混血堕天使が幼馴染を邪悪な外道にNTRされたので、更生したおっぱいドラゴンとゆかいな仲間たちと共に、変身ヒーローになって怪人たちと戦いながら罪を乗り越えていくお話 旧題・ハイスクールE×E 作:グレン×グレン
「おっぱいを、おっぱいをくれぇええええ!!!」
「いやぁああああ! ちか―」
「そいや!」
女性に襲い掛かる痴漢に対し、井草は買ったばかりの缶ジュース(中身満タン)を股間に叩きつけた。
悶絶する痴漢を周りの大人や駅員が取り押さえる中、井草は絶妙な身のこなしで離脱する。
そして、早業にあっけにとられる班のメンバーに、苦笑を返した。
「お待たせ。さ、面倒ごとにならないうちに行こうか」
問題解決において定評のある、井草・ダウンフォールの鮮やかな手口であった。
「なんだろうな、あの人。……他人ごとに思えねえ」
凶行に及んだ事を色んな意味で後悔している松田がぽつりと呟き、男性陣はしんみりとしたがそれはご愛敬。
とにもかくにも修学旅行。その舞台である京都に到着したのだ。
「アーシア! 伊勢〇だぞ!!」
「はい! 伊〇丹ですね、ゼノヴィアさん!」
「〇勢丹ね、2人とも!!」
教会三人娘は、かなり興奮気味である。
「おお! ここが古都京都! いやっほうですな!」
「たまやーなのです!!」
離れたところではリムとニングもテンションが上がっている。
その様子を見ると、井草は心からほんわかしてしまう。
「2人とも、楽しそうで良かった良かった」
「井草さん。なんかリムとニングに思うところでもあるのか?」
「まさか井草さんって、こいつの同類?」
ほんわかしている井草に、元浜と桐生が怪訝な表情を浮かべる。
お世辞にも年相応とは言えないニングとリムの体つきである。それだけでは井草の趣味がロリコンだと思われるのは仕方がない。
だが、伊予と五十鈴は年齢より発達している体つきである事をイッセーは知っている。
つまり、ストライクゾーンが広いのである。
「で、どこが俺達の泊まるホテル何だっけ?」
話を変えてやろうとイッセーがそう言うと、地図を確認していた桐生は指をさした。
「あ、あそこね」
そして指をさした先に、井草達の視線が集中する。
―京都サーゼクスホテルと書かれていた。
ちなみに、すぐ近くには京都セラフォルーホテルがあった。
悪魔は日本を経済的に侵略しているのだろうか?
そんな事を井草が思ったのも、無理はない。
「イッセー。これ、札幌ファルビウムホテルとか、那覇アジュカホテルとかあるんじゃないかな?」
「アザゼル先生もホテル持ってそうな気がしてきました」
二人して苦笑したのは、言うまでもない。
そして、ホテルに入ったのは良いのだが―
「………はぁ」
「な、ななななんじゃこりゃぁあああああ!!!」
井草は額に手を当ててため息をつき、イッセーは絶叫する。
その理由は、イッセーと井草の部屋であった。
駒王学園の男子生徒が入る階ではなく、もちろん女子の階でもない。そんな場所の、隅にある引き戸の部屋。
其の中は、八畳ほどのボロい和室であった。
「……ロスヴァイセ先生。説明をお願いします」
井草は、松田と元浜にからかわれているイッセーを置いて、ジト目をロスヴァイセに向ける。
むろん後で元凶であろうアザゼルにも向ける予定だが、とりあえず事情説明を求めるべきだった。
「仕方がなかったんです。この部屋は緊急時の会議室として用意された部屋でして」
確かに、緊急事態に異形勢力が会議する為の場所は必要だろう。それは井草も理解できる。
だが、井草とイッセーが同じ部屋に入るのだから、普通にホテルの部屋でも良かったはずだ。
……というより、何故この高級ホテルでこんな部屋があるのか、心底謎だった。
「面白がって作ったんだとしたら、流石にアザゼル先生達は後で〆る」
そんな事を言えるぐらいには、井草も流石に腹が立っていた。
後で必ずアザゼル先生には詰問する。
井草は、そう決意した。
とりあえず、この部屋を使う必要がない事を祈ろうとも、井草は心から思った。
そして、その井草の祈りもむなしく、イッセーは襲撃を受けていた。
時間的に余裕があったので、伏見稲荷に行く事になったイッセー達。
悪魔になった事で体力的に余裕のあったイッセーは、なんとなく先行した。
そしていやらしいお願い事をしていたところで、襲撃を受けたのである。
カラス天狗に狐面の狩衣を着た男。更には巫女迄より取り見取り。明らかに妖怪関係だと分かる者達である。
「母上をどこにやった! 早く言わんとただではすまんぞ!!」
そして、率いるのは小学生ぐらいの年齢の、狐耳の少女である。
全く心当たりがないのだが、しかし相手は話を聞いてくれない。
仕方ないので全力で逃げ回るが、しかし意外と戦えている。
なにせイッセーはまだ鎧を身に着けていない。倍加すらろくに行っていない状況下で、しかし多数を相手に凌げていた。
―俺、強くなってるんだなぁ。
などと自分の成長に感動するが、しかし相手は一向に引いてくれない。
どうしたものかと、困ったその時だった。
「―何やってるのよ、赤龍帝」
そんな呆れ半分の声と共に、暴風が吹き荒れる。
イッセーを庇う様に発生した暴風は、妖怪達の大半を吹き飛ばす。
その圧倒的な出力の暴風に妖怪達が面食らうなか、それを引き起こした存在が、イッセーと妖怪達の間に割って入った。
「……人違いで冥界の英雄様を襲うなんて、外交問題確定よ。これ以上はやめておきなさい」
そう言い放つ茶髪の女性は、どこか疲労の色が見て取れた。
そして、実に見覚えのある女性だった。
「か、
「ええ、まさか京都で会うとは思わなかったわ。……修学旅行か何か?」
驚くイッセーにそう挨拶する五十鈴は、ため息をつきながら妖怪達に向き直る。
その圧倒的な力に恐れおののくものまでいる妖怪達を見て、五十鈴はため息をついた。
「こんな前座でビビってるような奴が、赤龍帝に勝てるわけないでしょ。怪我しないうちに帰りなさい」
五十鈴の警告に、妖怪達は明らかに驚愕する。
中には腰を抜かしてへたり込む者まで出てくる始末。イッセーの想像以上に赤龍帝の名は絶大なものらしい。
だが妖怪達を率いる少女は、気丈にもイッセーと五十鈴を睨みつける。
「……赤龍帝は現魔王政府のものであろう! それがなぜ母上をさらったのじゃ!!」
「だから違うって!」
イッセーはとにかく誤解を解いてもらいたいと思いながら、とにかく否定する。
とは言え誰も信じていない状況下に、五十鈴はため息をついた。
「……許可証持ってないの? それを見せれば一発じゃない」
「あ」
その指摘に、イッセーはうっかりしていた事に気が付いた。
そしてすぐに、制服のポケットに入れていた許可証を見せる。
「ほ、ほら! これ、そっちが発行した奴だろ!? 俺達は修学旅行で来てるだけなんだよ。お前のお母さんの事は全く知らないって!!」
その言葉と許可証に、妖怪達は少しだけ敵意を薄めていく。
そして、それが付け入る隙だと判断したのか、五十鈴は一歩前に出た。
「そういう事。学生服でうろついてる奴を襲う暇があるなら、潜入しているはずの禍の団の英雄派を探りなさい」
「禍の団じゃと!?」
狐の娘が目の色を変える。
そして、そのチャンスを逃す五十鈴ではなかった。
「ほら、この子は駒王学園の兵藤一誠って言うの。場所も名前も分かってるんだから、あとで会いにくればいいでしょ?」
「……いいだろう。いったん引き上げるぞ!!」
五十鈴の言葉に少女は頷くと、妖怪達を引き揚げさせる。
それを見送ると、五十鈴は肩をすくめて振り返った。
「赤龍帝。この辺りで英雄派の連中がうろついてるわ。今のうちに増援を呼んでおきなさい」
「え? いや、どういう事だよ!?」
五十鈴の言葉に、イッセーはすぐに問いかける。
英雄派といえば、禍の団でも有数の規模の派閥だ。
ムートロンや大魔王派に継ぐ一大派閥。英雄の子孫や神器保有者が集う、実力を持った人間の勢力である。
それが京都で活動しているとはどういう事なのだろうか。
だが、五十鈴も詳しい事は知らないのか肩をすくめる。
「ナイアルの情婦如きがそこまで知ってるわけないでしょ? ただ英雄派が、霊的スポットと龍王クラスを使った実験をしたがってるとナイアルから聞いた事があるわ。たぶんそれね」
そういうと、五十鈴はイッセーに背を向ける。
「あ、オイ―」
「―今更合わせる顔なんてないわ。じゃ、そういう事で」
『ハストゥール』
イッセーが呼び止めるのも聞かず、五十鈴はハストゥールイーツに変身すると、勢いよく飛び立つ。
その風圧に五メートルほど吹っ飛ばされながら、イッセーは声を張り上げる。
「井草さんは! まだ待ってるんだぞ!!」
其の声が届いたのか、五十鈴は一瞬だけ速度を緩め―
「―もう、時間もないのよ」
そんな言葉を、残していった。
本音がわかってから頼れるお姉さんポジになってきた五十鈴。実際こんな感じでちょっとポカをすることがあった井草や伊予のフォローをしていた模様。