終末日誌   作:木刀超好き

15 / 15
九月十五日

 協定を結んだお陰だろうか。

 ここ数日は平穏で退屈で、それじゃあ何をしているのかと言えば麻雀だ。将棋だ。あるいは、堀と杭を作ってゾンビを転がす準備だ。

 だが油断はできない。一週間後に控えたゾンビ掃討作戦のこともある。作戦は単純そのもので、ゾンビを転がして頭を潰す。それだけである。

 しかし、問題がある。一人辺りが一分間で破壊できるゾンビの数をゾンビDPSとでもいうとしよう。secondは秒だがここは分単位で考える。デスパーセコンド。デスパーミニッツ。恐らく5匹あたりが限界だ。試しに斧で死体と化したゾンビを叩いてみたのだけれども、振りかぶって倒れたゾンビの頭部に狙いを定め打ちおろし、そしてまた構え直して打ち下ろす。意外と手間がかかる作業だ。

 12人で一斉に処理できる数は一分あたりに60匹。十秒以内に持ち場に二匹目が来たら人死にが出る。これはちょっと考え直した方がいい。

 というわけで戦力増強のため、葉柳に武器の調達を相談しにいった。彼女を戦力として誘うことも考えたけれども、流石にそれは良くないような気がする。所詮は他人だ。巻き込むこともない。

 今回の相談はあくまでジャバウォックなる人物の行方を知るためのものだ。葉柳が持っているような長刀があればホームセンター襲撃も楽になると思うのだ。

 鈴木は最近機嫌が悪い。ゾンビをレイプできていないからかもしれない。それに共同生活では何かと不便だろう。せめて寝る時ぐらいは別の部屋に移ることにした。そういえばトカレフだが、肝心の弾丸が10発しかないためあてにならないのだった。

 10発では射撃練習もできないし、このトカレフは安全装置もないので持ち歩くにも不便だ。

 んなら、エアガンで練習すればいいじゃんという発想が出る鈴木はやはり頭がいい。

 エアガンは件の動画投稿者の部屋に合ったものを拝借することにした。標的、10メートル先の段ボールを繋げて作った仮標。

 英語は分からないが大手動画サイトのオッサン指導を参考に撃つべし撃つべし。

 スポコンスポコンと面白いように弾丸は外れた。僕も鈴木もパソコンと睨めっこして視力を落とす訓練にいそしんでいた成果が遺憾なく発揮されていた。

 やはりトカレフは使い物になりそうにない。誤射でもしたら目も当てられない大惨事である。それにこのデカい音でゾンビを引き付けてしまうのがいけない。

 糞して寝ることにする。

 もうこうなったら最低限退却路を確保しておけばいい。

 なんだか、今回の襲撃計画は嫌な予感がする。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。