出久がオールマイトと話していた後、僕は彼に声を掛ける前に、自宅に帰った。彼とオールマイトの時間を邪魔したくなかったから、何よりも、自分の親友が平和の象徴の彼に認められたことがとても嬉しかった。家に着き、自分もこれからヒーローになる為に頑張ろうと考えてたとき、いきなりインターフォンが鳴った。
家には誰もいなくて、重い足乗りで画面越しに訪問者を確認すると、そこには顔の堀が深すぎて影になっているイカツイ人がいた。間違いなくオールマイトだろうと思った。
「私が君の家に来たー!!」
「あ、オールマイト。こんばんは」
「反応が薄いーーー!!」
予想していた反応より遥かに低いため、オールマイトは落ち込んでいる。ゴンが彼を見るのは今日2回目、1回目なら彼が予想ていたとおり、驚いたであろう。ゴンは彼が何をしに家に訪れたのかある程度わかっている。
「当然何だが、緑谷少年のことなんだか」
「貴方の個性を出久に継承してもらうことですか?」
「そうそう!理解が早いな君」
「...」
一瞬空気が凍りついた
「早すぎるだろー!!!」
オールマイトは何こいつって表情をしている。
「え、こわい?」
オールマイトは外見とは裏腹に乙女チックな動作をしている。
「すみません。盗み聞きは良くないのは分かっています。貴方と出久が話している時、近くにいて話を聞いてしまいました」
「なるほど。それならそれで話ははやい」
オールマイト...もう少し警戒した方がいいですよ..,絶対過去に同じ経験してるよこの人...
「緑谷少年。こっちにおいで」
すると、端っこに隠れていた出久が出てきた。
「ごめんね、ゴン」
「ううん、大丈夫!無事で良かったよ」
「ゴン突然なんだが、これから来年の入学試験まで毎日トレーニングしない?」
「トレーニング?もちろんいいけど」
「実はオールマイトの個性を引き継ぐには、僕の貧弱な体じゃ無理らしんだ」
「うん、そう思う。だってオールマイトのパワーだよ!あんなの今の出久じゃ無理だよ」
「うん!だからトレーニングしよ!」
「私が君たちの師匠になろう!」
「出久、オールマイトに僕の個性の話はした?」
「うん、実は少しだけした」
「君の個性強化もこれからしよう」
出久がオールマイトに出会ってから、僕には大きな変化があった。毎朝、出久と一緒にオールマイトが僕たちの為に作ってくれたトレーニングメニューをするようになった。放課後も肉体強化のため、二人でジムに通った。
そんな僕たちは、数ヶ月前と比べると見違えるぐらい、身体つきが逞しくなった。
試験当日。
「おいおいまじか!私が君たちに指定した場所よりも、綺麗になってるじゃないか!!」
「オールマイト!僕はヒーローなれるでしょうか?」
「ああ!君は立派なヒーローになれる!」
「オールマイト!今までありがとうございました!」
「ああ!不利久須、いや、ゴンさん。君も立派なヒーローになれる」
「オールマイト!さん付けで呼ぶのはやめてください!」
「君を呼び捨てで呼ぶのはとても、恐れ多くてつい」
実は過去に何度か、彼の前で個性を発動させたことがある。その絶大的な存在と力に彼はそれ以降、僕のことをたまにゴンさんと呼ぶようになった
「僕もゴンの個性を初めて見た日のことは今でも詳しく覚えてるよ」
「もう!試験ではあの個性は使わないから安心して!僕は今のままでも、十分に戦えるんだから」
緑谷と不利久須は約一年間、超過酷なトレーニングをやり切り、とてもアドレナリンが出ている。
「よし!緑谷少年!もう一度聞く!」
さっきまで笑っていたオールマイトの顔は真剣な表情になった
「はい!」
緑谷も覚悟を決めた表情をした
「私の個性を引き継いでくれるか?」
「はい!」