混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E 作:グレン×グレン
くそぉ! お気に入りにしてくれる皆ぁ! おらに評価を(以下略
と、まあ恒例となっている挨拶をしたうえでこんにちわ、グレンです。
フェンリル登場でうまく切った前回。そこからの続きになります。
悪神ロキの生み出した魔獣の中でも最強。其の力は、ギリシャの魔獣達の王、テュポーンと並び称される。
その名を聞き、その存在を認識した皆が戦慄する。
そして、アザゼルは状況を把握しきれないイッセーにすぐに声を張り上げる。
「イッセー、そいつに近づくな!! そいつの牙は神すら食い殺す! おまえの鎧もひとたまりもねえぞ!!」
「嘘でしょぉ!?」
驚愕するイッセーだが、しかしロキはフェンリルをなでながら肯定するかのようにうなづいた。
「その通りだ。全盛期の二天龍とすら渡り合える、我の自慢の息子でな。試したことはないが、どの神話体系の神にすら届くだろう」
そして、その視線は井草たちを値踏みするかのように見渡してくる。
「本来北欧のもの以外に我が子の牙を使いたくないのだが……まあ、これもまたいい経験か」
そんな不吉さが満点の言葉と共に、視線が止まる。
その先にいたのは、リアス・グレモリーだ。
「まずは魔王の血筋からだな。―やれ」
―ゥォオオオオオオオオオオン!!
ロキに応えるかのように、フェンリルの遠吠えがこだまする。
その鳴き声に、皆が一瞬だけだが恐怖に震えた。
そして、フェンリルが駆け出すにはその一瞬で十分だった。
全員の反応が遅れる。否、全員の反応速度を超える速さで、フェンリルが駆ける。
リアス・グレモリーは反応できない。非常に優秀な存在とは言え、今のリアスは期待の若手上級悪魔でしかない。天龍クラスと渡り合うには、何もかもが足りなさすぎる。
だが、天龍なら届く。
「俺の部長に触れるんじゃねえええええ!!!」
イッセーの条件反射じみた拳が、フェンリルに突き刺さる。
フェンリルは素早く回転しながら宙で止まるも、攻撃を回避できなかったことにわずかに驚きの感情を見せていた。
「部長、大丈夫ですか!?」
「え、ええ。大丈夫、イッセーのおかげよ」
その返答にイッセーはほっとし―
「―あれ?」
しかし、視界が歪んで倒れこんだ。
見れば、腹部から血が勢いよく流れている。
そして、フェンリルの前足の爪には血が滴っていた。
あの一瞬のカウンターに、フェンリルはさらにカウンターを合わせてきた。
その事実に皆が戦慄し、しかしその結果にロキは不満げだ。
「一瞬とは言え我が子の動きに追いつくか。赤龍帝、予想以上に難物だな」
「イッセーさん!!」
そのつぶやきを聞かず、アーシアがすぐに駆け寄った回復を仕掛ける。
だが、その動きにロキは不満げな表情を見せた。
「させん。さすがに不確定要素なのでな、ここで始末させてもらう」
「させるかぁああああ!!!」
ロキがフェンリルに指示を出させるより早く、アザエルとバラキエルが攻撃を叩き込む。
だが、ロキはそれを魔方陣で容易に受け止めた。
「北欧の術か! くそ、俺らのところより発達してやがるな、オイ!!」
舌打ちするアザゼルをよそに、今度はロスヴァイセが動いた。
「なら、同じ術式で!」
魔方陣が展開され、そしていくつもの魔法攻撃が放たれる。
だがしかし、その攻撃は横合いから放たれた魔法によって相殺される。
「……させません」
魔方陣を展開したカルネテルが、無表情にそうつぶやく。
しかし、その言葉を紡ぐ隙をついて、井草が駆け出した。
極めて高い敏捷性を持つフェンリルより、それに指示をだすロキを狙う方がまだ攻撃が当たる。
そう判断した井草が、再び攻撃を叩き込もうとして―
「……させないよ」
『フェンリスヴォルフ』
その言葉と共に、フェンリルを人型にしたようなイーツが割って入る。
爪をもってしてアスカロンを防ぎ、空いた腕で井草の腹部に一撃を叩き込むは、ロキと並んでいたアスクと呼ばれた青年。
その動きは非常に早く、井草はロキに集中しすぎて対応しきれなかった。
「ぐ……っ! こいつもイーツ……!」
「カルネテル、やってくれ」
其のまま井草を蹴り飛ばし、アスクはカルネテルに声をかける。
返答は、井草に対する砲撃だった。
そして、それと同時にフェンリルもまた踏み込みを掛ける。
狙いはイッセー。そして、イッセーをかばう小猫とゼノヴィア。
ロキとフェンリル。二つの窮地は確かに脅威であり、対抗できるものなど、一人もこの場にはおらず―
「……敵影確認」
「悪いが、彼は俺の得物なんだ」
「そして、彼は私と戦わなきゃいけないのよ」
新たに表れることはあった。
『Harf Dimension』
『ハストゥール』
フェンリルの空間が歪み、そしてフェンリルの動きを封じる。
対気流の流れが攻撃となって襲い掛かり、カルネテルをけん制する。
双方ともに一瞬で対応し、戦闘態勢をとる。
それを真っ向から見返しながら、白い龍と黄色い外套が、それぞれ助けた者に挨拶を掛ける。
「久しいな、兵藤一誠」
「シャンとしなさい、井草」
「ヴァーリ!?」
「……五十鈴?」
驚愕するイッセーと、ぽかんとする井草。
五十鈴は井草を見ると、呆れたかのように肩をすくめる。
「あんな紛い物のレベル2擬きに負けないでよね。貴方は、私という邪悪と相対する正義の味方なんだから。私を殺す前に他のやつに殺されるとか、ないわ」
そういうなり、五十鈴はロキに視線を向けると、親指を立てて下に向けた。
ぶち殺すぞ、コラ。と態度で見事に示してのけたのだ。
「人の宿敵に手を出さないでくれる? ……殺すわよ?」
「ふっ。出戻りの敗残者に媚びる女が。貴様ごときでに何ができるとい―」
そう告げかけたロキの周りで、紫電が飛び散る。
そして、一瞬で莫大な雷撃がロキを埋め尽くした。
その出力、まさに最上級悪魔クラス。その上、その範囲は広大で、周囲のアスクとカルネテルも巻き込んで動きを封じ、フェンリルにすら届いた。
一瞬で発生したその大規模広範囲攻撃に、その場にいた一同が目を見開く。
「……五十鈴、何をしたの?」
代表して井草が訪ねると、五十鈴はふふんと得意げな態度を示した。
「大したことはしてないわよ。気流操作の応用で、アイツの周りを積乱雲と同じ環境にしただけ」
ふふんと、得意げなのが妙にかわいらしく、井草はぶっちゃけて言うと、萌えた。
俺の幼馴染は得意げなんだ!
などとガッツポーズをしたくなった。
「因みに、大気を圧縮して個体にまで相転移させて武器にすることもできるわ。もちろん気体に急激に戻して、爆弾の代わりにすることもできるの。どう、すごいでしょ?」
そして情報をしゃべりすぎである。
もはや意図的に自分の情報を垂れ流しにしているとしか思えないほどだ。
あれ? 五十鈴ってこんなポンコツだったっけ?
思わず首をひねってしまう井草である。
「……ちなみに聞くが、行仁伊予の能力は何なんだ?」
「伊予はシンプルね。灼熱のエネルギーを運用するだけ。あの子の場合は両手からの砲撃や両手に纏っての打撃が中心……っていうか、それで十分最上級悪魔とも戦えるから、他に手札が要らないシンプルに強いタイプね。私とは対照的だわ」
ゼノヴィアの質問にもあっさりと答えてくれた。
なんというか、沈黙が響く。ヴァーリですら沈黙している。
お前、何考えてるの?
そんな視線に気づいたのか、五十鈴はあたりを見渡すと胸を張った。
「こう言うの、邪悪っぽいじゃない」
形から入るタイプだったらしい。残念である。
「おいおい、おっぱいドラゴンは致命傷かよ!? 強いのか弱いのかわからねえ……って、どういう状況だよ」
筋斗雲に乗ってやってきた美候が、ぽかんとしてしまうのも仕方がない。
そして、強引な魔法の力が大気の流れを強制的に戻し、ロキは雷撃を無効化した。
ロキもカルネテルもアスクも、負傷こそしているが重傷は負っていない。
全員が明らかに強敵。それを改めて思い知らされてくれた。
「ふむ、白龍皇にムートロンの女か」
「ああ、俺は白龍皇のヴァーリだ。―貴殿を屠りに来た」
ロキとヴァーリはお互いに好戦的な視線を向け、敵意を交わし合い―
「今日は二天龍が見られて満足した。ここは退こう」
『『『『『『『『『『ハッ!』』』』』』』』』』
そう言い放ち、配下の返答を聞いてから魔方陣を展開する。
フェンリルもまたロキに並び立ち、空間のゆがみに飲み込まれて消えていく。
そして、アザゼルたちの敵意の視線を受け止めながら、嬉々として両手を広げる。
「この国の神々とオーディンが会談する日にお邪魔させてもらう! オーディン、次が貴様が我が子に飲まれるときと知るがいい!!」
そして、駒王学園の校庭にいったん降り立った馬車の近くで、井草たちはにらみ合いとなっていた。
イッセーは失血多量で失神している。さすがにこれは仕方がない。
今はアーシアと小猫が治療中だ。失った血液は戻せないが、傷の治療と気の流れの調整で持ち直せるだろうと判断されている。
そして、禍の団のメンバーもまた、微妙な距離感だった。
「あらあら。一人だけ派遣だなんて、ムートロンも貧乏くさいわねぇ」
黒歌が、自分達ヴァーリチームとは少し離れたところにいる五十鈴に、厭味ったらしい視線を向ける。
五十鈴はハストゥールイーツを崩さずに、同時に態度も崩さずに肩をすくめた。
「うるさいわよ、駄猫。そっちこそ、すり寄ってきてる大魔王派の連中は連れてきてないのかしら?」
「必要ありません、我らのリーダーはこれ以上の責務を負う気はありませんので」
「そもそも何も背負ってないくせによく言うわね」
アーサーの言葉に、五十鈴はそう皮肉を返す。
明かに、ヴァーリチームと五十鈴たちは仲が悪い。
それも当然といえば当然だろう。
ヴァーリチームは元より自由人で社会不適合者寸前の集団だ。国家クラスの軍事組織、すなわち縦社会が基本のムートロンとはそりが合わないのだろう。
五十鈴もそれはわかっているのか、すぐに興味を失ったのかヴァーリチームから視線を逸らす。
「……まあいいわ、悪党のふるまい方もできない三流なんかと口げんかする気もないわね」
「悪党として一流って、正直どうよ?」
「チンピラの不良よりはマシよ」
美候の反論を切って捨て、五十鈴は一歩前にでる。
「……邪悪らしく恥も外聞もなく言うけど、そっちは
その言葉に、アザゼルは肩をすくめる。
「まあな。上からも「ロキは基本そっちで何とかしてくれ」とお達しが来たよ」
ため息交じりのアザゼルのボヤキに、ヴァーリは不敵にほほ笑む。
「―オーディンの会談を成功させるには、ロキを撃退しなければならない。しかしアザゼルたちだけでは勝ち目がないのも事実だ」
そういったヴァーリは、視線を馬車の方に向ける。
それにつられれば、イッセーがアーシアと小猫に支えられながら、馬車から降りてきていた。
「イッセー! 傷は大丈夫?」
「ええ、大丈夫です部長、それよりー」
リアスを安心させるために微笑みながら、イッセーはヴァーリに顔を向ける。
「偉そうに言ってくれるけどよ、お前がフェンリルを倒してくれるっていうのか?」
そして、警戒心を隠さずにそう聞いた。
当然だろう。戦力を送ることができないのは、ヴァーリや五十鈴が所属する
しかし、ヴァーリは意にも介さずに苦笑するだけだ。
「いや、さすがいまの俺でもフェンリルとロキを同時に相手取るのは不可能だ。こと、ロキは疑似的にイーツ化までしているしな」
「偉そうに言っといてお前もそのザマかよ」
流石に切れそうになるイッセーだが、しかしヴァーリの言葉は続いた。
「だが、二天龍が手を組めば話は別だ」
その発言に、イッセー達は息をのむ。
そいてヴァーリが続けようとしたとき、五十鈴が一歩前に出た。
「……アザゼル総督、主神オーディン殿。今回の件について、ホテップ艦隊司令より言付かっているわ」
ヴァーリをさえぎって五十鈴は―
「我々ムートロン先遣艦隊及び大魔王派、そしてそこのヴァーリチームは、ロキ一派の殲滅のために、三大勢力との共闘を行いたいとのことよ」
ヴァーリチームと相性が悪いムートロン及び大魔王派。まあ、ヴァーリチームが仲良くする気なさそうだし……ねぇ?
グレンのモチベーションは高評価と読んでて楽しい感想です。これをくれるとグレンのやる気がパワーアップします。
ただ、割とメンタル弱めなので、あまりひどいこと言われると心にロンギヌススマッシャ―が叩き込まれますので勘弁してね?
……などと、お気に入りユーザーの作風をまねてみたりしてみました(^^♪ テヘペロッ