DUAL BULLET   作:すももも

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04.招待

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 アタシが見ると、信じられない光景だった。

 

 ガルナが盗みを働いたはずの、要塞の財宝保管庫には、金塊や銀細工、さらには絵画や彫刻などの美術品、古本まで全てそのまま置いてあったのだ・・・。

 

 

「アイツ・・・一体、何を盗んだんだ?」

 

 

 シャルが首をかしげながら、言う。

 

 

「アイツ、確かに、『宝物奪った』って言ってたのになー。」

 

 

―――あれ?

 

 

 何かに気付きそうだった。しかし、大したことじゃなさそうだし、アタシはスルーした。

 

 

「これは・・・フ、ハハハハハハハ!」

 

 

 アタシの後にいた団長が突然、珍しく大声で笑った。

 

 すかさず、アタシが言う。

 

 

「団長、アイツはバカだから、金目の物が何か知らないんだよ、きっと。」

 

「金目の物・・・・・か。確かにそうだろうな。しかし、それは一面だけであって、本質ではない。」

 

 

 よく分からないことを言いながら、団長は懐から小さな紙を取り出して、シャルに渡して言った。

 

 

「昼間調べた、この要塞の財宝類保管リストだ。俺は頭に入っているから、お前達で確認してみろ。」

 

 

 シャルは素早くリストと現物をチェックし終わって説明する。

 

 

「ふむふむ・・・。ここにないのは5点。ローザンヌの化粧箱、ミーサの裁縫箱、中将ドミンゴの葉巻入れ、ラダのワインコルク(保管具付き)、ノザリアのコインケース・・・。歴史的価値が高く、ノースタリアの動乱時、公族達が避難する際、この要塞に持ち込んだものですね。物自体も、専用の技師や職人が作ったらしく、美術品としての価値もあります。」

 

 

―――ん?

 

 

 また、か。なんだろう、何かに気付きそうなんだけど、分からない。

 

 

「マチ、ここを出たら、ガルナ・・・と言ったか、アイツの話を聞かせろ。」

 

 

 団長は、ますますアイツに興味を抱いたようだ。

 

 

「もし、仮にアイツが欲しいものだけ奪ったとしたら、バカだけど『蜘蛛』を出し抜いたってことか・・・。悔しいなー・・・って、マチそれ!」

 

 

 こちらを見ながら、軽口を叩いていたシャルが突然、声色を変えて指差す。

 

 

―――!!

 

 

――「マチ、戦闘中に『凝』をおろそかにしないことだよ。」

 

 

 瞬間的に、アイツの言葉を思い出す・・・。

 

 

 あのとき、「隠」で隠し持っていた、もう1丁の黒い拳銃・・・。

 

 咄嗟に腕でガードしたけど、あの弾丸に特殊能力を付与させていたのか。

 

 

 

 

 アタシの右腕の内側に、いびつな形の黒い模様がついていた。

 

 炎のような、飛沫した1滴の血のような・・・。

 

 拳の大きさくらいの、その黒い模様は、中央に白く「6」という数字があった。

 

 

「アイツの能力か。厄介だな・・・。」

 

 

 シャルが呟いて、考え込む。

 

 

 アタシは、悔しさで胸がいっぱいになっていた。

 

 

 今、思えばアイツに似合わない、あの戦い方を考えれば、分かることだった。

 

 確かに今まで銃なんて見てないけど、あれが「能力」の要だとすれば、察しはつく。

 

 

 今まで、見せないようにしていたのだ。バカなりにアイツは考えている。

 

 

 しかも「瞬間移動」を戦闘に取り入れて来た。

 

 

 アタシの技を間違いなくパクってるけど、何回か見ただけで、あのレベルなら、いずれ近い内に脅威になる。

 

 アイツの能力は、使い方次第で危険だ!!

 

 

 悔しいのは、敗北を認めている自分。

 

 「蜘蛛」を出し抜き、自分の欲しいものを奪って、しかも、アタシにまで何らかの念を仕掛けた。

 

 アイツは、ガルナは、甘く見てはいけない相手だったのだ。

 

 

 アタシの中で、ガルナの認識が大きく変わり始めていた・・・。

 

 

 

 

「考えるのは後だ。まずはお宝を運ぶ。全員欲しいものを選べ。」

 

 

 団長がそう言って、全員が動いた。

 

 

 

 

 2時間後、仮のアジトでささやかな宴を開いた。

 

 

「マチ、結局何も盗らなかったんだ?」

 

「まあ、欲しいものなかったしね。」

 

 

 シャルの問いに、アタシは缶ビールを飲みながら答える。

 

 

―――?なんだろう、確かに、何か違和感あるな。

 

 でも、今までもアタシ好みのモノがないことは、あったし・・・。

 

 

「なら、いいけど・・・。ソレ気にしてるんなら、やめた方がいいよ。マチなら、どこに飛んでも大丈夫でしょ?」

 

 

 シャルがアタシの右腕の黒模様を指差して励ましてくれる。

 

 アタシは笑って答える。

 

「いや、大丈夫。ホントに欲しいものがなかっただけだし。」

 

 

 

 

―――ヴヴーン。

 

 

 

 

 妙なオーラを感じて、腕を見る。

 

 すると、黒模様の中央の数字が光り始めていた。

 

 

「『発動』したっぽい。」

 

 

 アタシが言うと、団長も近づいて来て、3人で「凝」を使ってそれを見る。

 

 

 光っている数字が「6」から「5」に変わっていた。

 

 

「?一瞬では移動しないのかな?」

 

「長いね。」

 

「ふむ、そこが制約か。」

 

 光っている数字がだんだん減っていく。

 

 

「これ、秒だね。発動に6秒かかるとか、不便すぎるよ。」

 

 

 シャルがそう言うと、アタシが思い出したように言った。

 

 

「アイツ、能力発動のときに『セカンド・ブリット』とか『ファースト・ブリット』とか、言ってたかも。」

 

 

2番目の(second)弾丸(bullet)1番目の(first)弾丸(bullet)か。」

 

 

 団長が言い終わる前に、黒い模様の数字が「0」になる。

 

 同時に、アタシの身体がオーラに包まれた――。

 

 

 

――――――。

 

 

 

 

 別段、変哲のない、普通の部屋だった。

 

 ブルーの暗めな照明に照らされている、簡単な形のソファー、テーブル。

 

 ベッドは小さめのシングルタイプ。

 

 そういや、アイツ、チビだった気がする・・・。

 

 アタシよりはちょっとデカイけど・・・。

 

 

 すぐに、アイツの部屋に飛ばされたのだろう、とアタシは理解した。

 

 

 しかし、不可解なのは床からテーブルから、ほとんど隙間なく、数え切れないほどの美術品が綺麗に並べてあること。ブルーの薄暗い照明がそれらを照らす。

 

 例外は、アタシが立っている場所。

 

 

 床に描かれている、いびつな形の、白っぽい模様・・・。

 中央に黒く「6」と書いてある。

 

 アタシの腕についている模様との色違い。

 

 

―――おそらく、同じ数字同士の一方通行型の瞬間移動能力。

 

 

 

 

―――それにしても・・・。

 

 

 アイツ、いい趣味してるな。

 

 ここにある美術品、全てアタシ好みだ。

 

 

 団員からは、マチの趣味は、よく分からない、とか言われるんだけど・・・。

 

 ぶっちゃけ、実際に見ないと欲しいものとか分からなくない?

 

 フィーリング大事だよ。

 事前に探すにしても、写真ないと盗る気も起こらないしね。

 

 だから、アタシは「蜘蛛」の仕事を選り好みせず、参加する。

 

 だって、そこにアタシの欲しいものがあるかもしれないし。

 

 

 

 

―――でも、アタシの心を奪うモノを、一度にこんなに沢山見るのは初めてね・・・。

 

 そうだ。アイツを倒して、命乞いしてきたら、この美術品全部もらおう。

 

 うん、アタシは実利に生きる女だ。

 

 これがもらえるなら、アイツを殺すのをやめてやってもいい―――。

 

 いや、殺して奪ってもいいんだけど・・・。

 

 あれ?なんでアタシそんなこと―――。

 

 

 ふと、男の視線に気付いた。男は「絶」を使っている。

 

 

「・・・ガルナ?」

 

「初めまして?違うか。久しぶり、マチ。」

 

 

 ガルナは笑いながら手を振る。

 

 

「ところで、これ全部あげる。」

 

 

 アタシが何か言う前に、ガルナが素早く言った。

 

 アタシは驚いて答える。

 

「バカなの?アンタのコレクション、簡単に人にあげちゃうとか・・・。何考えてるの?」

 

 

 さっきアタシがコイツから奪おうとしていたことは秘密。

 

 すると、ガルナは考え始めた・・・。

 

 

「コレクション?よく分からないけど、俺は美術品には興味ないからね。ていうか、最初から、あげるつもりで盗んでたし。」

 

 

―――?

 

 意味が・・・分からない。

 

 

「これ、さっきのやつ。」

 

 そう言って、ガルナが差し出してきたのは、ローザンヌの化粧箱、ミーサの裁縫箱、中将ドミンゴの葉巻入れ、ラダのワインコルク、ノザリアのコインケース・・・。

 

 さっきの要塞で、ガルナが盗んだもの・・・。

 

 

 全て、アタシ好み・・・。

 

 見たら、分かる。素直に欲しいと思える。

 

 

 そうか、さっき気付きそうだったのは、「アタシの欲しいもの」だということか。

 

 アイツは美術品に興味ないけど、美術品を集めていて・・・。

 

 コイツ、まさかアタシの為に盗みまでして、集めていたの?

 

 

 

 

 マジで・・・バカ・・・。

 

 

 ちょうど、ローザンヌの化粧箱を見ていたアタシは、鏡に写った自分の顔が赤くなっているのに気付いた。

 

 誤魔化すようにアイツに背を向けて言う。

 

 

「何か、アンタを殺す気が失せた。」

 

 

「それは、良かった。まあ、これは最初に会ったときにアレを壊しちゃった、お詫びということで・・・。」

 

 

「アレ1個で、これ?割りに合わなくない?」

 

 

 ガルナの言葉にアタシが振り向き様に、突っ込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・。

 

 

 2人とも何も話さない。

 

 沈黙が続く・・・。

 

 

「や、ホントはアレと同じものを探してたんだけど、なかなか無くてさ。アレってほら、レア度が低いから、逆に個人所有が多すぎて・・・探しきれなくて・・・。ホントに壊して、ごめんなさい!」

 

 

 ガルナが手をワタワタさせて、謝罪し始めた。

 

 

 

 

 

 

 悔しいけど、何かカワイイ・・・。

 

 

 

 

 

 

「目、つぶって。」

 

 

 アタシは強く短く、命令口調で言った。

 

 アイツは、有無を言わせないアタシの言葉に素直に従う・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アタシの唇が、ガルナの唇に重なった・・・。

 

 

 逃げられないように、しっかりガルナの体躯を、抱き締める・・・。

 

 

 でも、なんでだろう。

 

 ガルナもアタシの軆を抱き締めてきた。

 

 

 逃げられないように、能力を封じるために、アタシはガルナの舌に自分の舌を絡ませる。

 

 

―――逃げられないように・・・。

 

 それ以外の気持ちはこれっぽっちもない―――筈・・・。

 

 

 ガルナがさりげなく、照明を消す音を聞いた―――。

 

 

 

 

△△△△△△△△△△△△△△△

 

 

 

 

「マチ、大丈夫かな・・・?」

 

 

 シャルナークは、呟いた。

 

 

 

 マチが、ガルナの「能力」により、飛ばされてからもう2時間以上経つ。

 

 いまだに、マチから連絡は来ない・・・。

 

 

「奴なら、大丈夫だろう。むしろ、転移先がガルナのアジトなら、返り討ちして『お宝』を奪う筈だ・・・。」

 

 

 クロロが静かに語る。

 

 シャルナークはすぐに聞き返す。

 

 

「奪う?どういうこと?」

 

 

「さっき、ガルナが盗んだ品・・・。おそらく、マチが欲しがりそうなものばかりだしな。」

 

 

 クロロが造作もなく、答えた。

 

 

「・・・知らなかった。そういえば、マチの趣味って良く分からないんだよな・・・。あっ!だからマチは『欲しいものがない』って・・・。」

 

 

「マチ自身、自分の趣味嗜好を、言葉で表現できないからな。だが・・・ガルナはそれを正確に見抜いた。」

 

 

 シャルナークの言葉に、クロロが補足して言う。

 

 

「アイツ、ガルナの『獲物』はマチってことか・・・。でも、悔しいな。マチとは、付き合い長い筈なんだけどなー。マチが欲しいものが分かるとか、何者なんだろう、ガルナは。」

 

 

「おそらく、でしかないが、マチと近い感覚を持っているんだろう。」

 

「?何それ?」

 

「理屈ではなく、『フィーリング』に生きているってことだ。」

 

「勘・・・ですか。」

 

 

 シャルナークとクロロは笑い始めた。

 

 

「もし、ガルナが『蜘蛛』に入ったら面白そうだね」

 

「フッ・・・。もし、ではなく、必ず入れるさ、俺がな。」

 

 

 シャルナークの話に、クロロの団長としての言葉が、重く辺りに響いた・・・。

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

 

 

 

 暗闇の中で、2人は交わっていた。

 

 

 小さなベッドを、ギシギシと揺らしながら、互いの敏感なところを、探し合う・・・。

 

 

 暗黙の了解で、男と女は互いに「絶」を使っていた。

 

 「絶」により、肉体の感覚を鋭くさせ、オーラによる緩衝もなく、男と女の肌は直に触れる。

 

 

 

 

「『絶』が、甘くなってるよ?」

 

 

「うるさいな。さっきから同じとこ、攻めすぎ・・・アッ・・・こら!」

 

 

 

 男の動きに、女はビクンと反応し、女は男をたしなめる。

 

 男はそれが、逆の意味だと理解し、さらに舌で愛撫する・・・。

 

 

 

 

 2人にとって「言葉」は飾りだった。

 

 

 お互いの肌を求め、許し、攻め、そして、高めあう・・・。

 

 

 

 

 

 そして、何も言わず、ゆっくりと、男は女の中に侵入しようとする・・・。

 

 

 女は、シーツを力一杯掴み、それを受け入れる。

 

 

 2人はそれから、無意識に最適な動きをして、最頂点を目指した・・・。

 

 

 男と女は、肉体と思考が繋がり、相手の求めていることも、互いに理解できた。

 

 小さなシングルベッドは、悲鳴のような音を鳴らすが、そんなことはお構い無しに男と女の動きは激しさを増す・・・。

 

 

 男が上になっていたはずが、いつの間にか、女が上になる。

 

 

 最後には、男が上になり、ラストスパートの如く、動きを速める・・・。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 互いに、全く同じタイミングで、最頂点に到着した・・・。

 

 

 

 

「ハァッハァッ・・・!」

 

 

 上気した軆を女が、息を吐きながら、揺らす。

 

 

 男も呼吸が荒くなっていたが、女のその姿を優しく、愛しく、見守りながら、そっと自分の腕を女の枕にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、1つ、疑問があるんだけど・・・。」

 

 

 女が聞くと、男は、無言でそれを促した。

 

 

「アンタが盗んだものってどうやって、選んだの?」

 

 

 女、マチは聞いた。

 男、ガルナはゆっくりと、それに答える・・・。

 

 

「いや、マチって『箱』好きでしょ?」

 

 

「は!?」

 

 

 マチはあまりに驚いて、上半身を起こす。

 

 

「違った?ああ、内容は俺のセンスだけど・・・。」

 

 

 

 ガルナの言葉に、マチは唖然とする・・・。

 

 

「アタシ、『箱』が好きだったの?自分でも、わかんなかったのに・・・。」

 

 

(アタシの内面を、深く理解してる・・・。)

 

 

 マチは、嫌な気分ではなかった。

 

 

 

 

 しかし、恥ずかしいことには変わりない。

 

 

 常人を殺す程度の軽めのチョップを、ガルナに打つと、ガルナの反対方向を向いて寝たふりをする・・・。

 

 

「いてえ!なにすんの!?」

 

 

 ガルナは、涙目になりながら、突然の理不尽を訴える。

 

 

「うるさい。」

 

 

 マチは、振り向き様に、これ以上、ガルナに喋らせないように蓋をした。

―――自分の唇で。

 

 

 

 

 そのまま、流れるように、獣のように、本能のまま2人は交わり、混ざっていく・・・。

 

 

 その攻防は明け方まで、何度も繰り返された・・・。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 アタシが起きてすぐ感じたのは、怒りだった。

 

 

 昼下がりの陽の光に気付いて、体を起こすと、唖然とした。

 

 

 この部屋には、カーテンというものがなかったのだ。

 

 

「マジ、最悪。バカ、死ね。」

 

 

 隣にいる、バカ面で幸せそうに寝てる男に聞こえるように、言うが全く反応がない・・・。

 

 

 この男、自分が死にそうにならないと、起きないんだろうな・・・。

 

 

 

 

 昨夜のことを思い出すと、恥ずかしくて、死にたくなる。

 

 

 ホントになんでこうなっちゃったんだろ・・・。

 

 

 だけど、ホントに何故かよく分からないけど、今アタシは起こした体を、またベッドに戻して、ガルナの肌を感じるように、抱きついてしまってる・・・。

 

 

 

 

―――これは、そう。

 

 

 カーテンが無いせいだ・・・・。

 

 

 人肌の温度の毛布にくるまって、そう自分に言い訳をした・・・。

 

 

 すごく、眠い。このままダラダラ寝ててもいいかな。

 

 

 

 

 

 どこかから、携帯が鳴るのが聞こえる。

 

 そういえば、昨晩ずっと鳴ってたような・・・。

 

 

 

 夢中になってて、アタシもアイツも、どっちも気にしなかった・・・。

 

 

 

 

 

―――なんて言い訳しよう。

 

 

 アタシは、頭の中でグルグル考えながら、仕方なくベッドから出る。

 

 

 もちろん、毛布は奪って、アタシの身体に巻き付ける・・・。

 

 ガルナの身体は丸見えになるが気にしない。

 

 

 

 恐る恐る電話に出ると、団長だった。

 

 

「奪った『お宝』を、本拠地(ホーム)に連れてこい。」

 

 

 団長が一方的に言うと、電話が切れた。

 

 

 

 

 

 う・・・全部、お見通し・・・か。

 

 

 最後、「連れてこい」って言ってたし・・・。

 

 

 恥ずかしくて、悶え死にしそうになるけど、まあ、これは仕事。

 

 

 アタシはシャワーを浴びながら、アイツを連れていく方法を考えた・・・。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 俺は起きると、昨晩のことは夢だったのか?と思ってしまった。

 

 

 瓦礫の山、まるで廃墟の中・・・。

 

 

 目の前に広がるのは強面の面々・・・。

 

 

 中央に陣取っているのは、昨日要塞で見た、ヤバそうな奴・・・。

 

 

「ようこそ、『蜘蛛』へ。俺は『幻影旅団』団長のクロロ=ルシルフル。」

 

 

 ヤバそうな奴がそう言った。

 

 

―――?幻影旅団?蜘蛛?

 

 どっかで、聞いたような・・・。

 

 え?まさか、A級賞金首とかの人達?じゃないよね?

 

 

 

 俺はキョロキョロするが、なんか・・・これ、マジっぽい。

 

 

 

 

 ふと背後を見ると、マチがこちらを見やり、ムスッとしてる。

 

 

 ということは、マチ・・・さんも、あのA級首集団の一員?・・・だよな、状況的に。

 

 

 アレ?俺は今、念の糸でグルグル巻きにされてる?

 

 ていうか、喋れないと思ったら普通にガムテープ貼られてるし・・・。

 

 ああ、なるほど、俺の手が後ろで縛られてて、剥がせないからか。

 

 

 いやいや、駄目じゃん!逃げられないし!

 

 

 

「残念ながら、今ここに集まったのは半分程だが、俺も入れて、全部で13人。いや・・・この間、減ったから12人か。」

 

 

 

 

 

 

 俺は、何も言って無い!聞いてない!ちょっと、助けて!

 

 

「ガルナ=ポートネス。お前のことは、簡単に調べた。仕事が無いんだろう?」

 

 

 俺は、目を逸らして、何も伝わらないように努力した。

 

 

「新しい就職先として、この幻影旅団(クモ)に招待しよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 ヤバい奴がヤバいことを言った・・・。

 




 何とは言わないけど、ごめんなさい!!!!

 でも、フィーリング人間って流されやすい気がする・・・作者も含めΣ( ̄□ ̄;)
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