勇斗はかすかな声を聞く、しかしうまく聞き取れない。
「起きてくださいっ!」
べしっ
勇斗の右頬に平手打ちが決まる
「いってぇ!?」
勇斗はたまらず目を覚ます、右頬はヒリヒリと痛い
「やっと起きましたか、もうすでに日は昇ってますよ?」
「ちょっ…いくらなんでも平手打ちで起こすなんて、って」
勇斗は絶対におかしいことに一つ気づいてしまった、それは…
「…何故に馬乗り…?」
「い、いえ…この方が平手打ちしやすいかなって…」
「えぇ!?そんな理由で!?酷い!」
「い、いえ違うんですよ!?理由は違うんですけど。い、今は言えないですっ!!」
朝っぱらから賑やかな2人である。
そのあと朝食を頂いたあと2人は宿を後にした。
「それでは私は地獄へ戻りますね、これ以上自分の役を空けるわけにはいかないので」
「分かった、それじゃあ。今まで一緒にいて楽しかったよ」
「私もです、また会いましょうね」
二人はそう言うとそれぞれ行くべき方へと歩き出した。
さて、これからどうしようか。周りを見渡すと、ふと一つ大きな山が目に入った。
「そうだな、山登ってみるのもいいかな」
勇斗は早速その山へ向かって走り出す。
今の季節は秋、山に立つ木々は葉を紅や黄色と色化粧していてとても綺麗だ。
そんな紅葉に見とれていると突然、向こうの茂みがガサガサと揺れた。勇斗は咄嗟に身構える、するとその茂みから何かが飛び出してくる。
「侵入者発見!直ちに排除します!」
飛び出してきた者は勇斗めがけて右手に持った剣を振りかざす
「ランダムエンカウント…とか言ってる場合じゃない!侵入者って何!?」
勇斗は慌てながらも振り下ろされた剣を頭上にて両手で受け止める。
「なっ…(こいつ…できるっ!)」
斬りかかってきた者はそのまま後ろへ下がり間合いを取る。
「ちょっ、ちょっと待って!侵入者って俺のこと!?そんなつもりはなかったんだよ。ほら、俺ただの人間だし!?」
「…そうですか、それは失礼しました。私は犬走椛、この妖怪の山の哨戒天狗です。ところであなたはなぜ此処に?」
「い、いやぁなんかこの山見てたら急に登りたくなったもので。あ、俺牧屋勇斗、自己紹介ご丁寧にどうも」
どうやら椛は山に勝手に入ってきた勇斗の事を侵入者だと認識したらしい、まぁ物騒なこともあるし警戒されても仕方ないかと勇斗は思った。
椛の紹介でこの山には守矢神社という神社に行くことになった。勿論道がわからないので椛に同行してもらう。
山を登りしばらくすると向こうの方から何かがやってくるような気配を察知した。
「椛、なんか来るような気配がするんだけど」
「恐らくあの烏天狗ですよ、気にしないでください」
間もなくその方向からその烏天狗がやってきた。
「あやや、椛じゃないですか。そちらは新顔ですがどなたで?」
「牧屋勇斗さんって人らし…」
椛に質問した烏天狗は椛が答え終わる前に勇斗の方に思わぬ速さで寄る。
「あややや!貴方が勇斗さんでしたか。文、取材モード!」
そんなことを言うと烏天狗はメガネをかけ、腕には『取材』と書かれたリングを安全ピンで服の袖に固定し手元にはメモ帳とペンを持つ。
完璧に取材者姿だ、
「あの…取材って、俺の?」
「そうです!あっ、申し遅れました私射命丸文と申します、以後お見知りおきを」
「は、はぁ」
「文さん、勇斗さんが動揺してますよ」
「あや、失礼しました。かなり唐突でしたね」
その後の話合いの結果、文は密着取材ということで同行することになった。
歩くこと1時間ほど、ようやく鳥居らしきものが見えてきた。
「たまには歩って移動するのも悪くないですねぇ」
文は普段移動手段が空中飛行の為かそんな事をつぶやく。
「あっ、見えてきましたね。あそこが守矢神社です、それじゃあ私は山の見回りが残っているのでここで失礼しますね」
「うんありがとう椛」
勇斗は道案内をしてくれた椛に深々と感謝する、椛はとても嬉しそうな表情を見せる。
「それじゃあ行こうか、文」
「はい!この射命丸文!スクープをモノにしますよ~!!」
勇斗と文は守矢神社へ足を進める。
私にとってはあんな起こされ方を異性にしてもらいたいですね。いえ、なんでもないです(真顔)
というわけでヒロインバトンタッチです、読者様から推奨をいただきました、メインヒロインの件ですがある程度キャラ(キャッキャウフフなフラグが立てれそうなキャラ)が出尽くすまでは決定しないことにします。でもその後は1人に確定したいと思うので、理由はまだ駆け出しの物語でありますが他の投稿者様とのクロスをいつかはしたいと思っていますので、その点でメインヒロインを固定しなければならないと思ったからであります。
さて、今回は椛と文が登場しました、次回は話の通り守矢神社が舞台となります。明日は私の通っている学校の創立記念日ということで休みなので明日にでも上げられればなと思っております。