【SW2.0】シノビ・ワールド【閃乱カグラシリーズ】   作:龍委員長

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グダグダと長くなったセッションもようやく終了です。


A1-5

未来:

 それじゃぁ、エピローグに入るわよ。確認するけど、蛮族はみんな気絶どまりだけど、処分はどうする?

 洞窟から離れたところでフン縛ってるフッドにコボルト、でボルグたちは全員気絶ね。

椿:

 世界観的に生かしておく理由は無いのよね?

未来:

 まぁ、そうね。人族にとって蛮族は自分たちの生活を脅かす恐ろしい存在だものね。例外が無いわけではないけれど。

鴉:

 生死観はどうなってるん?

未来:

 死者の魂は神の元へと送られるわ。神さまが認めてくれればそのまま神様に仕えたり、自身が神様になったり。

 そうでないなら、転生して新しい生命として誕生する。

 最後の審判と輪廻転生を合わせたような考え方ね。

右京:

 復活は? こういうゲームだと死んでも蘇られるんじゃねぇの?

未来:

 できるわよ。ただし、魂が穢れるわ。

左京:

 穢れ?

橘:

 そういえば、ナイトメア(リンダ)は穢れを1点持ってるって言われたわね。

未来:

 えぇ。この世界の人族は魂が穢れることひどく嫌うの。蛮族が魂を穢れさせることで生物的に強靭な力を得た種族群だから、ということらしいわ。

 ナイトメアは、魂が穢れた状態で生まれてくる上に、産まれもって生えている角のせいで卵生のリルドラケン以外から産まれてくる時は母体を傷つけながら産まれてくるの。

A.R.C.:

 ?!

椿:

 そ、それって、

未来:

 だから、胎生の種族。人間、エルフ、ドワーフで、「ナイトメアの子を持つ母親」という存在はほぼ、皆無らしいわ。

右京:

 差別されちまうわけだ・・・。

左京:

 それでも本人に罪は

未来:

 無いわよ。だから一部の国を除いて、公的にナイトメアを排斥するような国はないわ。

鴉:

 一部あるんかい・・・。

未来:

 まぁ、この卓に関わって来るかどうかはわからないけどね。

 で、こいつらどうする?

橘:(ラクシアゴッドブックを読みつつ)

 ・・・双子女神的に、他者の命を奪うこと自体はタブーではないのね。

未来:

 あぁ、そうね。

橘:

 ・・・s

鴉:

 そんならとどめさしてもかまわんやろ。

橘:

 ・・・うん。

未来:

 そうすると・・・

 

==========

 

ハイリア地方 ロウラル王国 西部 郊外

 

GM(未来):

 しとめた蛮族たちが目を覚まさぬうちに急所を突きとどめを刺していく。戦利品として剥ぎ取った素材が村の人々への、依頼達成の証となるだろう。

 そうした作業を繰り返し、コボルトたちを縛りつけた場所へと引き返す5人。

 

コボルト(GM):

 「?!」

 おのおの血塗れ、明らかに自分たちの仲間のものと思える物品を持っている彼女たちの姿にコボルトもフッドも息を呑む。

 

リンダ(橘):

 「あなたたちの情報どおりだった。ありがとう」

コボルト(GM):

 「そ、それじゃ」

リンダ(橘):

 「さようなら」

 

GM(未来):

 静かに右手に握られた得物を高く掲げるリンダ。

コボルト(GM):

 「そ、そんな!約束がちがいます!」

 

===========

 

橘:

 え? そんな約束した?

椿:

 言ってたでしょ。命だけはって言われて、心がけ次第で、て!

鴉:

 珍しいな、橘が自分が言うたこと忘れるやなんて。

橘:

 う、うん。演技のことで頭がいっぱいになってたみたい。

未来:

 どうする? やりなおす?

 シナリオ的にはもう終わりだからどう処理してくれても問題は無いけれど。

橘:

 う、・・・リンダの経歴としては人族に仇なした以上見逃さないと思うんだけど、

鴉:

 ここで命乞いしてる奴しとめたら、ウチらのキャラがリンダに不信感を持ちそうやな。

椿:

 ・・・リンダは嫌な顔をするとは思うけど止めないと思うわ。

未来:

 え?

椿:

 レガリアって対蛮族の最前線なんでしょ? こういう戦の非常さは体験して無くても実家のお客から聞いてると思うのよ。それこそ、情けをかけたばっかりにひどいメに遭ったとか。

右京:

 なるほどなぁ。タシギスたちは命乞いする相手にまでは手を上げづらいか?

右京:

 そう、だね。詐欺師に容赦するかどうかは判らないけど。

鴉:

 コロネも・・・止めるやろうなぁ。

橘:

 、そうか。3対2で止められるなら、リンダも強行はしない。

椿:

 カメリアも、そうね。内心はやりたくない立場だし。

未来:

 OK。

 (コボルトはそれで大丈夫だけどフッドはどうしたものかしらね・・・)

 

==========

 

GM(未来):

 振り上げられるリンダの手。コボルトとフッドの表情が驚愕と恐怖に凍りつく。

コロネ(鴉):

 「ちょ、ちょちょっ!」

タシギス(右京):

 「なにしてんの!」

エウギス(左京):

 「協力してくれたんですよ?」

リンダ(橘):

 「・・・人族と共に生きていけるか」

GM(未来):

 リンダに問われ、一瞬キョトンとしていたコボルトだが、はっとすると慌てて首を縦に振る。

コボルト(GM):

 「は、はい! 努力します! だ、だから!」

リンダ(橘):

 「、そっちは?」

 フッドを睨みつける。

GM(未来):

 コボルトが通訳をすると、フッドは一瞬目をむくとリンダを睨みつけて何事か口走った。

 それを聞いたコボルとは更にフッドに何か話しかけるが、フッドの態度が変わる様子は無い。

カメリア(椿):

 「な、なんて言っているの?」

コボルト(GM):

 「え、あの・・・」

リンダ(橘):

 「言え」

コボルト(GM):

 「っ。ひ、人族といっしょは無理だって・・・」

リンダ(橘):

 「そうか」

 

SE:ヒュッ ガッ

 

コボルト(GM):

 「ひっ」

 周囲が止める暇もなく振り下ろされたスティックがフッドの脳天を割った。

リンダ(橘):

 「お前は、村の人たちに預ける。お前たちが襲った村だ。心の底から奉仕しなければ・・・」

コボルト(GM):

 「が、がんばりますっ!」

 

==========

 

未来:

 想像はしてたけど、躊躇無かったわね・・・

橘:

 、そういうキャラのつもりだし、フッドは共存難しいそう。

未来:

 まぁね。

 それじゃぁ、コボルトを連れてはぐれ者の村に戻って、討伐の証拠として戦利品とコボルトの土下座を見ると、ミルクホールのマスターはとりあえず納得してくれるわ。

 お礼として1人当たり保存食を7日分ずつ分けてくれて、ここでの宿泊を許可してくれるわ。

椿:

 な、なんか保存食がいっきに溢れてるんだけど良いの?

未来:

 いいのよ。保存食代、宿泊費、それに戦利品の換金合わせても、相場より額は少ないんだもの。

鴉:

 そうなんか、ほな有難くもらっとくわ。

未来:

 それと、戦利品が340G相当。5人で分配だから1人68G。これは、ほんとうなら次回もっとちゃんとした街で換金することになるんだけど、もう所持金に書き込んでいいわよ。

右京:

 あいよ。

未来:

 最後に、ちゃんとパーティーを組むロールプレイをして〆かしらね。

 

==========

 

ハイリア地方 ロウラル王国 はぐれ者の村 ミルクホール

 

マスター(GM):

 「・・・初仕事はどうだった」

カメリア(椿):

 「え?」

マスター(GM):

 「冒険者なんだろう? 駆け出しと言っていたし、依頼という形での討伐は初めてなんじゃないのか?」

コロネ(鴉):

 「えぇ、まぁ」

マスター(GM):

 「無事に帰ってこれたという事は、少なくとも運は有るという事だろう。パーティーとしては悪くないんじゃないか」

 マスターは忙しなくホールと走り回るコボルトを眺めながら、興味なさそうに5人に語りかけていた。

タシギス(右京):

 「私たちが・・・」

リンダ(橘):

 「パーティー、を」

GM(未来):

 顔を見合わせる5人。その様子を気にするわけでもなくマスターが続ける。

マスター(GM):

 「で、どこを目指しているんだ? 城下か? ここより治安が良いって話のハイラルか? 蛮族領突っ切って北か?」

カメリア(椿):(北方の実家から家出中)

 「いや、北はちょっと・・・」

コロネ(鴉):

 「ひとまず、城下町にと思ってます」

タシギス(右京):

 「私たちも、人が多いところのほうが都合が良いし城下のほうだな」

マスター(GM):

 「さびれてて悪かったな」

エウギス(左京):

 「そういうつもりでは、・・・あ、マスター。この村にハイマンの旅人が通りませんでした?」

マスター(GM):

 「ハイマン? そんな珍しい種族みたら覚えてるだろうが・・・しらねぇな。人探しか? 力に成れなくて悪いな」

エウギス(左京):

 「いえ・・・」

マスター(GM):

 「そういうことなら、確かに人が多いほうがいいだろうな。神官の姉ちゃんは?」

リンダ(橘):

 「とりあえず、冒険者の店がある場所に行きたいんだが」

マスター(GM):

 「近場だと・・・当然ロウラル城の方になるな」

リンダ(橘):

 「なら、そちらを目指そう」

カメリア(椿):

 「もう少し、一緒に行動、みたいですね」

コロネ(鴉):

 「そうみたいですね。よろしくお願いします」

リカント&ナイトメア

 『よろしく』

 

==========

 

未来:

 なんとなく、同行が決まったところで今回のセッションは終了よ。お疲れ様。

A.R.C.:

 おつかれさま~。

未来:

 どうだった?

椿:

 演技力より、アドリブ力? そっちが鍛えられそうね。

鴉:

 あぁ、せやなぁ。

未来:

 実際、ここまで演技しなくても行動の宣言だけで物語が出来上がっていくからTRPGの1ゲームの単位は一般的に即興劇(セッション)て言われるのよ。

右京:

 なるほどな。ゲームとしても面白かったぜ

左京:

 あぁ。思い通りに行動が成功しなかったり、ドキドキが味わえた。

未来:

 そういってもらえると、GM引き受けた甲斐があるわ。橘は?

橘:

 回復役の仕事ができなかった。

未来:

 うっ・・・ごめん。

橘:

 、大丈夫。それより、これで終わりなの?

未来:

 あ、ううん。

 まずは、経験点の配布ね。

 1人1,150点ね。それと、判定や威力表でピンゾロ振ったキャラは1回につき50点追加してちょうだい。経験点の欄に合計して記入しておいて。

椿:(ピンゾロ2回)

 あら、自動失敗で経験点多くなるの?

未来:

 失敗から何かを学んだのよ。要らないなら別にいいけど。

椿:

 要る! 要ります!

未来:

 最後は名誉点ね。

鴉:

 めいよてん?

未来:

 そのキャラクターの名声がどれくらい広がっているかを表す数値よ。

 アローフッドとボルグから出てきた<剣のかけら>は、蛮族やアンデットが街に侵入しないように展開されている結界を維持するのに必要なの。

 普通、冒険者は手に入れたかけらを街や国に寄付することで、人族の生活圏の安定に貢献したとして名声を得るの。

右京:

 そんな便利なモンがあるのになんでこの村はボロボロなんだ?

未来:

 結界を作る護りの剣は超がつく貴重品だからね。首都や大都市にしか無いのよ。護りの剣1本が展開できる結界の大きさにも限界があるから、大きな都市になればなるほどそこに護りの剣を集中させる必要があるわけ。

左京:

 みんな都市で生活しないの?

未来:

 もちろん、危険を嫌って移住もあるでしょうけど、頼るツテが無いと難しいんじゃない?

 ちなみに<剣のかけら>は寄付ではなく売却という形で換金もできるわよ。名声欲しさに他の冒険者からかけらを買い取っている冒険者や貴族ってのが居るから。その場合、みんなの名声は増えないけどね。

右京:

 1個いくらくらいで売れるんだ?

未来:

 ん? 200Gね。相場だからもっと高く買い取る人もいるかもだけど。

左京: 

 2個売却で!

橘:

 ど、どうしたの。

右京:

 今回あたしら役立たずだったからな、次回に向けて魔動機術用の道具を買いたいんだよ。

未来:

 <マギスフィア>は一番安いのでも200Gだからね。2人分で最低でも2個は売りたいところね。

左京:

 うん。

椿:

 じゃぁ、2個売却で残りは寄付でいい?

鴉:

 いぎなーし。

未来:

 OK。じゃぁ、右京と左京は所持金に200ずつ増やしておいてね。

 で、残り2個の寄付も次回大きな街に着いてからが本来だけど今計算しちゃいましょう。1個につきダイス1個振ってその合計値分の名誉点を得られるわよ。

椿:

 じゃぁ私が振るわね。

 

(ころころ・・・)

 

椿:

 9ね。

未来:

 悪くないわね。じゃぁ全員名誉点が9点上昇するわ。まだまだ誰にも知られていない存在ね。

 長くなっちゃったっし、成長はまた今度にして1回おひらきにしましょうか。

鴉:

 ん、ありがとうな、未来。

未来:

 みんなもお疲れ様。

橘:

 あ、最後に1ついい?

未来:

 なに? 何か気になることでも?

橘:

 大した事じゃないんだけど、ミルクホールのマスターが急にやさしくなったように感じたんだけど、何かあるの?

未来:

 あぁそれ。単にポッと出のNPCだからキャラが定まってないだけよ。

橘:

 ・・・。

未来:

 まぁ、期待してなかった連中が本当に蛮族を退治してくれたからちょっとだけ心を許したりとかそういうのかもね。

椿:

 そうだとしたら、悪い気はしないわね。

未来:

 またこの村に来ることがあればはっきりするかもね。

 

※意訳:何も決まってない。

 

未来:

 さ、それじゃ今日のところはここまでという事で能力値の成長をしたら、片付けして撤収しましょう。あんまり長いこと占拠してたら月閃の連中に何言われるか判らないわ。

鴉:

 せやな。ほな、おつかれさん。

 

==========

 

能力値成長

 カメリア:(1,5)器用度:15→16

 コロネ :(2,1)器用度:9→10

 タシギス:(5,2)知力 :14→15

 エウギス:(4,6)生命力:14→15

 リンダ :(6,2)敏捷度:15→16

 

----------

 

獲得名誉点

 合計名誉点:9

 

 栄光:馬の骨。直接の知り合い以外、誰もその存在を知らない。

 意訳:荒れ果てたロウラル王国の片隅で村を襲っていた蛮族が退治されたらしい。




あのマスターは実は元冒険者でミルクホールも本当は冒険者の店だった。とかいう設定だと熱いですかね?

こんな調子で、2卓並行なんて本当にできるのか? ただでさえ他の卓もあるのに。そもそも2卓にした意味があるようなシナリオを考えることができるのか?

不安しかありませんがお付き合いいただければと思います。
次回はミルポ編第1セッションですが、その前に他の拙作、魔都冬木→モンスター娘→迷宮少女と予定が立て込んでいるので、かなり先の話になりそうです。年内は難しいかと。
期待せずにお待ちください。

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