混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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はい、こっからややこしいことになってきますよー。


8話

 

 イッセーたちが神殿に到着したころ、通信機から通信が届く。

 

『―お前ら、無事か!?』

 

「アザゼル!? これはどういうことなの!?」

 

 通信機から漏れるアザゼルの声に、リアスが怒鳴りつける勢いで詰問する。

 

 当然といえば当然だ。オーディンの話によれば、どうもディオドラの内通はある程度予測されていた節がある。

 

 にもかかわらずこの事態。どういうことかと聞きたくなるのは当然だろう。

 

 そして、アザゼルもそのあたりは想定の範囲内だったのか、静かに語りだす。

 

『イッセーがヴァーリに、ディオドラについて忠告を受けた件は知っているな? その時点でディオドラが禍の団に内通していることはほぼ確定していた』

 

 その言葉に、イッセーたちがわずかに息をのむ。

 

 そして、アザゼルは追加で驚くべき報告を告げる。

 

『そしてこちらはこっちの想定外だ。ビルデ・グラシャラボラスがクーデターを引き起こした。それに呼応してビィディゼ・アバドンを筆頭とするレーティングゲームのトッププレイヤーが賛同してやがる』

 

「……なんですって!?」

 

 その言葉に、リアスは本心から絶句した。

 

 ビルデ・グラシャラボラス。リアスたちと同時期のレーティングゲームにて、若手最強と称されたサイラオーグ・バアルを圧倒した若手の規格外。

 

 ビィディゼ・アバドン。レーティングゲームのトップランカー。三位の地位に立ち、魔王クラスとすら称される最強格の純血悪魔の1人。

 

 この冥界でもトップクラスの知名度を発揮しているだろう二人が、冥界でクーデターを起している。

 

 その事実に、リアスはアーシアのことを一瞬忘れるほどに驚愕してしまった。

 

『……そっちのクーデターは、旧魔王派が逃れた辺境側に集中し、同時に数多くの下級や中級悪魔……転生悪魔じゃない純血悪魔の類が移動してやがる。大型の空飛ぶ機械の船が現れて、そいつらを輸送しているそうだ。護衛はイーツだとよ』

 

 どう考えてもムートロンである。そんな超科学文明はムートロン意外に考えられない。

 

 まさかの二正面作戦に、リアスたちは歯噛みする。

 

 それはアザゼルも同意見だったのか、通信越しですらしたうちの男が聞こえてくる。

 

『とにかくだ、旧魔王派が俺たち首脳陣の抹殺をもくろんでテロを起し、そこをついてビルデがクーデターで戦力を確保っつー考えだろう。おそらくどっちにも切り札がある。……どうやらこの戦い、カウンターのつもりが後手に回っているな』

 

「……先生! そんな事より、アーシアがさらわれたんです!!」

 

 イッセーはそういうほかない。

 

 確かに、ビルデが起こしたクーデターは緊急レベルというほかない。

 

 だが、それと同じぐらいアーシアの身も危険だ。そちらをまずどうにかしなければならないだろう。

 

 アザゼルも想定外だったのか、再び舌打ちの音が聞こえてくる。

 

『そうきやがったか! ……だが、そっちには別動隊が向かっている。おまえらは神殿内部の避難スペースに避難を―』

 

 アザゼルはそう言ってくるが、しかしそれは聞けない相談だ。

 

「いえ! 俺たちが助けに行きます!!」

 

『……状況、わかってて言ってんのか?』

 

 通信機越しから怒気が漏れるが、しかしイッセーは引く気はない。

 

「半分も分かってないです! だけど、アーシアは俺たちの大事な仲間です! 俺たちが助けに行かないで、どうするんですか!!」

 

 その言葉に、リアスたちも皆頷く。

 

 誰もが、仲間の救出を誰かに任す気はなかった。

 

「そうね。私の眷属を奪い、レーティングゲームを汚したディオドラをそのままにするのは我慢できないわ。これはグレモリー家次期当主としての決定よ」

 

「先生? たしか、わたくしたちは三大勢力で不審な行為を行うものに実力行使をしてもいい権限がありますわ。今がまさにその時ですわよ?」

 

 リアスと朱乃も続き、アザゼルも通信機越しに唸る。

 

 実際、目の前で愚行を行ったディオドラを、処罰権限のあるものが処罰するのは当然の行動だ。ここに関しては何の問題もない。

 

 やがて、アザゼルもため息を漏らして折れた。

 

『へいへい。悪魔らしく口が回るこって。わかった、譲歩する。アーシアの救出には参加してもいい。だが、アーシアを確保したらすぐにお前たちは避難しろ。最低でもアーシアはディオドラから隔離しろ』

 

 そして、静かに一息ついてからアザゼルは告げる。

 

『……ディオドラの眷属の詳細情報を井草たちがつかんだ。アイツの眷属の大半は、教会から行方不明になっていたシスターや聖女だ』

 

 その言葉に、寒気が走る。

 

 ディオドラの腐り果てた性根とその情報で、最悪の方程式が生まれる。

 

 アーシアとの出会い。そしてそこから生まれるアーシアの波乱万丈の人生。それらすべてに、薄ら寒いものが見え隠れする。

 

 誰もが怒りに燃え、震えるが、しかしすぐに鎮静化する。

 

 なぜなら、その誰よりも怒り狂っているものがすぐ近くにいるからだ。

 

「……先生」

 

『ああ、わかってるさイッセー』

 

 イッセーとアザゼルは、お互いが何を言いたいか理解した。

 

『……ディオドラが追撃してきて、かつ投降しないのなら殺して構わねえ。責任は俺がとる』

 

「殺しはしません。だけど、アイツは一生後悔させてやらないと気が済まない……!!」

 

 逆鱗。下位の龍ですら上位の者に追いすがるほどの力を発揮させる、決して触れてはいけない部分。

 

 ディオドラ・アスタロトは、兵藤一誠の逆鱗を踏み抜いた。

 

 そして―

 

「あ、ごめんね? ナイアルさんから邪魔するように言われてるんだ」

 

 その言葉と共に、熱が空から注がれる。

 

 その、殺意のない熱に空を見上げれば、そこにいるのは灼熱の毛皮を纏う、一人のイーツ。

 

「だから、おとなしくしてないなら、殺しちゃうね?」

 

 クトゥグアイーツ。行仁伊予。

 

 龍王とすら渡り合える猛者が、イッセーたちを強襲した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、これで準備は完了したか」

 

 そう告げるのは、ディオドラでも彼の眷属でもなかった。

 

 眼鏡をかけた一人の青年が、アーシアを謎の装置に拘束して、嘆息する。

 

「後は任せるぞ、ディオドラ・アスタロト」

 

「ああ、礼を言うよ、ゲオル……クだっけ?」

 

 忘れかけた名前を思い出し、ディオドラは舌なめずりをする。

 

 そして、アーシアに対してどろどろとした悪意のこもった視線を向ける。

 

 それを見ながら、英雄派の幹部であるゲオルクは内心で吐き捨てる。

 

(まったく。この程度のやつに権力を持たせるとは、シャルバたちもどうしようもないな)

 

 蛇をもってしても、自分クラスの英雄派の幹部なら一蹴できる程度の実力しかない。あのアジュカ・ベルゼブブの親族とは思えない小物。それがゲオルクによるディオドラの評価だ。

 

 シャルバも血筋だけの馬鹿だとは思っているが、ディオドラはさらにその上を行く。

 

 ムートロンとしては使いやすい駒という認識なのだろうが、正直彼らと共闘するのは困ったものだった。

 

 今も嬉々として、アーシアに自分がしたことを喜んで語っている。

 

 ……聞くに堪えない。すぐに帰ることにしよう。

 

 既に仕事は負えている。若干手を抜いたが、自分が作った結界装置は神滅具ですら破壊するのは困難だろう。

 

 ゆえに、問題はないと判断し―

 

「……ディオドラ」

 

「なんだい? ここからがいいところなんだけど―」

 

 愉悦を邪魔され、不機嫌になったディオドラに、ゲオルクは舌打ちと失望の表情を向ける。

 

「気づいてないのか? 直ぐに戦闘準備を取れ」

 

 そういうなり、即座に魔方陣を展開、攻撃魔法を一斉に放つ。

 

 その出力は一つ一つが上級悪魔の全力に匹敵。あたれば最上級悪魔でも負傷は免れないだろう。

 

 その行動にディオドラはけげんな表情を浮かべ―

 

「ディオドラ・アスタロトぉおおおおおおお!!!」

 

 その攻撃をかいくぐって突撃を仕掛ける、イーツ化した井草に面食らった。

 

「な、お前はリアス・グレモリーの―」

 

「同じ穴の狢の俺が言うのもなんだけど―」

 

 ディオドラの言葉を聞く気もなく、井草は踏み込み―

 

「―お前だけは、ぶちのめす!!」

 

 その顔面に、遠慮なく拳を叩き込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 圧倒的な威力で吹き飛ばされたディオドラを、井草は追撃するべく突撃する。

 

 それにあっけにとられたディオドラの眷属が我に返るより早く、ゲオルクは即座に魔方陣を展開。

 

 だが、それはディオドラを助けるためのものではない。井草を屠るためのものでもない。

 

 追撃してくる、新たな敵達に対するためのものだった。

 

「来るぞ、迎撃しろ!!」

 

 放たれる魔法は攻撃ではなく迎撃。

 

 一斉に投射された光の槍を、その魔方陣が一斉に相殺する。

 

「……防がれちゃった」

 

 残念そうな声を出すのは、ガブリエルのAであるミラナ・シャタロヴァ。

 

 そして、彼女を追い抜き拳を構えるのは、ウリエルのエース、ネロ・ライモンディ。

 

「覚悟しな悪党! 聖……拳!!」

 

 聖なるオーラが付与された拳が、ゲオルクに向かって振るわれる。

 

 それをゲオルクは霧を生み出して、防ぎ切った。

 

 十三ある神滅具の一つ、絶霧(ディメンション・ロスト)

 

 強大な結界にして、強大な転移装置である霧を生み出し操る神滅具。上位神滅具の一つと称されるそれは、セラフ直属の転生天使の打撃すら防ぎ切る。

 

 そしてカウンターの魔法が直撃し、ネロはのけぞった。

 

 しかしそれはジャブ。本命である大出力の魔法攻撃がとどめとして放たれる。

 

 しかし、その攻撃によるダメージはネロに先ほどの魔法と同等のダメージしか与えなかった。

 

「神器か!」

 

「その通り!」

 

 その言葉とともに、新たな聖拳が連打で放たれる。

 

 そして、その体の負傷もまた即座に回復される。

 

「カバーをする身にもなってほしいものだ」

 

 軽くため息をついたのは、ラファエルのA、ディートヘルム・ヴァルトゼーミュラ―。

 

 そして、我に返ったディオドラの眷属たちが攻撃を開始しようとし―

 

「あら、させないわよ?」

 

 真っ先に動いた女王の首元に、ミカエルのAであるイリナの光の剣が突き付けられる。

 

 さらに其れに動揺した隙をついて、光の弾丸と魔力弾が牽制のために床に着弾した。

 

「はいはーい! その辺で無理無茶無謀はやめときやしょうぜ~っと」

 

「ディオドラ・アスタロトに従う必要は、ないのですよ」

 

 リム・プルガトリオとニング・プルガトリオの2人の牽制に、ディオドラの眷属たちは動きを止める。

 

 そして、最後に現れた男の放つ攻撃が、ゲオルクですら防ぐのが困難な数値として叩き込まれた。

 

 そしてそれを防ぎ切ったと思ったその瞬間、大気の流れが霧をはぎ取り、あらぬ方向に流していく。

 

「我が霧を!? この大気の流れは、禁手か!?」

 

「―いいや? 俺は禁手を使う相手は選ぶ主義なんだよね?」

 

 驚愕するゲオルクにそう答えながら、ジョーカー、デュリオ・ジュズアルドが姿を現す。

 

 そして、涙を流すのも忘れて唖然とするアーシアにほほ笑んだ。

 

「この調子だと、知られちゃったみたいだね。だけど大丈夫、俺たちが来たからにはあいつらしっかりボコっとくからさ?」

 

「その通りよ!! 安心して、アーシアさん!!」

 

 デュリオに続き、イリナもまた声を張り上げる。

 

「私達が来たからには、もう大丈夫!! ディオドラ・アスタロトなんてボコボコにしちゃうんだから!!」

 

 そしてさらに視線をディオドラの眷属たちに向ける。

 

「あなた達もよ!! ディオドラなんかに従う必要はないんだから、投降して頂戴!!」

 

 その言葉に、戸惑うものもいたが戦意を絶やさぬものもいた。

 

「ふざけるな! 我々を舐めるのもいい加減にしろ!!」

 

「そうだ! ディオドラ様に恥はかかせられん!!」

 

「転生天使たちは私達が倒すんだから!!」

 

 その敵意に満ちた言葉に、デュリオは軽くため息をつく。

 

「あーうん。ま、そう簡単に説得するのは難しいんだろうね。でもさ?」

 

 そういいながら、デュリオは両手から大量のシャボン玉を生み出すと辺りにばらまいた。

 

「―それが、本当に大切なもんなのかは試させてよね?」

 

 そして、シャボン玉は辺り一面に広がり、その場にいる者たちに触れ手ははじける。

 

 そして、ディオドラの眷属たちは皆が一様に涙を流した。

 

「あ……あぁ……」

 

「……え? なん……で?」

 

 その涙は、悲しみなのか喜びなのか。

 

 その光景を見て、ゲオルクはけげんな表情を浮かべる。

 

「これは……? 精神干渉の禁手か何かか?」

 

「いや、ちょっと違う。これはただの応用技だよ」

 

 ゲオルクの推測を、デュリオは否定する。

 

「これはね、触れた人の大切な思い出を思い出させる技さ」

 

 そして、デュリオはしずかにディオドラの眷属たちに微笑みかける。

 

「悪いようにはしない。天界のジョーカーの名に懸けて誓うよ。だから、シスターだった頃が大切なら、降参してくれないかな?」

 

 その言葉に、ディオドラの眷属たちはほとんどが崩れ落ちる。

 

 崩れ落ちなかった者たち数名も、勝ち目がないと悟や投降の意思を示した。

 

 そして、そこにいる禍の団はゲオルクただ一人。

 

「これは……まずいか?」

 

 想定外の事態に、ゲオルクは舌打ちする。

 

 そして、デュリオは状況がこちら有利に傾いたと確信して、イリナ達の方を向いた。

 

「アーシアちゃんたちを連れて、先にグレモリー眷属の子たちと合流してよ。ここは俺たちで十分だと思うからさ」

 

「そ、そうなのです! 井草さんも心配なのです!!」

 

「そうですな。ほら、行きやがりますよ! そっちもって!!」

 

「任せて頂戴! あ、意外と重い……っ」

 

 そうして、イリナとリムとニングがアーシアを結界装置ごと連れて合流のために先行する。

 

 それを見送りながら、デュリオはゲオルクを向き合った。

 

「じゃあさ、できれば投降してくんない? おれとの相性が悪いのは、もうわかったと思うんだけど」

 

「確かに、これでは逃げるのも困難だな……っ」

 

 じっさい、デュリオはゲオルクに取ってい相性が悪い相手だ。

 

 絶無は優れた防御力を持っている、最硬の神器だ。だが、霧である以上どうしても軽い。

 

 大気の流れにより霧を排除できる、デュリオとの相性はかなり悪い。

 

 加えて、神器そのものが相性を通り越した差を持っているのも事実。それを、ゲオルクは嫌というほど思い知った。

 

「曹操の聖槍に継ぐ、準最強の神滅具、煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)……! まさか、ここ迄とは………っ」

 

 その言葉に、デュリオは苦笑を浮かべながらうんうんとうなづく。

 

「ま、そういうこと。俺もさ? あんたたちが何でこんなことしてるのかわからないけど、あんまり酷いことしたくないんだよねー」

 

 だから、投降してほしい。

 

 そう言おうとしたその時―

 

「―いや、させるわけないでしょ?」

 

 高速で飛来する液体が、デュリオにたたきつけられる。

 

 とっさに氷の防壁で防御したデュリオだが、威力を殺し切れず勢い良く吹きとばされる。

 

「「「デュリオ!?」」」

 

 弾き飛ばされたデュリオに声をかける三人のAを通り過ぎ、突撃するは外套を身にまとった緑のイーツ。

 

「ゲオルク! あんたはそいつら抑えてなさい、適度なところで撤退!!」

 

「了解した。任せるぞ、枢五十鈴!!」

 

 ゲオルクの言葉を背に受け、天界の切り札に襲い掛かるは、ムートロンの飼い犬。

 

 ハストゥールイーツ、枢五十鈴。ここに戦場へと突入。

 




ビルデ、速攻でクーデター。

因みに彼、旧魔王派でも影響力絶大です。シャルバたちの作戦に乗っかる形で、土地と人員を確保しに行きました。

ムートロンとムー同盟で戦力が大幅に上昇したことがあり、イーツを中心とした戦力で作戦行動。純血悪魔の保全を重視した形になります。









そしてディオドラはあっさり眷属を無力化され、井草にぶん殴られました。あと離脱タイミングを間違えて窮地に陥ったゲオルグ哀れ。

デュリオの虹色の希望は、こういう相手には非常に効果的でしょうね。根っこが立派な人物には非常に聞く能力だと思います。






しかし、そうスムーズにはいかせないといわんばかりに、伊予と五十鈴が襲来。

そしてこのマッチメイク、井草がらみでややこしくなる相性の悪い組み合わせなんだよなぁ。
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