしてならない。

 

 そもそも、第一印象からして最悪だ。

 

 あの時点では特に悪辣な真似をしてなかったのにもかかわらず、井草はディオドラにナイアルのような印象を抱いていた。

 

 あの時は失礼なことを想ったとすら思ったが、今ではそう思ってしまうことに違和感を覚えない。

 

 何か嫌な予感がする。しかし、それを形にするには何かが足りない。

 

 ピースが足りない。証拠が足りない。物的な根拠になるものが、決定的に足りていないのだ。

 

 そういうわけで、ダメもとで井草は相談してみる。

 

「あのさ、このディオドラの眷属たちなんだけど、何かわかることないかな?」

 

「え? どういうこと?」

 

 と、のぞき込みながらイリナが首をかしげる。

 

 とはいえ、井草も感覚的なものなので、詳しく説明することはできないのだ。

 

 さてどうしたものかと首を傾げ、しかしふと気づく。

 

 同じように興味深げにのぞき込んでいるリムとは別に、ニングが険しい表情でその資料を見ている。

 

 そして、真剣な表情を井草に向けた。

 

「井草さん。この人、本当に転生悪魔なのですか?」

 

「え、あ、うん。確かにそうだけど?」

 

 ディオドラがトレード用に持ってきた資料なのだ。間違っているとは思えない。

 

 それを聞いて、ニングはさらに詰め寄った。

 

「転生悪魔になる前の情報は、ないのですか?」

 

「……そういえば、ないね」

 

 言われてみると、すごく気になるものだ。

 

 転生悪魔になった後の情報は、個人のプレイべーとを無視したレベルで書かれている。詳細にというレベルを超えたレベルでだ。

 

 だが、転生悪魔になる前の情報が一切書かれていない。

 

 転生直前の職業すら、書かれていなかった。

 

「そういや、この情報は不自然にばらつきがありやすねぇ」

 

「そうね。っていうか、眷属を何だと思っているのかしら?」

 

 けげんな表情を浮かべるリムに同意するように、イリナが不機嫌な表情を浮かべる。

 

 それは当然の不満だったが、ニングはそれに頷かず、言葉を紡いだ。

 

「何とも思ってないのかもしれないのです」

 

「「「え?」」」

 

 やけに確信した言葉に、三人がニングに視線を向けり。

 

 そして、はっとなった。

 

 ニングは、心底からの警戒の表情を浮かべて、その資料を凝視していた。

 

「すいません。ちょっと手伝ってほしいことがあるのです」

 

「……何かな?」

 

 どうやら、この資料はアーシアの将来以上に重要な何かが隠れているようだ。

 

 その核心を覚えた井草にまっすぐに視線を向けて、ニングは汗を一筋流す。

 

「この人。どこかで見た覚えがあるのです」

 

 

 

 

 

 

 




ディオドラのせいで顔面が大変なことになった井草。井草のディオドラに対するヘイトが上がった!


そして、微妙にですがここからの展開が変わっていきます。
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