混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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ちょっと今日も変則的にいきます。


2話

 禍の団との戦いは、激化の一途を辿っていると言っていい。

 

 人間世界においてムー同盟は勢力を拡大させつつある。

 

 ストリートチルドレンやホームレス、借金で見持ちを崩した者達といった人生の敗北者を利用して、イーツを増やしているのだ。

 

 それらは軍事的な作戦行動というより、テロじみた作戦に運用される事が多いが、しかしそれゆえに脅威である。

 

 どうも、人間世界の資産家などがより資産を増やす為に、ムートロンの宇宙開拓計画に一枚噛んでいるらしい。そこから出資を得る事で、人生の落後者達に復帰のチャンスを与えているのだ。

 

 実際に成功した者はそこそこ金を貰っているらしい。その上で暴力の快楽に酔いしれ、圧倒的な力への依存が組み合わさった為、軍事力の一端になっている。

 

 更に冥界の広大な土地をビルデ達大魔王派によて確保できた事で、食糧問題などにおいても対処の余地が増えてきた事も大きい。

 

 ビルデは母親の駒を利用して昔から育成したという悪魔達を利用して、それらの開拓を大幅に進めている。

 

 三大勢力が和平を行うのに数百年の年月を掛けている間、ムートロンは水面下で急速に動き、侵略の為の足掛かりを作っていた。

 

 だがしかし。それは、決して完璧ではなかった。

 

 必要とあれば落伍者たる人間を利用する事すらいとわない。被差別対象をあえて作り、彼らを迫害する事で多くの民の安定化を図る。そして神々すらその対象とする。

 

 それは、数多くの良心を持つ者の嫌悪感を生んだのだ。

 

 しかし、素直に投降してそれが上手く行くかどうかも分からない。それがどうしても足かせになる。

 

 そこに対して、幸運の光が与えられた。

 

 乳語翻訳(パイリンガル)。乳と対話する事で間接的に相手の考えている事を把握するという、異次元の発想で産まれた妙技。兵藤一誠だけが使う事のできる、奇想天外な技。

 

 あらゆる読心術対策をスルーし、明確な対策ができていない新機軸の思考把握方法。これに対抗する能力は、現段階において開発されていない。

 

 それはすなわち、今の内ならば、女性限定でいいなら、絶対に自分が嘘をついていないという事を証明する事ができるという事だ。

 

 ゆえに、今ここに禍の団の下部組織ともいえるムー同盟に関わっていた女性中心の団体が、亡命を示したのである。

 

 連絡があってからリアスに協力が要請され、そしてそれをリアスが承諾してから準備を整えるまで数日。この数日で禍の団が脱走を把握している可能性は充分ある。

 

 その所為か、亡命者を受け入れる港では、半径数kmの範囲で警戒網が敷かれ、転移による襲撃も考慮されていた。

 

「……さて、そろそろイッセーが乳語翻訳をしてくる頃かな?」

 

「そうじゃないですか? イッセーくんのいやらしい技が大活躍するなんて、思ってもみなかったです」

 

 と、亡命者との合流場所の近くで警備を担当している井草とイリナが、そうぼやく。

 

 あまり数が多すぎると相手を警戒させるとのことで、井草達はこうして近辺の警備に回される事になった。

 

 それに関しては仕方ないと井草は思おうが、しかしイリナは残念そうだった。

 

「あーあ。改心した禍の団の方々を、天使として許してあげたかったのに」

 

「まあ、それはしなくていいと思うのですよ」

 

 と、同じ警備担当に回されたニングが、イリナをなだめる。

 

 ちなみにリムは、アザゼルと共に別の箇所を担当している。人数的な問題と、いざという時の戦術的な連携を考慮した形だ。

 

 何故かリムがニングのいる班に井草を進めたのでこうなった形だが、どう判断すればいいか、井草は迷う。

 

 なんというか、お互いに理性をフルスロットルにしてなった、セフ〇以上恋人未満な関係。それが、井草・ダウンフォールとリム・プルガトリオの関係である。

 

 すでに何度も逢瀬を交わした。因みに、主導権は状況次第で握る側が変わる関係である。

 

 文字通りその為に生み出されたリムはポテンシャルが高いが、井草も決して負けっぱなしではない。

 

 トラウマ克服の一環として、ピスを中心とする堕天使の女性と関係を持った事は多数だ。

 

 自虐癖が祟って主導権を明け渡すか、奉仕属性が強い方向になったので消極的なプランになったが、ピスは気晴らしになると判断したのか井草と何度もそういう事をしている。

 

 結果、主導権が入れ替わる事が多々あるレベルとなっている。誇るべきか節操無しと自分に呆れるべきか。

 

 まあともかく、どうも井草はリムに気に入られているらしい。

 

 ただし、ベッドを共にする関係にはなってもそこから先には進展しない。

 

 井草も、伊予と五十鈴のことを引っ張っている自覚はある。それが枷になって、リムとの関係が進まなくなっている節はある。

 

 とは言え、その二人があんな事になったのだ。しかも、イッセーとデュリオは匙を投げている。

 

 五十鈴は、デュリオの技をもってしても動揺を示さなかった。伊予はイッセーが聞いた乳の声は異常者のそれだった。

 

 井草は、決して二人を救う事を諦めてはいない。しかし、同時に救えない可能性を理解してないわけでもない。そのどちらかが高いなど、救えない方だという事ぐらいは理解している。

 

 絶対に救うなどという事はできない。それぐらいには、井草はつらい現実を知り、大人のダメなところを持ってしまっている。

 

 だからだろう。自分に好意を寄せてくれたリムとの関係を深めたいと動いた事はある。

 

 その一環として二人でこっそり遊園地に行こうとしたり、食事に誘った事がある。

 

 結果、全部断られた。

 

 どうも、リムは誰かに遠慮しているのか井草との関係をセ〇レ以上にしようという気がないようだ。

 

 しかし、可能性があるとするならば伊予と五十鈴だろう。

 

 だがしかし、変わり果てた二人しか知らないリムが、2人に対して遠慮するだろうか。

 

 それが疑問で、どうしても首を捻ってしまう。

 

「井草さん? ぼんやりしていると大変なのですよ?」

 

 と、ニングにたしなめられてしまった。

 

「ごめんごめん。頼れる仲間がいるからか、ちょっと気が抜けてたよ」

 

 と、言い訳めいた事を言いながら謝ったのだが、それがいけなかった。

 

 ニングは顔を赤くすると、もじもじと照れ臭そうになってしまった。

 

 ………どうも、自分は女殺しの気があるらしい。

 

 まあ、自分でも顔は整っているという自負はある。かつては勉学に実が入らなかった身だが、今では授業を真面目に受けて予習復習もしているので、塾に通うことなく学年上位すら取る事もある。身体能力に関しては上級堕天使との混血なので言わずもがな。

 

 変態三人組の更生を行った功績は偉大である。それ以外の問題解決にも尽力している自負があるし、今更辞めるつもりもない。そういう意味では正義感も強い。

 

 そして三大勢力側唯一のイーツ。しかも受容の器の力もあって、其れなりにレベルの高いイーツでもある。素体の性能も含めれば、相当のエース格とも渡り合えるだろう。

 

 財力についても、危険性が高いと判断された仕事(だと未だに思い込んでいる)ゆえに危険手当は貰っている。それがなくなった後も総督直属なのでそれなりに高給取りだ。とどめに仮面ファイターレセプターのモデルという事で、別途冥界から金が入ってきている。リアスには完全に負けているが、かなりの金がある。

 

 結論してみた。

 

 答えは明快。過去の失態という傷跡さえなければ、井草・ダウンフォールはかなりの優良物件だと自覚できる。

 

 自分のことながら、これは流石に凄いだろうと関心するやら呆れるやら。

 

 ……とは言え、過去の失態が本来致命的だ。

 

 ほぼ強姦と言ってもいい行動。この事実があれば、大抵の女性は敬遠するだろう。そして、それを隠して付き合うような不誠実な真似を、井草はする事などありえない。

 

 だがしかし、リムはそれを知ったうえで井草を許している。

 

 そういう意味では最大のハードル……もとい、ガントリークレーンを飛び越えているのだ。自分で言うのもなんだが、凄まじい事である。

 

 そして井草も、リムに対して好意を抱いている自分に気づいている。

 

 人生最大のトラウマを癒してくれた1人。そういう意味では、そりゃ惚れるだろうと普通に思う。

 

 そして、つらい出生を持ち、それを自覚しながらも前向きになれる心の強さ。これもまた、井草からすれば惹かれるものだ。

 

 正直、お互いに時間が少なすぎるとは思う。だがしかし、関係を深めたいとも思う。

 

 しかし、同時にリムが一線を引いてくれている事に感謝の気持ちもある。

 

 シャルバ達によるレーティングゲーム襲撃。そして、そこに支援として参加した伊予と五十鈴。

 

 二人はそれぞれデュリオとグレモリー眷属にぶつかり戦闘を行った。そして、伊予にはイッセーが乳語翻訳を使い、五十鈴もデュリオの虹色の希望をもらうことになる。

 

 その二つは、説得において非常に優れた能力を持つ。

 

 方や、読心術対策すら突破して相手の本音を聞き出せる魔力運用法。方や、様々な事情により意外と忘れやすい、当人にとって本当に大切なものを思い出させる神器運用法。

 

 どちらも説得の余地がある相手に対しては有効だ。イッセーの乳語翻訳は、相手の本心を知れるから、いやいや闘っていたり複雑な事情があればそれを知ってとっかかりにできる。デュリオの虹色の希望は、会心のきっかけになりそうな事を忘れていたものがあるなら、絶大な効果を発揮する。

 

 だがしかし、2人には効かなかった。

 

 伊予は、本心から今の状況を楽しんでいると胸の内が語った。五十鈴は、大切なものがあるからこそ、悪をやっていると言い切った。

 

 イッセーとデュリオが井草を止めたのも当然だ。伊予と五十鈴は、手遅れだと言われてもおかしくない。

 

 それは、分かっている。それでもと、思っている。

 

 だがしかし、井草は殺す覚悟も決めている。

 

 殺してでも止めたい。できる事なら、救いたい。

 

 そんな矛盾する井草の心は、縋れる何かを求めているのかもしれない。

 

 そんな心情から生まれた恋心は、すなわち二人の代わりとなる癒しを求めている事に他ならない。

 

 それはリムにも失礼だ。井草は心からそう思う。

 

 だから、リムが一線を引いてくれることは嬉しいのだが―

 

「―それが理由じゃ、ないんだろうなぁ」

 

「え? どうかしたんですか?」

 

 ぽつりと呟いた言葉をイリナに聞かれるが、井草は適当に誤魔化した。

 

 確かにリムなら気づいていてもおかしくないが、しかしそれだけとも思えなかった。

 

 なんというか、こちらに対する気遣いというか、誰かに対する遠慮というものを感じてしまう。

 

 まったくもって自信はない。なにせ、井草は自分が伊予と五十鈴に好かれていた事に気づていなかったのだから。恋愛方面でポテンシャルはそこまで高くないと自覚している。

 

 だから、本当にどうしてか分からずに―

 

「あの、井草さん」

 

 と、そこでニングが井草の袖を引っ張った。

 

 井草は思考を中断すると、ニングに微笑みかける。

 

「あ、なにかな?」

 

 聞いてみると、ニングはすこしもじもじしながら俯いた。

 

 ……トイレかとも思うが、しかし聞くわけにはいかないだろう。それはデリカシーがない。

 

 とは言えその可能性は低いだろう。其れなら同性であるイリナに言うのが当然だろう。

 

 となればどういう事なのだろうか。何やら恥ずかしそうなのだが―

 

「こ、こんど、一緒の買い物に付き合ってほしいのです」

 

 ―と思った瞬間に、そんな事を言われた。

 

 落ち着け、落ち着くのだ。冷静になれ、井草・ダウンフォール。

 

 これはあれだ。荷物持ちだ。

 

 もしくはあれだ、男避けだ。

 

 勘違いをしてはいけない。リムとそういう関係になっている井草は安全牌だと判断されただけだ。

 

 井草はそう自分に言い聞かせる。

 

 リムとそういう関係になりたいと思ったその時点で、井草はもっとこの事実に気づくべきだった。

 

 ……その条件はニングも同じなのだ。

 

 いかん、おちつけ、冷静になれ。ステイ、待て、お座り。……最後は何か違う。

 

 とにかく井草は冷静になろうと努力する。

 

 それは流石に無節操だろう。リムとそういう仲になりたいという感情ですら、一種の逃避の可能性があるのだ。

 

 それが、ニングが買い物の手伝いを頼んだ程度で一気に揺らぐなど男として最低だろう。

 

 とにかく勘違いをするな。これは断じてアレではない。

 

 そう、アレではないのだから―

 

「あら、あらあら! もしかしてデートのお誘い!?」

 

 イリナが余計な事を言って、井草が思考ですら言葉にしなかった単語を言い出した。

 

 さてどうしたものか。

 

 井草は渾身の精神力で、それをイリナの勘違いだと断定。自身の思い違いを全力で投げ飛ばそうとして―

 

「………ぁぅ」

 

 ―滅茶苦茶恥ずかしそうなニングの様子に、可能性がでかいと否でも認識を改める事になる。

 

 いかん。これはいかんぞ、井草・ダウンフォール。

 

 自分はこんな無節操な男ではないはずだ。いや、堕天使はハーレム作ろうが問題ないが。

 

 とはいえ、ニングもリムも信徒である。いや、ニングは悪魔でもあるが。しかし悪魔でありながら信徒である。

 

 そんな信徒を誑かすなどいかんだろう。しかも恩人である。

 

 信徒を誑かして越に浸るディオドラとの一件があったばかりでもある。ましてや井草は貞操観念関係でやらかしてトラウマである。拒否反応が強い。

 

 ゆえに、リムに惹かれている自分がニングにまで惹かれるなどというわけにはいかないだろう。

 

「あ、ゴメン。そういうのは祐斗くんに頼んだ方がいいと思うよ?」

 

 などと、あたりさわりのない返事で断ろうとするが―

 

「駄目よ、井草さん! 井草さんも負けてないんだから自信もって! 決心したニングさんがかわいそうだわ!!」

 

 ちょっと黙っててくれないかな、この駄目天使! 略して駄天使!

 

 井草は心から罵倒したが、口に出すのだけは渾身の精神力で抑え込んだ。

 

 とにかく状況を何とかしないといけない。っていうか、今は仕事中である。いつ襲撃が来るか―

 

『こ、こちらギャスパーですぅうううう! 禍の団の英雄派が亡命者をどうにかしに来ましたぁあああ!!!』

 

 グッドタイミング。

 

 井草は不謹慎ながら、心から禍の団に感謝した。

 

「敵襲! 行くよ皆!!」

 

 井草は凄まじく話を逸らせる事に感謝しながら、全力で駆け出した。

 




ニングに高位を向けられていることを否でも自覚した、井草。

しかし、幸か不幸か敵襲が来ましたのでとりあえず話をいったん打ち切ることに!!

さて、敵の襲撃の目的は、一体なんだ!?
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