混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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フォロー編を含めた話、その二


18話

 

 そして、別口で帰還した、ムートロン先遣艦隊の母船の一つ。

 

 ナイアルが自分の部隊と一緒になって運用する専用の船で、五十鈴は自分が与えられた部屋に一旦戻る。

 

 これからナイアルより先に集まっている部屋に行って、男達の慰み者になりに行くのだ。週に最低一回はしている、いつもの事だ。

 

 戦闘の為に着用していた機能的な服を脱ぎ棄て、男の劣情を高ぶらせる事に特化した煽情的な服に着替え始める。

 

 既に伊予や他の女達は楽しんでいる頃だろう。ナイアルが刈り取った女達を貪る男達の楽しみではあるが、伊予を含めてそれに恐怖や嫌悪感を覚える女は、この船には一人しかいない。

 

 そして、服を着る前に、五十鈴は全裸のままトイレに入る。

 

 そして、数秒後。

 

「……ぅえっ。げぇぇ……っ!」

 

 胃の中のものを全て吐き出し、胃液すら出す。

 

 一分かけて中身を全て吐き出すと、今度は口を漱いでから錠剤を取り出し、それを大量の水で流し込む。

 

 ……数分後。落ち着きを取り戻した五十鈴は、蠱惑的な表情を作りながら部屋を出て、乱交する為の大部屋へと向かう。

 

 そして、そんな中、五十鈴は男に貪られる事ではなく、井草達が強くなっている事を喜んだ。

 

 彼らは順調に強くなっている。井草もまた、戦闘の為の手段を一つ手に入れた。その上、新たなイーツの力も手に入れたのだ。

 

 これは良い事だ。ナイアルの目的の為でなく、五十鈴の願いの為に良い事だ。

 

 井草・ダウンフォールは強くなる。今回の戦いで五十鈴はそれを理解した。

 

 かつて見限ってしまった、中身が格好と釣り合っていない少年はもういない。あそこにいるのは明確ないい男だ。そして、彼を支える仲間達もいる。その上彼らもまた強くなろうとして強くなっているという展開だ。

 

 思わずほくそ笑んでしまい、慌てて表情を戻す。

 

 ばれてはいけない。そうなれば、五十鈴はナイアル達に殺される。

 

 それでは駄目だ。それでは、五十鈴の願いは叶わない。

 

「井草。私は悪党を張らせてもらうわ。だから、あんたは正義の味方をやりなさい」

 

 正義の味方は悪を倒す者だ。そして、拍手喝采されるのである。

 

 そう、だからこそ―

 

「私達を殺しに来なさい、井草。貴方が倒すべき私と伊予(邪悪)は、ここにいるんだから」

 

 だからそれまでに強くなれ。

 

 手加減はしない。遠慮もしない。自分は邪悪であり続ける。

 

 そして最期の時が何時来るのかを愉しみにしながら、五十鈴は男に貪られる為にドアを開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、旧魔王派の襲撃が終わった夜の事だった。

 

 井草は自室で、ベッドの上でぼんやりとしていた。

 

 今日は本当に疲れたと言っていい。人生でもここまで激戦をしたのは初めてだ。

 

 旧魔王派の幹部である、三人の魔王血族。それをかつての魔王クラスにまで強化する、オーフィスの蛇。とどめにムートロンの主力兵器である、エボリューションエキスによるイーツ化。

 

 あらゆる意味で旧魔王派で最強だろう三人だった。イッセーが覇龍にならなければ、全員が生き残る事は不可能だろう。全滅だってありえた。

 

 だが、その戦いで旧魔王派は致命傷を受けたわけではない。

 

 確かに大規模な作戦は失敗した。投入した戦力は四割が撃破あるいは捕縛された。とどめに、これまで旧魔王派を主導していた三人の内、カテレアとクルゼレイは捕縛され即断でコキュートスでの永久冷凍刑。シャルバ・ベルゼブブも作戦を主導していた事と、2人を見捨てて逃げ帰った事が原因で、権威を失墜。ヴァーリはどうやら旧魔王血族でありながら、旧魔王派の指揮などには一切関わらないと断言したらしい。

 

 魔王血族である事を誇りにしながら、魔王としての責務は果たさない。どうやらヴァーリは本当に勝手気ままに行きたいらしい。どうしようもない。

 

 まあ、そういうわけで旧魔王派は大打撃を受けた。

 

 だがしかし、其れ以上の莫大な戦果を敵は上げる事に成功したのだ。

 

 ビルデ・グラシャラボラス・サタンによるクーデター。

 

 それに仕える三人の魔王末裔の存在。

 

 そして王の駒による強化手段の公表。

 

 更には追加で、新たなる悪魔の駒も発表された。

 

 王の駒の安価版とも、女王の駒の上位版ともいえる貴族(ノウブル)の駒。また、出生率を向上させる為、母体としての能力を高める母親(マザー)の駒が発表された。

 

 どちらも、チェスの駒には存在しない物。完全な戦略戦術的な運用を考慮したものだ。

 

 更に、ビルデの領内では既に試験的なテストも終了。それらを千個以上使用しているからこそのあの大勝だと断言されていた。

 

 それだけで、ビルデはレーティングゲームという「ゲーム」ではなく、将来的な各勢力との戦争と、その勝利を見据えた戦略をとっていたという事がうかがえる。

 

 戦争を忌み嫌い、できる事なら和平を望んだ。そして、和平を結び機会を得たと同時に、急速に各勢力との和議を推し進める。種の繁栄は、戦争で減らない以上は自然に任せれば十分だ。

 

 そんな、平和と調和を前提としているサーゼクス達ではやろうとも思わない事を、ビルデはしてのけた。

 

 闘争と勝利を前提とする政策をとったビルデに、多くの悪魔達が「勝利して、肥え太る」未来を見た。

 

 それは、サーゼクス達がとってきた「敗北せず、痩せ細らない」未来とは方向性が異なっている。

 

 そしてその結果、悪魔は明確に二分されたのだ。

 

 中には旧家の者達も数多く参加しており、バアル家の血筋も四割以上がビルデについたとされている。

 

 比率としては6対5で、大魔王派の方が僅かに上。更に彼らはムー同盟に所属する国家から、兵士達を派遣してもらって一気に勢力圏を確保に成功。アクア側の冥界は、その三割を奪い取られる事になった。

 

 ディオドラ・アスタロトの内通による襲撃。そしてビルデ・グラシャラボラス・サタンによるクーデター。

 

 政治家達はその責任を、2人のいた家系から排出された魔王であるアジュカとファルビウムに求めたが、これに関しては残った大王派の重鎮や、サーゼクスやセラフォルーが宥めて収まった。

 

 数多くの技術を生み出した、替えの利かない存在であるアジュカ・ベルゼブブ。冥界きっての軍師であり、こういう状況であるからこそ必要な存在であるファルビウム・アスモデウス。

 

 彼らを排斥するのではなく、彼らに事態解決を担わせる事でこそ、責任を取らせる方法である。そういう事になったらしい。

 

 新魔王派の悪魔達は、その三割以上が疎開として堕天使領に避難したらしい。

 

 不幸中の幸いは、これによって強者育成が重要視された事だろう。

 

 ソーナ・シトリーが提唱する、下級中級が上級と同じような教育を受ける事ができる学園。

 

 本来ならそんなものを認めたくない旧家達ではある。

 

 だが、そうも言ってられない。

 

 強者の育成には時間がかかる。実戦で切り覚えれば早いかもしれないが、其れで生き残れるのはごく一部の例外だけだ。

 

 そんな賭けをするより、まずは一定以上の教育を行うべき。その方が安全に戦力を集める事ができる。

 

 そう考えた旧家達は、レーティングゲームの部門を小さめながらも作る事を認め、代わりにソーナに軍学校化を要求した。

 

 ソーナとしても複雑ではあるが、誰もが通えるレーティングゲームの学校をまず作れるのは僥倖。結果的にこの状況下を利用してその学校の価値を高めれば、旧家が相手でもレーティングゲーム分野の発展を押し切れると判断したらしい。

 

 清濁併せ呑む覚悟を決めたソーナは、それを受け入れて準備を進めている。

 

 何事も、良い事と悪い事がある。これはつまり、そういう事なのだろう。

 

 そして、井草は静かに目を伏せる。

 

 その事も重要だ。だが、井草としてはどうしても身内の心配をしてしまう。

 

 あの後、イッセーは意識を失って搬送された。

 

 もとより禁手になりたてで未熟な使い手。歴代最弱とすら称されるのが、イッセーこと兵藤一誠である。

 

 それが、衝動的にいきなり覇龍を発動させた。

 

 暴走こそ井草のヤケクソじみた機転で止めれたが、寿命の消耗まではどうにもできなかったのだろう。急激すぎる生命力の消耗が、イッセーの意識を失わせたのだ。

 

 そして、その結果はすぐに出た。

 

 余命百年足らず。それが、イッセーが支払った代償だった。

 

 前魔王以上の強さを発揮する、強化された魔王血族。それも、三人がかり。

 

 それらを切り抜けるだけの力を手にしたのだから、当然の代償といえば当然だろう。ましてや、一人は龍殺しの力まで持っていたのだ。下手をすれば逆に負けていた可能性だってある。

 

 だから、これは仕方のない事だと考えるしかないだろう。

 

 だが、それでも―

 

「―それで済ませるわけには、行かないよなぁ」

 

 つくづく思う。自分は弱い。

 

 伊予と五十鈴はEEレベル6,0で、タンニーンが相手でも戦う事ができる。

 

 ムートロンの精鋭は更にその上を行く6,5で、魔王クラスの戦闘能力。

 

 ナイアルに至っては7,5とのことだ。戦ったアザゼル曰く、主神クラスにも匹敵している。

 

 それに比べて、井草はまだまだだ。

 

 井草、デュリオ、ニング、リム、イッセー、リアス、朱乃、祐斗、ギャスパー、小猫、イリナ。以上、合計11人。

 

 桁違いの力を持つとはいえ、魔王クラスに毛が生えた程度の者達三人を相手にするのに、これだけの人数が必要だった。

 

 其の中でも、上位神滅具のデュリオは別格で計算できる。覇龍を発動させたイッセーも、事実上一人でシャルバを抑え込んでいた。

 

 しかし、井草は違う。

 

 イッセーから覇の力を譲渡してもらってすら、一人を抑え込む事もできなかった。完全な総力戦だから勝てたのだ。それも、デュリオがいなければどうなっていたか分からない。

 

 つくづく思う。

 

 力が足りない。

 

 必要なものが、足りていない。

 

 これでは、伊予と五十鈴を取り戻す事などできはしないだろう。止める事すら難しいだろう。

 

 イッセーは二度と覇龍を使うとは出来ない。それに、井草は使う事を受け入れる事もできない。だから覇龍の力には頼れない。

 

 デュリオの存在が運がよかっただけだ。本当なら彼は天界側で仕事をしている以上、そう簡単に協力は仰げない。いないと考えるべきだ。

 

 その状況下で、ナイアルが、伊予と五十鈴を連れて仕掛けてきたとしよう。

 

 ……井草には、勝てるビジョンが浮かばなかった。

 

「ホント、前途多難だなぁ……」

 

 そうため息をつき、井草はとりあえず寝る事にする。

 

 今のまま考え込んでいても、何の役にも立ちはしない。

 

 それなら一回眠ろう。そしてスッキリした頭で考えるべきだ。

 

 もしくはアザゼルに相談して武器を用意してもらうか。武器に頼っているようでは三流だが、しかし悪い武器を使うよりかはいい武器を使う方がいいだろう。

 

 そう思い、井草は睡眠薬を飲んで強引に眠ろうとして―

 

 コンコン

 

 ―そんな、ノックの音を聞いた。

 

 こんな夜更けに誰が来たのだろうか。

 

 と、いうより態々人に会いに行く余裕はないだろう。誰もがイッセーの寿命の急激すぎる消耗にショックを受けているのだから。

 

 そんな形で不思議に思い、井草はドアを開け―

 

「すいやせん。こんな事、井草にしか頼めやしなかったんで」

 

 そう言ったリムが、いきなり井草に唇を押し当てながらベッドまでダイブした。

 




色々いとこじらせている五十鈴。悪にこだわる理由が、皆さんも分かったのではないでしょうか?



それはともかくとして冥界も井草もいろいろ大変です。

冥界は冥界で完全に二分され、井草は井草でリムに襲われ、まさに大混乱ですな。
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