混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E 作:グレン×グレン
低評価される前にリターンしてもらうのもかねて、最上部に前半のあらすじかいてるのに、どうしてこうなったOTZ
バラキエル。
雷光の力を持つ凄腕であり、単純戦闘能力なら神の子を見張る者でも随一だ。
ドMという救いがたい
そんなバラキエルだが、娘に関しては実に色々と複雑な関係だ。
井草が駒王町に派遣されてきたのも、バラキエルの娘である朱乃がリアスの眷属になった事が原因である。バラキエルが心配で心配で堪らないから、監視役を派遣するという話になったのだ。
……実際には、それをダシにして井草を危険に見えて実は安全な任務に送り込むという策ではある。しかし、井草は知らないのでこれは飛ばしていい。知らぬは当人ばかりなり。
で、バラキエルは朱乃が嫌っている事もあり、駒王町には基本的に近寄らなかった。
しかし、それをあえてやめて、こうして来た理由がある。
その理由は―
「ほっほっほ。また会ったの、赤龍帝にサーゼクスの妹よ」
―目の前の老人にある。
北欧神話体系、アースガルズ。そのアースガルズの首脳陣であるアース神族の長、オーディン。
それが目の前の老人である。
なんでも、来るべきムートロンの本艦隊に対抗するべく各勢力で和平が進んでいるらしい。こといがみ合いの関係から和平を結んだ三大勢力が、その仲介を行っている。
その一環として、アザゼルの仲介でアースガルズは日本神話と和議を結ぶことになったのだ。
もとより日本神話はその手のことで穏健派が多い。駒王町にある神社も、管理者がいなかったこともあるが朱乃が管理をして一時期住んでいた。和平ムードが始まる前から、日本出身の神の子を見張るもののエージェントに、初詣をさせてくれる神社まであるなど、鎖国で有名な日本だとは思えないぐらい緩い。
むしろ鎖国的なのは、人間側の異形勢力である五代宗家だ。外来の者たちはもちろん、内部のイレギュラーにも敏感だったらしい。件のバラキエル教室の者たちも、そのあおりを受けた形で異形たちとかかわることになったらしい。
とにかくそういうことで、オーディン神は来日が決定していた。
其のため護衛も必要だと判断されている。こと、ムートロンの精鋭はたった二人掛かりでオーディン神と互角に渡り合い、決着がつかなかったほどの戦力だ。それなりの護衛が必要だろう。
その護衛として呼ばれたのがバラキエルだ。魔王クラスのバラキエルでなければ、護衛にならないともいえる。
そして、本格的に会談が始まるまでの間、イッセーたちを護衛の一環にすることにしたらしい。
ムートロンの幹部クラスが相手では足手まといになりかねないが、あちらも雑兵を用意してくるだろうことは想像に難しくない。そちらの担当も必要だ。
それに関してはグレモリー眷属が適任だと判断されたようだ。ちょくちょく英雄派やムートロンは各地でテロを行っているので、大人の精鋭は動きづらいのだ。若手でこれができて日本出身で、かつオーディン神と接触しているイッセーやリアスがいるここが一番だと判断されたそうだ。
そんなわけで、井草・ニングとイッセー・朱乃のデートは中止。突然来訪してきたオーディン神が悪いともいえる。
しかし、其れ以上に問題なのは朱乃だ。
作り笑顔すら無くして、終始不機嫌。それほどまでにバラキエルが近くにいることが不愉快らしい。確執があるのは井草も知っているが、ここ迄とは予想外である。
そんなわけで、お茶を出すのも今回はリアスであった。
仮にも主にこれを代行させるとはあれである。それほどまでに、朱乃は不機嫌だということだろう。実質的に友人関係なのが裏目に出た形である。
しかし、オーディン神は気にしていない。
事前にその辺の情報を伝えられていたのか。それとも、お茶を差し出す時に見えるリアスの谷間に満足しているのか。
「しかし相変わらずでかいのぉ。眼福じゃわい」
……間違いなく後者だと、井草は確信した。
イッセーが嫉妬にかられて暴れださないことを祈ろう。オーディン神は笑ってノリで済ませてくれそうだが、配下の者たちがいろいろ文句を言ってきそうだ。暴れる前に鎮圧することも考えなければならない。
しかしその前に、オーディン神の後頭部にハリセンがたたきつけられた。
「オーディン様! いくらなんでも失礼すぎます! 相手は魔王ルシファー様の妹さんなんですよ!?」
お付きの女性が正論で叱責する。
仮にも同盟を結んだ勢力の長の妹だ。それを長とは言え、相手が失礼なことをしていたわけでもないのにセクハラじみたことをするのはあれだろう。
だがしかし、オーディンはどこ吹く風だった。
……思わず井草はアザゼルを見た。
そして、ハリセンで叩いた女性に目を向ける。
なんとなく、目があった。
そして、心も通じ合った。
―お互い、本当に大変ですね
―はい、心中お察しします
何かが通じ合った。
だが、それが悪かったのだろう。
考えればすぐにわかることだ。オーディンがアザゼルと似通っているところがあるのなら、ここぞとばかりにからかってくる。本来すぐにわかることだった。
「おいおい井草、ヴァルキリーを目で口説くとかやるじゃねえか」
「そりゃいいわい。こいつはロスヴァイセというんじゃが、彼氏いない歴が年齢じゃからの。もらってやってくれんか?」
テレパシーでもして交信しているのかといわんばかりの勢いで、アザゼルとオーディンが連携でからかってきた。
そして勢いよくロスヴァイセが崩れ落ちて号泣した。
「余計なこと言わなくていいじゃないぃいいいい!!! わたしだって処女を卒業したいのよぉおおおおお!!!」
すさまじく気にしていたらしい。ものすごいことを絶叫している。
だがしかし、これが悪かった。
「あ、ヤベ! 爺さんまずった!!」
「え、何がじゃ?」
アザゼルが驚きオーディンが首をかしげるが、遅かった。
「……失礼、ロスヴァイセさん。貴方は間違っています!!」
井草が見事に暴走した。
童貞や処女の卒業の仕方については、井草はやらかしてしまっているせいで暴走スイッチである。
どうやらアザゼルはテレパシーで念話していたわけではなかったらしい。そのせいで状況がややこしくなってしまった。
そして井草は、ロスヴァイセの肩をつかむと、まっすぐに目を見つめる。
「処女や童貞を卒業するなんて簡単です。少なくとも日本には女性向けの風俗店も存在する。ただ未経験な自分をやめたいだけなら、それで十分なんです」
井草はロスヴァイセの肩をつかみながら力説する。
「それをやれ「絵になる卒業をしたい」だなんて考えて形にこだわってはいけません。重要なのは卒業した上でどうするか、そしてそれらの恥ずかしい真似という意味を履き違えないことなんです!!」
涙すら浮かべて力説した。
「それに俺を彼氏にするのは難易度が高いです、覚悟必須ですからね、覚悟」
「そ、そうですか? 堕天使総督の直轄で、特撮番組の主人公のモデルで、三大勢力唯一のイーツと選ばれたもの的な感じがするんですが―」
「パニック起こして強姦じみたことで童貞卒業しました。……そんな男を彼氏にしたいですか、貴女は」
しかもはっきりと言い切ったほどだ。やりすぎである。
ロスヴァイセも目を丸くして、ぽかんとしている。
そして井草をしっかりと見て、上から下まで確認する。
視線がイッセー達に向けらると、イッセー達はうなづくしかない。
そして、井草に視線が戻る。
「……冗談ですよね?」
「事実です。だからおっぱいドラゴンのレギュラーじゃなくて大人向け番組なんです」
「……あのな、ロスヴァイセ。当人本当に後悔して猛省して、挙句に被害者に「感じてあげればよかった」なんていわれてショックで昏睡状態に陥ったぐらいなんだ。あまり言わないでやってくれや」
井草が肯定し、アザゼルが額に手を当てながらフォローする。
そして、オーディンが珍しく額から汗を流しながら嘆息した。
「まあ、戦士たちが敗者を凌辱するなどという話は昔は多かったしの。儂らアース神族も若いころはヤンチャしておった。……ケジメはつけたのじゃろう?」
そう聞くと、アザゼルはうなづいた。
「まあな。親御さんには事情を説明してぶん殴られた。それに恨むべきはムートロンのナイアルだしよ」
その返答に、オーディンは一つ頷いた。
「なら、深入りはしないでおくかの。おぬしもそれでいいな、ロスヴァイセ」
「は、はい。ちょっと抵抗はありますが……」
流石にちょっと戸惑っているロスヴァイセだが、これに関してはロスヴァイセの反応が普通だろう。
強姦の前科はそれだけ重い。井草もそうだと思っているし、イッセーたちもそれはわかっている。
それで一応話を終わりにして、アザゼルはため息をつきながら話を進めることにする。
「まあ、そういうわけで俺らで面倒を見ることになった。俺はちょっと最近忙しいんで、バックアップ要因はバラキエルになる」
「よろしく頼む。あと、井草が世話になったな」
言葉少なげだが、バラキエルは簡単に挨拶をする。
さらにサラリと井草について礼もいう。ひと悶着起きたときに冷静だったことから見て、彼も井草の事情はよく知っているのだろう。だからこそ、ある意味で出しにされたのだろうが。
とりあえず一息ついてお茶を飲んでから、アザゼルは反目をオーディンに向ける。
「つーか爺さん。予定より早く日本にくんじゃねえよ。おかげでひと悶着起きちまったし、今回はミカエルやサーゼクスの仲介も必要なんだぞ?」
朱乃のことを言っているのだろう。アザゼルは勘弁してくれという表情だった。
実際、娘が男とデートなど、親としては気になる展開だ。ラブホテル街で出くわしたのはトラブルだが、アザゼルもそんな面倒なことをしないように気は使うだろう。本来の予定でブッキングするなら朱乃に忠告ぐらいはするはずだ。
そんなアザゼルの当然の文句に、オーディンは嘆息をつきながらあごひげをなでる。
「実は厄介な奴に非難されておってのぉ。奴が何かする前に日本に向かっておきたかったんじゃよ。
その言葉に、今度はアザゼルが嘆息しながら頭をかく。
禍の団だけでも厄介なのに、他の勢力からもめ事というのは余裕が全く持って足りない。
かといって、散々迷惑をかけた三大勢力である。掌返しで和平を進めたこともあるので、何かあったら積極的に動くほかない。
「おいおい、ヴァン神族とでも揉めたのかぁ? 頼むから
「いや、ヴァンはどうでもいいんじゃがな? まあ、そんなことをここでするのもあれじゃ。ちょっくら日本観光でもするかのぉ」
そのオーディンの言葉に、アザゼルは少し考えこむ。
そして、明らかにいやらしい顔をした。
「因みにどこがいい?」
「おっぱいパブとやらに行きたいのぉ」
とりあえず、アザゼル以外の全員がずっこけたことを追記しておく。
日が変わった深夜になって、井草は兵藤邸に戻ってきた。
アザゼルとオーディンがそろって風俗店に行くというあれな事態。ロスヴァイセはそれでも護衛としてついていくと言い出したので、井草はアザゼルの護衛としてついてきたのだ。
男性向け風俗店に女性を連れて行くなどセクハラまがいである。性犯罪関係でやらかしている井草としては黙っていられず、自分が代わりに行くと言い出したのだ。
で、数店ほど付き合わされて、ようやく帰ってこれたのである。
「つ、疲れた……」
とりあえずダイニングに行って水を飲もうと判断した。
アザゼルとオーディンの会話を聞いたが、どうも今度は寿司を食べにいったりするらしい。あとキャバクラにもいく気らしい。
今後はイッセー達も巻き込まれるだろう。なにせその場所は駒王町の外側だ。仮にも護衛が家に残っているわけにはいかない。
イッセーあたりは嫉妬で狂いそうなので、何かフォローを考えておかないといけないだろう。
そう思いながら、井草はダイニングに入った。
「………朱乃……」
すさまじく落ち込んでいたバラキエルが、水の入ったコップを片手に落ち込んでいた。
姫島朱乃とバラキエルの確執は、朱乃の出生に由来する。
日本の異能者の中でも最大手。国家とすら密接な関係を持つ、五つの異能者の家系。その五大宗家の一つが、姫島である。
ほかの勢力と揉めて重傷を負ったバラキエルは、その姫島の中でも有力の使い手だった姫島朱璃に救われた。
しかし、それはロミオとジュリエットのようなものだった。
当時の五大宗家は非常に排他的で、バラキエルはもちろん、朱璃との間に生まれた朱乃すら嫌っていた。
朱乃が姫島の異能である火の属性があればよかったのだが、残念なことにバラキエルの血が濃く、雷に適性が偏っていた。
それらがこじれにこじれて、バラキエル相手に五代宗家が刺客を放ったこともある。
もっとも、三大勢力でも有数の実力者であるバラキエルはそれをこともなげに撃退した。
が、その後がまずかった。
撃退された五代宗家の刺客は、八つ当たりで堕天使と敵対している勢力にそのあたりの情報を提供した。そしてタイミング悪くバラキエルが仕事で離れることとなる。それが見事に重なったのだ。
結果として、朱乃をかばった朱璃は死亡。そのあと下手人はバラキエルが倒したのだが、そのトラウマで朱乃は堕天使を嫌うようになった。
実際、井草が監視役としてのみの関係で深入りするまでは、朱乃には嫌味を言われる関係だったのだ。井草が自己嫌悪がひどすぎるのでまったく通用しなかったのだが。
最近はだいぶ普通の関係になったのだが、これは井草の事情が明かされたからだろう。それほどまでにナイアルがやらかしたともいえる。
とは言え、これからはそうもいかない。
朱乃から、井草に対しても嫌悪感が向けられていた。当然アザゼルにもだ。
バラキエルとの確執は、それほどまでに根深いらしい。
「あの、バラキエルさん。大丈夫ですか?」
「……井草か。ああ、大丈夫だ」
そう答えるバラキエルだが、やせ我慢なのは誰が見ても明らかだ。
「朱乃と話をしようとしたときに、乳龍帝と出くわしてな。それがきっかけで朱乃から本格的に嫌われたようだ……」
バラキエルはそういうと、更に沈み込む。
どうやら、イッセーに突っかかってしまったらしい。
父親としてはまあ、確かに気にしてしまうのだろう。かなりスケベな性分なので、気になってしまうのは仕方がない。
ちなみに自然と乳龍帝呼ばわりだが、そちらはスルーする。ドライグはイッセーが目じゃないぐらいやらかしているので因果応報ということにしておこう。
「とりあえずイッセーは大丈夫ですよ。確かに一時期覗きの常習犯だったけど」
「そんな男に朱乃を任せられる―」
衝動的に切れそうになるバラキエルだが、井草を見てとっさに踏みとどまる。
それを言うなら井草は強姦犯だ。一度しかしていないのと常習犯とではまた問題にするべき点が違うが、しかし罪の深度で言うなら井草の方が上だろう。
そこで自虐的なモードに入るかと思ったが、井草は自然な表情だった。
「まあ気になるのは当然ですけどね。でも、彼はいい子ですよ」
そう、井草はにっこりと微笑む。
「努力家で仲間思い。名前の通り誠実。悪いと思った時は素直に謝れるのも美徳です。……裏を返せば覗きを大した事だと思ってないわけですが」
最後に問題点を入れるが、しかし井草はイッセーをとても褒めれる。
入学当初19歳の井草は、当然それをばらしたので距離を取られていた。
しかし、イッセー達は気にせず付き合ってくれたのだ。それは間違いなく美徳を持っている証明だろう。
そしてイッセー達を更生させた事をきっかけに、井草は見事に学園で有名人になり、評価されるようになった。
だからこそ、言える。
兵藤一誠に好意を抱いた姫島朱乃は、いい男を選んだと。
「安心してください。彼は一点特化型の欠点こそありますけど、それさえ気にならない人には優良物件です」
「しかし、胸を食するような男を信用していいものか―」
「んなわけないです。どうせアザゼル先生が馬鹿な事言ったんでしょう? そんな事信じないでください」
まったくもって、心配性の親バカである。
「……信じて、いいのだろうか?」
「大丈夫ですよ。彼は、それだけの人物です」
バラキエルに、そう断言する。
そう、兵藤一誠は確かに変態だ。だが、それさえ除けばあれほどの好漢もそうはいない。
だからだろう、なんとなくだがイッセーがいれば大丈夫だと井草は思う。
きっと彼は、この問題もいつか解決してくれるはずだろうと、そう思えた。
「……ビルデ。問題が発生しちまった」
『どうしたのかね、ナイアル殿?』
「スパイからの追加報告で、ロキの研究はかなりやばいレベルで完成しちまってる。しかも俺がやらかしたのが原因でなぁ。ホテップが激怒してるんだよ」
『何をやらかしたのかは聞かないでおこう。で、どうなったのかね?』
「無駄に戦力を消耗したくないから、グレモリー眷属をうまく使えとよ。三つ巴は禁止でロキ撃破に集中しろとか言われちまった」
『よりにもよってあなたを使ってそれができると?』
「代金はもらってるから大丈夫だ。……あと、ヴァーリチームがいらんこと考えてるから便乗しろってよ」
『あいつらはいつもいつも勝手な行動を……っ』
「ま、その分ゲットしたらラッキーな獲物もいっぱいだ。迷惑かけた分そっちにくれてやるよ」
『まあいいか。データを取るだけなら共闘でもできる。それで、その研究成果はどれほどの完成度で?』
「……戦力筆頭を手にしたとよ。こりゃ、死人が大量に出てもおかしくねえぜ?」
しかしなぜ、読みこんでいれば無理だとわかるのに日本神話を味方にしたがるアンチ共は多いのか。原作読んでないアピールして恥ずかしくないのだろうか?
そして三つ巴になるかと思ったら想定外の事態勃発。
全てはロキの研究が進んでるのが悪いんだ!! それぐらいしそうなやつだったんだもん!!