雄英高校。日本の頂点に君臨する超名門高校。その中でもヒーロー科は偏差値79、倍率は驚異の300倍。
そんな超名門雄英高校は、これまで平和の象徴オールマイトや数々の有名ヒーローを輩出してきた。そんな高校の試験会場に二人の少年が到着した。
「で、デカすぎない!!??」
「流石雄英高校...規格外だね....」
緑谷と不利久須は試験会場の広さに驚ろいた。驚きすぎて、足元を見ていなかった緑谷は、地面にあった石に足が引っかかって体のバランスを崩した
「!!??」
「あれ?僕転んでいない?」
緑谷自身も転んだと思っていたはずなのに、体は地面に着いていない。
「あれ?僕の体ふわふわしていない?」
「ごめんね、私の個性。でも、転んじゃったら縁起悪いもんね!」
「あ、はい」
「じゃあ私行くね!」
「ゴ、ゴン...僕、女子と話した!」
「出久...正確には話せてないよ」
ゴンは相変わらずの出久に呆れて、試験会場内に向かった
会場内に入った僕たちは筆記試験を受けるために、指定された教室に向かった。筆記試験は5教科。僕と出久なら高得点は取れなくても、合格圏内の点数を上回るのは間違いない。
筆記試験が終わり、実技試験の説明が講堂で行われた。
相変わらずのヒーローオタクの出久は試験中に他の受験生のメガネ君に注意されていた。
実技試験の説明も終わり、僕と出久は別の試験会場で試験を行うことがわかった。
「ゴン!一緒に合格しようね!」
「うん!約束だよ!」
二人は握手を交わした
試験会場入り口に移動した不利久須は戦闘服に着替えた。緑色の半ズボンに白色のタンクトップ。顔付きは小学生なのに、服装と身長のせいで、尚なら小学生に見えてしまう。
周りにいる受験生たちも、ジロジロと不利久須の方に視線をやる。
現在、試験会場入り口前には100人を超える受験生たちがいる。ある者は精神統一をしている。ある者は準備運動をしている。
今、不利久須達の目の前には大きなトンネルがある。どのぐらい長いのかは、シャッターが閉まっている為、あまりわからない。きっとトンネルを越えれば試験会場何だろう。
「スターート!!」
プレセマントマイクがスタートと言ったと同時に、大きなシャッターが開いた。
「!!??」
「何だ?現場ではカウントなんて誰もしてくれないぜ!」
不利久須は集中力を高めていた為、スタートの合図とともに、シャッターが開いたトンネル内に全速力で向かった。
おおよそ20mはあるトンネルを抜けると、そこには町があった
一番乗り試験会場に到着した不利久須はあまりの広さに驚いたが、直ぐに切り替えた。
「敵発見!」
3ポイントの仮想ヴィランロボットが地面からいきなり現れた。
遅れて他の受験生達も試験会場に辿り着いた。
「な、なんてでかいんだ!」
「町じゃねえか!」
あまりの広さに受験生は驚いた
(......)ゴゴゴゴゴ
(ゴンさん?)
(...Follow me )ゴゴゴゴゴ
(だ、ダメだよ!僕はゴンさんを使わずに試験に合格するんだ!その為に僕もトレーニングしてきたんだから!)
(......) ゴゴゴゴゴ
不利久須は子供の頃にゴンさんに憑依されてから、時々精神世界で彼と会話出来るようになった。今は関係は良好だが、不利久須は己の力のみで合格したい為、彼の力を使わない。
「最初....は......グー....」
不利久須はゴンさんに憑依されて以降、彼の力を少しだけ使うことが出来るようになった。精神世界でゴンさんにオーラの使い方を教えてもらったこともある。
不利久須は姿勢をかなり低くして、右拳にオーラを貯める。黄金色に輝く彼の拳は、周りの受験生達もかなり驚かした。
「なんだよ!あのオーラ!?」
「黄金色に輝くオーラって、スーパーサイヤ人かよ」
「何の個性なんだ?」
不利久須の右拳は黄金色の円形のオーラに包まれている。半径50センチほどのオーラは、見るからに、かなりやばい。
「敵発見!排除する」
仮想ヴィランは不利久須の方に加速して、攻撃を仕掛けた。
「おい!危ないぞ!」
「ジャンケン.....」
「グーーー!!!!!」
BOOOOOM
「!?」
オーラが篭った右拳が仮想ロボットにヒットした。凄まじい破壊力があり、仮想ロボットは粉々になった。周りにいた受験生達は、不利久須の一撃によって作り出された爆風に体のバランスが奪われた。
「まずは3点!!」
——————
「あの少年中々やりますね」
「個性は爆破かな?」
「爆破なら別の試験会場にいるあの子の方がすごいね」
「それに、一発に掛かる時間が長いね」
「HAHAHAHA!!まだそれは彼の本当の実力を見てからじゃないとわからないさ」
「オールマイト?彼のことを知っているのか?」
「HAHAHA!兎に角、今は待つんだ」
———————
試験時間も残り半分が過ぎた。
不利久須は現在25ポイント。合格には十分な点数ではない。
「ペースアップしないとやばいな」
「や、やばいぞ!このままじゃ落ちる」
「時間がない!」
「どうしよう!まだ点数が足りない」
毎年この時間になると、多くの受験生達が迫り来る制限時間により、冷静な判断力を奪われる。一度、集中力を切らすと、もう全力では戦えない。
「敵発見!敵発見!」
「敵発見!敵発見!」
「敵発見!敵発見!」
制限時間はもうすぐ終わるのに対して、仮想ヴィランの攻撃は終わらない。点数を稼ぎたい受験生達を多数の1ポイントヴィランが邪魔をする。3ポイント、2ポイントヴィランは殆ど受験生によって破壊された。
THOOM
「!!??」
爆音と共に地面から現れたのは100mを超えるかなり硬そうな0ポイントロボット。
見るからにやばい0ポイントロボット。残り数分と限られた時間では、あれを破壊するのはオールマイトぐらいのパワーがないと無理だろう。
あれを倒しても意味はない。今はもっと点数を稼ぐことに集中しよう。
不利久須は集中力を切らしていない。冷静な判断力と瞬時な判断力。相変わらずに利口な人間だ。
「きゃー!!!助けて!、」
「やばい!死ぬ!」
「あんなのどうしろって言うんだよ」
ほとんどの受験生達は、あの超大型ロボットの登場により、冷静な判断力を失った。
GOOOOOOOOO
遂に大型ロボットは動き出した。
絶望、恐怖。今この会場にいる受験生達の殆どが味わっている圧倒的な絶望と恐怖。
こうなったら、人間のする行動はみんな同じだ。
「入り口に戻れ!!」
「トンネル内に逃げろーー!」
本能的逃走。
超大型ロボットがいる場所から入り口までは、約1キロメートル。
受験生達は一斉に避難しはじめた。
誰もがトンネル内にいけば安全だと疑わなかった。誰もそこが安全だと言っていないのに。
ほとんどの受験生達はトンネル内に避難が完了した。
「良かった。私たち助かるね」
「ああ!ここなら安心だ」
GOOOOOO
「!!??」
超大型ロボットは動きを止めることなく、一直線にトンネルがある方向に向かってくる。
その距離300m
「どう言うことだ?」
「受験生のリスナー諸君!!」
「プレゼントマイク!?」
「実戦じゃ安全な場所なんてないぜ!!」
「!!??」
終わった...
トンネルの先にあるシャッターは、スタート前と同じく固く閉ざされている。試験会場にはもう逃げ場はない。
この時、多くの受験生達は気付いた。ヒーローとはいつでも正義の味方。正義の味方は何時も助ける側であって、助けられる側ではない。
ヒーロー予備軍から、一般市民になった彼らは、ヒーローが必要だ。
この時、彼らは自分らにはヒーローの器がないことを理解した。
「誰か助けて!!」
「ヒーロー!助けてください!」
超大型ロボットは動きを止めない。街を破壊しながら、爆音で大多数の受験生がいるトンネルに向かってきている。その距離ほんの200m
——————-
「今年の受験生達もやっぱりこうなったね」
「中学3年生のガキが、人生で超大型ロボットに襲われる経験なんてしているわけがない。ま、ヒーローの器がない奴はここで不合格だ」
「超大型ロボットがトンネルまでの距離50mに到着した時点で、ロボットは止まる仕組みになっているから、彼らの怪我の心配は大丈夫。兎に角、この会場にいる子達は、ヒーローの器なしだね」
「HAAAAA!! それはまだわかりませんよ!」
「オールマイト!?」
「不利久須 ゴン少年はまだ本気ではない!」
「あの子の個性は何なんですか?」
「黄金色のオーラをまとって、殴りかかっていましたよね?個性は特殊強化系かな?」
「HAHAHA !彼の個性は憑依」
「!?」
「彼はまだ本気ではない!ゴン少年の本当の力は計り知れないよ」
「オールマイト!貴方はどうして彼のことを知っているんですか?」
「HAHAH!それは後ほど」
——————-
「!?」
どうしてだろう。僕は誰かが危険な時、考える前に体が動いてしまう。前世で燃え上がる家に助けに入った時みたいに。今、沢山の人が助けを求めている。例えば、合格するために、ポイントを稼がなくちゃいけないと分かっていても、今、彼らを見捨てることは僕にはできない。
不利久須は幸いにもトンネルの近くにいた為、直ぐにトンネルの入り口前にたどり着くことができた。
「もう大丈夫。僕が来た!」
「!!??」
平和の象徴オールマイトが登場時に言う、決まり文句を言った。これを聞いた受験生達は少しだけ安堵の様子を見せた。
「オールマイト?」
「いや、彼は黄金色に輝くオーラを右拳にまとって、仮想ヴィランを壊しまくっていた人だ!」
多くの受験生達は、不利久須の戦闘能力の高さを知っている。彼はこの組みで唯一、スタートの合図と同時に駆け抜け、みんなが見ている前で、仮想ヴィランを倒したのだ。
「少しだけ下がってて」
そう言うと不利久須は姿勢を低くして、右拳に黄金色に輝くオーラをまとった。
「今出せる全力の力をこの右拳に....」
不利久須はありったけのオーラを右拳に集めている。彼の右拳は直視できないぐらい、黄金色に輝いている。
「な、なんて眩しいんだ!」
「あいつの周りの砂が舞っている」
GOOOOO
超大型ロボットの動きは止まらない。トンネルまで残りわずか150m.
「最初はグー....」
力をため終わった不利久須は構えを変え呟いた
「ジャンケン」
「敵発見!今から始末する!」
超大型ロボットが不利久須に気付き、攻撃を仕掛けた
「グー!!!!!!」
BOOOOOOM
不利久須の最大火力の一撃は超大型ロボットの右足を木っ端微塵にした。
「な、なんていう破壊力!」
「私たち助かったの?」
「右足損傷。一時停止する」
超大型ロボットは動きを止めた。
「...やった!もう僕には鼻をほじる力も残ってないや」
不利久須も安堵の表情を見せた
「ありがとう!君は僕達のヒーローだ!」
「ありがとう!」
試験終了まで残り2分。そうアナウンスがされた後
THOOMMMMMM
超大型ロボットは再び動き出した。
失った右足のせいで、体のバランスが上手くとれていないが、でかいのには変わらない。再び受験生達を絶望感を与えた。
「敵発見!敵発見!トンネル内に敵発見!」
「やばい!どうしてよ」
「もう終わった」
超大型ロボットは倒れている不利久須には見向きもせずに、トンネルに向かった。
その距離残り100m
———————
「最後の不利久須君のパワーには驚いたね!彼はヒーローポイントも入れたら合格だね!」
「はい!ヒーローの素質も十分にある!」
「別の試験であの大型ロボットの顔面を破壊した少年もいましたが、今回はパワー系個性が多いですね」
「HAHAHA !まだ試験は終わっていないよ」
「もう、誰も立ち向かいませんよ!あと数十秒で誰かがあれに立ち向かうとは思えませんし、終わりです」
「....不利久須...ゴン はまだ終わっていないよ」
「彼にはあれを倒す力は残っていませんよ」
「....ゴンさんがいる」
「....どうして震えてるんですか?」
「そうだぞ!あのゴンってガキがどうした?」
「BAKA !!! ゴンさんだ!」
—————
(....ゴンさん。力をかして」
(....SURE ) ゴゴゴゴゴ
「ありったけの力を...」
(......Follow me ) ゴゴゴゴゴ
黄金色に輝く不利久須は、見るからに正義のヒーローだった。とても温かく、見ているだけ安堵してしまうぐらいに、不利久須のオーラは人を安心させる。
「おい!あの人立ち上がったぞ!」
突如、不利久須は立ち上がった。力を使い果たした彼が再び立ち上がったのに、彼らは驚いた。
「.......」
「何か様子が変じゃないか?」
「!?」
黄金色に輝くオーラが正義なら、闇色のオーラはいったい....
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
試験会場内に不気味な音が鳴り響く。音と呼んでいいとか分からないが、不気味でまるで、この世の終わりみたいな音をしている。
すると次の瞬間、試験会場内に爆風が起きた。どこから起きたか分からないが、闇色のオーラをまとった風が不利久須の周りに集まる。
闇は深まり、不利久須の体をあっという間に飲み込んだ。
「...なんだよあいつ」
「体が大きくなっていくぞ」
不気味な音と共に、不利久須の体が成長していく。2mを超える巨漢な男が闇色のオーラをまとっている。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
闇が深すぎて、彼の顔や体をはっきりと認識できない。しかし、そのあまりにも悪の見た目から、人間だとは思えない。
「This way 」 ゴゴゴゴゴ
「!!??」
そう言った、不利久須は一瞬で消えた。
「き、消えたぞ!?」
「.....後ろだ」 ゴゴゴゴゴ
「!!??」
さっきまで超大型ロボットの後ろにいたはずなのに、いつのまにかトンネル内の後方に移動していた。
その速さを捉えれたものは誰もいない。
「....」 ゴゴゴゴゴ
「あ、あの...」
一人の受験生が声をかけた
「....後方に避難しろ」ゴゴゴゴゴ
「はい!」
トンネル内にいる受験生全員がトンネル後方に移動した。
「FIRST Comes Rock......」
ギリギリギリギリ
不利久須は姿勢を低くして、右拳にオーラをためている。オーラの量、質は前とは比べものにならないほど高くなっている。
超大型ロボットが停止するまで数メートルのところまで来ていた。
「....」 ゴゴゴゴゴ
ギリギリギリギリギリギリギリギリ
!!!!ポン !!!!
不利久須が放った一撃は音を置き去りにした。