混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E   作:グレン×グレン

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急変する事態に、井草とリアスはどうするのか。

そして、原作主人公であるイッセーは……


6話

 そして、事態は急変した。

 

「……部長!!」

 

 会議中に飛び込んできたイッセーに、井草は目を見開いた。

 

 なにせ、服はボロボロなのに体には傷一つない。

 

 明らかに何かあったとした思えなかった。

 

「イッセー! どうしたの!?」

 

 慌てて駆け寄るリアスに、イッセーはすぐに頭を下げた。

 

「部長! お願いします、アーシアを助けてください!!」

 

 明らかに何かあったのは分かる。だが、何があったのかが分からない。

 

「イッセー。とりあえず、何があったのか俺でも分かる様に説明してくれないか?」

 

「井草さんまで!? あ、実は夕麻ちゃんが―」

 

 イッセーが慌てながら説明した事を聞くと、こうまとめれる。

 

 はぐれ悪魔祓いのフリードとかいう男と出くわしたイッセーは、傷ついている事もあって学校を休むように言われた。

 

 しかし気分が晴れなかったので外に出ると、アーシアというシスターと再会したのだという。

 

 なんでも悪魔になってから知り合ったシスターで、実は堕天使と関わっていたらしい。

 

 そして、その原因が―

 

「―凄い神器(セイクリッド・ギア)だ。神の祝福を受けてない悪魔まで治療できるなんて」

 

 通常、神の祝福を受けていない存在が、負傷を急激に回復するのは困難だ。

 

 其の為悪魔や堕天使の急速治療手段は、表の人間と同様の手段に限られる。フェニックスの涙なのは例外もあるにはあるが、それらは非常にコストが高いなど、簡単には使用できないものが殆どだ。

 

 それをなすという存在が、どれほど貴重かなど推して知るべきだ。

 

「あいつら。それだけの存在を秘匿するとか何を考えてるんだ」

 

 井草は舌打ちするが、イッセーは更にとんでもない事を言ってきた。

 

「その夕……レイナーレの奴、アーシアを使って何か儀式をするとか言ってたんです!」

 

 その言葉に、井草は状況を把握した。

 

「リアスちゃん。悪いんだけど、俺はすぐに行かせてもらうよ」

 

「ええ。その方が良さそうね」

 

「ど、どういう事ですか!?」

 

 二人が納得している理由が分からない。イッセーには分からない。

 

 当然だ。悪魔になってまだ一月も経っていないイッセーでは、その辺りの情報がないのだから。分かるわけがないのだ。

 

 だから、井草はかみ砕いて説明する。

 

「レイナーレは、そのアーシアちゃんの神器を自分に移植する事で、自分の価値を高めて処刑を免れる気だ」

 

 愚策だ。

 

 神器の移植はデメリットが伴う。其れならさっさと報告して、彼女自身を運用した方が遥かに効率がいい。移植するにしても適性が高い人物を選んだ方が効果的だ。

 

 なにより―

 

「神器を強制的に摘出されれば、高確率で死に至る」

 

「……そんな!?」

 

 イッセーは衝撃を受け―

 

「部長! アーシアを助けに行かせてください!!」

 

 ―そして、すぐに行動を開始しようとする。

 

 其の在り方を無鉄砲田の考えなしだの罵倒する者もいるだろう。

 

 だが同時に、好感を抱く者も数多い。

 

「……イッセー。一つだけ聞くわ」

 

 リアスもそれは分かるが、しかしイッセーを失う可能性がある事も分かっている。

 

 だから、一応の説得もかねてそれを訪ねる。

 

「そのアーシアって子は、つい最近会ったばかりでしょう? なんで態々命を懸けてまで助けに行くの?」

 

 それは常識的な見地だ。

 

 会ったばかりだ。特に縁もない。

 

 普通は、そういう人を助ける為に命を懸けたりはしない。

 

 ましてやイッセーは悪魔になったばかりの一般人だ。命がけの殺し合いの経験何てない。そして、そういう立場の自覚もない。

 

 にも関わらず、イッセーは決死の覚悟で助けに行こうとしている。

 

 それを尋ねられ―

 

「俺はアーシアと友達になると誓いました。他に理由がいりますか?」

 

 ―あまりにもまっすぐな答えが返ってきた。

 

 それを、井草は眩しいものを見る目で見つめる。

 

 自分のような、醜い存在とは違うその姿を見て、彼を押し上げようとした事は間違ってないと確信する。

 

 だから―

 

「リアスちゃん。今から君に依頼を行いたい」

 

 その後押しをするのは当然だ。

 

「何かしら?」

 

「レイナーレ一派の無力化を依頼したい。報酬に関しては後で交渉するけど、まあ、俺が払える限りは言い値で払うさ」

 

 どうせ処罰するのはほぼ確定なのだ。これぐらいの独断専行はしてもいいだろう。

 

「井草さん!!」

 

 イッセーが顔を明るくするのも心地いい。

 

 そして、リアスもまた頷いた。

 

「ええ。私の領地で好き勝手する堕天使を、堂々と排除できる機会を逃す気もないわ」

 

 そして、リアスは微笑を浮かべて眷属を見る。

 

「私の可愛い下僕達。悪いけど、ちょっと一仕事に付き合ってもらうわ」

 

 その言葉に、三人の眷属はあっさりと頷いた。

 

「もちろんです。公然と神父を切れる機会を逃すつもりはありません」

 

 木場祐斗は、その優しげな顔に明らかな戦意を滾らせて剣を構える。

 

「……もちろんです」

 

 塔城小猫は、指を鳴らしながら言葉少なく立ち上がり―

 

「当然ですわ。堕天使はできるだけ駆除しませんと」

 

 姫島朱乃はサディスティックな笑みを浮かべて、全身から雷撃を放った。

 

「じゃあ、契約成立ね」

 

「そうだな」

 

 上級悪魔と上級堕天使は、そう言ってにやりと笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして一時間も経たずに、レイナーレのいる廃教会に殴り込みをかける姿があった。

 

「……レイナーレぇええええ!!!」

 

 既に神器を展開して、イッセーは教会の扉を殴り飛ばした。

 

 そして突入すると同時に、そこにいた二人の少女を睨み付ける。

 

「お前ら、レイナーレの仲間か!」

 

 そこにいたのは二人の少女。

 

 茶色の髪をアップにした少女と、緑のウェーブの髪をした少女。

 

 恰好からして悪魔祓い。其れもたたずまいから、相応の実力を持っていると思われる。

 

「……来てしまったのです。降参なのです」

 

「そうするのが一番ですかい。死ぬのはいやでやがりますからね」

 

 と、あっさり両手を上げて降参のポーズをとったが。

 

「どういうつもりだい?」

 

 同じく突入した祐斗に剣を突き付けられても、二人は動揺していない。

 

 その余裕と、しかしあっさりと投降する態度がよく分からない。

 

 しかし、少女達は不意打ちしようという気配を微塵と見せずに座り込むと、ロープ迄取り出した。

 

「レイナーレ様が暴走したので、こっちも困ってたのです」

 

「フリードのクソッタレ野郎の所為でやがります。正直逃げどころを探してたんでさぁ」

 

 さらりと言う少女達に不穏なものを感じながらも、然し仕方がないのでとりあえず拘束した。

 

「逃げたら潰します」

 

「逃げないから安心するのです」

 

「んなクソめんどくさいことしねえですから」

 

 小猫の恫喝も涼しげにする当たり不気味なものを感じるが、然しそれはそれとしてすぐに向かわなければならない。

 

「アーシアは何処にいるんだ!? レイナーレを裏切る気なら教えてくれ!!」

 

「そこの隠し扉から地下に入ると見つかる出やがりますよ」

 

 さらりと緑髪があっさりばらした。

 

 罠の予感もするが、然しそんな事を気にしている余裕もない。

 

 どちらにしても、自分達は囮なのだから、これでいいのだ。

 

「行こうぜ、木場、小猫ちゃん!!」

 

 イッセーは、全力でその階段を降り、二人もそれに続いた。

 

 そして、其れを見送ってから茶髪のイングと緑髪のリムは、ふぅと息をついた。

 

「勝てるといいのです」

 

「ま、私らも動く出やがりますがね」

 

 そういうなり、一瞬で拘束に使ったロープがちぎれ飛ぶ。

 

「しっかし、渡したロープで拘束するとか、まだまだ未熟でやがりますな」

 

「からめ手には弱いタイプだと思うのです」

 

 二人は苦笑しながら、あっさりと立ち上がる。

 

 このロープ。錬金術師が開発した特別製で、光力を流すと一瞬で劣化する特別製だ。

 

 レイナーレ達も知らない最新技術の塊である。

 

「では、こちらも動くのです」

 

「とっとと動かねえと、やべぇですからね」

 




暗躍する二人のはぐれ悪魔祓い。さて、彼女達の正体は……?

ようやく本格的なバトルが書けそうです。ここに来るまでが大変でした。

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