人は生まれた時から、平等ではない。子は親を決めれない。裕福な家庭もあふれば不裕福の家庭もある。裕福だけど、子を愛さない親もいれば、その逆もいる。この世は不平等なことが数えきれないほどある。
後藤 俊は不裕福の家庭に生まれ、そして親に愛されずに育てられた。物心がついた頃には毎日3食のご飯を作らされた。学校が終われば、寄り道をせずに一直線で家に帰り、夕食の支度する。放課後、マックで友人と馬鹿な話をする時間なんて彼にはない。そんな彼には友達と呼べる人はいない。少しでも夕食の支度が遅れると、仕事から帰宅した親に何をされるかわからない。彼の体には殴られたであろう打撲痕が沢山ある。
そんな彼にも夢がある。ヒーローになることだ。子供の頃から大好きだった、戦隊系ヒーローは彼に大きな影響を与えてた。どうして見ず知らずの他人のために命をかけられる?それもそのはず、彼は自分の事を守るために、親に従い続けたのだから。もちろん親に逆らったこともない。
「あんた!?期末試験どうだったの?」
「....満点だったよ」
「あんたは勉強だけは出来るんだから。これで私達の老後の生活も安定ね」
「...うん」
「ふん。あんたのその陰険な態度どうにかならないの?こっちまでテンション落ちるわ」
「...ごめんなさい」
「あんたといるとご飯が不味くなる。いったいどうしてあんたの性格がこうなったのかしら」
そう言うと、彼の母はゲラゲラと笑い、自分の息子のことを見下した目で見つめる。彼の今の性格は両親のせいでこうなったのを知る由もない
高校2年の期末試験が終わり、クラスメイト達は勉強を頑張った息抜きといい、彼以外のクラスメイト全員でカラオケに行った。もちろん、彼は誘われない。別にこれはいじめではなくて、ただ、誘っても彼は来ないと知っているから、建前で誘うって時間の無駄の行為をしないだけだ。
家に帰るろう。夕食の支度をしないと。
彼はそう心で言うと、いつもの帰り道を歩いている。そうすると学校終わりであろう小学生達が、大きな声で何かを叫んでいるのが聞こえた
「くらえ!!正義のヒーローキッークー」
「うう、やられた」
「くそ、あのヒーローは強いぞ!ここは一旦引こう!!」
子供達が戦隊モノごっこをしていた
「正義のヒーローは必ず勝つ!!」
「次は僕がヒーローね」
「じゃあ僕が怪人ね!」
正義のヒーローか。もし、この世界にヒーローって仕事があれば僕は慣れるだろうか??
ヒーローに憧れる彼は、子供のころ本当にヒーローになろうとしていた自身のことを思い出して、頬を緩めていた
ヒーローにはなれないけど、弱きを助け、悪い奴を守る、正義の弁護士になるんだ。毎日家の家事で大変だけど、弁護士になるために勉強も沢山しないと。
幸いのことに、彼の家にはゲーム機もなければパソコンもない。毎日家事を終えれば、両親からの雑用時間を除けば、十分に勉強する時間がある。子供の頃から勉強を毎日沢山してきた彼は、国内最難関大学に合格できるレベルの学力はあった。しかし、特待生として、奨学金を得るためには油断は出来まいと、日々勉強に明け暮れる。
そうだ!今日はお母さん達の結婚記念日だ。折角だし、今日の夕食は少し豪華な料理を作ろう。あと、ケーキも買おう。
両親は彼に毎日必要最低分のお金しか渡さない。バイトもしていないく、親からお小遣いも貰ったことがない彼だが、毎年、正月に母方の祖父母から親に隠れてお年玉も貰っている。それを数十年も貯めている為、今では数十万円も貯まっている。
スーパーに到着した彼は、高級ステーキ肉を2人分買い、それと両親が給料日にだけ家で飲んでいる、高級赤ワインを買って、ケーキ屋さんに向かった。
「いらっしゃいませ!!」
笑顔で彼を迎えた店員だが、彼は人と話すことに慣れていない為、無言のまま下を向き会釈した。それもそのはず、彼はスーパー以外の店を普段から行かない為、ケーキ屋さんや、服屋さんみたいに、客に挨拶をする店にはほぼ行ったことがない。
どのケーキも美味しそうだな。
彼はケーキを滅多にしか食べれない。
毎月月末になると、担任の先生がケーキを買ってきてくれる。クラスメイト全員でその月生まれの人を祝う行事。彼はその日が高校に入ってからの一番好きな恒例行事にないっている。ちなみにお気に入りのケーキはショートケーキ。
確か、お父さんがお母さんにプロポーズした時、チョコレートケーキを食べていたはず。
「お決まりでしょうか?」
「チョ、チョコレートケーキをください」
「はい。かしこまりました。何ピースですか?」
「二ピースでお願いします」
店員さんはチョコレートケーキ2ピースを箱に入れ、彼に質問をした
「今日は誰にプレゼントするんですか?」
「あ、はい。両親の結婚記念日なんです」
「なるほど!お客さん優しい方なんですね」
笑顔でそう言われ、彼は頬を緩めてしまった
「別に、そんなことありません」
「じゃあ、何かご両親に手紙を書来ませんか?」
「だ、大丈夫です。あんまりそういうのは慣れてなくて」
「大丈夫ですよ!きっと喜びますよ!」
「わ、わかりました」
満面の笑顔で言われ、彼は彼女の提案を断ることが出来なかった。
「じゃあ、これでお願いします」
「はい。じゃあケーキの中に入れておきますね!!
ありがとうございましたー!」
ケーキ屋を去り、彼は家に向かった。少しいつもと違うことをしている為か、少しだけ彼は楽しそうにしてた。
いつもと違う景色。綺麗だな。たまにはこうやって寄り道をするのも悪くないかもな
「おいおい!!火事だ!!見に行こうぜ!!」
「おう!大火事だぜ!!snsに投稿するために、行くか!」
家の近所に着き、家まで後ほんの数分の場所に着いた彼は周りにいる人々がやけに騒がしいことに気が付いた。それもそのはず、彼がいる場所から1分ぐらいの一軒家が火事になっているか
らだ。
家の近くで火事なんて珍しいな。消防車のサイレンが聞こえないあたりを考えると、まだ到着してないんだろう。心配だけど、僕が言っても何も意味がないし、今日はお母さんとお父さんの料理に時間が掛かりそうだし、はやく帰るか
「誰か助けてくださいー!!!!」
「!!??」
彼は誰かが大きな声で助けを呼ぶ声に反応した。気になって声がする方に向かった
「誰か助けてください!!私の息子と娘がまだ中にいるんです!二人ともまだ幼稚園児だから、彼らだけでは避難できません!!お願いします助けてください!!!」
「おい!聞いたかよ?お前が助けに行けよ」
「無理だよ。見ろよこの火。もう遅いだろ」
「消防士はまだかよ」
「やべよ。snsに投稿するか」
火の周りには数十人を超える野次馬がいるのにもかかわらず、誰も助けようとしない。皆人任せで、誰も動こうとしない。ひとりの少年を除けば
「!!??」
周りにいる人はひとりの少年が燃え上がっている家に入って行くのを見、驚いている
「馬鹿野郎!!!はやく戻れ!!死にたいのか???」
あれ?僕は何をしているんだ??体が勝手に動いている。考える暇なんてない。誰かが、今彼らを助けなければ、彼らは必ず死ぬ。僕がしなければ。
でも、なんで僕が??僕は彼らの顔を名前も知らない。何故僕は彼らを助けるために、火の中にいるんだ??
「おーーい!!!誰かいるか?助けに来たよー!!!聞こえるなら返事して!!」
やばい。思っていたより火の周りが早い。このままじゃ、無駄死にしてしまう。僕が入ってきた道はもう火に覆い尽くされている。ああもうだめだ
「....助けて!!」
「!!??」
声が聞こえた!間違いない!彼らはまだ生きている!!
「僕の声が聞こえるー??」
「....うん!!僕はここにいるよ」
隣の部屋から声が聞こえた!良かった!まだ彼らは生きている!!
「今からお兄ちゃんが行くから待っててね!!」
彼は隣の部屋に移動した。部屋の奥に、クローゼットがある!きっとあそこの中にいるんだ!!
「お兄ちゃんが助けに来たよ!!」
「お兄ちゃん!!!!」
何て事だ。2人とも顔色がとても悪い。きっと煙をいっぱい吸ったんだろう。女の子のほうは恐怖で体が震えている。
「もう大丈夫だよ!さ、お母さんのところに帰ろう」
「ありがとう!!」
「あ、ありがとうお兄ちゃん!!」
やばい!もう外に行く道がない。
これ以上ここにいると3人とも焼け死んでしまう。どこか出口はないか。
辺りを見回した彼は絶望感が押し寄せた。出口がどこにもない。無意識だが、彼はもう自分たちは死ぬんだと悟っていた。
「......」
もうだめだ。ごめんよ、僕がもっとはやく君たちを見つけてたら死なずにすんだのに。
「お兄ちゃんありがとう!僕ね、大人になったらお兄ちゃんみたいなヒーローになりたい!」
「お兄ちゃん!今度お兄ちゃんに私の大好きなお人形あげるね!!」
「!?」
はは。僕ば馬鹿だった。勉強の成績が良くても今まで気付けなかった。そうかやっとわかった。
「ヒーローか...ありがとう!お兄ちゃんが必ず助けてあげるからね!!」
ヒーローが何故見ず知らずの人を命を懸けて助けるか。それは彼らの笑顔を見るため。何故だろう。彼らの安心した顔を見ると力が湧いてくる。
「もう僕はここで終わってもいい。だからありったけの力を.....この子たちを助けるために」
そう言うと、彼は一階が駄目だとわかり、上の階に向かった。
2階も駄目だ。それなら3階はどうだ??
「ビンゴ!!まだ3階の窓には火が覆っていない!!」
「おい!あれ見ろ!さっきの少年だ!!」
「子供2人を抱えてるぞ!!!」
野次馬達が彼に気付いた。誰もが死んだと思っていた少年が生きていて、しかも子供を2人抱えていることに驚いた。
「今からお兄ちゃんがいいって言うまで目を閉じていてね」
二人の子どもは彼が言うことに従い目を閉じた
「すみませんー!!!どうか彼達をキャッチしでください!!」
「!!??」
野次馬達は驚いた。まさか自分たちに彼らをキャッチしろと言われ、あまりにも唐突だったこともあり誰も動けない
「お前が行けよ」
「俺は無理だよ。そんな力ないし」
「私は無理だよ。女だし」
野次馬達は誰も動こうとしない。この場にいても、あと数十秒ぐらいで火が届くだろう。それなのに彼らは見ているだけで、動こうとしない。
「ふざけるなー!!!!」
彼は生きてきて初めて叫んだ。怒りが頂点に達した彼は大きな声で野次馬達に指示を出した。
「そこのあなたとあなた!今から投げるから受け取ってください!!」
子供の頃本で読んだことがある。日本人は周りの環境に合わせて動くと。こう言う時には名指しで支持するのが効果的だと。
「お、おう!わかった!」
「そこのあなた!隣の家から布団を持ってきてください!!」
「わかった!!」
彼はまだ気付いていない。この状況で瞬時な判断と的確の指示。いったい何人の人が同じことをできるか。といっても、彼の場合は体が勝手に動いての行動だ。もしかしたら、彼はヒーローとしての才能があるかもしれない。
野次馬達は彼の指示通り布団を持ってきて、彼らをキャッチする準備ができた。
「お兄ちゃん!もう目を開けていい?」
「あと、少し待ってね」
「うん!」
少し痛いかを知れないけど我慢してね。良かった。これで君たちを助けれる
「いくよ」
BOOOOOOOOOOM
大きな爆発が燃え上がっている家から聞こえた。野次馬達の耳は大爆発音によって、鼓膜が破れた。
「良かった...彼らは無事だ」
見事に野次馬達は子供2人をキャッチし、安全な場所に避難させた。
少し痛かったかもしれないけど我慢してね
「おーーい!!次は君の番だ!!」
「はは、僕がヒーローか。彼らのおかげでヒーローとは何かわかったよ」
Booooooooooooooom
2回目の大爆発が起こり、燃え上がってた家は炎の勢いを増し、もう家の原型が見えない。
————----
数時間後、燃え上がっていた家は駆けつけた消防隊によって消された。そこにあったであろう家はもう家の原型が見えない状態になっている。この火事によりひとりの少年の命が途絶えた。
「どうしてうちの子が...」
仕事終わり、携帯を確認すると、普段見慣れない電話番号からの着信があった。電話を掛け直し、簡単にだが、息子が亡くなったことを告げられ、病院に来るように警察官から告げられた。
「目撃情報からすると、彼は自分の命と引き換えに、少年少女の命を助けました。お気持ちは察しますが、彼のような行動を出来る人はそう多くはいません」
「...どうしてくれるんですか」
とても小さく震えた声で呟かれた。それもそのはず、普通の親なら突然愛する息子が他人を助けるために亡くなったと告げられたら、現状を受けいられないだろう。....普通の親なら
「お気持ちは察しますが、今は落ち着き
「どうしてくれるんですか!!?あの子は名門大学に入れる学力はあったんですよーー!!将来は有名企業に入り、私たちの老後を支えてもらう予定だったのに!!!!!どうしてくれるんですか??」
「!!??」
周りにいた自分は口を開けて驚いた。常識がないとかそういうレベルではない。人として、親としての愛情が全く感じれない言葉を、今述べられたのだ。信じられないと言わんばかりの顔を見なしている。
「ああ!!あの子が死んだんだから、もちろん保険金や慰謝料も貰えるんでしょうね??」
「お兄ちゃんが僕のことをたすけてくれたんだよ!!僕ねお兄ちゃんみたいなヒーローになりたいんだ!!」
突然、彼が助けた子供が来て、彼の母にそう宣言した。子供だから死をまだ理解していない。その言葉には嘘はない。とても真っ直ぐな目をしている
「ヒーロー??馬鹿言わないで!!」
警察官から色々と話を聞き、帰路に着こうとした時、他の警察官が駆け寄って来た。
「すみません。目撃情報からすると、こちらの荷物は彼のものらしいです」
「何これ?ケーキ??何で?」
普段から、毎日ご飯を作ってきた彼だが、ケーキや無駄の物を買ったことは今まで一度とない。
「.....!!???」
ケーキの箱を開けたらそこには小さい手紙が入っていた
お母さんお父さんへ。
いつも迷惑をかけてごめんなさい。毎日怒られてばっかりでダメな僕だけど、とても二人には感謝しています。良い大学に入って、将来は二人が幸せになるために、僕も頑張るね。
いつもお仕事疲れ様です。
それとこのケーキは二人が結婚を決断した時に、食べていたチョコレートを連想して買いました。
結婚記念日おめでとうございます。そして、
手紙を読み終えた彼女は、手紙をカバンにしまった。まさか手紙には自分たちを恨むは愚か、感謝していると綴られていた。彼女は自覚していた。彼を愛した記憶はない。いつも自分たちのために彼を使ってきた。でも、彼は私たちのことを親としてみていてくれた。今までしたことを後悔し、目からおおきな粒の水滴が地面に落ちていった。
僕を生んでくれてありがとう。二人とも大好きだよ。
....ここは??
目が覚めたか??
....はい。体がない。僕は死んだんですか??
左様。お主の体はもうない。魂だけがここにある状態だ。
なるほど...だから、話せないんですね。さっきから脳に直接言葉が入ってくる感じがして少しだけ不気味だったんですよ
ホッホッホ。お主は死んだというのに冷静だな。普通はパニックになるもんだぞ。
そうでしょうね。でも、僕はあの子供を助けた時に、自分の命を犠牲にする覚悟はありましたよ。もうこれで終わっでいいってぐらい。
そうじゃろうな。だから儂は今お主をここに連れてきたのじゃ。
何のためにですか??
転生をしてもらう。
....転生ですか??
うむ。
辞書的な意味での転生は理解できます。でも、現実世界で可能なんですか?
うむ。まあー詳しいことは自分で肌で感じてくれ。
は、はい。
お主の夢はなんだ??
べ、別にありません....
うむ。ヒーローになることだな
どうしてわかったんですか?
儂はこの世界の神じゃぞ。心ぐらい読める
その通りです。ヒーローになることです。
わかった。お主に最適な場所を用意しよう。特別能力は何がいいかな?
能力ですか?別にいらないです、
お主がいく場所はヒーローもいれば、ヴィランと呼ばれる悪もいる。能力なしではヒーローになる前に、死んでしまうぞ。
いきなり言われても困ります...
儂はこう見えても忙しいのだ。
能力か....
もうよい。儂が決める。お主は普段大人しくて、人を助けるような人物には見えないが...いざって時に何が憑依したように変化する。先程みたいにな
は、はい。
そして、命を捨ててもいい。だから、全力で彼らを救う。そうじゃ!決まったぞ!!
何ですか??
能力は憑依。それも大人気キャラクターのゴンさんじゃぞ!お前は特別だぞ!嬉しいか??
ゴンさん?誰ですか?
ハンターハンターの世界主人公が一度だけ見せた、強制的に体を成長させて、驚異的な力を見せて、儂らに絶望と絶大な人気を与えた彼じゃ
知りません。
まあよい。兎に角、詳しいことは成長すればわかる。じゃあな
え?僕はもう新しい世界に行くんです?
うむ。名前は不利久須《ふりくす》ゴン
じゃあな。
えええええええええ!!!