終末日誌   作:木刀超好き

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九月五日

 今日出会ったら鈴木健司について、どういう事を書き残せばいいのか分からない。どうせなら可愛い女子高生の方がよかったとか、妙齢の美女のほうが嬉しいなどという感想はお互い様であると思う。

 

 さて、彼はいわゆるプログラマーで官庁に収めるソフトの開発に携わっていたとのことである。年齢は僕よりも五才年上だった。いやそれはいいのだけれども、それはいいのだけれども正直に書くと許容しがたい点があった。

 それは女ゾンビのレイプ癖である。何を言っているのか分からないかもしれないが、僕も混乱しつつこれを書いていることを理解して欲しい。

 

 コンドームを付ければ平気だと彼は言った。潤滑油にはサラダオイルを使えばいいと言う。

 詳細について記述しよう。

 まず鈴木は女ゾンビを殺してから犯す。それはまあ分かる。生きていれば抵抗してきて危険だからだ。腕を引き千切られるかもしれない。なのでスレッジハンマーで頭をカチ割ってから致すのだという。女ゾンビが生きているかどうかとか、既に人としての意思がないものを犯すのは死体損壊であるとか、そこら辺の定義は好きに分類すればいいだろう。鈴木によれば女ゾンビの死体はまだぬくもりがあり、特に腐臭もしない。だからゾンビは体が動く死体とかそういった分類よりも、意思を奪われた人間というのが正しいらしい。

 

 鈴木とまあ仲間としてこれから付き合っていくことになるわけだが、あの性癖についてはどうにも理解不能だ。なにが悪いんだ、と問い詰められたら返答に窮する。遺族の感情が問題であるとすれば、この世界に遺族はいない。ゾンビ菌なるものが存在するとして、それに感染してゾンビになるのは彼の問題だ。要は資源の有効活用だと彼は悪びれもせずに言い切った。確かに気の狂いそうな終末の世界で、女ゾンビとの交歓によって正気を保てるならば(少なくとも対人面での凶暴性を抑えられるのならば)それはそれでいいのかもしれない。

 

 デメリットは特に存在しない以上、別にどうでもいいだろう。取り合えず夕食後に鈴木と見たバットマンは面白かった。

 今日は鈴木の住むマンションの隣の一部屋を借りて寝る。丁度、ゾンビハザードが起きたときに外出中だったらしい。ベランダから窓を開けて入ったそこは廃ビルに比べれば楽園だった。少し暑いが、ベッドで寝られる上に風呂に入れるのはいいことだ。おまけに野菜の缶詰もあり水道水も飲める。卓上コンロを使えばレトルトカレーも食べられる。ほかに書くことは、……そういえば、この手の緊急事態の際は水を節約するために皿の上にラップを敷き、そこに料理を盛るといい。食後にラップを剥ぐだけでまた皿が使えるようになるのだ。

 明日は鈴木と二人で近くのコンビニのゾンビを掃討して食料源を新たに確保することになった。人口密度が上がれば食料の消費も速度も上がる。これは重大な事態と言えるだろう。ベランダを利用した家庭菜園を考えるべきかもしれない。

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