混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

86 / 157
激戦開幕であります。





活動報告を更新しましたので、気になった方はぜひ見ていただけると嬉しいです。


15話

 ロキ一派の最強戦力であるフェンリル。

 

 北欧最強の魔獣が飛び出すが、そんなものの対策は当然用意している。

 

「黒歌! グレイプニルを!」

 

「りょーかいにゃ♪」

 

 リアスの指示に素直に従い、黒歌は異空間に格納していたグレイプニルを引き出す。

 

 それと同時に、ハストゥールイーツになっていた五十鈴が一瞬でフェンリルの前に飛び出すと、素早く両手を振るう。

 

 そこに生まれるのは半透明の双剣。相転移によって形成された、固体化した大気の剣だった。

 

 その斬撃こそあっさりと回避するフェンリルだったが、それに気を取られたことでグレイプニルがフェンリルを絡めとる。

 

「愚かな、グレイプニル対策程度、当然―」

 

 ロキはそう言いかけて言葉を止める。

 

 そう、グレイプニルの対策を取るのは当然の判断。

 

 しかし、それが分かっているなら更にその対策を取るのは当たり前である。

 

 ダークエルフによる強化は既に行われている。事実、グレイプニルはフェンリルを縛り上げた。

 

 これで最強戦力は防がれた。そして、そのタイミングに合わせて総軍が動き出す。

 

「いくぞ! 我ら三大勢力の大敵を打ち倒せ!!」

 

「きたきた出番! さ、頑張ってナイアル様達に褒められよう!!」

 

 サイラオーグとイーツが声を上げ、それに応えるかのように周囲の兵士達が一斉に攻撃を開始する。

 

 空高く飛ぶ後衛が砲撃を放ち、低く飛行する前衛が突撃する。

 

 それに対抗するように、戦士達もまた迎撃に動く。

 

『『『『『『『『『『ヴォルフ』』』』』』』』』』

 

 その音声と共に、狼を擬人化したような形状の疑似イーツ達が飛び出して、前衛と激突する。

 

 そしてその激突を眺めながら、しかしロキは余裕を崩さなかった。

 

 最強戦力がいきなり封殺されたというのに、この余裕。井草達は何かを予感して不安をよぎらせる。

 

 そして、それは的中した。

 

「さあ、親とオリジナルが捕まったぞ。……出番だ」

 

 その言葉と共に、空飛ぶ船から新たな影が飛び出してくる。

 

 神すら殺す牙と爪。そして、並の魔獣を歯牙にもかけない圧倒的なオーラ。

 

 総合的に見劣りこそしているが、間違いない。

 

 新たに、四体のフェンリルがその姿を現した。

 

「………なぁ!? フェンリルって一匹しかいないんじゃなかったのかよ!?」

 

「これは、中々面白い……っ!」

 

 ほとんど全員の驚愕を代表するイッセーに、ただ一人歓喜の表情を浮かべるヴァーリ。

 

 対照的な二天龍の反応を愉しみながら、ロキは得意げな表情を作り上げる。

 

「ムートロンに対抗する為にはそれなりに数もいるのでな。フェンリルの子供であるスコルとハティに、クローン体であるヴァナルガンドとフローズヴィトニルだ」

 

 それぞれのフェンリルの分身が、咆哮を上げて素早く動く。

 

 その狙いは、フェンリルを拘束するグレイプニル。

 

 それに気づいた者達が攻撃を放つが、最上級悪魔クラスはあるであろう魔獣達は、攻撃を意にも介さずグレイプニルに食らいつく。

 

 そして、フェンリルはすぐさま解放された。

 

「……クッ!」

 

「ロキを舐めてかかりすぎていたか!」

 

 リアスが悔しがり、タンニーンもまた歯噛みをする。

 

 その光景を愉快気に見つめながら、ロキもまた戦闘態勢を取った。

 

『トール』

 

 トールイーツとなったロキは、更に空間をゆがめると一本の戦鎚を取り出す。

 

 禍々しい装飾を施されたそれは、まるで色違いのミョルニルだった。

 

「そして、我専用のミョルニルレプリカ、ムジョルニア。この一撃で滅びるがいい!!」

 

 その言葉と共に、ロキはムジョルニアを構えると一気に突撃する。

 

 そしてそれに対抗するべく、イッセーが一気に突っ込んだ。

 

 構えるのは、オーディンから貸与されたミョルニルレプリカ。

 

 目には目を、歯には歯を。ミョルニルに対抗するにはミョルニルを使うのは当然の成り行きである。

 

 そして美麗なうごきで横薙ぎに振るわれたロキのムジョルニアと、豪快な一撃を叩き込むミョルニルレプリカ。

 

 そして次の瞬間、勢いよくイッセーは弾き飛ばされた。

 

「うわぁあああああ!? あれ? 雷は!?」

 

 想像していたレベルどころか、一筋の稲光すら放たれていないことに、イッセーは狼狽する。

 

 話が違う。駒王町を吹きとばすほどの雷撃が出てくるのではなかったのか。これではロキが倒せない。

 

 心から慌てるイッセーに、ロキの嘲笑が届いた。

 

「フハハハハ! (よこしま)な念を持つ者にミョルニルは使えん! トールの力と専用調整を施した、ムジョルニアでさえオリジナルの出力を出せないのだからな!」

 

 その言葉に、イッセーは心底納得してしまった。あとオカルト研究部員(イッセーを知るもの)も完全に腑に落ちてしまった。

 

 兵藤一誠。おっぱいを愛しおっぱいに生きおっぱいに死ぬもの。

 

 リアスの乳首をつついて禁手に至り、リアスの乳首を押し当てられれば覇龍による暴走状態ですら正気に戻る。

 

 子供悪魔より無い魔力を、裸を見たいという一念で強大な技へと進化させた。乳との対話という正気を疑う願いを込めて、実際に形に変える剛の者。

 

 そんな男に、(よこしま)な念を持つな、などとは言えない。というより不可能以外の何物でもない。

 

 この作戦、根幹から大失敗であった。

 

 そして、そんなイッセーにフェンリルが迫り―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『させると思うな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その瞬間、そのフェンリルにも匹敵する巨体が、フェンリルとぶつかり合う。

 

 轟音が響き、フェンリルの巨体が揺らぐ。

 

 そして、ロキ一派の全員がその事実に驚愕した。

 

 ロキ一派の最強戦力がフェンリルである。其の戦闘能力はトールイーツと化したロキすら凌ぐ、北欧最強の魔獣と言っていい。

 

 その魔獣相手に、一瞬とは言え追いつき、通用する打撃を放つ。

 

 それが、どれだけの偉業であるかなど言うまでもない。

 

 そしてそれをなしたのは、黄金の獅子。

 

 フェンリルに勝るとも劣らぬ巨体を持つ、圧倒的なオーラを放つ巨大な獅子の姿がそこにはあった。

 

「……ネメアの獅子だと!? オリュンポスまでもが動いたというのか!?」

 

 ロキは驚愕し、しかしすぐに何かに気づく。

 

「いや、この感覚は神器! まさか、神滅具(ロンギヌス)の一つ、獅子王の戦斧(レグルス・ネメア)か!」

 

 獅子王の戦斧。それは、13ある神滅具の一つ。

 

 ギリシャ神話における最高峰の魔獣の一種、ネメアの獅子。其の中でも強大な存在を封じた、魔獣封印系神器のなかでも最強の一品。

 

 本来は文字通りの斧である。その一撃は山すら両断する最高峰の近接戦闘武器であり、かつ、所有者を飛び道具から守る防護の加護を与える。そういう武器としての具現型神器だ。

 

 だが、神器は時として亜種になる。おそらくその形が獅子としての具現化なのだろう。獅子を封じた神器である以上、十分考えられる事だ。

 

「……よもや獅子王の戦斧の担い手すら確保していたとは―」

 

「否、そうではない」

 

 感心するロキの声を、サイラオーグが否定する。

 

 全身から闘気を放ちながら、サイラオーグは静かに首を振った。

 

「俺が所有者を見つけた時は、既に怪しげな一団によって殺されていた。だが、獅子王の戦斧―レグルスは、獅子の姿に変じて主の仇を討ったのだ」

 

 そう言い放ちながら、サイラオーグは静香に構えを取った。

 

「母方の、ヴァプラの血との縁を感じてな。ゆえに俺の兵士(ポーン)として、その時転生させたのだ」

 

「神滅具の担い手ではなく、神滅具そのものを悪魔にするとは。アジュカ・ベルゼブブは一体何を作り上げたというのだ……!」

 

 サイラオーグのなした所業に、ロキは魔王ベルゼブブを警戒して歯噛みする。

 

 そしてその歯噛みした一瞬の隙をついて、サイラオーグはロキの眼前へと移動していた。

 

 放たれる拳をロキはトールイーツの怪力で受け止め―弾き飛ばされる。

 

 その事実にロキが目を見開いたその瞬間、連撃を叩き込まんとヴァーリの魔法攻撃が一斉に放たれた。

 

 それをロキが自身の魔法技術をもって迎撃すれば、今度はイッセーのドラゴンショットが叩き込まれる。

 

 今度はムジョルニアによって弾き返すが、その時点でロキは三人に包囲されていた。

 

「さて、旧魔王の末裔と現大王の息子が共闘か。更には赤龍帝までもいるとは中々豪勢だな」

 

 サイラオーグが構えを取り―

 

「ふふふ。雷神(トール)の力を宿した悪神(ロキ)を相手にするにはこれぐらい必要か。……俺もまだまだ未熟だな」

 

 ヴァーリが激戦の予感に喜び―

 

「ミョルニルは使えなくても、俺はまだ戦えるぜ!!」

 

 イッセーは気持ちだけは負けないと気合を入れる。

 

 其の三人の強者の戦いを彩るは、獅子王(レグルス)神喰狼(フェンリル)と激闘。

 

『赤龍帝! フェンリルは俺とレグルスで抑えておく。ロキは任せるぞ!!』

 

 更にタンニーンまでもが参加し、最早怪獣大決戦の様相となる。

 

 その戦いに一瞬だけ視線を向け、ロキは苦笑した。

 

「なるほど。なら、我も出し惜しみは無しでいこう」

 

 その言葉と共に、船倉から何十匹もの蛇のようなドラゴンが姿を現す。

 

「ミドガルズオルムの量産型も用意させてもらった。これもムートロンに対抗する為、大量生産させてもらっているぞ!!」

 

『―なら、それはこちらで対応しよう』

 

『プラント』

 

『ああ。私の開発したAB(アーマーボディ)ならそれができる』

 

『リアクター』

 

 その瞬間、爆発が量産型ミドガルズオルムの群れに発生した。

 

 そして姿を現すは、重厚な鎧騎士の姿をした、巨大な兵器。そして、美麗な騎士の姿をした、二機がそれを指揮するかのように表れる。

 

 すぐさま戦闘を開始する巨大兵器とドラゴン。

 

 そのうち、美麗な騎士の姿をした機体の内、片割れから放たれた声にサイラオーグが驚きの視線を向ける。

 

「―マグダランか?」

 

『そうだ、兄上。……バアルにも戦功が必要ゆえ、こうして戦列に参加させてもらった』

 

 最上級悪魔クラスの消滅の魔力を放ちながら、美麗な機械人形―AB(アーマーボディ)アルケリオスに搭乗する、マグダラン・バアルはそっけなく返答する。

 

 サイラオーグとは異なり消滅の魔力を受け継いだ異母弟。しかし、消滅の魔力を受け継がなかった異母兄たるサイラオーグに次期当主の座を奪い取られた男。

 

 のちにサイラオーグに決定的な敗北を刻み込んだビルデのシンパと化した、サイラオーグの後援者達の手によって祭り上げれるも、それゆえに大魔王派の側に立つ事になった彼もまた、この戦場に参戦していた。

 

「まさか、こんなところで俺達が肩を並べるとは……」

 

『心配か? まあ、安心するといい』

 

 そして、もう一機のアルケリオスから、サイラオーグを安心させるかのように声が投げかけられる。

 

 そちらはそちらでマグダラン機を超える魔力を放ちながら、得意げな声を出した。

 

『ビルデ殿の戦車(ルーク)である、この私! ラウバレル・アスモデウスが設計した悪魔型機動兵器AB(アーマーボディ)! その量産型であるタイランティオを超える貴族専用機アルケリオスがあれば、この程度の敵などに遅れはとらん!!』

 

 そう得意げに言い放ちながら、ラウバレルは猛攻を加える。

 

 既に魔王クラスに到達するほどの魔力を乱射しながら、ラウバレルのアルケリオスはサーベルを引き抜くと、量産型ミドガルズオルムを相手に大立ち回りを演じている。

 

 そしてその横では、マグダラン機の周囲から大量の樹木が伸び、量産型ミドガルズオルムを絡め捕っていた。

 

 それを不愉快げに見ながらも、しかしロキは余裕を崩さない。

 

「……まあいい。この程度の戦闘を潜り抜けねば、神々の黄昏(ラグナロク)は成就できんしな」

 

 そう言い放つと、ロキはムジョルニアを構えてイッセー達を見据える。

 

 神滅具を担う者達が三人。悪神を倒すのに神殺しの担い手を三人も投入するのは過剰戦力といえば過剰戦力。

 

 だがしかし―

 

「神滅具の共演とは、光栄といえば光栄だろう。……だが、胸を貸すなどという真似はせん! すべて討ち取り摘出し、我らの戦力として運用してくれるわ!!」

 

 その瞬間、この戦場で最も激しい戦いが巻き起こった。

 




神滅具が三つも投入される大激戦。しかし現段階ではミョルニルレプリカが使えないこともあり、総合的にロキ陣営が若干有利かといったところですね。


そしてやってみたかったことの一つ、ロボット兵器による現勢力への攻撃。

味方側での運用はイレギュラーズでやりまくっていたので、こっちでは基本的の兵器として運用させていただきます!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。