リアス「小猫が戦車なのに役に立てないって、悩んでいるみたいなんだけど、貴方の力でどうにかできないかしら?」
隆「単純に強くするだけなら俺の血を4、5滴程飲ませればいい。そうすれば、サイラオーグを若干上回る程度には強くなるだろう」
リアス「本当に!? 早速、小猫に伝えなきゃ!」
隆「ただ、海外の女性ボディビルダーのような身体になるぞ。顔だけは可愛らしい少女だが、体系は筋骨隆々で、血管が浮き出るようなナイスマッスルな実に逞しい体系になるが、いいのか? 俺は構わんが、女性はそういうものを気にするだろう」
リアス「やっぱり保留しておきましょう!」
ソーナとのレーティングゲームは、概ね原作通りに終わった。
原作とは違い、イッセーが未だ禁手に至っていないという事で原作よりも大いに苦戦したものの、木場が物凄く頑張って何やかんやで勝った。
とどのつまり、そこはカットということである。
そして、夏休みも終わり2学期が始まって早々、オカルト研究部の部室には来客の姿があった。
「紫藤イリナと申します! 天使さまの使者として駒王学園にはせ参じました!」
「ゼノヴィア・クァルタだ、堕天使への使者としてレイナーレ殿の下に参加することになった。よろしく頼むよ」
いつぞやの二名が、駒王町を治めるリアスの下に挨拶にやって来ていた。
二人の来校を歓迎する拍手が部室内に響いた。
「ふむ、お前たち二人はミカエルから直々に派遣されたそうだな?」
「は、はい!」
隆の問いに、多少どもりながらもイリナが答えた。
「以前、俺が言ったことは覚えているか?」
「一般市民には迷惑をかけないことと、可能な限り日本の法律を守る事……だろう?」
淀みなくゼノヴィアが答える。
「そうだ、それさえ守るなら俺からはとやかく言わん……だが、守らないようならお前を殴る。
そして、その場合は上司の責任という事でミカエルも百回殴る」
「き、肝に銘じておきますっ!」
「ついでにアザゼル、お前も同様だぞ。
レイナーレ達が何か大きな騒ぎを起こしたら、お前を百回殴るからな」
「お、おう」
ミカエルとアザゼルはとんだとばっちりだった。
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数日後、部室に新たな来客者が来ていた。
この町の教会でシスターとして活動している、堕天使レイナーレとアーシアの二名である。
この二名、最初は険悪な雰囲気ではあったが今では結構仲良くやっている。
というのも、隆の鉄拳言語により方針を変えざるを得なかったアザゼルが、『部下のうっかりミスで殴られては堪らない』と、暴走しやすいレイナーレを直接の監視下に置いた。
そのため、彼女の『アザゼルの寵愛を受ける』という目的が、歪んだ形ではあるが達成されつつあるのだ。傍にいるのだから、頑張ってアプローチをかけて落せばいいと思っているわけである。
そして、アーシアはレイナーレに神器を抜かれずに済んだので未だ人間。本来なら、元々いた教会に戻りたいのだが、異端の烙印を押されているため戻れない。
そこで、レイナーレ達が所属する駒王町の教会に身を寄せ続けることになった。
最初は加害者と被害者、ということで多少何とも言えない微妙な雰囲気ではあったものの、レイナーレがアーシアに謝罪し、超が付くほど善人のアーシアはレイナーレの事をあっさりと許し現在に至る……というわけである。
閑話休題。
「今日はどんな用件で来たのかしら?」
レイナーレとアーシアの二名は、何かを頼みたそうにチラチラと視線を送っていたので、仕方ないとばかりにリアスが話を切り出した。
「その……少し頼みたいことがあって来たのよ」
「頼みたい事? 堕天使の貴方たちが、悪魔である私たちに?」
「ええ、何しろ悪魔……それも有力貴族に関してのことだから、グレモリー家の力を貸して欲しいの。
下手に私たちだけで解決したら、厄介な騒ぎになりそうで……」
憂鬱そうにレイナーレが言った。
「有力貴族?」
「……うちのアーシアが、アスタロト家のお坊ちゃまにちょっかいをかけられてるのよ」
「アスタロト家のお坊ちゃま……もしかして、ディオドラの事かしら」
「そのディオドラ・アスタロトよ、アーシアが昔助けたことがあったようでその時からしつこく付きまとわれているらしいわ」
「ストーカーってことかしら」
「そうなるわね」
ハァ、とリアスとレイナーレが同時にため息をこぼした。
「そのディオドラは、アーシアにどのようなアクションをかけているのだ?」
リアスの横で、腕を組みながら話を聞いていた隆が割り込んできた。
「わかりやすく掻いつまんでいえば、『破門された身なんだから、悪魔に転生して僕の眷属になってよ!』って何度もしつこく言い寄って来てるわね」
『しつこく言い寄って』を聞いた瞬間、隆の眉が吊り上がった。
それを見ていたリアスは「あっ……」と何かを察した。
「アーシア本人はどう思っているの?」
さっさと話しを終わらせようと思ったのか、リアスがアーシアに話を振る。
「イヤです。 何か、こう、生理的に気持ち悪くて……」
アーシアはふるふると身を震わせながら、キッパリと拒絶の言葉を発した。
「そうか……アーシアは、それをディオドラに伝えてはいるのだな?」
「はい」
「しかし、ヤツは引くつもりはないと」
「はい」
「……仕方あるまい、俺が出るか。
本来ならば警察の仕事ではあるが、人間の警察など悪魔相手には何の役にも立たん。
魔界にも警察機構に準ずる物はあるが、アスタロトのような有力貴族相手では動けん可能性もあるし、俺が締め上げた方が効果的だろう」
隆は「どっこいしょ」と呟きながら椅子から立ち上がり、首と肩をゴキゴキと鳴らした。
「俺が出る……って、ディオドラの居場所は分かるの?」
「直感で何とかなる……よっと」
リアスの疑問を他所に、隆は行ったように物理的に次元の裂けめを開いて頭だけ突っ込む。
「よう、ディオドラ!」
「えひゃい!?」
次元の裂けめは寸分の狂いなくディオドラの部屋へと繋がった。
ディオドラからしたら、いきなり目の前の空間が裂けてそこから隆の顔面が突き出ているという、まるでホラー映画のような光景が広がった。
というか、まんまシャイニングのアレである。
「アーシアから話は聞いたぞ、これ以上彼女に付きまとうのは止めろ」
「えっ…はっ…はぁ!?」
「もし破ったらまずは両腕をもぎ取る、それでも近づいたら両足をもぎ取る。
ダルマになっても近づくようなら目玉をくりぬく、それでも近づくようなら舌を引き抜く。
以上、よく覚えておけ」
ディオドラの反応を待つことなく、隆は淡々と警告を行い次元の裂けめを閉じる。
警告されたディオドラは、いきなりの事で何が何やらサッパリ分からず、警告の内容は全く理解できなかった。
話の内容より、シャイニングのアレの方がインパクトが強すぎて、それしか記憶できなかったのだ。
「よし、警告は終わったぞ。 また付きまとわれたら俺に言うがいい。
相応以上の罰を与える」
「あっ…はい、ありがとうございます…?」
自分の知らぬところで勝手に話が進んでいることで、当の本人であるアーシアも話が飲み込めていなかった。
ただ、隆が協力はしてくれるという事は理解できたようで、頭の上にハテナを浮かべながらもお礼を言った。
なお、ディオドラは警告の事をすっかり忘れてアーシアに付きまとったので、警告通り両腕をもがれた。
ちなみに「もいだ後で、しっかり味付けして当の本人に食わせようかな」と思ったんです。
もいだ程度じゃ諦めそうになかったんで。
でも、なんとなくやめときました。